【PS2】ユア・メモリーズオフ〜Girl's Style〜 レビュー
発売元 | 5pb. (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2008-01-31 |
価格 | 7140円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon / YouTube |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
恋愛アドベンチャー 輝くステージ、奏で始めた私のメロディー…。清水マリコさんがシナリオを担当し、よねやませつこさんによるキャラクターデザインの女性向け恋愛アドベンチャーゲームが登場!「月岡 海」を/KAORI、「佐々 俊一」を緑川 光、「市井 清孝」を置鮎 龍太郎と声優陣も超豪華。 |
- 総合ポイント
- 66
- (難易度)
- 2.50
- レビュー数
- 2
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
2pt | 3pt | 4pt | 3pt | 3pt | 5pt | 3pt |
67pt
GOOD!
□オリジナリティー
美人で優秀な姉に苦手意識と劣等感を強く持っていて
過去のある出来事を引きずっているヒロインの設定と
何に対しても冷めている姉との会話、関係は乙女ゲームでは珍しく、異彩を放っていた。
その関係に重点を置いたシナリオもちゃんと用意されている。
告白されて結ばれることがゴールではなく、
交際を始めてからのすれ違いが不安が描かれている。
朝帰りなど、一人暮らしをしている異性との関係性が自然でリアル。
性行為描写にクドかったり狙うような面は見られず、
全年齢ゲームに差し支えないものだから安心して見ていられた。
□シナリオ
いわゆる電波キャラや不可解な発言をする変人キャラが
ただの二次元キャラとしての属性で終わらず、本当に危ない人として扱われたり
不可解な発言の理由も後で説明されるため、無意味なもので終わってない。
ギャルゲー版で見られた、キャラを唐突に死なせるようなこともなく、
地味に伏線が張られていたり、基本的にそつなくまとめられている。
リバースモードという、メインの攻略対象視点で描かれた話が
そのキャラのルートだけではなく、別キャラのルートの分もあったこと。
ヒロイン視点では分からなかった細かい心情がある程度補完出来た。
また、ヒロインの名前がシナリオに少し絡んでいたのは名前固定のゲームならではだと思う。
□グラフィックス
イベント絵が比較的多めで、塗りは綺麗だった。
立ち絵の表示サイズが4段階あって、状況によって頻繁に変わる。
室内のシーンではちゃんと上着を脱ぐ立ち絵になったこと。
□音楽
ある程度サウンド目当てで買ったが、期待通りの出来だった。
シーンを盛り上げてくれるBGMはもちろん、いくつか用意されている歌もいい曲で、使い方も上手かった。
物足りなかったシナリオの満足度を補ってくれた。
□熱中度
全てのEDを見ると既読率が表示されるようになるため、EDをコンプしたら終わりではなく、新たな目的(既読率100%)が出来る。
しかも既読率を100%にするのは容易なことではなく、一部のシーンはなかなか簡単には埋まらないから、繰り返しプレイしてしまう。(難易度が3点なのもそのため)
□システム
繰り返しプレイで欲しい一通りの機能はもちろんのこと、音声再生時はBGMの音量が下がる機能など、まだそれほど浸透してない機能も備わっていて、これ以上ないくらい快適。
オプションに入ったときに、現在のルート・シーンタイトル、それまでのプレイ時間、流れているBGMタイトルなど、一通りの情報を表示してくれるのも便利だった。
特に良かったのは、条件を満たすとシーンリストから直接そのシーンに飛べる上、シーン毎に既読率が表示されること。ADVジャンルでは最高峰だと思う。
BAD/REQUEST
□オリジナリティー
共通ルートはありふれた展開。個別ルートは姉との関係に重点を置いたもの以外はこれといって目新しさもない。
他の乙女ゲームとは違うんじゃないかと期待して買ったため、落胆した。
□シナリオ
キャラにしろ会話にしろ、普通で淡々としているため日常パートに面白みがなく
先の展開が気にならなくてプレイしていて退屈になる。
思わせぶりな描写が多いわりに、真相が大したことがなかったり
膨らませず終わるため、盛り上がりに欠ける。
6つの個別ルートは全て異なる話だが、共通、個別問わず、一部のイベントが被り気味なため
2周目以降は展開が読めてしまう部分がある。
主人公が攻略対象に惹かれる描写はあるが、逆がほとんどない。
最初から主人公に好意を抱いているキャラばかりで、
相手を振り向かせた感が全くないため、恋愛ゲームとしては物足りない。
同性に強く依存しているキャラがいて、人によってはBLだと感じる。(私にもそう見えた)
同性に依存している男キャラを否定する気はないが、「乙女ゲーム」的にもっと上手い描き方があったのではないかと思う。
他のキャラよりもED数が多くて、リバースモードが用意されているメインキャラの話が
特別扱いされるほどの出来に思えなかった。
1キャラ分しか用意する気がないなら、リバースモード前提のシナリオ構成にするか
凝った作りにする気がないなら、攻略対象全員分を用意して欲しかった。
□グラフィックス
一部のキャラが美形設定のわりに美形に見えなったり、顔色が悪すぎる。
演奏シーンがよく出てくるわりに、演奏時のイベント絵は各キャラ1枚しか用意されてないので見飽きてしまう。
約2ヶ月の期間を毎日描いているから、毎日同じ服を着ているキャラたちに違和感を覚える。
ウィンドウカラーとフォントカラーの相性が悪い。
オプションでウィンドウの不透明度を調整しても、見やすくならない。
テキストを読み続けるジャンルなのだから、ウィンドウにも気を配って欲しい。
COMMENT
既読率を上げるため、シーンリストから再プレイしてるうちに、システムと音楽の評価が一段と強固なものになったこと、微妙だと思っていたシナリオの良さも少し分かったので、最初に投稿したときよりも満足度が上がりましたが、それでも物足りなさと残念な気持ちは残ります。
サウンドが期待通りの出来だったため、サントラ(限定版の特典)のために買ったと思えば
購入を後悔する気持ちは起きませんが、娯楽として面白かったか言われると、やはり微妙なところ。
個人的に恋愛ゲームは主人公と攻略対象が互いに惹かれていく過程や
別の異性に嫉妬する部分に魅力を覚えるため
それらがほとんど味わえなかったのも、乙女ゲームとしていまひとつ。
バンドの紅一点といっても、ちやほやされたり特別扱いされることはないし
キャラとの会話は至って普通、主人公も等身大の女の子なので、リアル系の世界観を好む人、
最初から主人公に好意を抱いてるキャラが大好きな人にはいいかもしれません。
しかし、BL要素や重い過去を持つキャラもいるので確実に人を選ぶ内容です。
自信が持てなかったヒロインが自分の居場所を見つけるコンセプトや、攻略対象Aのルートを攻略対象B視点で見られたリバースモード、同じ選択肢を選んでも、好感度によって反応が変わるような細かい作りは好感が持てました。
だから、もし今作が最後の乙女ゲームになってしまったら惜しく思います。
オリジナリティーの強い次回作に期待しています。
GOOD!
・メモオフシリーズ初の女性向けゲームと言う事でしたが、従来どおりの、メモオフらしさが感じられるシナリオは良かったです。
・システム面は相変わらずの親切設定で、ストレス無くプレイ出来ます。
・使用BGMも作品の雰囲気に合ったものばかりで良かったです。特にオープニングテーマ曲がノリの良いアップテンポな曲調で、良い曲だと思いました。
BAD/REQUEST
・ストーリー面は個別ルートに入ると、それぞれ個性が出てきて面白いのですが、それに至るまでの共通ルートが少し長く、間延びする印象です。
もう少しあっさり目にしても良かったかもしれません。
また、良くも悪くも女性向けのシナリオなので、従来の男性ユーザーの方には、つまらなく感じるかもしれません。
COMMENT
・今までのメモオフシリーズとは一味違う作品と言う事で、期待半分、不安半分と言った感じでしたが、総じて満足のいく作品でした。
シナリオ重視の方には楽しめる作品では無いでしょうか?ただし、当たり前ですが、主人公が女性キャラで、攻略対象が男性キャラなので、それでも良いという方限定と言う事になってしまいますが…。
・前作プレイ推奨にチェックを入れましたが、これは舞台設定や、本筋とは関係のない所でのギャグネタなどが、過去作品をプレイしているとより楽しめるという意味です。この作品が初プレイでも、意味が分からないとか言うことは無いのでご心配なく。