【PS3】ワンダと巨像 レビュー
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011-09-22 |
価格 | 3980円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon / (Limited Box) / ICO レビュー |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクション・アドベンチャー ■ プレイ人数:1人 ■ Limited Box:6,980円 |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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4pt | 4pt | 4pt | 5pt | 5pt | 3pt | 3pt |
87pt
GOOD!
このゲームの目的は「16体の巨像を探して倒す」こと。非常に分かりやすい
巨像というだけあって敵はとても大きく、主人公にはどうやっても勝ち目がないくらいの体格差がある
しかし巨像には弱点があり、そこを攻撃することで効果的にダメージを与えることができる
弱点を突くまでのプロセスがユニークで、まず剣を掲げ巨像に光を当てる
すると光は巨像の弱点に集まるので主人公はそこを目指して進む(剣を装備して弱点に近づけば該当する箇所が浮き出るため、光を集める動作はやらなくてもいい)のだが、いかんせん敵はとても大きく弱点は遥か上にある
そこで主人公は弱点に向かって巨像に登ることになる
しかし、相手だってこちらを認識しているので登ればそれを振りほどこうとする
その動作が本当に主人公を嫌がっているように見えて生々しい
掴まる操作はR1ボタン。プレイヤーは落とされないようこれをギュッと押してしがみつくのだが、主人公には腕力というパラメータがあり、相手に掴まっている間腕力はどんどん減少していく
腕力が無くなると主人公は掴む仕草ができなくなり、転落してしまう
よってできるだけ早く巨像の弱点に到達しそこを突くか、途中で休憩し握力を回復しながら弱点を目指さなければならない
この緊迫感は凄い。巨像を倒したあとコントローラが汗でびっしょりだったことが何度もあった
また弱点を突く際の爽快感もたまらない
いわゆる雑魚敵がおらず、敵は巨像のみ
つまり敵との戦闘ではもれなく緊迫感と爽快感を味わうことができる
巨像と対峙したときに流れる重厚なBGMは巨像を掴んだときに勇ましいBGMへと変化し、臨場感も抜群
巨像を倒すと物悲しいBGMへと変化する。最初は意味がわからないが周回を重ねると余計に悲しく感じて辛い気持ちになる
ソフトの雰囲気に見事に合ったBGMだと思う
巨像の体はどこでも掴むことができるわけではなく、主に金属の様な箇所を避け毛にしがみつく必要がある(例外あり)
L1ボタンで巨像に注目することができるので、弱点までのルートを考えるのだがこれがまた面白い
毛は遥か上にありどうやったらあの毛にしがみつけるのだろうと、弓を引いたり敢えて巨像の攻撃を誘ったり逃げ回ったりすることになる
弱点を突いたときに血しぶきが出ない点も良い
そういった表現は苦手なので気兼ねなく思い切り剣を突き刺すことができる
グラフィックスも雰囲気があって美しいと思う
これがPS3用に一から作られたものであったら、息を呑むようなものだったろう
初プレイでは結構難しく、ノーマルモードクリア後のハードモードでは巨像の弱点が増えていて焦り、
さらにハードモードクリア後のタイムアタックでは制限時間内の撃破が困難な敵がいて、何度も挑戦することになった
リマスター版では巨像のフレームレートを固定したことにより、PS2版より攻撃が通りにくくなっているらしい
理不尽だと感じた巨像もいたのだが、何度も挑戦すれば決して不可能ではない
「あーもう、ちくしょう!もう一回だ!」と思える範囲でとてもやりがいがあった
インストール非対応。ロード時間については結構長いと感じたが、頻度が少ないためストレスを感じない
BAD/REQUEST
敵は16体の巨像のみ。なのにフィールドが無駄に広い
あくまで巨像との戦闘がメインのソフトなので、敵の元にたどり着く前に迷ってしまってストレスを感じることがあった
しかもマップが非常にわかりにくい
良く言えば手書き感のある味のあるマップなのだが、正直見にくく道がいまいち把握できない
目的地、地名、何もかも親切に載せろとは言わないがもう少し見易くして欲しい
「無駄を削ぎ落としたゲーム」と評されているらしいが、私はそうは思えなかった
早く巨像と戦いたいのに、無駄に移動時間が掛かる
ただ、目的なしにオープンフィールドを駆け回る楽しさを否定するつもりはない
さらにエンディングが無駄に長い
序盤から終盤まで、ストーリーの展開というのが殆ど無いのだが、エンディングで一気に進展する
コントローラを置きふむふむと見入っていたのだが次第にちょっと長いなと思い始めた
スタッフロール中は既に飽きて携帯をいじっていたのだが突然ゲームが止まってしまった
ワイヤレスコントローラの自動オフが作動したようで、画面に「接続してくだい」という注意が
エンディング中もカメラやキャラを操作できるらしいので、そうすれば接続は切れなかったのだろうが、操作したいと思わなかった
ここまで長くしなくても良かったのでは。スキップできないのも辛い
巨像を倒すプロセスの楽しさを良い点で挙げたが、後半はちょっと意地悪に感じた
巨像に登る前に謎解きパズルゲームのようなことをしなくてはならない
巨像に登って倒すことが目的のゲームに謎解きパズル要素は必要ないと思う
良い点にロードの頻度の少なさを挙げたが、セーブ時間の長さについては気になった
カメラワークがいまいち。ここぞというときにそれはないだろという視点に切り替わったり、障害物に引っ掛かりガタガタと揺れたりして思うようなプレイができないことがあった
COMMENT
評判の良いソフトなのでいつかはプレイしたいと思っていたところ、HDリマスターが発売されたので購入した
ICOとのセットを購入しICOが期待外れだったのでしばらくプレイせず放置していたのだが、いざ始めると想像以上に面白く大変満足した
恐らく初めてプレイする人は結構難しいと感じると思うので、簡単ではないという認識を持っていた方が良いと思う
個人的には大変やり応えがあり、無駄な要素も楽しさの一部に取り込んだ素晴らしいゲームだと思う
リマスターで発売されなかったら私はこのソフトをプレイする機会がなかっただろう。「海外で評価が高いソフト」は「日本では受けない」と思っていたのだが、これは例外だ
本作をプレイできて幸せだったと感じている
PS2版未プレイ
液晶32型HDMI接続
トロフィーコンプリート
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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4pt | 4pt | 3pt | 4pt | 4pt | 3pt | 2pt |
75pt
GOOD!
・すばらしい箱庭感
荒廃したりしてますが、広大な土地に渓谷や森や海などがあり
アグロと一緒に見て駆け回るだけで楽しかった
・かなり大きく色んなパターンの敵がいる
敵は巨大で闘うシチュエーションは色々あり楽しいです
・映像が綺麗
元はPS2のゲームですがリマスターのおかげで綺麗に仕上がっていると思います
・音楽が良かった
戦闘シーンの曲が印象に残り、何故か料理中に口ずさむくらい好きになった
・単純に斬りつけるのではなく少し頭も使う戦闘が楽しかった
考えて何かアクションを起こして闘います
攻略サイトは見ないのを推奨します
時間が経てばヒントも教えてくれるので詰まることもあまり無いと思います
それに自分で解けたときが爽快でした
・雑魚敵が出ないので世界に浸れる
戦闘以外はゆっくりと世界を見て回れます
BAD/REQUEST
・ハードモードのタイムアタックが難しすぎてクリア出来ません
私の腕の問題ですが難しすぎてクリアを断念しました
ハードタイムアタックだけなら難易度4以上としてもいいかもしれません
・ボス敵16体のみなのは少なくて残念でした
クリア後はもっと色んな巨像を見たい
16体は少ないと感じました
私みたいに世界を見て回るのが好きな人ならクリア後も楽しめるかもしれませんが
そうでない人はボスをひたすら倒すだけなので飽きが早いかも
COMMENT
独特の世界観大好きです
私はアクションゲームは上手くありません
ですのでアクションが下手な人でも慣れたらノーマルモードなら十分楽しめるかと思います
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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5pt | 4pt | 5pt | 4pt | 4pt | 3pt | 3pt |
80pt
GOOD!
<無駄をそぎ落としたゲーム性>
ストーリー、設定、システムとにかくシンプル。シンプルだが単純ということではなく無駄のない深さ。静寂、発見、空気感、そして戦闘の迫力、無情さ。そういった訴求ポイントが物凄く深く研ぎ澄まされている。”究極”を目指した感がひしひしと伝わってきて心地よい。
<しっかりこだわったHD化>
単純なHDエミュではなく、ポリゴンの縁のギザギザが目立たないようアンチエイリアス処理が施されている。その効果は絶大で、軟らかい表現がゲームの雰囲気を維持しつつしっかりHDの高精細化が成されている。インターフェースもHD用に最適化されており見易い。フレームレートがオリジナルは可変的で巨像との戦闘中などは20FPS以下かと思えるほど低下したのだが本作は30FPS固定。その差は歴然で非常にプレイしやすくなった。さらに上の60FPSでのぬるぬるとした動作も見てみたかった気がするが・・・。とかくオリジナルのスタッフがしっかりこだわってリファインされた本作は安心して手に取ることができる。
<今見ても見劣りしないキャラデザイン・モーション>
ワンダや愛馬アグロのモーションは非常になまめかしくリアリティにあふれる。今見てもまったく見劣りせず、下手したら半端な現在のゲームをしのぐほどのクオリティ。また巨像の存在感・重圧感・圧倒的な迫力は現在でも唯一無二かもしれない。16体どれも個性的で洗練された造形である。
<再設計された迫力のサウンド>
音声も5.1、7.1chにリマスターされ、非常に迫力がある。サラウンド効果も抜群で静寂時の森のせせらぎ、環境音から巨像との戦闘時の重低音・地響きなどの抑揚もばっちり表現。ゲームの世界を堪能するのに一役も二役もかっている。ぜひ大音響でプレイしてもらいたい。
BAD/REQUEST
<スタートメニューの文字が横伸び>
1点、HD化に際して首を傾げたくなるのがココ。スタートメニュー内の文字が横に長体をかけたように横伸びしており、無理にスクイーズさせたような状態になっている。読みづらくはないが違和感あり。字幕などもフォントはそのようなことにはなっていないので、どうしてこうなったのが疑問が残る。
<オートセーブを実装してほしかった>
システム回りは手を加えられていないのでセーブも当時のまま手動で行う。巨像を1体倒すごとに「セーブしますか?」と聞いてくるのだが、ならばオートセーブする仕様に改善してほしい。やりこみのタイムアタック時も記録更新ごとにセーブするには石碑を往復せねばらなず非常に不便。オリジナルを大事にしたいというのはわかるが、こういった利便性の部分は改善してもオリジナルを乱すことにはならないのでは。
<追加要素がほしい>
ここもHD化が主題の本作にとってお門違いな指摘かもしれないが、オリジナルのまま+追加要素があってもよいのでは。ゲームバランスを崩すものは蛇足だが、たとえばタイムアタックのオンラインランキング、他のプレーヤーのリプレイが閲覧できる、などの要素が欲しかった。巨像のビューワー機能などもあればファンには嬉しいポイントとなった。
COMMENT
当時PS2で発売日に購入し、圧倒されたのを覚えています。再度プレイしなおしましたが、いまでもプレイしていて鳥肌が立ちました。そして秀逸なエンディングでは胸が熱くなりました。何度体験しても衰えることのないゲーム体験が可能な稀有なタイトルだと思います。HD化ということで、メーカーからの商業的な側面ばなりを邪推してしまいがちですが、本作は「名作を現行機で伝えたい」というクリエーターの本意がひしひしと伝わってきます。安易な「小銭稼ぎ」のHD化ではなく、本作のような気概でのHD化は大歓迎。HD化のお手本になるような出来栄えだと思います。追加要素こそありませんが、それはオリジナルが完全に完成しているから故かとも思います。
Amazonレビュー
レビュー日: 2011-11-01
いや、これは凄い。
100インチの大画面から立体視で見上げる巨像の巨大感にぶっとびました。
重厚な音響とゆったり地面を蹴散らして力強く動く様、
ハリーハウゼン監督作品の巨獣が出てくるシーンに似てますかね。あれが3Dという感じです。
頭部までよじ登って巨像に振り回される時の高所感もビシバシ感じます。
ゲームは最初の取っ掛かりが難しいです。どこへ行けばよいか、どうやって移動すればよいかなど。
最初はぴゅっと1体目までの攻略法を見てしまった方が良いです。その程度ではこのゲームの価値は失われません。
内容は戦いというより思考系ジャンプアクションですね。
大画面3D環境が無駄ではなかったと思えた作品でした。
GOOD!
■グラフィック
PS2版は未プレイなので、比較は出来ないものの、特に不満を感じることもなく概ね満足の出来。このゲームはHDリマスターなので、他のHD大作ゲームと比べれば、当然ディティールに劣る部分があるとは言える。だが、同時に肝心なのはそこに実際に映し出されている世界観やアートワークの方で、HDの開発費高騰等のよくある業界話は実は然したる問題ではないこともこのゲームは証明している。別に高度なグラフィックがなくとも、印象強い世界観を構築することは可能と言う事実をこのゲームは確かに証明している。
■馬(乗り物)
このゲームでは、巨像との戦い以外は、ただひたすら相棒の馬と共に地を駆ることとなるが、この馬の操作性や挙動に関しては、いい意味で「扱いづらく」調整されている。多少難易度が高い操作性の為、最初こそ取り扱いが難しいが、慣れてくると普通に操作出来る様になってくるので、取り扱いにうまくなってくるとちょっとした達成感と喜びがある。また、乗馬時の爽快感も他のゲームでは味わいがたいものがあり、特にこの馬と共に疾走しながら弓を用いて戦うボス戦は、特筆に価する程面白い。
BAD/REQUEST
■カメラ
ICOと同様、こちらのゲームもカメラの動作や挙動がよろしくない。特に巨人戦闘時のカメラに至っては、プレイヤーの動作そのものを阻害することすらしばしばあり、お世辞にも良い出来とは言えない。ただ、このゲームはICOと違い、オプションでカメラの補正や調整が可能なので、ある程度自分に合ったカメラ設定にすることは出来る。
■アクション
あまりICOから改善されていない部分であると言わざるを得ない。初心者でも誰でもアクション可能と言うコンセプトの元、アクション性をシンプルにすること自体には何も問題も間違いもないのだが、それ以前に、操作性や挙動そのものに問題がある。一言で言うと、移動やクライミング、攻撃、馬への騎乗を含めたどのアクションも「有効範囲、適用範囲が明確でない」と言う印象が強い。その為、メリハリ感をアクションに求めることが出来ず、アクションから爽快感や確実性を得ることが出来ない。この点については、シンプルなアクション性だからこそ、しっかりと調整して欲しかった。
また、ローリングの使い道がイマイチよくわからない部分もある。巨像との戦闘では、地上に居る限りは、おおざっぱな攻撃を避けるだけとなり、あまり細かい操作を要求されない為、ローリングの使い道がほとんどない。(少なくても初見のボス戦では、馴れた上級プレイヤーでもない限り、それを具体的に用いる術がほぼ無い。)もう少し、積極的にローリングが使用出来ると良かった。
■ボス戦
全般的にかなりおおざっぱな戦闘であると言え、作業感を感じる戦闘も多かった。ほとんどの戦闘で、「この巨像はこの方法で登る」と言う「戦闘順路」が決まっている為、二度三度と巨像に登ったり掴まったりする場合は、繰り返し作業にしかならない。また、その方法と戦闘順路を把握してしまえば、巨像から攻撃も何も食らい様がない為、ある程度クライミングや掴みの立ち回りを理解していれば、初見でもあっさり巨像を倒せてしまう。プレイヤーにもう少し選択の余地を持たせて、巨像に登ったり掴まったり出来ると良かった。
COMMENT
ICOのHDリマスターと一緒に購入しました。世界観については、ICOと近い部分が多いと思う反面、自分が予想していた程には、雰囲気重視の世界観でもありませんでした。ただ、やはりICOもこのゲームもそうですが、物語性や社会性、他者との関わりが希薄である分、ややもすると、箱庭的妄想に直結しかねない部分があるので、自分の場合、その部分でその世界へ没頭することへの危惧が自動的に働いてしまう面が多いです。
「そういうゲーム」「それがこのゲームのオリジナリティ」と言う解釈も理解は出来ますが、そろそろ、その手のノリの作品も各ジャンルで終焉を迎えているのも確かですし、その定義のままニッチ化してしまうのも惜しいとは思いますので、次作のトリコではその辺をうまく解消出来てれば良いなと個人的には思います。(ただ、エンディング時の主人公の終末等は、いい意味で漫画アニメっぽく、また、主人公の熱さや葛藤を若干でも感じることが出来る演出があり、自分としては少しほっと出来た部分でもあります。)
また、シンプルな物語性も手伝ってか、ゲーム進行もそれに引きずられてあまりにもシンプル過ぎる構成になっていたのは、マイナス点です。祠→乗馬→ボス→祠の繰り返しで、全般的にゲームのテンポがかなり単調に陥りやすく、飽きやすいゲーム性である点は否めません。「探索」の面白みも理解してるつもりですが、このゲームの場合の探索は馬に乗って各地を駆け巡るだけになってしまうので、次回作では、各地で人との出会いや小イベント等があれば良いなと思います。
最後に、私の採点につきまして、厳しめの点数として多くの人の目に映るかも知れませんが、今の時代に真っ向からこのゲームを評価するのなら、自分としては、この位だと思っております。