見た目どおりのキャラ萌えゲーですが、ヒロインに無理やりメイド服着させたり、「おにいちゃん」などと呼ばせたりすればプレイヤーは萌えるだろうという安易な考えのもとにつくられているようです。ヒロイン以外の登場人物は立ち絵やボイスどころか台詞すら存在しないようで、何もすることのない主人公はヒロインを追っかけまわすだけ。両親を失った主人公やヒロインたちの背景に関してもほとんど掘り下げられていません。ストーリーもないに等しく、オリジナリティーとして評価する要素はどこにもないです。
ヒロインは４人しかいないのに、２人いる青っぽい髪のヒロインのデザインが似すぎで最初は区別がつかないです。また、原画担当が異なる新規追加ＣＧも違和感ありです。グラフィックスは全体的になかなか良いとは思いますが、キャラ萌えゲーなのでこの程度ではせいぜい基準点レベルでしょう。
ボーカル曲はＯＰの１つだけ、ＢＧＭも１５曲と少ない上に、印象に残った曲は１つもないので音楽は低評価です。
セーブ時間が長い上、マップ移動を行うとテキストログが消去されてしまうのはいただけません。
主人公やヒロインたちの頭が悪すぎで、会話もかみ合っていないのでプレイしていて苦痛です。着替えを覗かれたときの反応や、意味もなく物と会話するなど、ヒロインたちの行動や心理が理解不能で魅力をまったく感じません。主人公も突然キレるのは勘弁してほしいです。一日に３回もマップ移動がありますが、一つ一つのシーンも単発で短すぎで、内容の整合性もありません。一度出会ったヒロインと別れた後にもう一度会いに行く意味もわかりませんし、３回目のマップ移動で夜遅くに用事もなくヒロインの元を訪れるなんて、いくらなんでもおかしすぎます。そもそもマップ移動で移動先を選択する際にいちいち、「○○（ヒロインの名前）のところに行くことにした」というテキストを表示させる意味があるのでしょうか。
ストーリーは終盤になってもまったく盛り上がらずに終わりますが、このくらいは些細なことです。ありえないのは、テキストとシチュエーションを使いまわしていることです。序盤の会話シーンはまだしも、ヒロインを口説くシーンが全員同じなのには絶句します。主人公の台詞はヒロインの名前が違うだけで、ＰＳ時代のギャルゲーでもこんなシロモノは見たことありません。最終選択肢もふざけています。ここまでヒロインに付きまとっておいて、主人公がヒロインを振る選択肢が出てくること自体、プレイヤーをバカにしている証拠です。いくらキャラ萌えゲーだからといっても、テキストをまともに読む価値はなく、ストーリーには評価に値しません。もちろん満足度の評価も０点です。
二股ルートもありますが、１プレイ１時間もかからないと思われる短いストーリーと、ヒロインは４人だけというボリュームの薄さで、熱中度の評価も０点です。