【PS3】二ノ国 白き聖灰の女王
発売元 | レベルファイブ (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011-11-17 |
価格 | 8800円(税込) |
レーティング | 【A】全年齢対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:ファンタジーRPG ■ プレイ人数:1人 【オールインワン・エディション】 ■ 発売日:2012/07/19 ■ 価格:3,980円 通常版にDLCを同梱した廉価版です。 |
GOOD!
【ボリューム】
メインとなるストーリーのほか、モンスター討伐やお使い系のサブクエストが豊富です。ストーリーを進めるたびに受けられるサブクエストが増えます。それらを消化しつつ進めてクリアまでおよそ50時間といったところです。
さらに、クリア後にのみ受けられるクエストあり、作業を強いられるもののやりこみ甲斐のあるトロフィーありと、十分すぎるほどのボリュームがあります。
【戦闘】
シンボルエンカウント形式。
メンバーは3人ですが、各人が3体の「イマージェン」、早い話モンスターを使役して戦闘に臨みます。200種をゆうに超えるイマージェンにはそれぞれ得意な攻撃法(物理・魔法)や敵との相性、彼らを使役する人間との相性が設定されていて、相手や状況に合わせて戦闘方法を構築していく楽しみがあります。
プレイヤーは3人のメンバーのうち一人を操作し、後の2人はAI操作です。もちろん戦闘中に自由に操作キャラの入れ替えが可能です。
戦闘はリアルタイムで進行します。コマンド選択中でも時間は進行しますが、どの敵を攻撃するか選ぶ時・アイテムを選ぶ時・操作キャラを変更する時などは時間が止まり、おちついて選択が出来ます。ボタンひとつでパーティ全体の攻守を切り替えできるほか、ドラクエで言う「ガンガンいこうぜ」「いのちをだいじに」等に相当する作戦を立てることが出来ます。普段はガンガン攻めていき、敵が全体魔法を仕掛けるそぶりを見せたらボタンひとつで防御を指示、後に反転攻勢をかけるなど臨機応変な対処が必要になります。
【ストーリー】
とにかく王道、ジブリらしい冒険活劇といった感じです。
悪の魔導士にこころのカケラを奪われ「ヌケガラビト」となった人々を救いながら旅をする少年たちの物語。王道といいつつも単純な勧善懲悪ではなく、善から悪へと移り変わる人の心の脆さや、人と人との心の繋がりを丁寧に描いています。
「ヌケガラビト」となった人は、人として大切な心の一部を失っています。例えばやる気を失い無気力となった人には、やる気にあふれる人から「やる気」の心を分けてもらいそれをヌケガラビトに与える。そうしてストーリーが展開していきます。こころのカケラには「やる気」のほか「勇気」「がまん」「やさしさ」など数種類ありますが、ストーリー後半に「○」や「○」(あえて伏せておきます)を持ってくる所がにくい演出だなと思いました。
【音楽】
久石譲氏の音楽はケチのつけようがありません。
特に印象的なのはフィールドBGM。冒険者の期待と不安を煽る壮大な曲調は、かのドラクエシリーズにも引けをとらない秀逸なものと言えます。
【移動手段】
徒歩、船、空飛ぶドラゴン。船やドラゴンは目的地を指定するのではなくちゃんと自分で操作できます。物語の早い段階でテレポートの魔法が手に入り、一度訪れた街やダンジョンに瞬時に移動できます。
【グラフィック】
ジブリらしい暖かみのある表現で彩られており、大人から子供まで年齢問わず楽しめます。イマージェンのしぐさがいちいち可愛い。
BAD/REQUEST
【ボリューム】
トロフィー獲得の為、レアアイテムを取得する必要があるのですが、これが敵から盗むかドロップでないと手に入らないものがいくつかあります。しかもドロップ率は低いし、該当の敵自体がなかなか出てこない。運が著しく絡むものをトロフィーの取得条件に入れないで欲しい。ボリュームを無駄に水増しされているような気がして少々不快です。
【戦闘】
低難易度でも意外と難しい、リアルタイムバトル。
敵が特技を使う時、前兆が視認できるようになっているのですが、中には詠唱時間が極端に短い特技があり防御が間に合わないことがよくあります。状況によっては画面外で特技の準備をしている敵がいるので、バトル中スティックで周囲を見渡し、気を配らなければいけません。
また、味方AIはあまり賢いとはいえず、無駄にMPを消費してはプレイヤーを困らせます。さくせんの変更が戦闘中でしか行えず、またアイテムの使用やさくせん変更はイマージェンでなく人間キャラクターからでしか行えない。キャラを変えて、さくせんを変えて、アイテムでMPを回復して、イマージェンと交代して・・・といった感じで、とにかく手元が忙しい。子供にはちょっと難しいのではないか。(まあ子供は順応力高いから平気かな??)
【音楽】
戦闘中の音楽は完全ループでなく、曲が終わった後再度頭から流すので、2秒くらい無音の時間が出来てちょっとしらけた感じになります。
【移動手段】
徒歩時の移動速度が少し遅いですね。一応速度UPする方法はあるのですが、たいした効果は得られません。
ドラゴン搭乗中にメニュー画面を開けないのが地味につらいです。
【その他】
オリバーの母親役の演技。出番はそう多くないがそれなりに重要な役どころなのに、演技する気すらないのではないかと疑いたくなるひどさです。
COMMENT
一部界隈では真のドラクエなどと呼ばれているそうですが、その呼び名に相応しい王道的RPGでした。JRPGらしく、レベル上げをしないとストーリー進行がきつくなる部分が多少ありましたが、そういう時はサブクエストをこなせば自然とレベルが上がり、十分な装備を整えるだけのお金も手に入るようになっています。JRPGの伝統を踏襲しつつも、その悪い部分まで引き継がなかったところは見事といえます。
タレントを声優に起用した点については、まあジブリだし、作品の世界観を著しく崩しているわけでもないし、別にかまわないのではないでしょうか。私としては、マル役の人でぎりぎり許容範囲でした。棒には違いないがよーく聴くと一応演技をしていることはわかるし、何より声自体はキャラにあっていると思いますので。とはいえ、出演されている方の多くはジブリの中でしか通用しない演技となっているので、その辺にうるさい方はちょっと耐え難いかも?
最後に・・・「マジックマスター」にはこのゲームの良さがぎっしり詰まっています。是非じっくり読みながらプレイしてみて下さい。