PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

【ボリューム】
オープンワールド特有の収集要素（アイテムやイベント）が
そこかしこにあります。特定のイベントをこなすと
収集物がマップに表示されるようになるので収集作業が楽になります。

【戦闘】
格闘＆TPSでの銃撃戦がありますが、格闘をしている時間の方が
明らかに長いです。
格闘は『バットマン アーカムアサイラム』に似たシステムです。
敵の種類がボクサータイプ・組み技タイプ・武器持ち・それ以外の雑魚と
分かれていて、それぞれ対処法が微妙に異なります。
これらを同時に相手にするので、単にボタンを連打するのでなく
臨機応変に対応する楽しみがあります。
周囲にあるものを利用してトドメをさす「フリースタイルフィニッシュ」も
見所。なかなかの過激さです。

銃撃戦では、カバー場所から飛び出した時にスローになる演出が良い感じです。
スロー中の銃撃で華麗に敵を倒すことができます。
また、半自動？ロックオンなのでTPS初心者でもそう難しくないと思います。

【ストーリー】
パッケージの売り文句通り、香港映画的なストーリーとゲームを
うまく融合できていると思います。
さらに特筆すべきなのは、ストーリーに無駄がほとんどない事。
どうでもいいミッションで水増しをせずに、わかりやすく且つ
ドラマチックに仕上げています。
主人公は、潜入先のマフィア構成員のために感情をあらわにする
熱い部分を持っており、潜入捜査官としてはやや危ういが好感を持てる男。
おまけに口が達者で女にモテ、カラオケも上手い（笑）

【音楽】
この手のゲームでお馴染みのカーラジオですが、
他ゲーと大きく違うのは中華ソングの多さですね。
大陸情緒溢れる音楽を聴きながら香港の街を流す…最高の気分です。
カスタムサントラにも対応しています。

【移動手段】
車とバイク、船。飛行機は無し。
そこら辺で走っているタクシーを拾うとファストトラベルができます。
車の操作感はわりとゲームチックで扱いやすいです。

車の操作で特徴的なのが、□ボタンによる体当たりです。
これはギャングの車に攻撃したり、警察の追跡を振り切るために
使う操作で、車1台分程度横にスライドします。
この操作とサイドブレーキを合わせると、かなり無茶な運転が可能です。

【グラフィック】
奇麗なオフィス街から小汚いマーケットまで、香港の街並みが細かく
造られています。

【規制・ローカライズ】
日本語吹き替えではありませんが、アジア人が喋るなまりのある英語が、
いい味を出しています。吹き替えにしなくて大正解だと思いました。
規制については事前に調べませんでしたが、
特に違和感を感じませんでした。
ただ、文字の小ささだけは如何ともし難い。
この点は洋ゲーローカライズの宿命ですね。

BAD/REQUEST

【ボリューム】
展開がめまぐるしく変わっていく、飽きのこないストーリーですが
あまりに短かすぎます。
収集要素も同類のゲームと比べると少なめです。
（収集については丁度いい量と言えなくも無いですが。）

【戦闘】
格闘・銃撃どちらも難易度が低すぎますね。
格闘は基本カウンター待ちでOKです。
私は先述のバットマンをプレイした際、カウンター無双だなーという
印象を持ちましたが、あれよりも酷いかも知れません。

銃撃戦は更に簡単です。
敵は銃を構えてもすぐに発砲せず、1秒くらい静止しているので
その間にヘッドショットを決めていけます。
他のTPSのように、頭を出したら即弾が飛んでくる事は殆どありません。

【移動手段】
タクシーに乗りたい時に限って、近場を走っていないことがよくあるので、
長距離移動の際にちょっと不便です。

【グラフィック】
遠景がぼやけてしまっているのは恐らくわざとでしょうが、
100万ドルの夜景が色あせてしまっているのは勿体無い。

【その他】
a)盗聴・鍵開け・ハッキングのミニゲームが多くて煩わしいです。
収集物で、街中至る所にダイヤル金庫が配置されているのですが、
開ける度にミニゲームをさせられるのはちょっとキツイ。

b)欠点というほどではないが、グロ・エロ(というか下ネタ)が
ややキツめです。普段映画をよく見る人なら視聴に耐えうるでしょう。

COMMENT

クライムアクションはGTAやセインツロウを初め、色々リリースされていますが
ゲーム性においてそれらを上回るものを感じませんでした。
ストーリーこそ良くできているものの、この程度のボリュームでは
香港映画を借りて見たほうがマシ、と思う人もいるかも知れません。

同類のゲームと比較して、本作のアドバンテージといえば
香港の空気感を高いレベルで再現している点です。
ビジュアルはもとより、言語・音楽・カンフーアクションなど
様々な要素が絶妙にからみあい、本作の個性を作り上げています。
今後はそれを活かすことで、GTAやセインツロウに匹敵するシリーズに
育っていって欲しいと思いました。