PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

　まず今作は、6を基盤とした作品になっています。基本的に、システム・グラフィック関連では、従来のナンバリングの2→3、3→4といったような大きな変化はなく、6のものに足し合わせていった感じだと思ってもらえばいいかと思います。
　そこで私は、システムの面に関して、6からの大きな変更点・追加点に観点を置いて記述していきたいと思います。


○過去最高の爽快感
敵の群がる数などはほぼ6同じようなものになっていますが、敵の表示数が相当上がっていると思われます。6では敵が密集している状態で無双乱舞を発動するなどして敵を一掃すると、一呼吸おいたら 周囲に表示しきれていなかった敵兵がパッと現れる、所謂ステルス現象が問題となっていました。これが今回はほぼ改善されており、ほぼ発生しません。全く気にならないレベルです。
　更にかなり遠方の敵まで表示されるようになっているので、一度に表示される敵の数は、おそらくシリーズ最大級だと思われます。狭い砦内や、火計が起きている場合に限り、多少の処理落ちが発生しますが、そこまで気にならないレベルです。1000人斬りなども多くのステージで達成可能で、ステージによっては3000人以上も簡単に達成できるので爽快感は過去最高です。


○士気ゲージの復活
　6で突然廃止された士気ゲージ。公式の情報では内部処理では士気が存在するとのことでしたが、やはり表示がないと現在の戦況がはっきりと分からないので、味方の敗走するタイミングなども分かりづらかったと思います。今回では従来通り、士気ゲージが復活したので戦況がよく分かります。

○ストーリーモード
　かなりのステージが用意されており、相当なボリュームがあります。魏呉蜀に加え、前作から追加された晋伝、更に今回は他伝も追加されています。そして大きなポイントとなるのがIFストーリーというもので、特定のステージで特定の条件（例：○○敗走前に○○を撃破し、○○の作戦を成功させる等）をクリアすると史実ストーリーと分岐し、本来とは違う展開となる、というものです。斬新な試みですが、よく練られていて良かったと思います。そしてこのifの条件となるものが意外と難しいもの多く、達成感も得られると思います。
　また6ではストーリーモードでの操作キャラはすべて固定されていましたが、今回はステージ毎に2〜4人の中から一人選んでプレイ出来るので、そこも嬉しい点ですね。


○武器の大幅追加
　今作の新武器として22種類の武器が増えています。武器システムは6と同様ですが、6では得意武器（＝EX攻撃が発動可能な武器）が何人かの武将でかぶっていましたが、今回は全員異なる武器で、登場キャラ全77人に対し、得意武器が一人一つずつ割り振られています。武器はすべて異なるモーションなので、77モーションが用意されています。過去最大級のボリュームですね。色々なモーションで楽しむ事が出来ます。

○新アクション
　全員の無双乱舞が3つとなりました。ジャンプチャージ攻撃が復活しました。更に新たな「覚醒乱舞」「ヴァリアブルカウンター」「ストームラッシュ」が追加されました。
　乱舞については全員が地上2つと空中1つの3つとなり、平等になりました。広範囲技、集中技、投げ技、突進技、色々あるので戦況に応じて使い分けられます。
　ジャンプチャージに関してはコンボの締め、追撃、高所からの奇襲など幅広く使えます。戦国のようなドスンと地面に着地するものが基本ですが、武器によってモーションは様々なので性能を比べるのも面白いでしょう。
　「覚醒乱舞」は従来の無双乱舞のように○ボタンを押しっぱなしで続けるタイプの物です。懐かしくもあり、新モーションなので新鮮です。また一度に大量の敵を巻き込めるので一気に数百人撃破、なんてこともしばしばあるでしょう。
　「ヴァリアブルカウンター」は特定の敵将のチャージ攻撃に対し、タイミングよく武器を武器チェンジを行うことによって、一瞬の無敵状態＋自己強化、また前述した覚醒乱舞の発動に必要な覚醒ゲージを大量に貯めることができます。「ストームラッシュ」は広範囲にラッシュ攻撃を繰り出し、締めに吹き飛ばします。発動中は無敵です。かなり爽快です。

BAD/REQUEST

×新アクション
　GOODにも書きましたが悪い部分もあります。
　まずストームラッシュについてです。効果自体はいいのですが、任意で発動するのではなく「自動で」発動されます。最後に吹き飛ばしてしまうのでコンボが途切れてストレスが溜まります。発動したい時に発動すると嬉しいのですが、したくない時にも勝手に発動するのでかなり厄介です。任意発動できたら最高でした。
　続いて覚醒乱舞。威力があまりにも高すぎます。調整ミスか？と思うくらい威力が高いです。普通に戦っても全然削れないような攻撃力でも、覚醒乱舞さえ発動すれば一瞬で溶ける、とう感じです。こちらも今作のバランスブレイカーとなっているのですが、自制すればいいものでもありません。覚醒乱舞で敵兵を倒すと経験値アイテムを落とすので「たくさん使った方がお得」なのです。
　そして6で出来た「ヴァリアブルキャンセル」が廃止された武器が沢山あります。ヴァリアブル攻撃を軽功でキャンセルするテクニックでしたが、何故か殆どの武器でこれができなくなっています。理由は不明です。別に不要なものでもなかったと思いますが、廃止する必要はあったのでしょうか、それともミスなのでしょうか。ヴァリアブル攻撃に限らず、一部C攻撃では軽功が出来なくなっている物があります。
　また、当たり判定がおかしい技がある、攻撃エフェクトや衝撃波エフェクトが消える、と言った細かい不具合もあります。気になる人には気になるのではないでしょうか


×武器の仕様
　武器につく属性の仕様なのですが、相当酷いものになっています。種類は全40種類あり、武器に付与されるのは最大で6種類のみです。従来の炎や氷などの効果の属性に加え、瀕死状態に強化、特定の状態で攻撃力増加、攻撃力低下するが防御力増加、ガード崩し耐性といった特殊なものが全て武器の「属性」となっています。一見すると問題はないように見えますが、武器に付与される属性を選択する手段がありません。通常、武器を入手するには店で買う・武将からドロップといった方法がありますが、付与されている属性は全てランダムに決定していますので、自分の希望の属性を選択することはほぼ不可能です。
　進行する事によって、武器の強化が出来るようになりますが、強化する度に属性が全てランダムで書き換えられます。数種類の中から選ぶのでしたら楽でしたが、今回は「何故これが属性なんだ？」といったものが非常に多く、それらのせいでお目当ての属性が来る確率は相対的に下がってしまう形となっています。この仕様はあまりにも酷いのではないでしょうか。
　また武将を倒すごとに武器をドロップするので、すぐに手持ちがいっぱいになります。破棄・売却することもできますが、数が多いのに複数選択・一括売却などができず、ソート機能などもありません。必要なものとそうでないものを管理するだけで相当時間がかかります。武器の管理が不便すぎです。管理するだけで非常に時間も掛かりますし、テストプレイしたのかと疑うレベルです。

×属性の仕様
　前述の通り武器の仕様が最悪ですが、その根源たる属性も相当酷いものとなっています。強すぎるもの、弱すぎるもの、効果が発揮されているか分からないもの、バランスがあまりにも悪すぎる。そして前回6であった割合ダメージ＋ガード無視の属性ですが、今回もまた割合ダメージ＋ガード無視を継続してバランスブレイカーとなっています。4以前も割合ダメージはありましたが、最近の作品ほど高威力ではありませんでした。今回の割合ダメージは高レベルだと難易度修羅の敵将の体力を10割削ります。4以前では精々2割3割だった気がしますが、これはやりすぎな気がします。自制すればいいだけの話と思われるかもしれませんが、今回の武器の仕様上、自制できないのが問題です。
　それから、毒によるダメージ、敵を爆発させる、といった効果の属性が存在しますが、比較しても属性の効果が全く発揮されていないことが分かります。こちらはもしかしたらパッチで修正されるかもしれませんが。
　また発動率が極端に低いものや効果が分からないものなど、実用性は皆無と言えるような効果の属性が20種類以上あります。

COMMENT

　無双シリーズは三国、戦国、OROCHI全てプレイ済です。

　かなり楽しめています。しかしシステム・インターフェイス周りでかなり悪い面が目立つので、惜しい作品だとは思います。取り敢えずシリーズが好きな人、6が楽しめた人は買って損のないものとなっていると思います。爽快感は過去最高です。