このソフトのレビューを書く

【PS3】パペッティア

発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメントオフィシャルサイト
発売日 2013-09-05
価格 5980円(税込)
レーティング 【A】全年齢対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:アクション
■ プレイ人数:1〜2人
■ ダウンロード版:4,900円



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
5pt 5pt 4pt 5pt 5pt 4pt 2pt
総合点
95pt

GOOD!

▼オリジナリティー(5pt)

・(人形)劇というコンセプトがとても良いです。
 ほんとに劇場に来た気分になり、ワクワク感がすごいです。
 ストーリーはシンプルですが、演出がとても良く、
 最後まで飽きることがなく、没頭できました。

・劇なので、観客がいます。
 いいアクションや、隠し通路や隠しアイテムを発見した時には、
 歓声が上がり、テンションが上がります。
 今いい事をしたと、とてもわかりやすいです。
 また、アクションによって面白い事が起こると、
 笑い声が上がったり、放置してると、咳払いする人がいたりと、
 芸が細かいです。

・劇ならではの、ユーモアな演出があります。
 例えば、敵を倒したとしても、それは死んでいるのでは無く、
 死んだ演技をしているという事になります。
 幕が降りた後に、「もう起きていいの?」とか喋っちゃったり、
 止めを刺した時に、「ちょっとやりすぎだよ!」とか本音が出たり(笑
 シリアスな展開があっても、ああ、これは劇なんだと思わせてくれます。
 倒れている人が、いきなりミュージカルを始めちゃうとかもあります(笑
 また、途中途中アドリブや失敗?もあって、
 機械的な演技では無く、ちゃんと生きた演技をしていて、ほんとに楽しいです。

・武器が「ハサミ」というのが、すでに成功しています。
 ボタンを押すと、チョキッ。
 連打すると、チョキチョキチョキッと、それだけで気持ちいいです。
 (実際にハサミをチョキチョキするとわかります)
 旗や服はもちろん、煙や星も布性で、
 チョキチョキ切るだけで、大空を舞う事ができます。
 この爽快感は、他に類を見ないのではないでしょうか。  

・このゲームにもQTEがあり、主にボスに止めを刺す時に使用されます。
 昨今、QTEは毛嫌いされる傾向にありますが、
 このゲームでは、いい方向に作用していると感じます。
 劇なので、かっこいいアクション(演技、たて)がしたい!
 けれど複雑な操作はできない…、というのに、一番向いているからです。
 他のゲームでは、なぜか急で違和感があったり、
(没頭していたのに、急に現実に戻される感)
 押さされているという感が拭えませんが、
 このゲームでは、自分がかっこいい演技をしている感が半端ないです。
 これもまた、「劇」というコンセプトと相性が良いのかなと感じました。
 ただ流行りだからといってQTEを入れた感じでは無く、
 このゲームには必要として、QTEを取り入れたのではないかと思います。
 QTEにはとても気を遣われた事がわかる質になっていると思います。

・ナレーションがいい味出しています。
 物語なので常に語り手さんが喋っているのですが、
 ナレーターの方の声がいいのと、(クレヨンしんちゃんのひろし)
 時々ヒートアップすると、全然ストーリーとは関係ない、
 自分の話?をしだして、キャラクターに突っ込まれたりと、
 ただ物語を読むだけだと眠たくなるかもしれませんが、
 そういったアクセントをふんだんに取り入れているので、
 聞いているだけで面白いです。
 それが冒険(ゲーム)中、ほぼずっと喋っています。
 静かな時はほとんどありません(笑
 また、タイトル画面を放置しておくと、
 「お客様に申し上げます、 貴重品の管理にはくれぐれもご注意ください。」
 とか、劇場っぽい小ネタを入れていて、臨場感があります。

・1章クリアする事に、絵本が読めます。
 実際のストーリーでは語られない部分が読めるのですが、
 それによって、よりストーリーに深みが増します。
 主に登場するキャラクターの背景が語られます。
 本編はクウタロウの話なので、他のキャラの話にそれると、
 こんがらがったり、集中できなくなるので、とても良い手段だと思います。
 また、内容がとても面白いです。
 どうせおまけ程度だろうと、ただページをめくるだけの作業かと思いきや、
 読み手の声も相まって、絵本に没頭してしまいます。
 ちょっとブラックなネタが多いので、子供よりも、大人のほうが楽しめるかもしれません。
 次の絵本を読みたくなるので、1章をクリアするご褒美としては、成功していると思います。

・ボスが干支(一二干)なのですが、
 見た目や戦い方がとても多彩で、毎回ボス戦が楽しみです。
 みんな個性がありすぎです。
 
▼グラフィックス(5pt)

・とても綺麗ですが、ただ綺麗というわけでは無く、
 人形劇の画として、とても質が高いです。
 基本的に木で作られている為、木の質感であったり、
 小道具、大道具っぽい質感が見事に再現されています。
 ペンキで塗った後が残っているとか、どこかにぶつけて擦った後とか。
 ただのリアルでは無く、手作りとしてのリアル感が、
 新しい見た目を生み出しています。

・カラフルです。
 私はゲームにカラフルさをかなり重要視しているのですが、
 (暗くて彩度の低いリアルなゲームが苦手なので)
 各ステージ毎に多彩な色があり、見ているだけで楽しい気分になります。
 手作りなので、逆に実際にはありえない色とかも、ふんだんに使えるので、
 そういった点では、リアルよりも綺麗に思えます。

・ライティングも凝っています。
 これもリアルなライティングでは無く、劇としてのライティングなので、
 目立たせたい所にライトがあたって、わかりやすくしていたり、
 ライトの色で感情を表現(例えば赤で怒っている)していて、
 ライトの色によって、こちらのテンションが操作されている感じです。
 (自然と熱くなったり、ほっとしたり、楽しくなったり)
 劇っぽさを強めているという点においても、一役買っていて、
 ただのライトと侮れません。

・主人公のクウタロウは、頭をすげ替える事ができます。
 「ヘッド」と呼ばれるアイテムを手に入れる事によって、
 頭の見た目が変わったり、ヘッドアクションが出来るのですが、
 新しいヘッドを手に入れる度に、ヘッドアクションをしたくなるほど、
 見た目や動きに凝っています。
 人間(人形)の体にハンバーガーが乗っている等、それだけて楽しいです。

・とにかくよく動きます。
 キャラクターも背景も。
 これも劇ならではだと思います。
 実際にはそんなに動かないだろうと思うものも、
 演出として割り切れるので、リアルよりも賑やかに動いて楽しいです。
 ステージを進む毎に場面転換をするのですが、
 背景がモコモコっと動いてはけて、新しい背景がニョキニョキずどーんって現れます。
 …言葉ではとても表現できないので、動画とかを見て貰えればわかると思います。
 とにかく、見ているだけで、心が踊ります。

▼サウンド(4pt)

・これも劇ならではの良さが十二分に出ています。
 通常のBGMに関しては、場面場面に合わせた音楽が流れて、
 より没頭感を高めてくれ、とても良いのですが、
 これに関しては他のゲームでもやってると言えばやっているので、
 「秀でて良い」というわけではありません。「普通に良い」です。
 ならではで言うと、やはりナレーターやキャラクターの声は、基本的に、
 エコー?(しつこい感じでは無く、劇場で聞いている感じ)がかかっていたり、
 あとは歓声がいい味出していたりするという所でしょうか。
 また、背景をギミック(歯車)で動かしている為、
 動く度にカラカラガシャガシャと、心地いいギミック音が、
 これまた劇としての臨場感を高めていて、ワクワク感に一役買っています。
 こういうのは、少し間違うと、耳障りなだけになりそうですが、
 すごく上手いバランスで作られていて、嫌な感じは一切ありませんでした。

▼熱中度(5pt)

・なんども言っていますが、
 とても質の高い劇なので、まったく間延びしません。
 次から次へと展開が変わっていき、次はどうなるんだろうと、
 気づけば次のステージを遊んでしまっています。
 恐らくこのゲームをプレイした方のほとんどが、
 すぐにクリアしてしまうのではないでしょうか。
 これは決して中身が薄いから、早くクリアしてしまうのでは無く、
 没頭してしまって、気づいたらクリアしていたという感じだと思います。
 実際、時間にすると12時間程度で、12時間の劇を観ると考えると、 
 とても充実した長さだと思います。
 時間の質が、他のゲームとは異なります。
 なんども失敗してリトライする時間とか、
 レベル上げや移動に使う時間とは違い、常に物語をプレイする時間です。
 ほんとに濃密な時間を過ごせます。

・ハサミアクション以外にも4つほどアクションがあるのですが、
 終盤になるにつれて、様々なアクションを組み合わせる必要があり、
 とても歯ごたえがあります。
 それも、急に難しくなるのでは無く、ちゃんと練習を何回も重ねて、
 ユーザーの熟練度に合わせて、難易度が上がっていくので、
 本当に、「俺すげー感」が生まれます。
 非常によく出来たバランスだと思います。

▼満足度(5pt)

・最高に満足しています。
 見た目が好きという、軽い気持ちで買ったのですが、
 まさかここまで面白いとは思いませんでした。
 ただ、こういう系のゲームは、シリーズ化しないのではという不安があるので、
 是非、シリーズ化して欲しいと願うばかりです。
 とにかく、また新しい劇を観たいです。

▼快適さ(4pt)

・とにかくハサミアクションが快適です。
 チョキチョキするだけで、大空を駆け、いろんな所に行けます。
 レールはあり、自由ではありませんが、
 その分、制御する必要がないので、チョキチョキに集中する事ができます。

・ロードはちょこっとありますが、不快な感じは一切ありません。
 ナレーターがずっと喋っているので、
 ロードも小休止的な演出と割り切る事ができます。
 (ロードがまったくないと、こっちが休めない感じ)

・劇自体のテンポも良く、質も良いので、
 長ったらしいムービーを見せつけられている感はありませんでした。
 ただ、マリオのようなゲームを期待していると、
 ムービー部分が長く感じるかもしれません。
 (そういう人はマリオやれよと思いますが…)

・失敗しても、すぐにやり直しが効きます。
 1幕自体、若干長い部分もありますが、
 チェックポイント(やり直せるポイント)が多いので、
 さほど苦ではありません。

BAD/REQUEST

正直あまりBADと思える事はありません。
人によっては、ここが気になるかも…、というのを、
参考までに書かせていただきます。

・難しい所ですが、一番の欠点としては、PS3で出したという事でしょうか。
 ハードゲーマーには向いていないと思います。
 難易度が低く、ただ進んでいくだけと言えばそれまでですが、基本一直線です。
 劇としては、一直線のほうが、間延びしないので良いのですが、
 やらされていると感じる人にとっては、すべてがマイナスに働いてしまいます。
 私はマリオがろくにクリアができないほどのライトゲーマーです。
 難しい難所を頑張ってクリアしてカタルシスを得たいという人には向いていません。
 WiiUや3DSで出ていれば、売上に大きな違いが出たのかもと感じます。
 子供やライトゲーマーの人に、是非やってほしいと思えるゲームです。

・熱中度が高すぎて、早くクリアしてしまう所でしょうか。
 もっと遊びたい!けれど早く次が見たい!というジレンマに悩まされます。
 ヘッドをコンプリートしたり、子供を全員助けたり、
 やり込み要素はありますが、やり込みが苦手な人は、一周で終わってしまうと思います。
 二周目以降、話や演技が少し変わるとかだったら、より長く楽しめたかもしれません。
 コンプリートしていないので何とも言えませんが、
 コンプリートしたら、新章が追加されるとかあれば、また評価も変わってくると思います。

・「ヘッド」には二種類あり、普通のヘッドと、「ヒーローヘッド」たるものがあります。
 「ヒーローヘッド」は、マリオで言う所の、ファイアーマリオしっぽマリオを指し、
 直接ゲームに影響するアクションが行えます。
 ただし通常のヘッドは、ヘッドアクションといっても、
 その場で踊ったり、ヘッド特有のポーズやアクションをするだけで、
 それだけで敵を倒したりするものではありません。
 特定の指示された場所でヘッドアクションを行うと、
 ムンピー(マリオで言う所のコイン)が大量に降ってきたり、
 ボーナスステージに行けたりするといった、いわゆる「鍵」みたいなものです。
 人によっては、たくさんのヘッドがある分、それぞれ違うアクションが出来て、
 例えばハンバーガーヘッドで高いジャンプができたり、
 UFOヘッドで空を飛んだり、敵を連れ去ったり…、いろいろ出来て楽しそう!
 と、思うかもしれませんが、実際にできるのは4種類だけです。
 ヘッドは100種類くらいあるので、実際にできたら、遊ぶ人が混乱して、
 制御できないとは思うのですが、そこに楽しさを期待した人は、肩透かしを喰らうかもしれません。

・ピカリナという妖精がいて、そのキャラを右スティックで操作して、
 いろんな所を調べたりできるのですが、同時に2キャラを操作するのは難しいので、
 どうしても一旦止まって調べて、また進んでと…、若干テンポが悪くなってしまいます。
 2人プレイをすると、この辺が少し解消できるのですが、
 やはりここも、タッチ操作があると、印象が変わったのかなと感じます。
 (スティックで移動するよりも、タッチのほうが簡単そう)
 
・2人プレイできますが、あくまでも一人はサポート役になります。
 より攻略が楽になるという利点はありますが、
 2人同時プレイ(マリオやドンキー)を期待していると、がっかりするかもしれません。

・ハサミアクションは、布を切ったり、移動したりするのはとても爽快なのですが、
 デクと呼ばれるザコ敵(クリボーみたいなやつ)をハサミで倒すのが、とても地味です。
 敵が切れるのでは無く、ただダメージを与えるだけです。(切るのはトドメだけです)
 例えば敵の材質をいろいろ用意して、切る音を楽しむ事ができるようにするとか、
 切り方で、敵の倒れ方が変化するとか、いろいろやりようはあったと思います。
 どちらかというとザコ敵を倒すという事においては、
 ハサミアクションよりも、他のヘッドアクションのほうが、気持ちよかった感じがあります。
 なぜ、一番大事な、ザコ敵を倒すという所に、気持ちよさを持ってこなかったのかが、惜しいです。

・体験版が失敗していると思います。
 1章から2章くらいを、まるまる遊べるものにすれば良かったのにと思います。
 (続きが気になるので、確実に買うハメになると思います。)
 ストーリーに没頭するのが、このゲームの面白い所でもあるので、
 体験版ではそこの面白さを微塵も感じる事ができません。
 (ただ、なんか喋っているばっかで、あんまり遊べないという悪い印象しかない)
 体験版でがっかりした人は、本編やれば印象変わると思います。

・値段が高いです。
 フルプライスが少なくなってきたこの時代に、よく出したなと思います。
 もちろん、内容は値段相応、いや、それ以上の価値はあると思います。
 が、まずその手前で、敬遠する人が多いのではないかと思うので、
 値段が安くなるか、中古に出回るのを待っても良いかと思います。

・ダメージを受けるとヘッドがコロコロがります。
 消えるまでにヘッドを捕まえないといけませんが、
 消えるのが早い気がします。
 あと、消える前の予兆をもっと強く長くして欲しいです。
 追いかけてたら急に消えた!とかよくありました。
 あと、仕方ないですが、平坦な道はともかく、
 凸凹した道や、穴が多い所では、追いかけられないというか、
 もう諦めるしかありません。
 ちょっと転がりすぎな気はします。

・ムンピー(マリオで言うコイン)を100個集めると1UPするのですが、
 最終的には40機近くあり、ゲームオーバーにはなりませんでした。
 ギリギリの緊張感を味わいたい人に取っては、易しすぎるかもしれません。

・1幕が若干長いです。
 1章3幕で構成されていて、全7章あるのですが、
 1幕の中に、マリオで言うところの、3ステージくらい詰まっている感じです。
 どっしり構えてできれば問題ないのですが、
 ちょっとした空き時間にやりたい場合は、マイナスに働いてしまいます。
 携帯ゲームであれば、このあたりも解消できたのかなと思います。

COMMENT

昨今、面白くないゲームが売れて、面白いゲームが売れない時代になってきています。
やったら面白いのに、まずやろうと思えないというか、そもそも知らないとか。
このゲームも、そんな感じで埋もれてしまいそうで、
でも、多くの方に、この面白さを味わって欲しいと思い、レビューしました。

どうしても見た目が人形劇という事もあり、いかにも子供向け(実際難易度も低め)なので、
大人の方が多そうなPS3ユーザーには敬遠されがちですが、
劇やアクションの質が高い為、子供から大人まで、関係なく楽しめると思います。

もし、このレビューを見て興味を持ってくださった方がいれば、
是非、動画サイト等でプレイ動画を観る事をオススメします。
少しでも面白そうと思ったら、是非プレイすることをオススメします。
やったほうが倍、いや、それ以上に面白いです。
決してステマではありません。
買わなくても良いので、友達が持っていたら借りてでもやって欲しいです。
とにかく、この面白さを、たくさんの人に味わってほしいです。

言い忘れましたが、ピカリナが可愛いです。
可愛い声で、大阪弁で喋りまくります。
それだけでもやる価値はあるくらい魅力的です。

製作者の方へ、この濃厚で楽しく、幸せな時間をありがとうございました。
欲を言わしてもらえば、是非、続編をお願いいたします。
また、この劇場に足を運びたいと、心から思います。

最後に、このゲームは3D対応という事ですが、
私のテレビは対応していません。
3Dでプレイしていれば、どんだけ良かったかと、思わざるを得ません。
(明らかに3D映えを狙っている演出が多かったです)
もし、これからプレイしようという方がいれば、
まずは3Dテレビを検討してみてはどうでしょうか。

回し者ではありませんので、あしからず。

   
プレイ時間:05時間以上15時間未満(クリア済)
pinkさん  [2013-09-13 掲載]

このレビューはオススメ? はい  いいえ


パペッティアのTOPページへ戻る

総合ポイント
76
(難易度)
2.43
レビュー数
7
スコアチャート パペッティアレビューチャート


0%
0-9
0%
10-19
0%
20-29
0%
30-39
14.3%
40-49
14.3%
50-59
14.3%
60-69
28.6%
70-79
0%
80-89
28.6%
90-100
【60点以上】
71.4%
【標準偏差】
19.66