【PS3】テイルズ オブ ゼスティリア
発売元 | バンダイナムコゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2015-01-22 |
価格 | 8716円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 セクシャル 暴力 言葉・その他 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:情熱が世界を照らすRPG ■ プレイ人数:1人(戦闘時のみ最大4人) |
- 総合ポイント
- 39
- (難易度)
- 2.32
- レビュー数
- 44
スコアチャート
GOOD!
・戦略が深く奥深いバトルシステム
TOGがベースと聞いていたので、最初は面くらいましたが、TOGが突然変異的だっただけで、制限されたリソースの中から頭を使っていかに戦っていくかがD2チームの戦闘の特徴なのでこれはこれで楽しいです。3すくみや属性の弱点、連携の派生など何かとできることが多いので、やればやるほどいろいろなことを考えながら戦えるようになります。
ただ後述の不満点でも述べていますがフレームレートの低さ・カメラワークの悪さなどシームレス戦闘はメリットよりのデメリットが大きくこのシステムを普段通りのものでやっていればな……と思います。
・サウンド
とても良いです。特に4つの試練の神殿のBGMが印象深いですね。ところどころにレジェンディアっぽい雰囲気が出ているのはおそらく椎名担当の楽曲なのでしょうね。主題歌は好みが分かれると思いますが、BGMのクオリティは歴代の中でもトップクラスかと思います。
・キャラクター
真の仲間発言が取り沙汰されていろいろと賛否を産んでいますが、個人的にはキャラクターは凄く気に入っています。スレイは一見ただのお人好しな王道熱血型に見せかけて、実は結構頭がよく驚くほどドライな部分もあったりして、ちょっと紋切り型のよくいる主人公ではなくなかなか面白いキャラクターに仕上がっています。他のパーティキャラもいい感じで個性付けされていて(エドナとライラが特にお気に入りです)、戦闘終了後の掛け合いやチャットも面白いものが多かったです。
・イベントシーンからフィールドに移る時のシームレス演出、ショートチャットが途切れないなど
細かい部分ですが、今回1番明確な進化を感じられたのはこの点かもしれません。フィールドからダイレクトに移行するので、ショートチャット中に敵とエンカウントしてしまっても音声が途切れたりせずそのまま戦闘に突入できたり、イベントシーンからシームレスで操作できるのは没入感を損なわずいいかなと。次世代機に移ってからもこの辺りの仕様は生かしてもらいたいですね。
・ほどほどに苦戦する難易度
Xの時にもあったネームドエネミーは健在で、加えて今回ストーリー上のボスもやや強めで、ちょっとレベル上げなどを怠るとかなりの苦戦を強いられるバランスになっています。ただ少しレベルを上げたりスキルを見直したり、ガードで耐えるのかアラウンドステップで耐えるのかなど戦い方を見直せば対処できたりするので、結構いい具合のバランスかなと。ノーマルでもGFやXのセカンドくらいの難易度はあるので、サクサク進めたい人にはイージーがオススメです。まぁ、この少し難しめの難易度も経験値2倍のDLCを売りたいがためと邪推すると萎えますが……十分にクリアできる範囲です。
BAD/REQUEST
・戦闘のフレームレートの低さ、カメラワークの荒さ
Zの戦闘をやったあとに、V・G・Xといった今世代の戦闘をやってみると一目瞭然。その滑らかさに愕然とします。ZはPS2時代みたいなフレームレートと処理落ちの酷さで、あまり動かしていて楽しくないです。原因は間違いなく本作から導入されたフィールドにリンクしたシームレス戦闘でしょうが、結局暗転を挟んでしまっているのでシームレスとしても半端ですし、たまに不利な地形が出てストレスが溜まるだけだったので正直これは失敗だったかなと。これがメモリに余裕のあるPS4だったらなぁ……と思ってしまいますが。
・神依は楽しいが、バランスは疑問。爽快感を与えたいならX2同様の時限強化の方が良かった。3すくみが足を引っ張る局面も
本作の戦闘の最大の特徴ともいえる神依ですが、変身に結構貴重なBGを1消費してしまうので3すくみとの相性が悪いです。折角神依になっても敵が詠唱を始めると解除する必要があるのがもったいない。奥義が特技に強いというのはなかなか生かす場面が少ないですし、細かい戦闘システムがいろいろあるのに結局は上級天響術を連発するのが1番いいということに。消費BGがなしなら合体したり元に戻ったり何度も切り替えれてよかったんじゃないかと思います。その場合は天依自体の性能を下げないといけないでしょうけど
・フィールドが無駄に広いだけで楽しくない
最近のオープンワールド風、もっといえば○ノブレイドを意識したのでしょうが……うーん、結局はいつものマップを広げただけですからね。個人的にはオープンワールド風に大した魅力を感じないのでそれよりも昔のワールドマップを復活させて欲しいです。
・融合など詰め込みすぎなシステムの煩雑さ
武器融合のシステムはなかなか練り込まれていて面白いのですが、熟練度の管理と部位・キャラ数の関係で無茶苦茶時間がかかります。これが装備やスキルを入れ換えるのがメインになる狩りゲーとかなら面白いシステムなんじゃないかと思うんですけどね。ちょっと冒険のテンポを阻害するレベルになっているくらいなので、部位数なんかはちょっと見直してほしかったかなと……逆ならよくありますが、装備部位が多いのがダメと思ったのは初めての経験でした。
しかし本作の最大の欠点は、ゲーム本来の出来には関係ないプロモーション、広報戦略……このゲームの欠点はここに尽きます。
少し想像力があればこんなの炎上するのは誰もが分かったはず。結果的には無料になりましたが、そこにあまつさえ今敏感な有料DLCを絡めてきたのですから、ユーザーが怒るのは当然でしょう。
ただ、ちょっとそのイメージが先行しすぎていろいろなものにとばっちりが行きすぎのような……確かに好みはわかれますが、決してクソゲーとまで言われるような出来ではありません。まぁ、それくらいユーザーの心境を悪くすることをしでかしているのですから、仕方ないですけど
COMMENT
楽しい要素は多いのだけど、分かりやすいマイナスの部分の影響が大きすぎていろいろな部分で損をしている作品だなぁというのが正直な感想です。
アリーシャの扱いに目を瞑りさえすれば、全体的にそこまで悪いゲームではありません(ただ、よくも悪くも戦闘システムもTOGFのような万人向けの仕様ではないので、好みが分かれるものなのは確か)
ストーリーについては触れませんでしたが、EDの説明不足感や未消化のネタがやたらと残っていることを除けば個人的には好きです。ご都合主義が少なめで、かといっていつものテイルズにありがちな敵キャラを無駄に死なせたりということもあまりなく、いいバランスだったかなと。
いろいろな意味でもったいないゲームですね。アリーシャ関連さえなければもう少し正当な評価を受けることもできたでしょうけど……確信犯でやらかしている以上は同情の余地はないでしょう。これを炎上しないと思っていたなら制作陣にしばらく休養を進めたくなるくらいです。