PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

最も攻略が容易と思われる初期職業である『貴族』スタートで、どうしてもクリアできない箇所はマルチプレイで、30時間ちょっとでクリアしてのレビューです。

【難易度】
初期職業や育成方針によって、このゲームの難易度は大きく変わります。
防具を装備していない上に棍棒２本持っただけの『蛮族』スタートでは、初めの城を超えるまでに何回死ぬかわかりません。恐らくヘタなアクションゲームの最難関モード並に難しいと思います。
敵の攻撃をちょっと受けただけで死にます。しかも死んだらその場所に今まで稼いできたソウル（お金と経験値を兼ねたもの）が残り、スタート地点から回収しに行かねばなりません。回収できずに死ぬと、すべてが水の泡です（拾ったアイテム無くならない）。
ボス戦前にはショートカット用の仕掛けが用意してあることが多いのですが、それでも死ぬ度にボス以外の敵は復活するので、死体の回収が困難な場所で死んでしまうと心が折れます。
敵の攻撃を防ぐ手段として、防御、パリィ、ステップ、ローリングなどがあり、前衛職はそれらすべてを使いこなさないと進むのは難しいでしょう。
魔法職も防御力を上げにくい関係上、油断して敵の間合いに入ってしまうと即死です。
また、うっかりNPCを殺してしまうと二度と出てこない上にオートセーブ完備というシステムも、ある意味難易度を上げています。


【オリジナリティー】
オンラインプレイの形が非常に斬新です。

まず、自分以外のキャラは、透明な影（ソウル体）で表示されます。常に表示されるわけではなく、たまーに見えるだけで、プレイには全く影響を与えません。

プレイヤーは生身の状態と、一度死んでしまったソウル体の状態を行ったり来たりすることになります。

ソウル体から生身に戻るには、儚い夢の石というアイテムを使うか、デーモン（ボス）を倒すかしなければなりません。
ソウル体の状態で青い石を使うことで、他の生身のプレイヤーに召喚してもらうことが出来ます（パーティーとして２人まで同行できる）。召喚された先でボスを倒せば無事生身に戻れます。
黒い石を使うことで、逆に生身のプレイヤーに敵対者として乱入することも出来ます。

ダンジョンの中にメッセージを残し、それをみんなで共有することが出来ます。
つまり『この先の敵、弓が有効』とか、『待ち伏せに気をつけろ』とか道ばたに書けるわけで、はやく言えばwikiのようなものです。
また誰かが死ぬとその場に血痕が残り、他の人が調べればその人の死に様が目の前で再現されます。一見何もないところでもメッセージや血痕によって、先にある罠や待ち伏せを知ることが出来るので、妙な一体感があります。


【グラフィック】
五つの世界を渡り歩くことになりますが、どの世界も禍々しさに充ちており、雰囲気はばっちりです（感覚的に洋ゲーっぽいとか、ディアブロ２みたいと言った方がいいかも）。
例えば拷問塔のような場所では、囚人達が血みどろの拷問器具といっしょに牢獄に入れられており、暗い廊下を異形の看守が鈴を鳴らしながら不気味に徘徊しています。更に進むと血の池のような沼に林立する塔に、気持ち悪い虫？蛇？みたいな化け物や、ガーゴイルみたいなのがうろついてます。それらの質感や挙動が妙にリアルで、作品のダークな世界に自然に入り込める点は、素晴らしいです。

最初のキャラクターメイキングも、必要以上に細かく出来ます。数十もの項目が有ります。

【サウンド】
控えめだけど、環境音と相まって雰囲気を盛り上げる良いBGM。
わざわざイギリスで録音したとか言うキャラクターのセリフ（英語）など、荒廃した中世の雰囲気を出すことに成功していると思います。コーラスにKOKIAさんがいます。


【熱中度】
久しぶりにゲームで徹夜することになりました。
難易度が高いので何度も挑戦してやろうという気になるほかにも、やはり世界観がユニークで、次はどんなボスがいるんだろう？と期待させるのが上手いです。
ステージの構成も変化に富んでおり、奥に進めば進むほど死ぬのが怖くなる（死体の回収が困難になる）ので、知らずのうちに無理な姿勢でプレイしており、首の筋肉がつったりもしました。
魔法メインなので武器の強化はあまりしませんでしたが、相当な分岐や強化が出来るようです。
全部のトロフィーを取るためには、周回プレイが必須となります。


【満足感】
やっとPS3で満足のいくRPGが来た。

これに尽きると思います。アクションゲームとして相当な難易度ですが、それだけにクリアしたあとの満足感も大きいと思います。変な例えで申し訳ないのですが、ディアブロ２を3Dで遊んで見たかったという夢が叶ったような気分です。

BAD/REQUEST

【グラフィック】
物理演算プログラムによるせいか、敵の死体の挙動がなんか変。
死んだ途端、ハリボテかフウセンみたいに重さのないものとして振る舞うので、プレイヤーキャラの体に引っかかって転がり回り、ドリブルされた挙げ句谷底に吹っ飛ばされたりしてそれはそれで面白いのですが、不自然です。


【快適さ】
ロックオンが使いにくい。R3ボタンでロックして、レバーで対象を切り替えるのですが、そのロックの切り替えがうまくいってくれない事が多く、崖っぷちで戦闘していると（そう言う機会がとても多いゲームです）、ロックオンした敵が落下した際に道連れにされたりする事故が多いです。
残したメッセージが評価されると体力が回復しますが、そのタイミングが変で、全然役に立ちません。
武器のステータスがあまりにも細かく、必要ステータスのアイコンも何をさしているのかわかりにくい。


【その他】
・もう少し、装備できる防具に差をつけても良かった気がする。装備条件を厳しくして、差別化を図った方が良いと思う。防具には装備制限がないので、魔法使いも重鎧が装備できる。
・二度と手に入らない貴重なアイテムの使い道が複数あり、間違って使ってしまったりする。
・話しかけてる途中で逃げると怒り出してしばらく口きいてくれなくなるNPC。
・何をさしているのかきわめてわかりにくいパラメーターのアイコン。
・いくつかの奇跡や魔法が地雷。
・わかりにくい装備・所持重量制限。色分けゲージか何かを表示して欲しい。
・チャット不可。手軽だけど、「ちょっと待ってくれ」とか簡単なサインは送りたかった。
・ラスボス倒したら何事もなく始まった上にオートセーブされてしまった2周目。レベル能力アイテム引き継ぎだが、ダンジョンの攻略状況は初期状態に戻されるのでもう少し探索しておきたかった……。

COMMENT

HD液晶TV使用。HDMI接続。
大作ARPGなんだからもっと宣伝すればいいのに。