【PS3】Demon’s Souls(デモンズソウル)
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2009-02-05 |
価格 | 6980円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクションRPG ■ プレイ人数:オフラインモード:1人 / オンラインモード:最大4人 【廉価版】 ■ 発売日:2010/02/25 ■ 価格:3,800円 |
GOOD!
・オリジナリティー 5点
ある意味で懐かしく、それでいて斬新な作り。随所に洋ゲーの雰囲気を漂わせつつ、それでいて古き良き和ゲーの系譜をしっかりと受け継いでいる。最近の和製RPGの中にあると、いかにも洋ゲーっぽく見えるが、本質的にこってこての純和ゲーである。
斬新なオンラインシステムは、まだまだ改善の余地はあるものの、すでに高いレベルで完成しており、独特の世界観とも相まって、本作の大きな魅力の一つとなっている。詳細は公式HPを参照されたし。
・グラフィックス 4点
秀逸。PS3というハードの基準からして綺麗といえるのかどうかはよく分からないが、少なくともPS2のクオリティーからすれば、格段に進化していると思う。いずれにせよ、ゲームをやる上でここまで作りこまれていれば、もう十分であろう。
・サウンド 5点
非常にセンスが良い。各フィールドの効果音の数々は、おどろおどろしい雰囲気を弥が上にも引き立てているし、その中のいくつかはトラウマになること必至。
プレイ中に音楽が流れるのは基本ボス戦のみだが、各ボスごとに専用のBGMが用意されており、白熱する戦闘をさらに盛り上げてくれる。楽曲はどれも完成度が高い上に、生の楽器や声による収録という贅沢ぶり。多くのプレイヤーはボス戦でBGMに耳を傾ける余裕など無いと思われるので、是非ともオリジナル・サウンドトラックを作ってもらいたいところ。
・熱中度 5点
こんなにもひとつのゲームにのめり込んだのは、本作が初めてかもしれない。まだまだ飽き足りないので、追加マップの配信に期待したい。
・満足感 4点
お値段以上なのは間違いなし。
・快適さ 4点
アクションRPGなので主に戦闘での操作の話になるが、ボタンをフル活用しているにもかかわらず非常に直感的な操作が可能となっており、本当に剣士や魔術師となって戦っているような気分が味わえる。ジャンプは出来ないのだが、実際使いどころがないので、なくても問題ないと思われる。
視点について念のため触れておくと、本作は基本的に三人称視点のゲームであり、精密射撃モードで主観視点っぽくなる以外は、主観モードへの切り替えは一切ない。
・難易度 3Point
最近のアクションゲームの基準からすれば、難易度はやや高めか。しかし、決して理不尽な難度ではなく、このゲームのコンセプトにもあるように、プレイヤーには常に冷静な状況判断と試行錯誤が求められる。それらを踏まえたうえでの計算された難易度であるといえよう。間違っても、ごり押しで通そうとしたり、「無双」モードに突入したりしてはならない。そんなものがまかり通るほど、このゲームは甘くないということだけは、はっきりいえる。要するに、「頭を使え」ということである。
・ストーリー ?点
RPGというジャンルにくくられている以上、本作にもストーリーはたしかに存在する。しかし、最近のJRPGにありがちな与えられたお話に沿ってゲームを進めるといったものではなく、本作のストーリーは極めて断片的であり、大筋はプレイヤーの想像に寄り添うところが大きい。物語を紡ぐのはプレイヤー自身。解釈も、人によって様々である。アイテムの解説、フィールドの背景設定、NPCとの会話などから、物語の断片を得て、自分なりの世界観を完成させていくのが、本作のストーリーテリングなのである。
・その他
押しつけがましい、イカニモな「萌え」要素は全くないが、それでもきっちりおさえるべきところはおさえてあるのでご安心を。こればっかりはやってみないと分からないが。
BAD/REQUEST
・圧倒的にボリューム不足。一通りクリアするだけなら、実際そんなに時間はかからないはず。一応二周目もあるが、敵の強さがオカシクなるだけであとは変わらず。どのフィールドも、完成度は高いが、正直「え、これでおしまい?」と感じてしまうほど案外浅いし、短い。
・武器・防具が少ない。オンラインプレイをしていると、結局みんな似たり寄ったりの格好をしていて、面白みに欠ける。AC(アーマード・コア)シリーズのパーツ並にバリエーションがあっていいと思うし、プレイスタイルやこだわりによってチョイスできる武器・防具がもっとあってもいいと思う。
・いらないアイテムをソウルに還元する手段は絶対あった方がいい。世界設定的に矛盾する行為であるというのは良く分かるが、「いらないものを売って稼ぐ」のはRPGの伝統であるし、何かしら理由づけしてでも必要なシステムである。
・神殿にいる時に武器を抜き身で持っているのは、やっぱり不自然。敵の出現するフィールド以外では武器封印にするとか、戦闘中うっかり武器を収めてしまわないようなボタンの組み合わせで、武器をしまうといったアクションは絶対欲しい。(あるいは数秒放置すると勝手にしまうとか。)それによって、誤爆でNPCを殺傷してしまうという事故も防げると思う。
・ソウル傾向は斬新で面白いシステムなのだが、もう少し変化しやすくするとか、あるいはお天気みたいにランダムに変動するものであってもいいと思う。(今日は嵐がやけに黒いな、みたいに。)
あと、ソウル傾向はパーセンテージで表示するなどして、数値化してもらえると解り易くなると思う。
・戦闘時以外でいいから、手軽な主観視点モードが欲しい(64「ゼルダ」のC視点切り替えみたいな)。
せっかく作り込まれたオブジェクトをじっくり観察できないのはもったいない!
COMMENT
「なんちゃってRPG」がはびこる日本のゲーム業界に一石を投じた秀作。細部にわたる作り込みは称賛に値するし、むしろこちらから感謝したくなるくらい。まさに職人技。こういうゲームはやっぱり日本でなくては作れないと思う。
欲を出したらきりがないが、ユーザーの意見を最大限生かして、本作を超える神ゲーの出現を早くも期待して止まない。