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【PS3】アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団

発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメントオフィシャルサイト
発売日 2009-10-15
価格 5980円(税込)
レーティング 【C】15才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon(廉価版)
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:アクションアドベンチャー
■ プレイ人数:1人(オンライン時:最大10人)

【廉価版】
■ 発売日:2011/08/25
■ 価格:2,980円



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
3pt 5pt 2pt 2pt 4pt 2pt 2pt
総合点
59pt

GOOD!

世界観の表現

綺麗な所を綺麗に、怖い所を怖く、ハリウッド的な感性で描かれた世界。リアルな訳ではない。削る所は削っているが、場所や状況に対して人が抱く感情的な「見た目」をこれだけ視覚的に上手く表現出来ている作品は見た事が無い。澄んだ空気、温かな陽光、鮮やかな配色の民家と住人たち、平和で素朴な村の美しさには思わず、ただ何もせずに見入ってしまう。雨と男達と銃器とでドロドロに荒らされた戦場。長い間誰にも触れられず、ひっそりと来訪者を待っていたかのような神秘的な佇まいの大自然と遺跡建造物。それらの全てに文化的・歴史的・自然界的な「経過した時間」を感じさせられる。まさに、このゲームのタイトル『Uncharted(地図に載っていない)』に相応しい視覚表現。



ハリウッド

作品中いろいろな冒険物の映画の影響が見て取れるのも映画好きには魅力的な要素の一部。特に80年代に子供時代を過ごしたプレイヤーは思わずニヤついてしまうような表現が散りばめられている。この作品を製作するにあたってどんな映画が参考にされたのか考えるだけでも少し懐かしい気分にさせてくれる。事実、英語版のVA(ボイスアクター)にはハリウッドの映画やドラマでちょくちょく見かける俳優たちが採用されていて洋画や海外ドラマを見る人間ならば気づかなくとも最低でもその内の一人は実物の演技を見ているはず。言うまでもないが登場キャラクターのモデルはVA本人達で、ハリウッドらしいやり方で作られたゲームはやっぱりハリウッド映画の中を走り回っている様な感覚をプレイヤーに与えてくれる。これに対する日本語吹き替えも、やはり吹き替えらしい吹き替えに仕上がっている。多少大人の都合により台詞が違う箇所もあるが、それも含めてまさに洋画の吹き替え版である。音声も字幕も個々にオプションで英語日本語に切り替えられるので好きな方を選んで楽しめる。



シナリオと進行

ゲームが始まり短い1文の前置き後、すぐにプレイヤーは映画でいう所のクライマックスシーンへと突き落とされる。この唐突で予想外かつ何処となく以前に映画館で味わった事のあるワクワク感が、まだ何の準備も出来ていないプレイヤーを一気に洋画劇場の世界へと引き込んでいく。始まったが最後、絶妙なタイミングで差し込んでくるムービーと軽快な台詞のやり取り、緩急の効いた戦闘とクライミングアクションとの連続で気づけば日付も変わり空が白み始めるまでノンストップである。結局私は寝不足になりつつ購入から3晩でエンディングまで辿りいてしまった。合計約90分のムービーシーンには一切無駄が無く、クリアしてからも本当にそんなにあったのかと思うほどテンポ良く軽やかなゲーム進行は誰もが満足する仕上がりだろう。左右反転モードは1周目をどうやって行ったのか覚えていても、分からなくなる。ゲーム内のマップが左右に反転しているだけなのに全く新鮮な気持ちで二週目を進められる。



醍醐味

プレイヤーによってプレイスタイルが変わるという事。コソコソと敵の背後を取って静かに仕留めるか、堂々と正面から突っ込むか、完全にプレイヤーに委ねられている。すべての場面で隠密プレイをやり抜くのはほぼ不可能に思われるがMGSや天誅のようにやりたいか方は、そんなやりかたも可能である。意識せずにやっていれば大体はダイハードのジョン・マクレーンのようなバランスになるだろう。

BAD/REQUEST

仕掛け・構造

『問題提示→情報収集→思考→謎解き』のプロセスがあって初めて仕掛に面白さが出てくるもの。だがこの作品では主人公によってリサーチされた資料が既に手元に用意されていて、プレイヤーがページをめくり内容を把握するより先にどのように解いたら良いのかおおよその事を台詞で言ってしまうのである。一体何の為の仕掛けなのか、ただ煩わしいだけである。

先が見えず行ったら戻って来られる確証のない地形・建造物。本当にそっちに行って目的地にたどり着けるのかどうか解らないのに行かなくてはならない。もともと一本道で足がかりはそこにしか無いので行くしか無いのだが主人公の行動があまりにも行き当りばったり過ぎる。それは仕掛やマップのレイアウトが完全にゲーム制作側の行き当りばったりなプランで、建築する側の目線で作られていない為であるが。全く理解不可能な建造物であるなら良いのだが、あたかも現存する物との歴史的な関わりが有るかのような設定が余計納得出来ない。はっきり言って不自然で浅はかな構造。「まぁ、所詮ゲームだから」と思う方もいると思うが。そこに気を配れるかどうかで一気にゲーム自体の深みが変わるはず。



音まわり

状況に合わせて流れてくる曲はその場の雰囲気をシメる役割は果たしているし、映画っぽい感じに仕上がってはいるが特に耳に残る旋律は無く存在感は薄い。効果音は最初は気にならないが臨場感に欠け、ただ鳴らしているだけの存在である為か、たんだんうるさく感じるようになってくる。足音や銃声など、このゲームには音自体にそれほど重要な情報性は込められていない。どんな場面でもキャラクターの台詞を優先してプレイヤーに聴いてもらいたいという制作側の意向なのかもしれないが。英語版の声が小さくて聞き取りづらい。一応オプションでのバランス調整は可能になっている。



不快感

バグとフリーズは洋ゲーには付き物だが。私のハード環境では一定時間で必ずフリーズする。もちろんバグも在り。こまめにオートセーブがなされているので一切問題は無かったが、気になる人は気になるか。私が洋ゲーをプレイしていていつも気になるのは映像がシャープ過ぎる事。長時間続けてプレイすると頭や目が痛くなる。



ヤリ込めないヤリ込み

さあ、やってくれ!と言わんばかりにトロフィーが用意されているのだが、どうも2週目クリア以降はやる気になれない。と言うのもクライミングアクションの部分が完全に一本道で左右反転モードでのクリア後のステージの大半は分かりきった道をただひたすら進む羽目になる。この虚しさに最後まで耐えトロフィーをコンプリートするには相当な根気と情熱が求められる。瞬間的に完全にハマるのだが、本当に二週目までだけ。

COMMENT

オンラインには一切触れずにオフラインだけ2週とちょっとプレイして売ってしまったが、4980円で購入後3400円で売れたので(09年10月25日時点)実質1580円で映画のようなゲームが出来たと思えば、ポップコーンとコーラを買って映画を観るより遥かにお得な買い物だったと言える。


とまで言ってしまうとこのゲームが全く価値の無い作品だと思われ兼ねないので言っておくが、ここまで世界観にどっぷりハマれて時間を忘れて続きがプレイしたくて止まらなかった作品はSFCの「クロノトリガー」PSの「MGS」以来無かった。この作品の極端に急性なハマり性に気をつけていただきたい。試験前や締め切りの迫った仕事を抱えている方は、とりあえずそれらを片付けてしまってから購入されるのが身の為である。

 
プレイ時間:15時間以上30時間未満(クリア済)
EU Kurandoさん(Webサイト)  [2009-11-09 掲載]

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総合ポイント
87
(難易度)
2.25
レビュー数
99
スコアチャート アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団レビューチャート

アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団 購入する
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【60点以上】
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【標準偏差】
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