【PS3】セイクリッド2
発売元 | スパイク (オフィシャルサイト) |
---|---|
発売日 | 2010-02-10 |
価格 | 7770円(税込) |
レーティング | 【C】15才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:オープンワールドRPG ■ プレイ人数:1〜2人(オンラインプレイ人数:1〜4人) 【廉価版】 ■ 発売日:2010/11/11 ■ 価格:2,940円 |
GOOD!
三つの「莫大さ」
この世界の地理を網羅すには一体どれくらい時間が掛かるだろう。私自身今だに完成させられないでいる。長時間駆け回る事を想定して練られた地形は緩急のはっきりしたレイアウトになっており地域によって特徴のある自然地形は天候や時間帯ごとに様々な表情をみせてくれる。プレイヤーの探究心をくすぐる絶妙な「遠さ」は、ついこの先には何が在るのか確かめたくなるようにさせる作りになっている。
メインストーリーが二種類用意されている事に加え、やってもやっても尽きないサブクエストは文字を読むのに慣れてさえしまえば楽しめる内容のものが満載。笑える物も多い。ただそのユーモアは完全に西洋産であるため、もともと西洋文化あるいはその言語に親しみを持つ者か、ある程度いろいろな物事を経験した大人の人間にしか通用しないかもしれない。
そのあまりのバリエーションの多さとアイテム一つ一つのユニークさに、もう二度と手に入らないのではないかと処分する際に毎回悩んでしまう装備品。どんなに強い装備品を手に入れても、これより強い物があるはずだ、とついモンスター狩りに出掛けてしまう。そしてかならずと言っていいほど手持ちのアイテムより強力な物が手に入ってしまう、そうなるともう止め時は何処にも無い。
気が遠くなるほどの広大な世界でやる事は尽きない、その上プレイヤーの物欲を最大限に引き出され、いくら手に入れてもさらに出てくる強力なアイテム。やり込みプレイヤーで無くとも一度このゲームを気に入ってしまえばプレイ時間は軽く30時間を越えるだろう。
キャラの育成
同じ種族でも育て方によって様々な方向へと育つキャラクター。戦士系、魔法系、遠距離攻撃系、サポート系など。どのパラメータも集中して上げるとそこそこ使えるように成るので色々試してみたくなる。説明書やチュートリアルがかなりザックリしているため、攻略法を調べない限りオールマイティーなキャラを育てる事が非常に難しいが、そこがこのゲームの肝なのである。少なくとも二人は作成してしまうだろう。
BAD/REQUEST
三番煎じ
全体的にどこにでもある洋物PC用RPGをPS3に移植。
美術、音響、システム、シナリオ、の面でオリジナリティは皆無。
洋物PC用RPGをやった事が無い方には新鮮かも知れませんが。
ドリーム臭
戦闘音楽は欧米のキッズがいかにも好きそうな安っぽいエレキ音がメインで構成されている。その他の楽曲に関しては、まあまあアメリカンドリーム臭のするファンタジーな雰囲気をかもし出しているので悪くはないが評価する程の物でもない。聞いていて無いよりは在った方が良いという程度。
やっぱり俯瞰は最高だな
どっかのなんとかスネークも言っていたが、わざとそうしたのだとしたら完全にマーケティング調査を怠ったとしか思えない。今どき風景を眺める事が出来ないゲームは致命的である。見下ろす視点でしかプレイ出来ないのは残念の一言。実際技術的な問題なのだろうが絶対に解決法はあったはずである。
いろいろカクカク
ポリゴンもアナログスティックもフレームレートもカクカク。方向転換ぐらいは360°スムーズにしてほしかった。フレームレートはオブジェクトが沢山画面上に現れている時などに低くなる。アクション性の薄いRPGなのでそこまで深刻な問題ではないが。家庭用ゲーム機でリリースするのなら、いずれかひと手間かけてほしかった。
オンラインでの意思疎通
VC無しならコミュニケーションはPS3備え付けのチャット機能に頼るしか無い。ヒトコト言う為だけにわざわざPS3のメニューを開くのは非常に面倒くさい。フレンド登録をしていない他人との意思疎通は相手のプレイを見て察してやらないといけない。荒しに対してはホスト自身が部屋を閉めるしか対処方が無く、サブクエストをやっている最中に途中から入って来たプレイヤーに勝手にメインストーリーを進められて話に追いつけなくなることもしばしば。
日本語
翻訳がかなりおかしい。ダブルチェック以前に全く目を通してないのではないかと疑ってしまう。会話のいたる所でネットの翻訳機に掛けたようなチグハグな表現が出てくる。翻訳家でも通訳でも無い私でさえ直せるような間違いも。それに加え、クエスト発生時などの会話の文章の行間が狭過ぎてかなり読みにくい。最初は読む気になれない程である。フォントのセレクションもファンタジー作品には似つかわしくないし、横読み用の書体を採用している割には行ごとの文字数が少な過ぎる。チェックする立場の日本人は居たのだろうか?と思われても仕方が無い。
インターフェイス
メニュー操作とその反応の悪さ。何をするのにも面倒なボタン配置とページ構造は、書類の整理もろくに出来ない人間に引っ越しの荷造りを手伝わせてしまったような出来。今までプレイしたゲームの中でもトップクラスの煩わしさは0点を付けざるを得ない。何も言わずに諦めていただきたい。慣れるしか無い。
バグやフリーズは当たり前のように発生する。
COMMENT
日本人の監督には到底GOを出せない仕上がり、というか未完成。それにもかかわらずファミコン時代からのゲーマーな私にレビューを書かせる程プレイさせたのには、雑だとか二番煎じだとか、そんな次元を通り越した何かがある。
やりごたえも、それほどあるわけではない。どのボスもレベルを上げて装備を整えチカラ押しでガッとやってしまえばすんなり倒せてしまう。全体が壮大な「おつかい」で成り立っているこのゲーム、唯一のプレイヤーの選択肢はおつかいを受けるか否か。見方によっては「はい」と「いいえ」でしかコミュニケーションが取れない某国民的老舗RPGと対して変わらないのだが。違う所と言えば、そのボリュームである。
おそらくこのゲーム世界の圧倒的なまでのボリュームがプレイヤーの少年心をくすぐるのだろう。始めて30分以内でどこの中古屋に売ろうか考えだしたが、まさにスルメゲー。やればやるほどジワジワと味わいを増し週末はガッツリ1日やってしまった。なんだかんだ言って洋ゲーらしさ溢れる粋なRPG。