【PS3】NieR Replicant(ニーア レプリカント)
発売元 | スクウェア・エニックス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2010-04-22 |
価格 | 7800円(税込) |
レーティング | 【D】17才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:アクションRPG ■ プレイ人数:1人 【廉価版】 ■ 発売日:2011/04/21 ■ 価格:3,990円 |
GOOD!
【世界観】
作中で語られる世界設定は少ないものの、キャラクターや世界観を全てひっくるめた壮大な仕掛けが施されており、とてもよく作りこまれています。
【キャラクター】
主人公を含めキャラクター達は皆個性的で、誰もが重い運命を背負っていますが、皆が支えあって一つの目的の為に進んでいく様は見ていてとても気持ちがよいものです。
【音楽】
近年稀なほどクオリティの高い良曲の数々。激しいシーンから悲しいシーンまでその場面を大いに盛り上げ、プレイヤーの心を揺さぶってくれます。美しいコーラスサウンドは世界観と見事にマッチしており引き込まれます。曲数が少なく同じ曲の使い回しやアレンジが多めなのがやや残念な点ではありますが、ソフトの発売よりも先にサントラが発売するなど、その気合の入り方や評価の高さは並々ならぬものがあります。
【グラフィック】
他のPS360ソフトと比べると、精巧さやリアルさでは確かに劣るのですが、このゲームのグラフィックの見せ方は『ICO』や『ワンダと巨像』と傾向が似ており、誇張された光と影の演出で魅せてくれるとても美しいものです。
【キャラモデリング】
キャラクターのモデリングもよく出来ていて、特に女性キャラの顔立ちはとても綺麗で可愛いです。主人公に関しては好みが分かれるようですが、俗に”爬虫類系イケメン”と呼ばれるタイプの顔つきで、私はとても格好良いと感じました。また、ムービーシーンでキャラクターの表情の変化がとても繊細で、ここまで複雑な感情表現を顔の表情で行っているゲームは初めて見ました。
【全体的に快適】
まず移動速度が素早く、街もフィールドもダンジョンもだだっ広いですが移動のタルさは一切感じません。戦闘に関してもアクション性が際立って高いわけではないですが、移動も攻撃も魔法もサクサク行えるのでストレスは全く溜まりません。メニュー画面などのUI関係も面倒臭さはなく、ゲームとして全体的な手間を徹底的に排除した丁寧なつくりです。
BAD/REQUEST
【本筋の短さ】
寄り道要素が多いのですが、それらを省いた物語の本筋だけを追うと、ストーリーはとても短いです。クエストをこなすとプレイ時間が2倍3倍に膨れ上がりますが、クエスト自体にストーリー性は薄いので単なるかさ増しのように思えるほど、ストーリーの短さが勿体無いです。
【キャラクター相関の希薄さ】
ストーリーが短い事に起因する、キャラクター同士の関係性の希薄さが浮き彫り。仲間になって間もない筈のキャラクター達が、いつの間にそんなに仲良くなったの?と思うくらい、深い愛情による感動シーンを突然繰り広げたりします。正直置いてけぼり感が強いです。
【ムービーシーンの少なさ】
重要な場面もムービーではなくほぼテキストで済ませたりする事があり、いやいやここは凄く重要なのにどうして?と思う事が多々あります。そういった場面をムービー化したり、もっと印象を強める為に頻度を増やしたり引き伸ばしたりする事で、キャラ達の関係の深さをもっと感じられたのではないかと思うと勿体無いです。
【ムービーシーンの稚拙さ】
戦闘など深刻な場面のムービーはよく出来ていて、戦うキャラクター達の動きも恰好良いのですが、感動シーンなどのムービーはあまり出来がよくありません。主に台詞が唐突過ぎる内容だったり、いきなり途切れたり、どうにも映像を前提とした台詞というより、ライトノベルなどの文章媒体前提で作られている台詞を映像で喋っているような印象にさせられる部分があります。DOD時代からそうですが、この開発者達はもっとムービー製作技術(主にコンテ)を向上させれば、一気に化ける可能性があるように思います。
【ボイスの少なさと音量の酷さ】
キャラクター達のボイス量が全体的に少ないです。喋って欲しいところで喋らずにテキストのみだったり、逆に対して重要じゃない場面で喋ったりとバランスも悪い。主人公が大人になってからのボイスの少なさは深刻で、ラスト付近まであまり喋ってくれません。仲間同士の会話も少なく、クエストをやらなければ更に少なく感じます。
また、ボイスの音量のバランスが滅茶苦茶で、時にはうるさく感じ、時には重要な場面なのに何故か声が小さくて聞き取りにくくなったりと、音量バランスが悪いです。街や村を歩いていると住人達の声が聞こえてきますがほとんど聞き取れないほど小さいです。
【字の小ささ】
最初は480pでプレイしたのですが、このゲームはHD環境でなければ字が小さすぎて全然読み取れません。漢字によってはどんなに目を凝らそうが、字自体が完全に潰れているので無理というものもあります。逆にHD環境で遊ぶと、程よい小ささで情報量も多いので快適なのですが…
【クエストのつまらなさ】
ボリュームの少ない本筋を補完する為にモリモリ盛り込まれた大量のおつかい。正直言って一部のクエストを除いてほとんどつまらないです。大したサブシナリオもなく、ただひたすら○○へ行け○○を取って来いなど、延々マラソンさせられます。
COMMENT
問題はあるものの私はこのゲームが大好きです。この世界観にハマるととことんのめり込んでしまう不思議な魅力を持った作品です。RPG好きでPS3を持っているのなら、買ってみても損はないのではないでしょうか。
色々と微妙なゲームである事は間違いありません。作り込みの甘さが随所に見られ、こうすればもっと良くなった筈、と思える惜しい点が幾つもあります。しかしこのゲームの開発者には、単なるストーリーを追うための作業的アクションや、キャラありきの稚拙な世界観のゲームとは違う、まさにJRPGの今後に望むべきを理解した『ゲーム』を作れる能力があると思います。
この意識と能力を大事にして、より洗練されたストーリー演出を行えるようになれば、今後より素晴らしい作品が生み出される可能性があります。本格的にゼルダを目指しても良いのでは?と思うほど、期待を持てるスタッフだと思います。よって、次回作に期待したいです。
プレイ環境:24型PCモニターHDMI接続 インストールプレイ