まず、最初に 恥ずかしながら自分は本作の持つ魅力に、あてられて しまったということを先に告白しておく。 そのため、大変見苦しいレビューとなってしまった。 また、メインのパズル以外の部分に集中したレビューとなっているため、あまり参考にならないだろう。 それでも良いという方のみ どうぞ オリジナリティー 5pt 「既存のゲームとしての枠を超えつつある」 本作は アドベンチャーとパズル から成るゲームであるが、 高品質を誇るアニメムービーと丹念な各種演出・ゲームデザインにより、「単なるゲーム」以上の娯楽作品としての域に達しつつあると思われる。 技術力の高さとセンスの無さを同時に示すムービーを大量に流す、国内外の多くのムービーゲーとは一線を画すると存ずる。 それらには共通して、ムービーとゲームの間において「ムラ」というものがあるような気がしてならない。 そのため、その手のゲームをしていると自分はよく、○○○(タイトル名)という名のゲームをしているのか、それともムービーを見ているのか、わからなくなり興醒めする。 それらはもはや、ゲームでも無ければムービーでも無い。 しかし、本作はそういった「ムラ」をなくすような配慮が、随所に見受けられる。 それゆえ本作は「キャサリン」という、ゲームでもありムービーでもある とかろうじて言える。 かろうじて とはいえ、こう言えたのは「ヘビーレイン」以来であり、 また、ゲーム(特に、国産の)への新たな可能性を示している と自分は感じた。 それゆえ、最高点を付けさせてもらった。 ただし、この評価は広く娯楽作品としての評価である。 もし、あくまで「単なるゲーム」として評価すればもっと低かったであろう。 また、オリジナリティーが高いからと言ってそれが即 商品として良い ということにはつながらないことに、本作では特に留意して頂きたい。 グラフィックス・サウンド 5pt 「これ以外に思いつかない」 結論としてこれが最高点を挙げる理由である。 確かに、3Dグラフィックス BGM などといった各々の要素を一つずつ取り出し評価していけば、それら以上のレベルのものを簡単に思いつくことができる。 が、しかし、果たしてそれらが「キャサリン」に相応しいかどうかが問題だ。 答えは多分、ノーだろう。 画像 演出 デザイン BGM SE ボイス etc といった様々な点は、本作の強固なコンセプトのもと絶妙なバランスによって組み合されている。 一つの要素を取り出し変えてしまえば、後に残るは違和感だけとなるだろう。 (例えば 3Dグラフィックス もし仮にこれが、FF13やメジャータイトルのFPSクラスのような画像の綺麗さを誇ってしまっていたら、見るのが次第に辛くなってくるだろう。 本作のあのアニメ調のタッチだからこそ、コミカルな部分が出て暗くなり過ぎずに済んでいると思われる。 実写のようになってしまえばそうはいくまい。アニメムービーとの整合性も著しく損なわれよう。 決して技術の進化を否定しているわけでは無い。ただ本作について言えばこれが ハマって いると感じる。 ・・・それに、イヤ、その 何だ 変にリアルになったら色んな意味で、キャサリンを直視できなくなってしまうでしょうが。 何と言うか、目のやり場に困るというか。イヤ、それはそれでミタカッタヨウナ・・・ ・・・ゴホン、失礼。とにかく本作のような形で良かったのだろう。と思いますヨ?・・・) 何にせよ、「キャサリン」という世界の雰囲気を楽しむために本作以外の表現や演出がちょっと思いつかない。 ゆえに、最高点を付けさせてもらった。 (ただし・・・BAD欄後述) 満足感 4pt 雰囲気を楽しめたため概ね満足だ。特に評価したい点は次の二つ。 1 アニメ 明日からTVアニメ「キャサリン」の放映が始まっても、何らおかしくない程の高品質だ。(深夜放送に来そうな気がする・・・) 仮にこのゲームを、所詮はムービーゲーと割り切っても自分は十分満足する。 これ程の質・量を備えたアニメDVDを揃えようとすると、絶対にこの値段では収まらないだろう。 そう考えればお買い得と言うべきか。 (実は、そう言う程アニメの量は多くないがCGムービーを合わせれば) 2 デザイン これにつき、自分ごときが文句をつけるような所はほぼ無い。 これこそが ハイセンス と言えるのではないか。 少なくとも やたら 萌え を狙い思わず失笑してしまうような美少女ゲームよりも (好きだから別にいいけどね、でもねぇ・・・) もはや、どこを目指しているのか何が何だかわからなくなっている国産のSFファンタジーゲームよりも (あえて名前は出さないが、某大作RPGだけの話に留まらない) いくら リアリティー が有るとは言え、無骨で味気の無い多くの海外産のゲームよりも (基本それで良いが、少しはオシャレなものも・・・) 本作の方がよっぽど見応えが有ると思う。
熱中度 2pt 快適さ 3pt これらの点がふるわなかった理由を述べる。 パズル難易度 散々指摘されているように、かなりシビアめだ。 パズルに絶対の自信がある と言うならもう止めないが、そうでないならイージーから始めることを強くオススメする。 この「キャサリン」の装いからして、パズルゲームになじみの無い人(自分含めて)も多く手にするだろう。と思われる中、これ程の高難易度をぶつけてくるとは・・・ とにかく (パズルパートはそういった人たちでもさくさくとクリアでき、アドベンチャーパートに集中できるような) ベリーイージーの用意をしなかったのは、致命傷レベルの判断ミスだったと思われる。 パッチで修正が来るらしいが、遅きに逸した感は否めない。 操作性 詳細は既に述べられているので、結論だけ言うと 操作の暴発がしやすい 「少し大げさなのでは?」と思われたそこの貴方 やり直しシステム アンドゥ のあるイージーなら確かに、取り立てて言う程でもないが、 それの無いノーマル・ハードではかなりストレスの溜まる要因だということを、プレイすればわかるでしょう。 (この難易度・操作性に対するリクエスト) やはり、ノーマル・ハードでもアンドゥが欲しかった。 ただし、イージーが最大9手前まで戻せるのに対し、例えばノーマルなら3手前 ハードなら1手前という様にすれば良い。 また、ノーマル・ハードでアンドゥを使えばスコアに減点ペナルティーが課される という風にして欲しい。 こうすれば、本作パズルパートの問題点の多くはかなり解消されるのではないか、と思われる。 ・・・ていうか、何故こうしなかったのだろう? あの アンドゥ をイージーだけに留めておくのはかなり勿体ない気がするが・・・ (他作品のレビューでも同じようなことを書いたが、このようなシステム・仕様の有る無しによる難易度調整は苛烈であると思う。 「有る」か「無い」かの調整では、とんでもなく難しくなるか とんでもなく易しくなるか のどちらかだ。 間をとる という発想はないのか?) ボリューム といっても量的なものではなく、質的なもの。 本作のゲームとしての部分はいわば 会話を楽しむアドベンチャ− パズルを楽しむメインとミニゲーム 楽しみがいがあったとはいえ、これだけしかない。 確かに、変に色々と追加して先述したバランス・雰囲気を崩されてしまっては本末転倒だが、もう少し他に「遊べる」要素が無かったものか と思う。 普段ゲームをしていない人ならばそうでも無いだろうが、普段ゲームをしている人ならば物足りなく感ずるかもしれない。 先ほどあくまで「単なるゲーム」としてみたら、低評価だったろう と述べた理由がこれであり、 また、熱中度を低めにつけた表向きの理由でもある。 (以下はBADというわけではないが、好き嫌いが分かれそうなところであり注意を要する点を述べる) オリジナリティー・グラフィックス・サウンド 「完成され過ぎている」 ここでのこの言葉は決して褒め言葉として使っていない。 全ての要素が絶妙なバランスの下に組み合わさっている と述べたが、それは裏を返せば 一つでも気に入らない部分が出てくると途端に全てが気に入らなくなるだろう ということを意味する。 そして、本作は非常にクセの強い作品だ。いや、クセ・アク・個性のカタマリと言っても良い。 結局のところ、本作の雰囲気を気に入るか否かが全てであり、かなり好みが分かれよう。 思いのほか、本作のストライクゾーンは狭い。 ホラー まず初めに、本作はあくまでホラーテイストのゲームであってホラーゲームではない。 ホラーという部分に期待してしまうと、ほぼ確実に肩透かしを喰らうだろう。 なお、本作のホラーの根幹は ゾンビのようなパニックものや幽霊のようなオカルト系のものではない。 言わば「生身の人間こそが怖い」というものである。 ・・・何故か本作をしていると、TVの「世にも奇妙な物語」のあのテーマが聞こえてくるような・・・ また、ごく一部の男性にとっては下手なホラーゲーム・映画よりも、本作の方が余程「怖い」と感ずるかもしれない・ (まぁ・・・「怖い」というより「ツライ」のだが・・・) 修羅場 火曜サスペンス劇場もビックリするかどうかは知らんが・・・ 主人公には修羅場が待っている。当然のことながら、清涼感とかは望むべくもない。 そういったことをニヤニヤとほくそ笑みながら見れる、心に余裕のある時でないと本作を楽しむのは難しい。 また、主人公のストーリーはコミカル調に描かれている部分もあり楽しみやすいが、主人公以外の人物はそのように描かれていない。 そのため、人によってはグサッと心に突き刺さるところがあるかもしれない。 (あぁ・・・何かイロイロと思い出してきた・・・気が重いなぁ・・・) ストーリー・キャラ もっとも好みが分かれる点である。その中身についてはあえて何も言うまい。 それでも言うならば ・・・嫌味を言うつもりではなかったが、本作の数々のストーリーやキャラに対し全く何らの面白み・魅力・共感を感じないならば、それはそれで幸せなことなのかもしれない。 ・・・心に何らかの 闇 やましさ を抱えている、または抱えていた人ならばツボにはまる可能性がある。 (まぁ 自分はツボにはまったというより、ドツボにハマり込んでいるのだが・・・ 何かやりたくなくなってきた。とはいえ、ここでやめたら羊男一直線な気がする・・・ ぶつくさ言わずに登るか・・・ この姿を熱中しているとは個人的に言いたくない)
一言で言わば「ジャパン・クール」 ちょっとほめ過ぎた気がするが、そう言える理由は二つ。 第一に、本作は海外勢では絶対に作れず、日本だからこそ作れたということ。 第二に、あの難易度のせいで台無しになっている感が有るとは言え、ゲーマー層よりかはむしろもっと広い層に訴えかける魅力をもっていること。である。 (そう思うがゆえに、本作のような新規タイトルの意欲作が失敗に終われば、PS3の日本のゲーム市場に未来など無いのではないか? と憶測する。・・・憶測であって欲しいが・・・) しかし、ここまで高評価をしていても 「では、人にススメるか?」と聞かれれば、 首を横に振るだろう。それほど人を選ぶのだ。 特にパズルゲームが苦手ではないということは大前提だ。 その上で言わせてもらうならば本作は 男の身勝手さと言う言葉にイラっときたレディース そして 男の身勝手さと言う言葉にギクッとしたジェントルマン におススメする。 ただし最後に一言これだけは言わせて欲しい。 「絶対に、繰り返します 絶 対 に カップルでは本作をしないで下さい。」 ・・・ ・・・・ ・・・・・忠告はしておきましたヨ?
GOOD!
まず、最初に
恥ずかしながら自分は本作の持つ魅力に、あてられて しまったということを先に告白しておく。
そのため、大変見苦しいレビューとなってしまった。
また、メインのパズル以外の部分に集中したレビューとなっているため、あまり参考にならないだろう。
それでも良いという方のみ どうぞ
オリジナリティー 5pt
「既存のゲームとしての枠を超えつつある」
本作は アドベンチャーとパズル から成るゲームであるが、
高品質を誇るアニメムービーと丹念な各種演出・ゲームデザインにより、「単なるゲーム」以上の娯楽作品としての域に達しつつあると思われる。
技術力の高さとセンスの無さを同時に示すムービーを大量に流す、国内外の多くのムービーゲーとは一線を画すると存ずる。
それらには共通して、ムービーとゲームの間において「ムラ」というものがあるような気がしてならない。
そのため、その手のゲームをしていると自分はよく、○○○(タイトル名)という名のゲームをしているのか、それともムービーを見ているのか、わからなくなり興醒めする。
それらはもはや、ゲームでも無ければムービーでも無い。
しかし、本作はそういった「ムラ」をなくすような配慮が、随所に見受けられる。
それゆえ本作は「キャサリン」という、ゲームでもありムービーでもある とかろうじて言える。
かろうじて とはいえ、こう言えたのは「ヘビーレイン」以来であり、
また、ゲーム(特に、国産の)への新たな可能性を示している と自分は感じた。
それゆえ、最高点を付けさせてもらった。
ただし、この評価は広く娯楽作品としての評価である。
もし、あくまで「単なるゲーム」として評価すればもっと低かったであろう。
また、オリジナリティーが高いからと言ってそれが即 商品として良い ということにはつながらないことに、本作では特に留意して頂きたい。
グラフィックス・サウンド 5pt
「これ以外に思いつかない」
結論としてこれが最高点を挙げる理由である。
確かに、3Dグラフィックス BGM などといった各々の要素を一つずつ取り出し評価していけば、それら以上のレベルのものを簡単に思いつくことができる。
が、しかし、果たしてそれらが「キャサリン」に相応しいかどうかが問題だ。
答えは多分、ノーだろう。
画像 演出 デザイン BGM SE ボイス etc
といった様々な点は、本作の強固なコンセプトのもと絶妙なバランスによって組み合されている。
一つの要素を取り出し変えてしまえば、後に残るは違和感だけとなるだろう。
(例えば 3Dグラフィックス
もし仮にこれが、FF13やメジャータイトルのFPSクラスのような画像の綺麗さを誇ってしまっていたら、見るのが次第に辛くなってくるだろう。
本作のあのアニメ調のタッチだからこそ、コミカルな部分が出て暗くなり過ぎずに済んでいると思われる。
実写のようになってしまえばそうはいくまい。アニメムービーとの整合性も著しく損なわれよう。
決して技術の進化を否定しているわけでは無い。ただ本作について言えばこれが ハマって いると感じる。
・・・それに、イヤ、その 何だ 変にリアルになったら色んな意味で、キャサリンを直視できなくなってしまうでしょうが。
何と言うか、目のやり場に困るというか。イヤ、それはそれでミタカッタヨウナ・・・
・・・ゴホン、失礼。とにかく本作のような形で良かったのだろう。と思いますヨ?・・・)
何にせよ、「キャサリン」という世界の雰囲気を楽しむために本作以外の表現や演出がちょっと思いつかない。
ゆえに、最高点を付けさせてもらった。
(ただし・・・BAD欄後述)
満足感 4pt
雰囲気を楽しめたため概ね満足だ。特に評価したい点は次の二つ。
1 アニメ
明日からTVアニメ「キャサリン」の放映が始まっても、何らおかしくない程の高品質だ。(深夜放送に来そうな気がする・・・)
仮にこのゲームを、所詮はムービーゲーと割り切っても自分は十分満足する。
これ程の質・量を備えたアニメDVDを揃えようとすると、絶対にこの値段では収まらないだろう。
そう考えればお買い得と言うべきか。
(実は、そう言う程アニメの量は多くないがCGムービーを合わせれば)
2 デザイン
これにつき、自分ごときが文句をつけるような所はほぼ無い。
これこそが ハイセンス と言えるのではないか。
少なくとも
やたら 萌え を狙い思わず失笑してしまうような美少女ゲームよりも (好きだから別にいいけどね、でもねぇ・・・)
もはや、どこを目指しているのか何が何だかわからなくなっている国産のSFファンタジーゲームよりも (あえて名前は出さないが、某大作RPGだけの話に留まらない)
いくら リアリティー が有るとは言え、無骨で味気の無い多くの海外産のゲームよりも (基本それで良いが、少しはオシャレなものも・・・)
本作の方がよっぽど見応えが有ると思う。
BAD/REQUEST
熱中度 2pt 快適さ 3pt
これらの点がふるわなかった理由を述べる。
パズル難易度
散々指摘されているように、かなりシビアめだ。
パズルに絶対の自信がある と言うならもう止めないが、そうでないならイージーから始めることを強くオススメする。
この「キャサリン」の装いからして、パズルゲームになじみの無い人(自分含めて)も多く手にするだろう。と思われる中、これ程の高難易度をぶつけてくるとは・・・
とにかく
(パズルパートはそういった人たちでもさくさくとクリアでき、アドベンチャーパートに集中できるような)
ベリーイージーの用意をしなかったのは、致命傷レベルの判断ミスだったと思われる。
パッチで修正が来るらしいが、遅きに逸した感は否めない。
操作性
詳細は既に述べられているので、結論だけ言うと
操作の暴発がしやすい
「少し大げさなのでは?」と思われたそこの貴方
やり直しシステム アンドゥ のあるイージーなら確かに、取り立てて言う程でもないが、
それの無いノーマル・ハードではかなりストレスの溜まる要因だということを、プレイすればわかるでしょう。
(この難易度・操作性に対するリクエスト)
やはり、ノーマル・ハードでもアンドゥが欲しかった。
ただし、イージーが最大9手前まで戻せるのに対し、例えばノーマルなら3手前 ハードなら1手前という様にすれば良い。
また、ノーマル・ハードでアンドゥを使えばスコアに減点ペナルティーが課される という風にして欲しい。
こうすれば、本作パズルパートの問題点の多くはかなり解消されるのではないか、と思われる。
・・・ていうか、何故こうしなかったのだろう?
あの アンドゥ をイージーだけに留めておくのはかなり勿体ない気がするが・・・
(他作品のレビューでも同じようなことを書いたが、このようなシステム・仕様の有る無しによる難易度調整は苛烈であると思う。
「有る」か「無い」かの調整では、とんでもなく難しくなるか とんでもなく易しくなるか のどちらかだ。
間をとる という発想はないのか?)
ボリューム
といっても量的なものではなく、質的なもの。
本作のゲームとしての部分はいわば
会話を楽しむアドベンチャ−
パズルを楽しむメインとミニゲーム
楽しみがいがあったとはいえ、これだけしかない。
確かに、変に色々と追加して先述したバランス・雰囲気を崩されてしまっては本末転倒だが、もう少し他に「遊べる」要素が無かったものか と思う。
普段ゲームをしていない人ならばそうでも無いだろうが、普段ゲームをしている人ならば物足りなく感ずるかもしれない。
先ほどあくまで「単なるゲーム」としてみたら、低評価だったろう と述べた理由がこれであり、
また、熱中度を低めにつけた表向きの理由でもある。
(以下はBADというわけではないが、好き嫌いが分かれそうなところであり注意を要する点を述べる)
オリジナリティー・グラフィックス・サウンド
「完成され過ぎている」
ここでのこの言葉は決して褒め言葉として使っていない。
全ての要素が絶妙なバランスの下に組み合わさっている と述べたが、それは裏を返せば 一つでも気に入らない部分が出てくると途端に全てが気に入らなくなるだろう ということを意味する。
そして、本作は非常にクセの強い作品だ。いや、クセ・アク・個性のカタマリと言っても良い。
結局のところ、本作の雰囲気を気に入るか否かが全てであり、かなり好みが分かれよう。
思いのほか、本作のストライクゾーンは狭い。
ホラー
まず初めに、本作はあくまでホラーテイストのゲームであってホラーゲームではない。
ホラーという部分に期待してしまうと、ほぼ確実に肩透かしを喰らうだろう。
なお、本作のホラーの根幹は ゾンビのようなパニックものや幽霊のようなオカルト系のものではない。
言わば「生身の人間こそが怖い」というものである。
・・・何故か本作をしていると、TVの「世にも奇妙な物語」のあのテーマが聞こえてくるような・・・
また、ごく一部の男性にとっては下手なホラーゲーム・映画よりも、本作の方が余程「怖い」と感ずるかもしれない・
(まぁ・・・「怖い」というより「ツライ」のだが・・・)
修羅場
火曜サスペンス劇場もビックリするかどうかは知らんが・・・
主人公には修羅場が待っている。当然のことながら、清涼感とかは望むべくもない。
そういったことをニヤニヤとほくそ笑みながら見れる、心に余裕のある時でないと本作を楽しむのは難しい。
また、主人公のストーリーはコミカル調に描かれている部分もあり楽しみやすいが、主人公以外の人物はそのように描かれていない。
そのため、人によってはグサッと心に突き刺さるところがあるかもしれない。
(あぁ・・・何かイロイロと思い出してきた・・・気が重いなぁ・・・)
ストーリー・キャラ
もっとも好みが分かれる点である。その中身についてはあえて何も言うまい。
それでも言うならば
・・・嫌味を言うつもりではなかったが、本作の数々のストーリーやキャラに対し全く何らの面白み・魅力・共感を感じないならば、それはそれで幸せなことなのかもしれない。
・・・心に何らかの 闇 やましさ を抱えている、または抱えていた人ならばツボにはまる可能性がある。
(まぁ 自分はツボにはまったというより、ドツボにハマり込んでいるのだが・・・
何かやりたくなくなってきた。とはいえ、ここでやめたら羊男一直線な気がする・・・
ぶつくさ言わずに登るか・・・
この姿を熱中しているとは個人的に言いたくない)
COMMENT
一言で言わば「ジャパン・クール」
ちょっとほめ過ぎた気がするが、そう言える理由は二つ。
第一に、本作は海外勢では絶対に作れず、日本だからこそ作れたということ。
第二に、あの難易度のせいで台無しになっている感が有るとは言え、ゲーマー層よりかはむしろもっと広い層に訴えかける魅力をもっていること。である。
(そう思うがゆえに、本作のような新規タイトルの意欲作が失敗に終われば、PS3の日本のゲーム市場に未来など無いのではないか? と憶測する。・・・憶測であって欲しいが・・・)
しかし、ここまで高評価をしていても
「では、人にススメるか?」と聞かれれば、
首を横に振るだろう。それほど人を選ぶのだ。
特にパズルゲームが苦手ではないということは大前提だ。
その上で言わせてもらうならば本作は
男の身勝手さと言う言葉にイラっときたレディース
そして
男の身勝手さと言う言葉にギクッとしたジェントルマン
におススメする。
ただし最後に一言これだけは言わせて欲しい。
「絶対に、繰り返します 絶 対 に カップルでは本作をしないで下さい。」
・・・
・・・・
・・・・・忠告はしておきましたヨ?