PlayStation mk2 :: PS4評価レビューサイト

GOOD!

　発売時にゲームを行い、レビューも書いてあったのですが、1年3ヶ月たった今頃投稿。前レビューワーの投稿を見るまでその存在をすっかり忘れていました（笑）

　レビュー数から見ても、極めてマイナーなゲームですが、それほど出来が悪い訳ではありません。しかし、ゲーム全体に漂う“暗さ”“地味さ”はいかんともし難いものがあると思います。


＜簡単な紹介＞
“無双ゲーム（敵少なめ）”＋“1対1のタイマン戦”＋“巨大ボス戦”という内容です

◇ストーリー
　トロイア戦争（ギリシア神話上の戦争）に沿って進行していきます。全21話からなり、それぞれの話で操作キャラは固定となっています。

◇ミッション遂行型
　“戦国無双”タイプといえます。ミッションに関しては、稀に失敗でゲームオーバーというのもありますが、基本的に急がなくても大丈夫です。一方、サブミッションというものもあり、満たさなくてもストーリーは進みます。
　また、難易度Expartでは、そのステージの全サブミッション（ほとんど2個。稀に3,4個）をクリアすると、レアアイテムが販売されるようになります。

◇北斗無双に似ている印象
　動きは遅めです。
　敵のいないところでは、少し足が速くなります（走っている時間は長め）
　ボス戦でQTE（ボタン押しイベント）があります。

◇アキレウス
　後日、無双OROCHI2に本作から“アキレウス”が参戦しています。OROCHI2でも凶暴なキャラですが、本作での凶悪さは一桁違います。尚、彼は「アキレス腱」で有名なあの人で、そのエピソードも出てきます。


＜良い所＞
◎攻撃はタイミング良く
　このゲームの攻撃は従来の無双ゲーと同じで、基本攻撃１〜５の後ろにチャージ攻撃を１発出すという形式です。ボタン連打でも普通に攻撃できるのですが、ジャストタイミングでボタンを押すことにより、“攻撃力と攻撃範囲が1.5倍”にもなります。成功すると効果音と武器の色が変わり、また画面が少しだけアップになって、気持ちがいいです。

　ほとんどの攻撃は、武器を振り切ったところにタイミングがあるので、心持ち遅めでボタンを繋げていくことになります。戦闘中、回避回避で熱くなりながらも、一方で冷静にボタンを押していく、相反する行為が楽しかったです。ボタンをゆっくり押したほうが断然殲滅力が高いというのは、不思議で新しい感覚でした。


◎タイマン戦
　イベント戦闘のように、特定のタイミングで1対1のタイマン戦が入ります(ステージの最後が多い）。はじめは難しく感じるかもしれませんがそのうち慣れます。適度な難易度で、気分良くステージを終えられます。


○やり直し
　ゲームオーバーになっても、直前のチェックポイントからやり直すことができます。しかも、何度かやられていると体力を全回復してくれます。ただし、このゲームは、自分の体力よりも、“味方を守れ”系のミッションが難しいのですが。

BAD/REQUEST

＜悪い所＞
◆難易度
　4段階あります。アクションゲームにしては難易度は低めだと思います。

・EASY…EASYというほど簡単ではない。慣れないと1対1戦でやられる
・NORMAL…EASYとの違いはあまりない
・HARD…アイテムが揃っていない状態でのNORMALより、NORMALクリア後のHARDの方がはるかに簡単
・EXPART…ようやくアクションゲームらしくなる

　各難易度で、ストーリーモードを全部クリアするとちょっとした特典があります。やられた敵が必要以上にふっとんでいったり（なかなか気持ちがいい）、ちょっとしたお楽しみ設定ができます。

　この手のゲームでいつも思うのですが、より上の難易度でクリアしたら、それ以下の難易度もクリア扱いにしてもらえないものでしょうか。特にHARDはいらないと思いました。実際、EXPARTを先にやり、HARDはサブミッションを全部無視して速攻で終わらせました。


◆ボス戦
　HARDまでは多少強引にいってもこちらが体力勝ちしますので、むしろ簡単です。しかし、Expartでは力勝負をすると体力負けします。

　ボスの動きは極めて単純で、このままではアクションゲームになりません。どうやって難しくしているかというと、例えば前半ボスはザコを同時に出すのです（5〜6匹ずつ無限湧き）。EXPARTではザコでも痛いので、雑魚処理の合間にボスに攻撃する感じでした。確かに難しくはなっているのですが、時間だけがかかって面白くはなかったです。

　そして、最後は悪名高きQTE（クイックタイムイベント）。北斗無双もそうでしたが、本作でもいらない要素だと思います。


◆動きが単純
　全体的に敵のプログラムが単純です。ボス戦ですら上記のようですから、ザコ敵は…

・やや手強い敵は次のようなものでした
?スーパーアーマー付き
　どのゲームでも難しいのは攻撃を受けても怯まない敵、と相場は決まっています。本作ではジャストガードではじくか、2回斬って前転の繰り返しで処理。

?槍持ち
　自分、敵、共通で槍はガードできません。

?槍投げor弓
　近くに行かない限り延々と投げてきます。弓はわかりますが、延々と槍投げってどうなの？


◆暗いストーリー
　三国無双では、それぞれ“もし”のストーリーがあり、各勢力ごとにハッピーエンドがありました。しかし、本作は負けた民族が“皆殺し”や“奴隷”になるお話です。そして、この一本のストーリーの上を、両勢力のキャラを交互に操作していきます。

　両陣営とも悲劇ばかりです。トロイ側のヒーローだった操作キャラが別の章では慈悲を請うています。別のキャラは首を斬られて転がされてます。ダークです。その上、ほとんどの操作キャラは敵側の操作キャラで（つまり自分で）とどめを刺します。結局、8人中、6人も死ぬはめに。

　その他“神”の概念もピンときませんし、前レビューワーの「知名度的にも内容的にも日本人向けじゃない」は全くその通りだと思います。


◆成長システム
　最大11×9マスの枠の中にブロックを詰めていきます。ブロックによって大きさは違っていて、有用なものほど多くのマスが必要になるという感じです。おなじみのチャージ攻撃の一部も、ブロックを詰めることによって発動します。よって、使わないチャージ攻撃をはずし、他のブロックで埋めるという手もあります。

　成長の自由度という点では評価できる部分もあるのですが、ただ、私は以下の点が気に入りませんでした。

?地味
　成長システムは全てこのブロックに集約されています。他の無双ではキャラの能力が上がる以外にも新しい武器が手に入って見た目が変わったり、武器についている能力のコレクション要素などがありましたが、そういう楽しみがありません。

?面倒くさい
　このゲームは“キャラごと”にブロックの管理は行われているのですが、そもそも“ステージごと”に出撃キャラは固定されていますので、ステージごとに管理すればよかったのではないでしょうか。

　例えば、“神との戦闘時に攻撃力や防御力が上がるブロック”がありますが、神と戦闘するステージはほんの数箇所だけです。それを一々付け替えるのが面倒くさかったです。

COMMENT

＜感想＞
　“無双”の名を冠しているにも関わらず、レビューがほとんど出ていない（売れていない？）驚異のソフトです。カナダのコーエーが開発したようで、日本の無双ゲームとは趣が異なります。
　日本の無双ゲームのつもりでやると「鈍（のろ）い無双」「とろい無双」などと揶揄したくなりますが、はじめからこういうゲーム（重い、遅い、暗い）と知ってやれば、それほど出来が悪いゲームではないと思います。

　とはいえ、なぜすぐにレビュー投稿しなかったかというと、特に誰かに勧めたい気になれず、かといって全く遊べないわけでもないと何とも中途半端な印象を持っていたからです。実際、今、なんて感想書こうか凄く迷っています（笑）

　“現在やるゲームがなくて、かつ安く売っているのを見つけた。買うかどうか評判を見て決めよう！”という殿方へ。いわゆる慣れ親しんだ無双ゲームがやりたいのなら、本作は向いていません。しかし、普通のアクションゲームとしてみると、ゲームシステム自体はちゃんとしています。後はストーリーについていけるかどうかですが、やってやれないことはない、と思います。