【PS3】The Elder Scrolls V: Skyrim(ザ エルダースクロールズ V: スカイリム)
発売元 | ベセスダ・ソフトワークス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2011-12-08 |
価格 | 7980円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(Legendary Edition版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:RPG ■ プレイ人数:1人 【Legendary Edition(レジェンダリーエディション)版】 ■ 発売日:2013/06/28 ■ 価格:7,140円 通常版のDLCと同内容です。 |
GOOD!
このゲーム、というよりこのシリーズは、作り込みがとんでもなく凄い。
それはもう、それがゲーム最大のオリジナリティになるほどです。
ゲーム自体は、一言で表すと『RPG』。というか、それ以外の形容が出来ません。
あえて付け加えるなら『戦略性を捨てた代わりに、世界や人々との交流を重視した作品』。
ゲームとしての戦略性よりも、ロールプレイを楽しむ事を重視した方向性というだけで、まあ普通のRPG。
特に奇をてらった物は見当たらない、極めてオーソドックスなRPGなんですが、前述の通り作り込みが半端ではありません。
まず世界が広い。ただ歩き回るだけでもとんでもなく時間がかかります。
行く先々で様々な事が発生するので、冒険のワクワク感はかなりのものです。
それに、人それぞれにちゃんとした役割が与えられているんです。
それぞれに思考と目的があり、常に何かをしています。こちらの行動次第で人間同士の関係も大きく変わります。
盗みや不法侵入をするとちゃんと処罰されますし、その他諸々含めて世界に違和感がほとんどありません。
冒険の舞台は隅々まで作り上げられています。とりあえず5時間。いや、10時間遊んでみて下さい。
まずはメインの目標をやりつつ、行く先々の人と話して、新しい目標を得ていきます。
そして、その中から面白そうと思った目標をやっていくのです。手に入れた順番にやる必要はありません。
そしてその先でまた新しい目標を見つけたり、寄り道して新しい場所を見つけたりして行きます。
次々とやること(やりたいこと)は増えて行きますが、やりたいやつを、やりたい時にやれば良いのです。
そうしている内に、いつの間にかあなたはこのゲーム(シリーズ)の虜になっているはずです。
それでもつまらないと感じるのであれば、それはもう『RPG』というジャンルそのものがあなたに合わないだけか、もしくは高い戦略性が無いと駄目かのどちらかです。
基本的にオーソドックスな作りなので、RPGが合わないという人以外には文句なしにお勧め出来ます。
そして今回は、シリーズでも初めての人が入りやすい作品ではないかと思います。
以前までの放り投げられた感はそんなに無くて、最初にメインクエストをとりあえず進めて行くだけでも、面白さの片鱗が見えてくるように感じました。
以前のような「とりあえず5〜10時間やらないと面白さが見えてこない」という感じはありませんね。
ゲームデザインが上手くなったのでしょうか。
最初のあれで物凄い物を見せてくれたのに、その後も毎回毎回きっちりと成長を遂げていて、ここのスタッフはとても優秀ですね。
よくもまあ、自分たちが作り上げたあれほどの物を越えて来たもんです。
今まではメインクエストが中心で、それだけでも物凄いボリュームだったのに、今回はサブクエスト(以前はミニクエストとしてクエスト欄にすら乗らなかった)も凄い、というか凄すぎる。
そこら中に点在しているのは当然だけど、突然ランダムに発生するものが増えてて、新鮮な驚きが常にある。
ひたすらこの世界を歩きたくなる。足を止めることなんて出来なくなる。
歩いて歩いて歩き尽くしたと思っても、まだまだ世界中に未知が眠っている。新鮮な驚きが止まらない、止められない。
こんなゲームを遊べるなんて、今の人は幸せですよ。
このゲームは今後のRPGの、いや、今後全てのゲーム基準のとなる程の価値があります。
これをやると、ゲーム業界もまだまだ捨てたもんじゃないと思わせてくれます。
ここ数年では一番ハマッたゲームであることは間違いありません。
人生に喜びと希望を与えてくれる、素晴らしいゲームです。
誰かも言っていましたが、とにもかくにも「スカイリムという世界を与えて貰った」という喜びが凄いです。
もうそれだけです。その世界で遊べる事がどれだけ幸せなことか。
生半可な作り込みでは、こんな言葉は決して出てきませんよ。
BAD/REQUEST
・一回で全部出来過ぎる。
これはどういう事かと言うと、今までは最初に得意能力を決めたり、スキルをレベルアップで振り分けたりしていて、一度決めた生き方を途中で変えるのは難しかったんですね。
でも今回は、その行動さえやっていればそれを極められるので、レベルアップによるスキル取得(後半はレベルアップが厳しくなる)を除けば、生き方を急に変えられるので、今までより2回3回とやる意欲が落ちていると感じました。
1回でガッツリ楽しめるので、2回目にスキルがリセットされたときにやる気が大きく失われる可能性があります。
・今回も戦略性には期待しないようにして下さい。
いつものように回復し放題ですし、今回は自動回復も加わってさらに力押しが出来ます。
クエストの攻略も、指示に従ってやっていればそんなに苦労せずにクリア出来ます。
でもここで下手に戦略性を付加しても、世界を歩き回ったり人々の問題を解決したりといった、このゲームの根幹に関わる部分が崩れる可能性があります。
戦略を楽しみたいならそういったゲームをやればいいんです。
RPGにおいての冒険の楽しみや人助けの部分、どうやって生きるか(ヒーローになるか盗賊になるか、誰に味方し、誰を敵にするか)といった部分を重視したゲームなので、それを理解することをお勧めします。
ある時、物を掴む方法を発見しました。
といっても「物を取るボタンを長く押し続ける」という単純極まりないものでして、今更(開始40時間後)発見したのがなんか馬鹿みたいでした。
でも見る限り、説明書にもゲーム中にも書いていなかったんですよね。
分かりやすく書いていてほしかったですね。
装備が壊れないんですよね。
なんか戦略性が落ちたというか、お金の使い道が大きく減ったというか、些細なことなんですが気になりました。
COMMENT
さて、このシリーズは、私のゲームに対する見方というか、価値観をガラリと変えてしまった作品でして、
まさに「人生を変えた一本」といっても過言ではないシリーズなのです(ちょっと大げさかな?)。
なによりもまず「こんなに難しくてつまんないジャンルもない!」と叫びたくなる位嫌いなジャンルだった『RPG』の苦手意識を取っ払ってくれたということが大きい、大きすぎる。
苦手意識を完全に取っ払ってくれたおかげで、今はもうRPGが嫌いではありません。むしろ好きになりつつあります。
これを期に様々なRPGに手を出すようになり、今まで見過ごしていた数々の名作に触れる事が出来ました。
これはオブリビオンと共通のことなんですが、基本はシステム重視であり、ストーリーなんてあっさりしたものなんですが、実はストーリーも良いと思うんです。
あ、このあっさりしたものが良いというわけではありませんよ。
店で買ったり、世界に散らばっていたりする書物などを読み解くと、実は相当細かい所まで作り込まれていていることが分かります。
読めば読むほど、この世界やこの世界の人達が歩んできた道が分かるようになっているんです。
そして想像力を駆使して、頭の中に「自分のストーリー」を展開させる。
これは「ストーリーそのものの良さ」ではなく「ゲームにおけるストーリーの見せ方」をしっかり考えて作られたことの証明ではないでしょうか?
「自分から好奇心を持って探しに行かないと何も分からないけど、自発的に動けば動くほど、世界はそれに応えてくれる」。そしてそれが高い喜びをもたらす。
私はこのような作りこそが適切なRPGのストーリーの作り方だと思っています。
ストーリーそのものを否定したい訳ではありません。
ただ、それをメインに持って来て、プレイヤーを決められたツアーに同行させてしまうような作りは違うんじゃないかなと思います。
これらは私のRPGに対する考え方・価値観をガラリと変えてしまった、記念すべきゲームの一つでもあります(今のような考え方になったキッカケはこれらのシリーズです)。
私だけではなく、多くの方がこれらで考えを改めているようです。
あなたも、RPGの見方を変えてみませんか?
そしてもう一つ「これからの未来に希望が持てた」という要素も外せません。
だって、オブリビオンの時点でとんでもない内容だったのに、その後衰えるどころかどんどん進化してる。確実にデザインが上手くなってる。
以前書いた「このゲームは、今後のRPGの基準になる価値がある」という言葉はここに繋がります。
今後のRPGの、ゲームの基準はこれになって欲しい。
これ位のクオリティを基準にして、そしてこれからどんどん進化・発展していって欲しい。
様々なメーカーが切磋琢磨していけば、これからのコンピューターゲームの未来はきっと明るいと、そう信じています。