【PS3】テイルズ オブ グレイセス エフ レビュー
発売元 | バンダイナムコゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2010-12-02 |
価格 | 8379円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:守る強さを知るRPG ■ プレイ人数:1人(戦闘時最大4人) 【廉価版】 ■ 発売日:2012/08/02 ■ 価格:3,800円 |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 4pt | 4pt | 5pt | 5pt | 5pt | 3pt |
97pt
GOOD!
【戦闘システム】
「アラウンドステップ」というシステムで、より快適に移動、回避ができるようになりました。
「回避」と聞くと苦手意識を持ってしまいがちなユーザーは多いと思いますが、誰でも簡単に、爽快感のある回避が楽しめます。
また、通常攻撃を廃止し、A技という新たな概念を構築したのも素晴らしかった。
もし戦闘システムで要望を出すなら、A技もカスタマイズできればよかったかな?っていうぐらい。
それ以外は不満も要望も一切ない、完璧なものだったと思う。
【基本システム】
エレスポット、シャトル、現在の目的の表示等、言い出せばきりがないですが
何においても「快適」だったのはRPGにおいて大きなポイント。
ゲームを進めるにおいてイライラしたり、鬱陶しく感じることが一切といっていいほどなかった。
【シナリオ】
褒めるポイントは少ない反面、だめなポイントも少ない印象。
王道で少し盛り上がりにかけるかな?と思いきや、未来への系譜編(クリア後のシナリオ)でしっかりとテイルズらしくまとめてくれてました。
家族のようなパーティーメンバーを描いたことで、なんでもないシーンでも楽しめたのも嬉しかった。
【音楽】
BGMが最近のテイルズの中でもかなり良い方。
これは素晴らしい!という楽曲はないかもしれないが、全体的にレベルが高い。
BAD/REQUEST
【恋愛要素】
個人的にはGOODでもBADでもないですが、恋愛要素が本作では強め。
その描写の中心になるキャラクターは、恋愛要素が不要だと思うユーザーや、主人公が好きな女性ファンからは嫌われがち。
キャラは生きてるんだからみんな恋愛するものだ、ぐらいに思っておいた方が吉。
【アニメ】
テイルズという括りで見ても、IGという括りで見ても、今作のアニメのレベルはかなり低い。
RPG全体、ゲーム全体で見ればそれほどでもないが、アニメ要素を売りにしているテイルズにとってこれは少し痛手だったのでは。
エクシリアからufotableに変更したのも頷ける。
COMMENT
全体的に高水準であり、その中でもバトルシステムが飛び抜けているという作品。
戦闘なんてどうでもいい、キャラをどれだけ好きになるかが大事、というキャラゲーユーザーにはヴェスペリア等の方がおすすめできるが
ゲームをゲームとして楽しむのならば今作は必ず満足できるものになっています。
Wii版からの完全版なので、その商法はどうかと思わないでもないですが、追加要素も大きいので個人的にも満足。是非遊んでみてください。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 3pt | 3pt | 4pt | 3pt | 4pt | 2pt |
68pt
GOOD!
テイルズは全てクリア済み。グレイセスのWii版もクリア済みのレビューです。
戦闘システム
方向キーとボタンを連打するだけで簡単に連携が決まるので気持ちよく戦闘をこなせます。スキルを覚えればボタンを押しっぱなしにするだけで勝手に連携をしてくれるようになるので更に連携が決めやすくなります。
親切設計
次に何をすればいいのかが常に教えてもらえるのでとても親切です。チュートリアルも充実しています。
シリーズネタ
過去シリーズのネタが豊富です。カルタや武器の名前に自分の好きな作品のネタが出てくるので楽しかったです。
雰囲気が明るい
これは個人によって評価が異なると思いますが、作品の雰囲気が明るかったのは良かったと思います。スキットはギャグっぽいものが多く戦闘終了時の掛け合いも他作品よりも笑いが重視されていました。
快適さ
ロードも気になるほどの長さではないです。
BAD/REQUEST
戦闘システム
GOODで戦闘システムを挙げましたが、BADも目立っていたと思います。
まず気になったのはバックステップが従来の作品と違うことです。他作品では方向キーの左右でできていたのが上下に変わっていたので違和感があります。
またCPシステムのせいで好きな連携ができません。とくにA技は順番が決められているので非常に窮屈でした。初心者向けにしたのだと思いますが簡単すぎて飽きやすかったです。
装備品が少ない
せっかくデュアライズ(合成)があるのに装備品の数が少ないです。ヴェスぺリアのように武器を集める楽しさがありません。最強武器もレアな素材を集めて作るのかと思いきや、普通に拾えます。しかも全然強くなく、手に入れる喜びも皆無でした。移植したので増えたと期待していたので非常に残念です。
グレードシステム
グレードの取得条件がゲームのやりこみ具合によって増減するのですが、そのせいで1周目から結構なやりこみを要求されます。1周目は本筋に集中してクリア後から戦闘でグレードを集めて2週目にいくということができません。1周目からかなりの作業感です。
またサブイベントの達成状況もグレード増の条件の一つで、そのせいかサブイベントの数か非常に少なくなっています。グレードを貯めるのには便利ですがボリュームが足りませんでした。
未来への系譜編
かなり短いです。しかも内容も薄く、移植する際の批判をかわすためだけのオマケに過ぎません。これのために高い金を払ったのかと思うと・・・
Wii版からの進歩
ほとんど感じられませんでした。クオリティーの低いOPアニメーションもそのままです。バグは直してあるのかと思いきやアイテム増殖のバグが残っていたりします。
コスチュームもほとんどなくダウンロードコンテンツで稼ごうという魂胆が見えます。
COMMENT
この作品だけを見ると良いゲームなのですが、Wiiからの移植ということを考えると評価が下がってしまいます。シンフォニアやヴェスペリアは同じ完全版商法でも追加要素が多くなんとか納得はしましたがグレイセスはそれがありません。
Wii版未体験なら楽しめますが、体験済みだとがっかりするかもしれません。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
5pt | 3pt | 3pt | 5pt | 4pt | 3pt | 2pt |
80pt
GOOD!
【バトルシステム】
元々TOD2やTOR、リメイクTODなどの
テイルズの中でも少し変則的なバトルが好みなので、見事にハマりました。
スピーディーで、攻撃・防御・ステップを駆使して戦う必要があり飽きません。
また今回は各キャラが2種類の戦い方をできるので、操作キャラを変えることで楽しみも倍増です。
ついでに、バトルに入る時ロード時間がほぼゼロなのもかなり好印象でした。
【エレスポット・デュアライズシステム】
エレスポットはプレイヤーが使い道を自由に選べる、面白いシステムだと思います。
アイテムや素材を増やすため使うもよし、魔導書を詰め込んで効率化を図るもよし、料理をたくさんセットしてあらゆる状況に備えるもよし・・・序盤から終盤までかなりお世話になりました。
デュアライズは新しいアイテムを生み出していく感覚が良かったです。
【前半のストーリー】
幼少期をプレイさせるというのは上手いやり方だと思いました。
徐々にシステムに慣れられるのはもちろん、各キャラに自然と愛着が湧きます。
青年期に入ってからは主人公の置かれている立場がよく変わったり、
国同士の確執なども描かれたりと、先の気になる展開になっていたと思います。
【やり込み要素】
さすがテイルズ、やり込み要素が豊富です。無視しても一通り楽しめるけれども、やり込みたい人はいくらでも遊べるよう作られています。
地味な所ですが、個人的にはお店のスタンプカード制度がなかなか良かったです。
BAD/REQUEST
【アイテム一覧】
デュアライズする際、アイテムのソート機能もなく目的物が見付けづらかったです。
料理も、効果や発動条件等でカテゴライズされていれば、エレスポットにセットする時探し出しやすかったと思います。
テイルズはいつもメニュー周りが洗練されているのに珍しく不親切だなと感じました。
【後半のストーリー】
雪国に入ってしばらくした辺りからでしょうか、おつかい色の濃い展開が多くなったように思います。
前半はワクワクして進めていたのですが、後半は少しダレ気味かなあという印象。
また未来への系譜編は、本編に比べキャラ達の関係性を決定付けるような描写が多く、それが人によっては「押し付け」に感じられるかもしれないなと思いました。
【成長システム】
これまでほぼ飾りであった称号に大きな意味が付いたのは良かったのですが、
基本的にオート設定をONにして放置しておくだけなので、勝手に成長しているという感じで育てている感はあまりありませんでした。もう一捻りあると嬉しかったかな。
まあ成長に関してはデュアライズもありますので、これ以上やれる事が増えると面倒かもしれませんが。
COMMENT
過去シリーズは7割方プレイ済みです。
本作はWii版の評判が良かったため購入、とても楽しめました。
現在は2周目に引き継ぐため軽くやり込みをしております。
前作ヴェスペリアは、完成度が高い一方でおなじみのシステムの焼き直しが多かったと思います。
その点本作は戦闘をはじめとして、脇を固める各システムも新しかったのでオリジナリティに5を付けています。
なのでシリーズ通して楽しんでいる方はもちろん、最近テイルズはちょっとマンネリかなあという方にもお勧めです。
ストーリーに関してはGOOD・BAD両方に書きましたが、全体的に見るとよくまとまっていたと思います。
何よりシステムが良質で飽きずに遊べるので、アクション風のバトルに抵抗がない方やじっくり1本のソフトを遊びたい方はぜひプレイしてみて下さい。
Amazonレビュー
レビュー日: 2017-01-05
リバースやD1D2など好きに方にお勧め。
GOOD!
【オリジナリティー・満足度】
今回導入されたCCシステムの個人的な評価はあるにしろ、MPの概念のないシステムの構築は、アクションRPGの醍醐味である戦闘におけるスキル連打やコンボの使用感を充分に感じられる。
モンスターの属性や技の属性についても、より戦略、戦術を考えなければならず、難易度を上げれば上げるほど、アクション戦闘の面白味は増してくる。
鋼体と弱点属性を突いた時のダメージ幅が、高難易度がより多くダメージを与えられるのも(逆を言うと弱点を突けないとなかなかダメージは与えられない。特にボス戦)それに一役を買っている。全6段階、最高難易度の”カオス”では、回避及び術の阻止、コンボや連携、弱点属性をしっかりと行わないと、即全滅させられる程。
いつでも難易度を変更できるシステムは健在なので、無理と思ったら難易度を下げ、いけると思えば、経験値やSP、アイテムなどの恩恵の多い高難易度で挑むといった楽しみ方もできる。
【ストーリー】
PS3版では、wii版(未プレイ)では明かされなかった本編後の世界を、未来への系譜編としてプレイできる。
制作会社が「本編制作時点から、設定としてあったものを導入したもので、決して後付ではない」と公言しているだけあって、本編終了時には、曖昧になっていた点や疑問点は未来編でほぼ解決されている。
これまでのシリーズでは、”勧善懲悪ではない”としながらも、結局のところ”主人公側が絶対的正義である”だったり、”都合の悪いところは忘却”といった内容になってしまっていたが、今回は主人公達やラスボスのジレンマについてもしっかりと描かれており、多少青臭い表現が使われているにしろ、個人的にはしっかりとしたストーリーであると感じた。
【熱中度】
今回もグレードショップシステムは存在するが、今までよりグレードショップのハードルが高い項目もある。取得スキルや成長度を引き継ぎする「マスタリースキル引き継ぎ」は、まず1周目での取得は不可能と思えるほど高い。
またMOBとのレベル差による、取得経験値・SP補正が存在する為、これまでの作品よりも「経験値n倍」「SP取得n倍」の恩恵はあまり感じられなくなった。
料理や魔導書、グレードショップの項目等をフル活用し工夫すれば、これまでのようなクリア特典は存在するので、その工夫なども含めてやりこみ要素はある。
他にもサブイベントの回収やミニゲーム、コスプレ称号などこれまでのシリーズに合ったやりこみ要素で、ないものはないといってもいい。が、特に真新しさは感じないため、マンネリ感と作業感は否めないかもしれない。
BAD/REQUEST
【メインストーリー】
基本的にはしっかりとしたストーリーなのはGOODでもあげてはいるが、ボリュームの関係上、本来の展開から削除されている、或いは簡略化されている部分が多少感じられる。未来編で回収、補足しているにしろ、少しダッシュな展開で進む部分がある。ネタバレを含むので詳細は割愛。
クリア後、少年編はカットできるが、トロフィーやグレードの取得の為、少年編をプレイせざるを得ない。少年編とストーリーの大きな要である箇所のボリュームバランスが今回の問題点。
【スキット及びサブストーリー】
このシリーズの代名詞とも言える”寒いギャグ”や”スキット”(今回はグル―ヴィーチャットと呼ばれている)は、ふんだんに使われている。
ストーリー上シリアスな場面であるにも関わらず、戦闘終了時のチャットの内容がギャグ展開で興が覚めるといった事がしばしばあった。私のプレイしたシリーズの中では(D,S,D2,A,V)ストーリーのしっかりとした作品であっただけに残念。
と、同時にこれらはこのシリーズのいわゆる”お約束”と言ったものであるから、制作側としては、妥協案として、シリーズ全てにおいて「チャットのカットやスキップ機能で勘弁してください」といった形で受け取ることもできる。
【戦闘】
GOODで挙げたCCシステムに慣れるまでは、少々時間がかかる点、チュートリアル戦闘はあるにしろわかりにくい点が非常にネック。ともすると、チュートリアルのセリフを見逃してしまう。
また、フリーランのシステムが削除されてはいないが、今回はデメリットが大きく事実上使用できなくなった。それを補うステップはあるにしろ、あまり多用できない。(スキル使用時に消費するCCを消費してしまう)
それによって、最奥に布陣するターゲットの術の詠唱を防ごうと試みても、近づいた時にはスキルを充分に使えず、阻止できないといった場面もしばしばある。
更に”鋼体システム”が拍車をかけており、攻撃しても反撃コンボで即戦闘不能といった事にもなりかねない。
難易度を上げれば上げるほど、それは顕著になり、最高難易度でのモンスターの詠唱速度など強力な範囲術でも驚くほど速いので、爽快な戦闘をしたい場合はノーマル以下に設定することを推奨する。
また、突然雑魚モンスターが強力になる個所があり、ストーリー上わかりにくい。(ネタバレにもなるので詳しく書かないが、ストーリー上”雑魚の一部に強いのが混じっている”事は解るのだが、それとは無関係なフィールドの道の途中で突然”雑魚全体の強さが跳ね上がる”)
セーブポイントが事前にあるのだが、特にボス戦でもなく、ただの移動途中であり、人によってはスルーしてもおかしくない。(事実、私は全滅しかけて、アワーグラス等のレア消費アイテムを使わなければ1時間以上前のデータに戻されるとこだった。)
また戦闘中のエフェクトでは、モンスターが点滅やサークルに囲まれているといったように、状態(のけ反り中・鋼体・弱点発動中等々)を視認できるようにはなっているが、実際戦闘中はスキルエフェクト等で見辛く、確認することもしばしば必要になる。
COMMENT
人気シリーズの有名税とも言うべきマンネリ感は否めませんが、ある種テイルズの特徴がよく出た作品だと思います。
Wii版だけプレイした方も、是非今作の未来編をすることで、本編では語られなかった部分を垣間見ることができ、それだけでも十分楽しめるかと思います。(価格次第ですが。)
初見本編終了時に私はいろいろと疑問点が残っていましたが、未来編があってこそなのだと納得することもできました。
また、ヴェスペリアをプレイ後に抱かざるを得なかった”主人公達のご都合主義”が、今作では大幅に削られただけでも私は満足でした。
スキットや寒いギャグはレビュー中にも書きましたが、この作品の良くも悪くも特徴であると思います。
今後の期待値もある為、文句なしとは言えませんがこのシリーズでは久々に面白いという感想です。