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【PS3】Demon’s Souls(デモンズソウル) レビュー

発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメントオフィシャルサイト
発売日 2009-02-05
価格 6980円(税込)
レーティング 【D】17才以上対象 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon(廉価版)
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:アクションRPG
■ プレイ人数:オフラインモード:1人 / オンラインモード:最大4人

【廉価版】
■ 発売日:2010/02/25
■ 価格:3,800円

総合ポイント
89
(難易度)
3.90
レビュー数
164
スコアチャート Demon’s Souls(デモンズソウル)レビューチャート

Demon's Souls(デモンズソウル) 購入する
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90-100
【60点以上】
86%
【標準偏差】
17.44


デフォルト:新着順

566人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
5pt 4pt 3pt 5pt 5pt 3pt 5pt
総合点
88pt

GOOD!

・抜群のやり応え!
最近のゲームはやたらと親切で、ぶっつけ本番でどうにかなってしまうことが多いですが、本作は「死んで覚えろ!」と言わんばかりの難易度。ですが完全に詰まることはなく、やっているうちに進め方は頭に入っていきます。苦労した分、クリアした喜びはひとしおです。

・ダークな雰囲気
ファンタジーと言うと、日本ではポップな色合いのアニメキャラがキラキラした魔法を使うような世界を想像しますが、本作は日本製では珍しいドロドログログロのダークファンタジー。グロテスクな敵や、重厚な金属鎧の質感はとても良いです。

・一風変わったオンライン要素
各ステージで、他プレイヤーの残した痕跡を見ることができます。注意すべきところには警告文を、他プレイヤーが死んだところには血痕が残り、それを調べるとどうしてやられたかを見ることができます。

・パッケージの絵
普通なら格好良くポーズを取った騎士の姿や、勇ましく戦っている絵をパッケージにするでしょうが、本作のパッケージは、矢を打ち込まれて崩れ落ちた騎士の姿です。かつてこんなに悲壮感漂うパッケージがあったでしょうか(笑)

BAD/REQUEST

・ストーリーがよく分からず
ストーリーが希薄かつ難解(古の歌を再び元のまどろみに・・・とかさっぱり分からない)で、最後まで何のために戦っているのかよく分かりませんでした。エンディングも意味不明。

・結局は「覚えゲー」?
倒される度にステージの最初からやり直しになりますが、敵の配置は常に同じため、だんだんプレイが作業的になっていきます。

・実は低い自由度
ジャンルはアクションRPGとなっていますが、広大なフィールドを駆け回ったり、多くの人と交流したりといったゲームを期待してはいけません。行ける場所はステージのみで、基本的に神殿とステージの往復しかありません。NPCも数えるほどしかいません。

・いつしかゴリ押し可能に
最初の頃はすぐに死ぬため神経を使って戦いましたが、装備が整ってくるとザコの攻撃がほとんど効かなくなります。そのため、ボコられながらも強引に突破なんてことが出来てしまいます。また、各ステージも、実は最後に行くほど簡単になっていきます。OPムービーでとても勝てる気がしなかったアイツに、まさかあんなにあっさり勝てるとは思わなかった・・・

・2周目・・・
一度クリアすると、何事も無かったかのように2周目が始まります。敵の攻撃力が理不尽に強くなっただけで、ドロップアイテムや落ちているアイテムまで全く同じというのはどうかと・・・(得られるソウルはさすがに増えますが)

COMMENT

いいゲームです。やっとPS3の本領を発揮できたゲームに出会えた気がします。

ですが、最初の方のレビューのように手放しで絶賛されるほどのものではありません。80点台くらいが妥当な評価でしょう。アクションが苦手とか、作業ゲーが嫌いという人にはとことん合わないでしょうし。

オンライン要素はとてもよくできています。味方プレイヤーの強力を得るには生き返る必要があるが、生き返ると敵対プレイヤーの進入も受けてしまうというジレンマ。味方プレイヤーと一緒に戦えば喜びは普通以上だし、敵プレイヤーに倒されると悔しさも普通以上です(笑)

   
プレイ時間:60時間以上100時間未満(クリア済)
AJDさん  [2009-04-13 掲載]

このレビューはオススメ? はい  いいえ

599人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
5pt 5pt 5pt 5pt 5pt 5pt 4pt
総合点
100pt

GOOD!

オリジナリティー5点
 激ムズ(本当の激ムズは最初だけ)故に救済措置もあり、オンに繋いでいれば他のプレイヤーがヒントとなるメッセージを残してくれていたり(嘘の情報もあり)、どうしても先に勧めない場合は他のプレイヤーを召還して一緒に戦って貰ったり、PKといって特殊な状況から回復する為に他のプレイヤーの世界に侵入、襲う等といった事も出来る。また道中にある血痕に触れると、他のプレイヤーの死に様も見れるので危険を回避することも出来る。
昔のストイックなゲームの良いところと、今のオンラインという環境を見事に融合させている。

グラフィックス5点    液晶32型フルハイビジョン
 飛びぬけてきれいなわけじゃないが、一度の読み込みで結構広大で美しいフィールドをロード無しで駆け回れる。これは凄いと思った。また途中挿入されるムービーは圧巻だし、ボスのデカさも圧巻だが、とても綺麗だし細かく作られている。凄い。

サウンド5点
 余計な音はない。だからこそ緊張感があるし、逆にボスに遭うと途端に重厚な音楽が流れるのでテンションが一気に上がる。とても上手い演出だと思う。普段はBGMが無いが、このゲームはそれも演出の一つだと思う。まあ熱中しすぎてBGMに浸ってる間もないが。

熱中度5点
 これは文句なし。いや他も文句はないが、最近のゲームも基準に入れると5点じゃたりない。死んでは繰り返しが基本なんだがどんどん上手くなっていく。だから楽しくて止め時を失う。やられる度によし次は!ってなるし、また理不尽な何度ではなく、こうすれば解けるとかきちんとあるのでそれを探すのがまた楽しい。飽きないし本当にこのゲームバランスは近年みない素晴らしさ。

満足度5点
 正直龍が如くの繋ぎで軽い気持ちで買った。まさかこんなに面白いとは。てかやった人殆どがそう思っているだろう。今でもまさかフロムからと思っている。今までやってきた、ファミコンも含め確実に5本に入る最高のゲーム。

快適さ5点
 死んだらスタートからやり直しとか親切じゃないかも知れない。でもそれもこのゲームの魅力の一つである。それが嫌なら他のゲームをすればいい・・・みたいなスタンスなので、それさえ分かっていれば不快な部分なんてない。上にも述べたが一回の読み込みで広大なフィールドをロード無しで探索出来るし、ゲーム部分ではとても良く出来ている。

BAD/REQUEST

あえて言うならキャラクリが面白すぎというかランダムで作られる顔が酷すぎ。それでも時間をかければ良い顔になる。初めは絶望的だったが。

後、これは本人たちもこんなに好評と思ってなかったからか、サーバの問題か回線落ちやビジーで繋がらない事が多い。ここら辺は素早い対応望む。

COMMENT

よくオブリビオンとか、キングスとかと比較されるが、私はどんなゲームと聞かれたら、闘いの挽歌と答える。知らない人多いと思うが、今の格闘アクションの駆け引きを生んだ、ルーツみたいなもので伝説のゲーム、私の中で。それぐらい凄いゲーム。

PS3持ってるなら買わないと本当に損だと思うし、アクション好きならPS3本体ごと買っても良いと思える作品。

後、激ムズと聞いて敬遠してる人は安心を。初期は貴族という職業を選べば簡単だし、言ってもRPGなのでステータスアップすれば何とかなる・・・・かも。

まあ熱中度やオリジナリティーは確実に5点じゃ足りない。

   
プレイ時間:15時間以上30時間未満(未クリア)
hhさん  [2009-02-09 掲載]

このレビューはオススメ? はい  いいえ

582人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
5pt 5pt 4pt 5pt 5pt 5pt 5pt
総合点
98pt

GOOD!

・オリジナリティー … 5点

 アニメ臭さを排除したダークファンタジーの世界観に、多くを語らない謎めいたシナリオ、キャラクターのみならずプレイヤーの成長まで要求される敷居の高さや、無音の世界で間断なく緊張を強いられるマゾヒスティックなプレイ感覚など、あらゆる点において独創的な作品です.類似のゲームは、開発のフロムソフトウェアによる過去作品くらいしか見当たりません.
 存在自体が独特な本作から「どこそこが新しい」と一つの要素をピックアップすることは本来あまり意味がないのですが、オンラインシステムの斬新さは特筆できます.
 このゲームでは、オンラインを介して複数のプレイヤーが一つの世界を共有するということがありません.一人一人のプレイヤーはあくまで自分の世界で戦っており、他のプレイヤーがいるのは並行世界です.
 そのため、ロビーで仲間を集って2ch言葉で歓談してから「ではでは狩りに行きますか」なんてノリは皆無.ダークな世界観も心地良い孤独感も殺がれることがなく、煩わしい人間関係を完全にシャットアウトできます.
 本作のオンライン要素は、基本的に「血痕に触れると他プレイヤーの最期が見られる」「他プレイヤーにメッセージを残せる、他プレイヤーのメッセージが残されている」「他プレイヤーの行動が幻影のように映る」といった程度の地味なものに留まっていますが、これが非常に独特な雰囲気を醸し出しています.絶妙に機能している例を一つ挙げると、たとえば崖っぷちに「一歩前へ」というメッセージが残されている.しかし、崖下を覗き込んでみても足場がありそうにない.足元に血痕があるので触れてみると、他プレイヤーが自分と同じようにメッセージに惹かれてダイビングし、即死した痕だったりする.それでやっと偽メッセージだったことに気付く……といった具合です.
 協力や対戦も可能ですが、やりたくなければやらなくても問題なし.ずっと「ソウル体」(一度死んで肉体を失った状態)でいれば他プレイヤーに侵入されることもありませんし.
 コミュニケーション性を重視したオンライン要素ばかりが蔓延るこのご時世に、「ゲームの世界は自分の世界」という原点に回帰していることは高く評価されるべきでしょう.


・ストーリー … 5点

 このゲームにはストーリーが無いという意見もあるでしょうが、そんなことはありません.現代文学理論では、物語は「語り」(ナラシオン)、「物語言説」(レシ)、「物語内容」(イストワ ール)の三つによって構築されることになっており、それに当てはめてみると『デモンズソウル』の「物語言説」と「物語内容」は実にしっかりしています.ただ、「語り」が無いだけです.
 昨今のRPGに「プレイヤー=主人公」のイメージが弱いのは「語り」の要素が著しく強化されているためで、それでは「クリエイターの語る物語を読まされている」ことにしかなりません.しかも、本当に優れた語り手は小説やマンガの世界で活躍していますから、ゲームでは三流四流の「語り」にしか触れられない.
 しかし、このゲームは「語り」を持ちません.プレイヤー自らがゲーム世界に存在する「物語言説」を紐解き、語られない物語を自分なりに組み立てて「物語内容」へと迫っていくことになります.たとえば、装備品の説明から.NPCの発言から.ステージの構成から.
 ファンタジーの「物語内容」などたかが知れていて、『デモンズソウル』もその例に漏れません.大したストーリーではないと言ってもいい.ですが、「語り」の欠如というスタイルがプレイヤーを物語世界に引き込んでくれます.自分で組み立てたストーリーには格別の面白さがあるものです.
 「語り」がないという手法は、もちろん和製RPGでは滅多に見られないものですし、表面的には似ているように見える洋ゲーのそれとも完全に異なっています.洋ゲーの場合、「登場人物が物凄く長いセリフで全てを喋る」ということが多く、つまり「語り」の位置がズレているだけです.
 和ゲーの出来の悪いアニメのようなストーリーにはウンザリだし、洋ゲーはなんだか説明書を読まされているようでピンとこない……そういう人には『デモンズソウル』の「語り」の無いストーリーがしっくりくるでしょう.


・グラフィックス … 5点

 PS3のゲームとしては、技術的には平凡なレベルです.しかし表現力に優れているため、それこそ『バイオハザード5』などより美しく感じられる見事なグラフィックスに仕上がっています.
 各ステージの建築・装飾は緻密かつ壮大で、和製ファンタジーの規範となるべき完成度を誇り、キャラクターのモデリングや装備品のデザインにも洋ゲーのような野暮ったさがなく、それでいてオタクっぽい稚拙さも感じさせない絶妙のものとなっています.
 どんなに残酷なオブジェでも悪趣味に堕することなく、しっかりと「ステージの調度品」になっているのは、フロムソフトウェアのお家芸とはいえ、やはり感服させられます.


・サウンド … 4点

 基本的にはBGMがなく、環境音だけが強調された世界です.これがとにかく緊張感を煽り、耳を澄まさずにはいられないという状況を作り上げています.「音」がこんなに重要なゲームはかつて無かったかもしれません.
 ボス戦になると荘厳な音楽が流れて気分を高揚させてくれますが、残念ながらこのボス戦のBGMについてはもう一つというところでしょうか.悪くはありませんが、ゲーム自体の素晴らしさに比するとやや安っぽい印象を受けました.フロムソフトウェアの昔の名作『キングスフィールド』や『エコーナイト』は、もっと優れた楽曲に彩られていたように思います.


・熱中度 … 5点

 5点満点で10点を進呈したくなるほどの圧倒的な熱中度です.
 育成要素とアクション要素が最高のバランスで調和しているので、「ソウル」(経験値と金を兼ねたもの)を稼ぐためのザコ狩りですら熱中します.初めは一匹倒すのもひと苦労だったのに、いつの間にかその敵が良いカモになっているのは、自分の腕が上がったのか、それともキャラクターや装備の攻撃力が上がったのか……
 とにかくよく死ぬゲームなので、あるステージはノーダメージで周回できるのに、初めて行った別のステージでは瞬殺されるなんてこともしばしば.また、楽勝と決め込んでいたザコでも囲まれれば死ねます.もちろん高所から落下すれば、どんなに強いキャラクターでも即死です.いつになっても緊張感が途切れないので、熱中度も下がりません.
 やり込み要素も豊富ですが、それ以上に、ただクリアのためにステージを攻略するだけでこれほど熱中できるというのが凄いです.今時、こんなゲームは滅多にありません.


・満足感 … 5点

 内容にもボリュームにも大満足です.
 内容は上記の通りなのでボリュームについて書きますと、まず普通にクリアするだけでも軽く40〜50時間は要することになります.プレイ時間のかなりの部分がステージやボス攻略のための試行錯誤に費やされるのですが、それでいて作業感はまったくないので、アイテム収集やNPC探しなどやり込み要素を含めれば100時間は楽しめるでしょう.
 クリア後の二周目は尋常ならざる難度で、一歩先に進むことすら困難になります.こちらに移行すれば半永久的に遊べるというほどの歯応えです.成長したキャラクターとアイテム類は持ち越せますから、その点はご安心を.
 一方で、万能キャラを作れないことから、まったく別のプレイスタイルで一周目を遊び直すというのもアリです.魔法特化のキャラクターを作ってみたり、技術特化の軽装キャラに挑戦してみたりと育成の興味は幅広く、実際にプレイ感覚も劇的に変わります.別キャラでの再挑戦は、自分の腕前がどれくらい上がったか手に取るように解るので痛快です.
 PKも出来ますし、いつになったら飽きるのか、底の知れない作品と言えます.


・快適さ … 5点

 死んで死んで死にまくるにも関わらず、それが不快にならないシステムが構築されています.
 貯め込んだ「ソウル」を失った時などコントローラーをテレビに叩きつけたくなりますが、実はその頃には失ったぶんを簡単に取り戻せるくらい自分が成長しているというのが絶妙です.
 また、アクションが苦手な人でも大抵のボスは狙撃ポイントを見つけることで撃破できるようになっていますし、どんなに困難な状況であっても装備品の組み合わせや戦術の工夫によって突破できますから、理不尽にアクションの技量を要求されることはありません.
 複雑なアクションが可能な割に操作も感覚的で、快適です.ロックオンの仕様に若干の不満が残りますが、作品全体の価値に関わるほどではありません.ロード時間もステージに入った時だけですから、何かの目的でステージを頻繁に出入りする必要がない限りストレスは感じないでしょう.(ただ、ハードディスクにインストール出来ても良かったという気はしますが)
 どれほど難しくても、それが決して設計の不親切から生じたものではなく、あくまで「楽しい難しさ」であるというのは、実に素晴らしいことです.


・難易度 … 5ポイント

 激ムズです.特に二周目は、ザコに一撃で葬られるという途方もない難度になっています.
 しかし一周目にしろ、気違いじみた二周目にしろ、それを楽しむためのゲームなので、難度に関しては完全に長所になっていると断言できます.

BAD/REQUEST

 いくつか不満点もあります.


・序盤の難易度

 このゲームで一番キツイのはプロローグにあたる部分です.
 まず、最初のボスを倒すまでキャラクターを成長させられません.初期パラメーターの選び方によっては地獄を見ます.
 そのボスには明確な攻略法があるものの、攻略のためのアイテムをうっかり使い果たしてしまうと悲惨です.アイテムドロップの確率に関わる「運」が低いキャラクターで始めた場合、必要なアイテムがなかなか手に入らず、ほとんど詰みに近い状態に陥ることも.
 せっかくのオンラインでの協力プレイも、この最初のステージではまだ利用できません.一番協力が必要とされる局面なんですが……
 最初のステージさえ乗り越えてしまえば楽しみは広がるので、いかにも惜しい気がします.


・ソウルの傾向

 本作では各ステージに「ソウルの傾向」というものが設定されていて、その変化によってNPCや特殊なアイテムが出現するようになります.
 たとえば「ソウルの傾向」が白なら、重要なNPCが生身の人間として登場し、プレイヤーに協力してくれる.しかし「ソウルの傾向」が黒だと、同じ人物が「黒ファントム」という悪霊のような存在になっていて、問答無用で襲いかかってくるという具合です.
 このシステム自体は面白いのですが、普通にプレイしていると「ソウルの傾向」は黒にも白にもならず、NPCが登場しません.そのため、魅力的な物語の背景がさっぱり見えてこないのです.特に序盤のうちは「ソウルの傾向」を黒か白に近付けることで発生するイベントには全然出会えず、寂しい思いをします.
 「ソウルの傾向」を偏らせるには、オンラインで他プレイヤーに協力したり、あるいはPKを行うなどしなければならないのですが、実は高所から飛び降りて自殺するとか、他プレイヤーの世界に侵入してわざと負けるといった行動を取る方が遥かに手っ取り早くなっています.
 「ソウルの傾向」を白くするためのオンラインでの自殺行為には、皆さん結構快く協力してくれますが、やはり雰囲気はぶち壊しで残念です.しかし、これをやらないとただでさえ少ないイベントがほとんどゼロになってしまうという……
 「ソウルの傾向」が白でも黒でもない状態でも、その状態なりのイベントが起こるようにしてくれれば、このシステムがもっと上手く機能したはずです.


・鉱石集め

 装備品を強化するには「鉱石」が必要になります.ところがこのアイテムはなかなか手に入らず、プレイヤーは「鉱石」の収集に奔走する羽目に陥ります.
 特に稀少な「鉱石」にはほとんどお目にかかれません.ドロップ率とは無関係に特定の敵が持っているいくつかの物を除くと、最強の装備品などよりも遥かに貴重なアイテムになっています.
 一応、「鉱石」をたくさんドロップする「鉱石トカゲ」というエネミーがいますが、こいつも数に限りがあります.おまけに何度か取り逃がすと登場しなくなる始末.
 「ソウルの傾向」は我慢してさっさと黒か白に近づけてしまえばそれっきりですが、「鉱石」集めは最初から最後までプレイヤーに作業を強いる要素なので、ちょっと頂けません.


・無駄に余る装備品

 設定上はその方が自然という気もしますが、余った装備品を買い取ってくれる人が存在しません.
 異性の専用装備なんて、換金できなかったら預かり所のコヤシと化すだけです.要らないアイテムは「ソウル」と交換できるようにして欲しかった.


・所持重量オーバーで消える装備品

 このゲームには所持重量が設定されており、それを超えるとアイテムを持てなくなります.
 問題は、重い鎧などがセットで置いてある場合です.所持重量を超えていると拾える物だけ拾って後はそこに放置することになるのですが、仕方なく一度拠点に戻って所持品を整理し、再び取りに来ると、恐ろしいことに残りが消えているのです.セット装備の兜だけあってどうしろというんでしょうか.
 柴染めの装備一式(超重い)でこの悲劇を味わった人は多いはずです.


・勝手に死ぬNPC

 NPCがたまに勝手に死んでしまいます.代表は最初のステージに登場するオストラヴァ君.オートセーブなので気付いた時には手遅れです.
 そういうところもこのゲームの魅力と言えなくはないのですが、二周目の異常な難しさを考えると、やはり「二周目で助ければいいや」と気楽に構えられません.
 また、うっかりするとアイテムを預かってくれるNPCや物売りさんを斬りつけてしまうことがあります.自分の場合、コントローラーを床に置いた際にR2ボタンが発動してしまって、鍛冶屋のじいさんが怒り狂うという珍事が……
 わりと取り返しがつかなかったりするので、敵対フラグが立つ条件を緩めて欲しいところです.


 まあ、どれも細かいことですが.

COMMENT

 フロムソフトウェアは、初代PSの頃に伝説的な名作をいくつも世に出した知る人ぞ知るソフトメーカーでしたが、PS2時代には「アーマードコア屋さん」みたいになってしまって、残念に思っていました.それが、ここにきて奇跡の復活です.
 ここ数年は骨太のRPGをやりたければ洋ゲーに走るしかないという悲しい状況だったので、『デモンズソウル』のような作品が生まれてくれたのは本当に有難い.洋ゲーはやはりゲームを構成する最小単位が和ゲーとは異なっていて、細かく見るとひどく大雑把なのだなあと改めて実感させられます.『オブリビオン』は『デモンズソウル』より凄いゲームですが、面白さは『デモンズソウル』の方が上です.微妙な違和感を覚えながらも洋ゲーに妥協していた『キングスフィールド』シリーズのファンなら、きっと寝食を忘れてのめり込むでしょう.
 フロムソフトウェアが「販売はソニーだから売れなくてもいいや」と考えたかどうかは知りませんけど、一時期失われていた思い切りの良さが今作で取り戻され、良い方向に働いたのは間違いありません.やはり無理矢理ライトユーザーに阿るよりは、ゴリゴリのハードゲームを作った方が売り上げも伸びるというものです.続編に期待します.

   
プレイ時間:100時間以上(クリア済)
ネオさん(Webサイト)  [2009-03-19 掲載]

このレビューはオススメ? はい  いいえ

558人の方が下記のレビューはオススメと投票しています。
オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
4pt 4pt 4pt 5pt 4pt 4pt 4pt
総合点
85pt

GOOD!

マゾゲー、マゾゲーと多くの方が書かれておりますが、実のところ一週目のプレイに
限って言えばそこまでマゾいゲームでもありません。

最初のステージをクリアすれば、ソウル稼ぎでステータスUPが可能なため、どうしても
倒せない敵などには経験値(ソウル)を集め、成長してから挑めばなんとかなります。
また、他のプレイヤーを召喚して共闘することで更に難易度は下がります。
RPG的な要素が、アクションの苦手な方に対する救済策になっているように感じました。

逆を言えば、高難易度に挑戦したい方はステータスUPや武具の成長に制限をつけることで
非常に歯ごたえのあるアクションゲームを楽しむことが可能です。

BAD/REQUEST

後半になるにつれ、ボスのHPが低く感じられました。
武器を鍛えることで、瞬殺といってしまっていいほどあっけなく倒せてしまうことも
しばしば。
他人との協力プレイも楽しみたい、歯ごたえのある戦闘も楽しみたい、と欲張りな自分から
すると、今の倍以上のHPでも良かったと感じました。
(召喚人数を増やすことによって比例してボスのHPもUP、とか)

また、ステージが少ない(裏を返せば、もっとこのシステムで遊びたかった!という不満)
ように感じられてしまったので、今後のDLによるステージ追加に期待したいところです。

COMMENT

ほとんどの方が的確なレビューをされていますので、褒めすぎないように書いてみましたが
とにかく稀に見る良ゲーです。
ダークな雰囲気や高難易度アクションが好きな方は買って損はしないと思います。

   
プレイ時間:30時間以上60時間未満(クリア済)
黒いファントムさん  [2009-02-17 掲載]

このレビューはオススメ? はい  いいえ

Amazonレビュー

レビュー者: hide
レビュー日: 2017-04-26
某動画サイトでただの暇つぶしのつもりでプレイ動画を見始め、
数十分後にはいてもたってもいられず本体ごと買うことを決めていた、そんなゲームです
そして、実際に遊んでみてさらに衝撃を受けました
動画で見たところをなぞっているだけなのに面白い
いうまでもなく初見のエリアはもっと面白いわけです
死にゲーと言われますが、ただ理不尽に殺してくるゲームではありません
死んだらはっきりと自分の悪かった点が浮かび上がり、繰り返すたびに自分のプレイの上達が感じ取れる
職人芸的ともいえるゲームデザインが光っているのです
ある程度人を選ぶゲームではありますが、ハマる人はとことん心に残るゲームとなるでしょう

【PS3】Demon’s Souls(デモンズソウル)
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