【PS4】ウィッチャー3 ワイルドハント
発売元 | スパイク・チュンソフト (オフィシャルサイト) |
---|---|
発売日 | 2015-05-21 |
価格 | 8856円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:オープンワールドアクションRPG ■ プレイ人数:1人 【ウィッチャー3 ワイルドハント ゲームオブザイヤーエディション】 ■ 発売日:2016/09/01 ■ 価格:6,998円 通常版(2015/05/21)にDLCを同梱したものです。 |
- 総合ポイント
- 72
- (難易度)
- 2.59
- レビュー数
- 34
スコアチャート
GOOD!
【グラフィックス】
所々に粗はありますし、遠景はもう少し頑張って欲しかったところですが、オープンワールドということを考えれば十分でしょう。
絵画と写実の間くらいでしょうか。
人によってはゲーム的な印象を与えるような絵作りかもしれません。
時間、天候変化もありますし、音響とセットで考えれば、実在感のある世界を構築することには成功していると思います。
プレイのしやすさとトレードオフになりますが、雰囲気をより一層高めるために、ディスプレイを暗めでプレイすることをお薦めします。
画面の黒みが強まることで、ダークな世界観がより際立った画になりますし、松明を片手に漆黒の森を冒険するとゲームの世界に一層入り込むことができます。
【熱中度】
久しぶりにゲームに熱中してます。
お恥ずかしい話ですが、仕事中などゲームをしていない時にもゲームのことを考えてしまうのは、学生の頃以来記憶にありません。
いい歳こいたおじさんが何故これほどまでこのゲームにはまってしまったのか。
以下私なりに考えた理由を挙げます。
・キャラクター
主人公がおっさんです。
感情表現はかなり控えめで、声も渋いです。
このゲームは選択肢が多いのですが、どのような選択をしても主人公の印象をぶれさせず、一貫した信念を持ったキャラクターに見せるよう台詞回しが上手く考えられていると思います。
原作はもちろんですが、ローカライズのセンスが抜群ということもあるのでしょう。
サブカルの域を超えています。
というより昨今の話題性優先の洋画吹き替えよりよっぽど質が高いです。
そのため、おじさんから見てもかっこいいおじさんと言いますか、主人公に自然と感情移入できるのです。
・世界観、シナリオ
世界は戦乱の只中にあり、平常時とは違う倫理観に則って人々が生活しています。
村人たちは戦争に疲弊し、怪物や野盗に恐怖しながら、自分たちの命と生活を守ることだけに専心せざるを得ず、一方で都会の人間は金や権力などの欲望にまみれた不浄な日常を送っています。
このような世界観の中、写実的で濃密な人間描写と勧善懲悪ではないストーリーが展開されていきます。
それもプレーヤーの選択次第で様々に変化していき、ときにはショッキングな結末が突きつけられるので、否が応に感情移入が深まっていきます。
このクオリティがメインクエストはもちろん、サイドクエストでも保たれており、オープンワールドゲームで陥りがちな作業感やマンネリはほとんどありません。
村人を困らせる怪物退治のサブクエスト一つとっても、クエストを進める中で怪物が生まれた経緯や村人同士の人間模様が丁寧に提示されていきます。
結末も救われないものや謎を残したものなど多種多様で、「あの時の選択は正しかったのだろうか」とモヤっとした気持ちでクエスト完了することも多いのですが、それがまた良い。
登場する怪物その他異形の者たちも、実際の西洋の神話や伝承を元に本場の解釈で再構築されているため、和ゲー特有の「?」な容姿や設定改変がないので興ざめすることもなく安心してプレイできます。
・カードゲーム
今までカードゲームに触れた経験はほとんどなかったのですが、これは面白い。
ルールは非常にシンプルなので、最初は「これ面白いの?」と疑問だったのですが、カードの種類が増え、戦略の幅が広がってくると一気にはまっていきました。
探索に疲れた時に息抜きとしてやりだすと、しばらくカードばっかりやってることが多々です。
・広大で美しいフィールドと膨大な探索ポイント
馬に乗ってゆったりと道沿いに歩いているだけで楽しいです。
「日の出前に村を出発し、日の入りまでにあの村へ辿り着こう。途中どこどこの村で食料を仕入れ鍛冶屋に寄って行こうか。」
というようなロールプレイを年甲斐もなくやっております。
そこら中に探索ポイントがあり、道すがらの突発的なイベントもあるので、自ずと旅情が湧きます。
開始やリトライ、エリア移動時の長いロード(DL版で30秒から40秒くらいでしょうか)を除けば、数多く存在する建物内もシームレスで行き来できるのは驚きました。
ただ欲を言えば、主観視点のプレイに比べると世界の広さを感じづらい、あるいは視覚的な没入感は弱いような気がしますが、これは個人差もあるでしょう。
基本、道が狭いことも要因かもしれません。
また、同一エリア内であると似たような景観が多いところも少し残念なところです。
【オリジナリティ】
「中世ファンタジーのオープンワールドRPG」という土俵の上であれば、オブリやスカイリムといった大御所に及ばない点は多々あると思いますが、キャラクター・ストーリー・戦略性のある戦闘・ミニゲーム等こちらに軍配が上がる点も数多くあります。
優劣はつけられず好みの問題かと思います。
シミュレーターやサンドボックス的な楽しさを求めるのか、アクション性やドラマ性を求めるのかでも違ってくるでしょう。
その点、ウィッチャー3はドラマ性とオープンワールドの自由さを驚異的なバランスで一つの作品にまとめ上げたRPGという意味ではオープンワールドRPGの新たな金字塔になり得ると考え、オリジナリティは5点としました。
BAD/REQUEST
【快適さ】
ユーザービリティは高くないです。
・前述した長いロード
・戦闘時ロックオンの不安定さ
・抜刀(戦闘モードの切り替え)の不安定さ
・種族ごとの特効オイルを剣に塗れるが、戦闘中にできないのが謎
・戦闘中に装備変更できない
・膨大なオブジェクトが存在する割に、アイテム取得時の操作が洗練されていない
・PC仕様のメニュー画面
・もたつくアイテム画面とマップ画面
・字が小さい
・カメラオプションが少ない
・厳しめの落下ダメージ判定
(身長くらいの落差でダメージ受けます。ボタン入力で回避もできるのですが、果たして必要な仕様だったのか疑問です。)
・乗馬時の操作性
・少なくないフレームレートの低下
・オブジェクトや人のポップアップが多い
・大小含めバグが多い
(オブジェクト間にはまり抜け出せなくなったり、オブジェクトの浮遊や突然のアプリケーションダウン、クエスト進行不可などがありました。)
【その他不満点・要望】
・NPCのセリフの使い回し
・欲を言えば、自宅なり拠点とそのカスタマイズが欲しかった。
(ある人物の足跡を追って探し出すというのが物語の主軸なので、設定の整合性を保つのが難しいですが)
COMMENT
細かい不満点は少なくないですが、総じて傑作だと思います。
このゲームに慣れると、素材収集等のプレイ時間水増しクエストだらけのゲームができなくなります。
和ゲーに関してはそもそもターゲットが低年齢層なので、おっさんがとやかく言うことじゃないかもしれないですが、ウィッチャー3のように大人でも楽しめる和ゲーがもっと出てきてほしいなという思いはあります。
なにはともあれしばらくはこのゲームでお腹いっぱいになるでしょう。
オープンワールドでダークな世界観に浸りたい方で、上記欠点を受け入れらそうな人は楽しめる可能性は高いはずです。