【PS4】ウィッチャー3 ワイルドハント レビュー
発売元 | スパイク・チュンソフト (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2015-05-21 |
価格 | 8856円(税込) |
レーティング | 【Z】18才以上のみ対象 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 |
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タイトル概要 |
■ ジャンル:オープンワールドアクションRPG ■ プレイ人数:1人 【ウィッチャー3 ワイルドハント ゲームオブザイヤーエディション】 ■ 発売日:2016/09/01 ■ 価格:6,998円 通常版(2015/05/21)にDLCを同梱したものです。 |

- 総合ポイント
- 72
- (難易度)
- 2.59
- レビュー数
- 34
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 3pt | 3pt | 2pt | 1pt | 1pt | 2pt |
38pt
GOOD!
ストーリー。
自分の選択が後々に影響し、かつ、絶対的なハッピーになるとは限らない。
本当の意味で、人間模様を再現したストーリー。
ハマる 人はとことんハマる
BAD/REQUEST
まず、システム面ではスカイリム等のゲームに劣ってしまう。
ファストトラベルは不便だし、戦闘しても経験値はすずめの涙しか入手出来ない。戦って得られるものが価値がない。経験値入手はメインクエストかサブクエストをクリアする必要に迫られる。
その為、序盤から中盤まではクエスト以外の戦闘は避けるのが定石になる。
だが、クエストをクリアするにはレベルを上げてからじゃないと到底クリア出来ないものが多数ある。
結果、興味無い低レベルサブクエストを無理してクリアしなきゃならない。
自由に、好き勝手に戦い、望むままレベルアップして強くはなりにくく、好き放題ゲームの世界を闊歩して自由なプレイを味わえない。
あと、致命的に不満なシステムとして、宝箱の前でセーブし、良い性能の武具を入手するまでロードを繰り返す事が出来るってダメだと思います。貴重であるはずの名前付きの武具の意味や価値があやふやになりました。雑魚武具と貴重武具は設定を変更して、貴重武具は性能を固定化して欲しいです。
COMMENT
結局は、好き放題戦い、好き放題強くなり、好き放題したい人には向かないと思います。
何度も比較に出しますが、ストーリー重視ならこのゲーム。
ストーリーより、ただひたすら戦って強くなりたいとかならスカイリムです。
私はスカイリムをプレイしてからこのゲームをプレイしたので、あまり自由度とか感じられませんでした。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 4pt | 5pt | 5pt | 4pt | 1pt | 2pt |
74pt
GOOD!
・きわめて高いストーリー性、そして選択することの重み。ゲーム内で「良かれと思って取った行動が裏目に出ることがある」的なセリフがあったのですが、まさにその通りの展開が随所に見られます。真剣に考えた結果の選択が後味の悪い結末に繋がって、プレイしていてちょっとつらい部分もありますが、そういうロールプレイの醍醐味を存分に味わえる点が本作のもっとも優れた点だと思います。
ロールプレイを助けてくれる絶妙なローカライズ。全てのセリフはモブキャラに至るまで余すことなく訳され、その辺のキャラの他愛もない会話でも、キャラの頭上に日本語で表示してくれる。英語音声日本語字幕でも遊べますが、気の利いた言い回しや専門用語が多く、また移動中でもキャラが良くしゃべるので、日本語音声のほうが落ち着いて遊べると思います。
演出面も非常に良くできています。普通に歩いているだけでも、川のせせらぎや木々のざわめきなどの環境音と自己主張しすぎないBGMとがプレイヤーの耳を満足させてくれ、天候や時間帯によって移り変わる風景が目を楽しませてくれます。最近のゲームでは移動中に音楽を流さない事が多くなってきましたが、やっぱり音楽がないと寂しいと思っていたところなので、BGMがついているのは本当にうれしい。ムービー面ではチャンバラシーンが特に印象的で、ゲラルト、シリラ、エスケル、ランバートらのウィッチャー流剣術の見せ場が多い。戦闘開始時にゲラルトが剣をクルクルっとさせる動作一つで、こいつかなりのやり手だなと思わせるその演出力は素晴らしい。剣戟のシーンをムービーで存分に見せてくれるゲームというのも珍しいのではないでしょうか。
・戦闘における、幅のある戦術。剣にオイルを塗り、霊薬を飲み、爆弾を用意し、印(要するに、魔法)で攻撃する。霊薬や爆弾を使うことは戦闘中でも可能ですが、オイルを塗ったりアイテムを作成することは戦闘中にできません。事前に考えるべき戦略と、戦闘で臨機応変にとる戦術の両方をしっかり考えれば、強敵相手でも有利に戦えるようになっています。
・ゲームのボリューム。サブクエストの数が尋常でなく、その展開も千差万別で、メインストーリーやエンディングに絡むものもあります。自分の選択が後のクエストに影響してくるため、メインキャラからそこらの村人に至るまで、生身の人間を相手にしているかの如く真剣に向き合う。その過程でゲームの世界に徐々にのめりこんでいける。単なるお使いでは終わらない、本物のロールプレイを楽しめます。
BAD/REQUEST
・あらゆる面でリアリティを意識して作られている印象があり、特にそれがGTAライクなゲラルトの挙動に反映されているようです。動きの一つ一つが妙にリアルで慣性が利いているので、動作が緩慢に見え、また思うように動かせるまで時間がかかります。また、全般的にボタンの反応が悪いです。
・戦闘面の挙動は特に不満が多いです。主人公は敵が近くにいると剣を抜き、戦闘時のアクションに切り替わりますが、これが実に厄介です。以下戦闘時の不満点。
(1)戦闘時は敵に対して身構えるので、逃げたい時にすぐ逃げられない
(2)戦闘時はジャンプができない。ちょっとした段差も越えられないので、段差が壁になって敵に追い詰められる。
(3)敵がそばにいるのに剣を抜いてくれない時がある。気づいたら素手でファイティングポーズを取っていて実に間抜け。
(4)戦闘が終わっても剣をしまってくれない時がある。
(5)戦闘が終わっていないのに勝手に剣を納めようとする時がある。
(6)明らかに攻撃が当たる距離で剣を振っているのに、ダメージを与えられない時がある。
(7)小攻撃なのにわざわざクルッと1回転して攻撃する。普通に斬れ。
(8)敵の挙動がやや単純。敵の種類問わず、こちらが2回斬るとバックステップや反撃をする。
・非戦闘時の挙動に対する不満。
(1)屋内で徒歩を強制される。×ボタンを押しっぱなしにすれば走ることは出来るが、やはりちょっと面倒でイライラする。普通の民家のような狭い場所で強制されるのはまだいいが、明らかに敵が出そうな廃墟や、船の上、走らないと回るのが大変な広い建物内でも強制される。いったい何の意味があるのか。
(2)乗馬時の挙動。乗馬時は段差や障害物に反応して止まったり避けたりしてくれるが、これが利きすぎている感じがする。また、馬を呼ぶと段差の下や障害物の裏など、決まって変な場所に出現する。
(3)キャラをしっかり停止させてからでないと宝箱などにインタラクト出来ない時がある。(←「時がある」というのが厄介。出来る時もあったりする)
(4)水中での挙動。泳ぐ時もリアル挙動なので方向転換がままならず、溺れ死にそうになることしばしば。また腰まで浸かった状態だと走ったりジャンプしたりできない。正直そこまでリアルにしなくていいと思う。
(5)ロウソクが邪魔。人に話しかけたり物を取りたいのに、そばにロウソクがあるのでそちらにインタラクトしてしまう。
・UIが最悪。
(1)まずデザインが悪い。一見して何がなんだか判らなく、慣れるまで時間がかかる。
(2)アイテムのアイコンを表示しているせいか重い。項目切り替え時に1秒以上のラグが生じる。
(3)目当ての項目を探しづらい。特に錬金や鍛冶の際、一応種類ごとにまとまっているものの、結局縦に伸びきった項目からスクロールして探さなければならず面倒。
・その他
(1)ファストトラベルするためにわざわざ看板まで徒歩などで移動しなければならない。
(2)マップをもう少し縮小したいと思った所で全体マップに切り替わってしまう。
また、ランドマークにいちいちスナップするのでカーソルの移動がしにくい。
(3)ロードが長い。これはまあ致し方なしか。
(4)バグが多い。地形にはまる、NPCが動かなくなる、船に乗ると空中に放り出される。など。
COMMENT
【総評】
オリジナリティー:よくあるオープンワールドRPGで独自性は薄い。
グラフィックス:人物造形、風景、全て高水準。でも描画が間に合わない時あり。
サウンド:凝った環境音。高品質の吹き替え。派手すぎず地味すぎないBGM。(5pt)
熱中度:膨大なボリュームと非常に濃いクエスト内容。やめ時が見えない。(5pt)
満足感:欠点は多いが、それでもトロフィーコンプまで続けることが出来た。
快適さ:近年稀に見る不快な操作性とUI。ローカライズは丁寧。
難易度:本作の難易度は操作性に起因する。但しスキルやアイテムで十分カバーできる。
当サイトでレビューを書き始めて、こんなに欠点を羅列したゲームは恐らく初めてです。しかしそんな欠点を許せるほど熱中できてしまう。なぜかと言うと、主要キャラも、街で出会う一般人も、クエストで出会うクリーチャーも、荒野で出会う動物達も、みな生き生きとしているからです。リヴィアのゲラルトとして、ロールプレイを存分に楽しめる。ストーリーや演出面では、RPGの歴史の中でもトップクラスだと思います。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 4pt | 3pt | 4pt | 4pt | 2pt | 2pt |
71pt
GOOD!
ノーマルで一周クリア、現在ハードコアで2週目挑戦中。ウィッチャーシリーズは今回が初めて。
■ストーリー
驚くほど良くできてました。
大筋は珍しくない展開なのですが、とにかくドラマが丁寧に書かれていて、ぐっと世界に引き込まれます。
酔っ払いウィッチャー3人の会話に大笑いし、ケィアモルヘン決戦は血湧き肉踊り、ゲラルト(主人公)とシリの心の通い合いにホロリ。
■ローカライズ
翻訳が素晴らしい仕事をしています。
製作スタッフのこのゲームに対する愛情をひしひしと感じました。
先に上げたストーリーの素晴らしさも、この翻訳無しには語れません。脱帽。
■選択と結果のリアリティ
このゲームには非常にたくさんの選択肢がプレーヤーに突きつけられます。
そしてその選択にはいわゆる正解というものは無く、しかしその結果が世界にもたらす影響が少なくありません。
他のRPGではあまり味わえない「自分の判断で物語を進めている」感が非常に楽しかったです。
(なので攻略サイトを見ずに進め、とある重要人物を殺してしまいましたが別にそれでバッドエンドにはなりませんでした)
■イベント
圧倒的な物量もさることながら、中身の濃さも相当です。
ほんとによくこれだけ詰め込んだものだなとただただ感心しきり。
■難易度
ノーマルでプレーすると戦闘中以外はほぼいつでも体力全快にできるので、冒険が快適です。
トライ&エラーが苦痛に感じる自分のようなゲーマーには嬉しい配慮です。
とはいえ戦闘自体には歯ごたえがあるので、油断すると殺られる緊張感も常にあり良バランスじゃないかと。
BAD/REQUEST
■バグ
非常に多いです。
キャラやオブジェの座標がおかしいという些細なものから、ゲーム進行に支障が出るクリティカルなもの、海から波が一切消えて鏡のようになった水面を船で行く幻想的なものまで多数完備。
幸いどこでもセーブできるので、まめにセーブしてたら何とかなるレベルです。
■経験値
入手しにくいです。
せめてイベントクリア時は3桁必ずほしいですし、自分より高レベルの敵を倒した時の経験値も少なすぎます。
■戦闘モードを任意に解除できない
敵が近くにいるとプレーヤーが勝手に戦闘モードに入り、ジャンプできなくなります。
戦闘時こそ地形を生かして立ち回りたいのに、ちょっとした段差があるだけで思うように動けないことが多々ありました。
■スケリッジの海中トレジャー
海中のトレジャー(密輸品)の回収がこのゲームで感じた唯一の作業というか苦行でした。
内容はロクなものが無いですし、初めは重量オーバー手前でまめに回収品を持ち帰って換金していたものの、後半は取った直後にほとんど海に捨てて次のポイントに移動してました。
トレジャーの数を1/10にして良いからイベントを一つ追加してほしかったです。
■無駄なアイテム群
全く意味を感じません。
マウス操作なら問題ないのでしょうが、カーソルを一つ一つ動かすPS4では動作を重くする&必要なものを探しにくくする異様な数のアイテムは百害あって一利無しです。
COMMENT
これまで遊んだゲームで面白かったものは?と聞かれたら、真っ先にSFCのゼルダの伝説 神々のトライフォースを挙げていた自分ですが、それが25年ぶりに更新されました。
自分にとってウィッチャー3はそれだけ価値のあるゲームでした。
おっさんゲーマーで、指輪物語やムーミン(原作)、ベルセルクにハマったことのある人には是非プレーしてみて欲しいです。
あとこれから本作を買おうと思っている人、ぜひ新品で買ってあげてください。本作のローカライズチームは存続されるべきです。
Amazonレビュー
レビュー日: 2017-07-31
ですが、オープンワールドゲーム特有のお使いゲーム部分はどうしてもあるため、
面倒くさがりな人には好まれない内容になっているかもしれません。
GOOD!
最上位とは言えないまでも美麗なグラフィック。
Witherという壮大な世界観を十二分に味わえる細やかで丁寧なアート、人肌の肌理、歯並び・欠損などディテールが微に入り細を穿つキャラクター造形はいやがおうにもゲームへの没入感を高めてくれる。
ただグラフィックの割に少々重たい気もするが。
改善され、よく言えばやりやすく、悪く言えばよりコンシューマ向けに簡略されたUIと操作性。
1、2よりよほど使いやすく簡素化したと思うが、やはり洋ゲー特有の不親切さ不器用さというか痒いところに手が届かない仕様はあるので、そういうものが苦手な人はダメかもしれない。
メインストーリーはなんかおっさんが義理の娘を追いかけるってだけの話なのだが、そこに関わる雑多な人々や彼らの思惑、利害の入り乱れ方が尋常でなく複雑多岐にわたり、小説原作らしい重厚な物語が最高に心地よい。
完成度が高すぎるあまり、会話の選択肢に非常に慎重を期してしまうというのも緊張感があって楽しい。
大量に登場する人物の設定も一人一人綿密に作られており、魅力的かどうかはさておき、それぞれが個性的で特色豊かだ。
ただ私のような記憶力皆無マンには誰が誰だかわからなくなるという致命的な欠陥があり、それはゲームの欠陥でなく、私の脳みその欠陥なのだから、なんだかもう逆に楽しい気持ちになってくる。
膨大な量のサブクエストも、この手のオープンフィールドにありがちなおつかい感丸出しの薄っぺらなものではなく、一つ一つが味わい深く一筋縄でいかないので、しばしばメインストーリーの進行を忘れてしまうほどだ。
とりわけウィッチャーへの依頼はこれだけで独立したゲームとして成立するんじゃないかと思わせる。
情報を集め、敵を調べ、罠を張り、戦闘準備をする。調査の上で徐々に明らかになるモンスターの素性や、血なまぐさい真相に迫るのは、ゲゲゲの鬼太郎にでもなった気分。
まあ、最終的には話を聞いて臭いを辿るだけという点に集約されてしまうのが玉に瑕だが、シリなんかどうでもいいからモンスターハントだけして暮らしていきたい。
(シリーズ通してのことだが)準備をしていなければ戦闘中にアイテムを使うことができない、回復アイテムで体力を瞬時に回復できないというシステムは賛否両論あるにせよ、私はかなり気に入っている。
事前に敵を観察し、有効な爆薬やオイルや印を下準備しておくというのは、本当に敵に備えている感があるし、戦闘中行動の可不可というリアリティの面からも非常によろしい。
また戦闘自体もなかなかの歯ごたえ。とはいえイラついてコントローラーを投げるほど難しくなく、かといって食事しながら勝てるほどぬるすぎることもなく適度な調整となっている。
多種多様なクリーチャー。
普段ファンタジーに不慣れで、敵といえば軍人かテロリストか警察かゾンビ(たまに神々)という認識でしかない私としては、ここまで大量のモンスターが出てくることに驚きを禁じ得なかった。
また連中への対処法も、ある程度分類化されているとは言えそれぞれ異なるものが存在しており、これも前述した敵に備えている感がぞくぞくと感じられて楽しい。
戦闘中の宗教音楽っぽいBGMもたまらない。
謎の詠唱が入る音楽なのだが、戦闘の盛り上げに一役も二役も買っており、特に印象に強く残るようなものではないが、世界観に非常にマッチしている。
最高クラスの吹き替え。
アートやグラフィックに加え、これが今作の没入感を高めている決定的要因。
ゲラルトさんもシリもイェネファーも声が似合っており、過剰すぎず控えめすぎない演技が非常によい。特にゲラルトさんはオリジナル音声との融和性も高い(慣れるとジェイソン・ステイサムにしか聞こえないが)。
モブの不躾な物言いに若干腹立つこともあるが、ここ最近の吹き替え作品群の中では1、2を争う完成度と言えよう。
BAD/REQUEST
近年まれに見る操作性のひどさ。
主人公の慣性が強すぎるのか、立ち止まりたいところで立ち止まらず、進みたい方向へ進めないなど21世紀のゲームにあるまじきことだ。
特にひどいのが水中。
方向転換時に変な挙動が入るため、水中に没した宝箱にインタラクトできず窒息しかける事態が多発した。
また、膝下程度の段差を超えるのもわざわざボタンを押さなければならないため、木々や縁石に足を取られて立ち往生するという不気味な現象が起こりまくる。
また、最悪なのが腰までの水につかるとジャンプもなにもできなくなるという点。
腰ほどまでの深さ、かつ回りに歩いて登れる緩やかなスロープがないと、正直詰む。ジャンプもできないため地面に登れないのだ。
そうそう起こることではないのかもしれないが、少なくとも私はこれで三回はロードしなおすという憂き目にあった。
馬騎乗時もお世辞にも快適とは言えず、馬はちょっとした段差で「ひひーん」などと嘶き足を止めてしまう。
乗降にかかる挙動もわずらわしいので、後半はほとんど徒歩とファストトラベルだけで移動した。この駄馬ローチという名前なのだが、まあ、そういうことかと変にかんぐってしまうほど。
また、この馬スティック2回押しで呼びつけることができるのだが、なぜかやや離れた柵の向こうや海辺に現れるため、わざわざ近づくのが面倒くさい。RDRの馬くらい頭のいい機敏な馬がよかった。
戦闘のオンオフも手ずからアクティブにできるようにしてほしかった。
ゲラルトさんは敵が近づくと勝手に剣を抜きくさり、じりじりとすり足しはじめるので、急いでいるときやレベル2のグールごときにかかずらっていられないときは本当にイライラする。
蝋燭やランプに火を灯すシステムは撤廃してほしい。
シリーズ恒例なのだが、よりにもよって宿屋のカウンターや宝箱の傍らに蝋燭があるせいで、それらにインタラクトしづらい。上記の慣性と相まって、主人公がぴったり静止してくれないので、下手をすると延々火の点け消しをするはめになる。
グラフィックは綺麗なのだが、人体造形においては顔に注力しすぎた感があり、顔と首から下が不自然になっている。
顔は皺があったり傷があったりざらついたりと細かく造られているのだが、服を脱ぐと老若男女みんなすっべすべ。ヘチマコロンで洗ってもこうはならないだろうというくらい、すっべすべのテッカテカ。
なんだか、顔中傷だらけの強面オヤジが服脱いだ途端、赤子のようにつやつやの肌をしているとちょっと不気味。私脱いでもすごいんですなどと言いたかったのだろうか。
スキルの解説が判りづらく効用の有効性がイマイチ。
中毒度のゲージ分母を上げるものと、霊薬摂取量が増えるの違いが正直最初あまり判らなかった。結局海外サイトを調べて解決したのだが、こういう細かい説明不足が多い。
物語の背景や登場人物の人となりをデータベース化するのもいいのだが、シリーズ初や、初じゃなくても前シリーズあんまよく判ってない頭の悪い私のような者でも飲み込みやすいチューター、マニュアルがあってもよかったのではないか(マニュアルはあるにはあるが、AはBです、といったような簡単な説明しか載っていない。AがBだからCです、くらいまで説明しとけ)。
ゲーム上仕方のないことだとは思うが、ゲラルトさんはなんでシリーズ刷新するごとに弱体化するのか。
前作でレベル上がりまくってエルフのテロリストどもとも渡り合えたさいきょうのウィッチャーがグールごときに後れを取るなどいかがなものか。
GOODの項目で敵を観察して下準備をするのが楽しいと書いたが、敵の区別がもう少しつきやすいほうがよかったのではないか。
端的に一例を挙げるなら、遠目にグールなのかネッカーなのか判りづらいので、屍鬼とオーガどっちのオイルを使えばいいのか判然としないことが多々あった。
同様に幽鬼かと思ったらなんか木の妖精さんみたいなやつでベッコベコにされたり。
戦闘時の音楽がいい反面、通常時の音楽は少々わずらわしかった。特にスケリッジ辺りで流れるやつ。歌いらない。インストだけでよい。
変な日本語。
音声は最高レベルなのだが、もともとの原文を翻訳する人の日本語誤用が多い。
さ入れ言葉、ら抜き言葉、丁寧語の重複など、文章を生業とする人間が決してやってはいけないことだらけ。言葉は悪いがちょっと馬鹿っぽいというか、安っぽい気がする。
百歩譲って、ら抜き言葉は日常会話として受け入れられるとしても、由緒正しき王の御前でさ入れ言葉や丁寧語重複など、ちょっとこのウィッチャーさんは強いだけの脳筋で一般教養があまりないのかな、と不快な気分になる(それに近いことを言及されるシーンもあるのでより嫌な感じになる)。
COMMENT
ボリューム、グラフィック、演出、全てがシリーズ最高峰であることは議論を待たないところであろう。
内容そのものに傑出した目新しさや革新性こそないものの、会話、戦闘、宝探し、強化育成、調合、散策など根本的な面全てが高い水準でまとめられている。
前作、前々作ともにイマイチ嵌りきれなかった私だが、今作は一日二十時間くらいプレイして人間失格してもいい気がしている。何しろやることが多岐に渡るので、通常の生活リズムでその全てを味わうことは、このゲームの最高難易度よりも難しい。
操作性についてBADの項目で長々とボロクソに書いてしまい、これは事実ではあり、ちょっとした動作にも非常にフラストレーションがたまるというストレスフルなものにも関わらず、ゲームを途中で投げられないほど抗しがたい魅力を放っているのだ。
特筆すべきはやはりその物語で、これは原作があるという点を差し引いても、非常にクオリティが高い。
普段、会話の選択肢やそれによる影響などをあまり考えずに脊髄反射のみでゲームプレイする私だが、前述した通りこのゲームでは会話の一つ一つをじっくり聞き、慎重に慎重を期して台詞を選んだはいいものの、結局ほかの選択肢も気になるので直前からロードしてその結果に青くなったり白くなったりしたものの、最終的にどちらの選択肢が正しかったのか判らなくて、何度も同じ場面を繰り返しているうちに朝が来て赤くなったり黄色くなったりしているのだからたまったものではない。
また、とあるクエストの結果で、とある自殺体の下に、とある思い出の品が転がっているのを目の当たりにしてしまったときは、ラストオブアスのオープニングシークエンスのときくらい涙腺が緩んでしまった。
こうした感情を揺り動かすゲームにはそうそう出会えるものではない。これはゲーム自体のクオリティもさることながら、やはり吹き替えの方々がいい仕事をしているのだと思う。
一応注意しておきたいのは、このゲームはあくまでオープンフィールド内でゲラルトさんと彼にまつわるエトセトラを描き出すストーリーありきのゲームなのであって、昨今流行の自由度を売りにしたものではないということであり、最強のウィッチャーをロールプレイする、純粋な意味でのRPGなのだということ。
なので、TES、FOシリーズに比べれば自由度や取れる行動の選択肢はほとんどないし、行き先もやることも全てマップないしジャーナルで確認できるため、そういった洋ゲーの放り出された感が不得手な人もとっつきやすいと思われる(ただ、まあ和ゲーっぽいだとか洋ゲーっぽいだとかの議論自体ナンセンスな気もするが)。
ゲラルトさんはなぜか前作より弱体化しているので、スタート時の難易度はノーマルで若干高めという印象。雑兵だろうが死体食ってる卑しいやつだろうが、囲まれると即死する。
これについては、開発者がもともとノーマルで手ごわい難易度にすると言っていたので、まあ妥当なところだと思う。
システムや敵の弱点をよく理解せずにごり押しで進めようとすると、最序盤で恐らく井戸にいるやつから手痛い洗礼を受けることだろう。
ただ、主人公のレベルが上がり、装備品も整ってくると今度はノーマルでは緩くなる。メインクエストだけ追っていればそうでもないのかもしれないが、サブクエストばっかりやっていると、自身のレベルが21なのに、メインの推奨レベルが12とかになっていてなんだかこそばゆい感じになる。
どちらもバランスよく進めたほうがいいのかもしれない。なおウィッチャーへの依頼では、推奨レベルマイナス3~4くらいが適度に緊張感があってちょうどいい。
高齢者ばかりの登場人物、やや煩雑なシステム、やることが多すぎて眼が回りかける、そういうことに抵抗がなく、次世代機またはゲーミングPCを持っていてこの作品をプレイしないことは、ゲーム人生における損失といってもあながち過言ではないだろう。