【PS4】ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて レビュー
発売元 | スクウェア・エニックス (オフィシャルサイト) |
---|---|
発売日 | 2017-07-29 |
価格 | 9698円(税込) |
レーティング | 【A】全年齢対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 |
![]() ![]() ![]() |
タイトル概要 |
■ ジャンル:RPG ■ プレイ人数:1人 |

- 総合ポイント
- 72
- (難易度)
- 1.31
- レビュー数
- 29
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 4pt | 3pt | 4pt | 4pt | 3pt | 0pt |
73pt
GOOD!
(最初に3DS版をプレイした後このPS4版をプレイしました。両方のレビューに投稿します。)
【グラフィック】
真っ先に訪れるデルカダール城下町やダーハルーネの町を一目見たときの景観は圧巻。ホムラの里もPS4版で改めて見て感動。
各地点の風景におけるバラエティの濃さや雄大さは近年のRPGには無い魅力。
某姉妹やエマなど可愛さを売りにするキャラは3DS版のグラフィックにも独自の魅力があったが、
マルティナや男性陣、サブキャラに関してはどう見てもPS4版の方が圧倒的に見栄えがある。
川のせせらぎ等の自然描写においては「PS4のソフトである」ことを踏まえても一級の水準である。
【熱中度、満足感】
特筆すべきは、変に奇をてらうことなく王道に沿っているメンバーやサブキャラの構成です。
実はこの王道に沿ってこれらの仲間達とずーっと冒険していたいと思えるゲームは今では数少ないです。
中でも色物と思われていたシルビアの立ち位置や生き方には流石職人的に作り上げた人気シリーズと感心させられます。
ストーリーに関しては凝りすぎずシンプルな「勇者の物語」なのに引き込まれるストーリーが一貫して展開されます。
そして、一旦クリアした後ではとある目的の為にサブタイトル通りのどんでん返しが待ち受けており、大昔の勇者の足跡を追って新たに復活した黒幕を倒す展開です。
このPS4版は正確には2度目のプレイになりますが、PS4ならではの圧倒的な演出力で終始、上質のエンターテイメントを魅せてくれており、とある重要なイベントで涙するのも含めて改めて感動出来ました。
ようやくドラクエという大作がハイエンドの場においても再びプレイ出来るようになったことに感謝しております。
そして、グラフィックの項目でも述べたが、圧倒的な広さ及び箱庭的なフィールドや町並みでの探索活動も非常に楽しい。
文字通り膨大なプレイ時間で「広大な世界を駆け抜ける物語」であり、これも今のRPGにおいては貴重な存在である。
【システム】
PS4版では、戦闘は個人毎に即時行動出来るターン制に変わっている。
回復が即時に出来る安心仕様と思われがちだが、実は行動順が分りづらい為慎重な行動になりがちであり一概に有利とは言えない。
他に入れ替わったメンバーが即時行動出来ないこと、ベホマラー、ハッスル等全体回復が控えまで届かないものが多いこと(届くのもある)。
更にボスの使ってくる特殊攻撃を中心にPS4版の方が効果が一回り厄介になっているのが散見され3DS版よりは難易度がやや上昇している。
問題はそもそもの難易度が低すぎて双方比較しても意味ないことであるが。
そして広いフィールドという見た目に反して敵シンボルの密度が低くDSのドラクエで見る様な敵シンボルの猛追も行わない為、
クエスト絡み等での移動やダンジョンの探索はPS4版の方が楽でストレスなく行える。
2回目のプレイで(アイテムの配置はバージョンで違うが)要領がある程度分かってたこともあり
3DS版でプレイした時よりは各イベント、ボス戦、そしてEDを迎える時の主人公のレベルが幾分低かった。
【キャラバランス】
難易度の低さもあり、基本的にどのキャラにもどの系統のスキルパネルにも活躍の場がある。
ステータス的には前半イマイチなキャラは伸び率が高く後半相対的に高くなる傾向があり、逆も然り。
「レディファースト」はPS4版だからこそ非常に使える特技。
BAD/REQUEST
【難易度】(古参ドラクエプレイヤーのクレームとしてBadにも書かせてもらいます)
今回、なぜあそこまで簡単になったのかといえばLvアップでの全回復や要所要所に設置されてる回復ポイント、簡単に敵シンボル避けが出来てその気になれば一切の消耗無しでイベント地点まで行けること等はさることながら(敵避け、探索、クエスト遂行はPS4版のが容易)、
根本的には敵から入手出来る経験値が多すぎることです。せめて普段の経験値入手は現状の半分ぐらいで丁度よい。
下手したらボス戦でもらえる大量の経験値だけでも十分です。
RPGの醍醐味はストーリーと戦闘とサブイベントであり、取り分けドラクエは敵モンスターや各キャラの魅力の占める割合も大きいので、FFに比して地道な戦闘やサブイベが凄い大事なのに
クエストを順当に消化し、ダンジョンで普通に出てくる敵を倒しているだけでもう各ポイントにおける攻略サイト推奨のレベルを余裕で超過してしまいます。
さらに転生以外の図鑑埋め目的で戦闘したりしても、それだけで経験値が入り過ぎてしまいます。
今回のプレイでも出現に手間の掛かる転生モンスターの関係するクエストなんかやっていません。
まさかドラクエで「レベルが上がらないように」気を使う事態になるとは思っていませんでした。
FCのドラクエ1、2の頃、町に張り付いてレベル上げてた頃が懐かしいです。
当然、一旦クリアした後に戦うのも含め今作の全ボスがただの消化試合といっても過言ではありません。
シンボル極力避けるなどして攻略サイトの推奨レベル以下で挑めば、特技や装備の組み合わせの駆け引きが生きてくるボスも中にはいるんだろうけど、不遇なものを感じざるを得ません。
しいて強敵を挙げれば、真のEDを迎える為に戦うボスにとあることしないで挑む時ぐらいでしょうか。
これに比べれば従来の確率エンカウント方式とはいえ途中の敵を逃げずに倒していき、「余計な」レベル上げをしなければ
ラスボスに至るまで要所要所のボスに激戦出来る様に調整されているFF10がいかにバランス取れていたかまで痛感することになりました。
(そのFF10も当時ヌルゲーと叩かれ、その腹いせなのか同開発部門であるFF13での難化やレベルキャップ設定に繋がったぐらいです)
ちなみに戦闘の体感難易度は
(難易度2点相当のゲーム)>FF10≧FF9>ドラクエ9≒FF7>ドラクエ11(PS4)≧同(3DS)
です。
そして、初の試みになった公式「縛りプレイ」も「防具装備不可」ぐらいしか意味を成さないものとなっています。
公式で用意すべきだった縛りプレイはどう見ても入手経験値に関する内容であった筈です。
【音楽】
ゲーム中に良かったと思える曲はいずれも過去作のどれかで聞いた曲ばかりであり、
11独自の曲は後半に流れる様になるボス戦曲(前半はボス戦曲自体が無い)、ラスボス戦曲など今ひとつなのばっかりだった。
(11独自の曲のみに点数を付けるなら2点か1点)
PS4の音源も全然活かしきれていない印象。
【おまけ】
ボウガンはターゲットが気になって初見の土地をのんびり周り辛く、挙げ句暴発をして余計な戦闘を招く等、邪魔以外の何物でもなかったです。
独自要素は素直に3DS版の方が良かったと言い切れます。
COMMENT
ようやくPS4等ハイエンドの世界でも老若男女が遊ぶ様な大作が戻ってきて感無量。
100万を軽く超えている売上を見てもこの正統派大作のハイエンド路線が予想以上に大手をもって支持されていることを実感。
ただ、今回は老若男女にも遊ばせることに徹底され、シナリオの質やゲームの量的には大作らしくボリューム満載でもRPGの醍醐味を味わせる要素の面ではすこぶる薄味になった印象。
今年のRPG業界における衝撃第1発は何と言っても、このドラクエ11の「ドラクエというRPGの模範」としてどうした?っていうくらいの易化でしょう。
本作は史上もっとも簡単だったドラクエ9よりさらに易化なのは勿論、スクエニから出されたゲームを通しても5本の指には余裕で入るくらいの易しさです。
一旦クリアした後に現れる真の黒幕やそれに付随するイベントやボスも穏やかな難易度であり、裏ダンジョンと言えるものも特に無かった為、やり込みにおいては大変な上位激戦になることと思われます。
今作においてスクエニは全体的にすこぶる抑えめなバランスに終始したと思います。
密かに爪を研いでいるのか、すっかり丸~くなってしまったのか・・・正直、次回作はどう出るのか全く分かりません。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
2pt | 3pt | 1pt | 3pt | 3pt | 1pt | 2pt |
47pt
GOOD!
※ドラクエ初プレイです。
・ストーリーは基本お使いばかりで都合のいい展開が続く特典的なJRPGですが、キャラクター達は個性豊かで戦闘での演出、イベントシーン含め非常に楽しませてくれるメンバーが揃っています
シルビアやグレイグは最初のイメージこそ少し悪いものの、二人とも本作で1、2を争うレベルで魅力があるキャラでしたね
特定の街にしか出てこないようなサブキャラもとても味がある。
・フィールドやダンジョンの作りがRPG初心者にもやさしい
複雑な構造だとか難解な謎解きギミックだとか、面倒な要素が少ない
大抵のフィールドにはキャンプポイントがあり、セーブ、アイテムの売買、回復ができる
BAD/REQUEST
・UI、戦闘システムが前時代的
戦闘画面では行動順も表示されず、コマンドのデザインが昔のゲームそのまま
古き良きRPGというコンセプトが売りなんでしょうが、平仮名がやたら多かったり、メニュー画面が使いにくい印象を受けました。
・フィールド移動での快適性
移動速度は遅すぎるってわけでもないのですが、ダッシュができないのがちょっとつらい
馬の呼び出しも街の入り口とキャンプ付近でしかできないのもBAD
ゼルダやMGSVのように口笛で呼べる機能があってもよかった
たいして使わないジャンプより、ダッシュと馬の呼び出しをもう少し工夫してほしかったですね
街でもフィールドでもジャンプで乗り越えられる場所なんてほとんどありませんし。
・音楽が酷い
オープニングだけは最高ですが、フィールドと戦闘のBGMは聴いていて疲れます
かっこいいわけでもなく、単調で迫力もない
バリエーションが少なすぎてどこ行っても同じBGMが流れます
ストーリー上、重要なボス戦でも、通常ボスのBGM使いまわしです
あれだけストーリーが長く、色々なシーンや場所があるのだから、音楽もそれに合わせて作ろうと思わなかったのか・・・。
COMMENT
初ドラクエでしたが、RPGとしてまあまあな出来だと思います
面白かったけど、快適性に難ありです
とにかくシステムとUIが古臭いので、最近のゲームに慣れてると融通が利かないところが多かった
そして一番の不満はなんと言ってもBGMでしたね
序盤から終盤までずっと同じ曲を聴いているような気分になりました。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 4pt | 3pt | 4pt | 4pt | 4pt | 2pt |
76pt
GOOD!
全体的に間違いなく「ドラクエ」である
超親切・一本道で迷ったり考えたりする事はほとんどないので純粋な王道ストーリーを楽しめる
各種効果音はドラクエシリーズ定番のものとなっており安心感?がある
少なくとも初回エンディングまではレベル上げもほぼ不要でサクサク進めるのでレベリングが苦痛という人にオススメ
BAD/REQUEST
全体的にはよくできていて満足度は高いのだが、それゆえに目につく不満点もチラホラ
①モンスターに乗れるといっても乗れるのはほんの極々一部のモンスターのみ
しかも乗る場面というのは基本的にそれに乗らないと進めない場面なので選択肢なく乗るしかない
そしてその場面が過ぎれば用無しになるし乗ったままずーっと進むことはできない(ある程度は進める場合もある)
なので結局はただの面倒くさいシステムでしかないと感じるかも?
②後半で空を飛べるが、降りられる場所は決まっており今までと違って好きな場所には降りられない
つまりただ空の場面に切り替わって時間がかかるだけのルーラでしかない
③エンディング後の裏面の敵の呪文の暴走率の高さ、痛恨率の高さ、ガード率の高さがストレス
今に始まったことではないがこちらの状態異常攻撃は受け付けず敵からの状態異常はバンバン食らう
中ボスクラスからほぼ2~3回攻撃。こういうのはホントの一部のボスクラスにしてほしい
COMMENT
基本的には満足、ドラクエ12が出たらとりあえず買うだろうというくらいには満足はしてます
しかし次回作があるならモンスターに乗れるシステムの取ってつけた感、空を飛ぶシステムの蛇足感はなんとかしてほしいですね
暴走率上げたり痛恨率上げたりして無理やり難易度を高めて進みにくくしているだけの調整はやめてほしい
脳筋系のモンスターの痛恨率が高いとか痛恨率の高いスキルとかだけなら全然問題ないんですけどね
Amazonレビュー
レビュー日: 2017-08-02
オンラインの10を除くとDSの9以来8年ぶり、据え置き機だとPS2の8から13年ぶりのナンバリングドラクエって事で全ての情報を遮断して楽しみに待ち、PS4版は近所の店で並んで買って、3DS版はアマゾンで注文っていう買い方をしました。
そして29日からは睡眠時間が削られて削られて…('д`)
ほんとに楽しい。
これに尽きる。
ほんと何をしててもドラクエテイストというか、自分は今ドラクエをプレイしている!という気持ちにさせてくれます。
時代の流れからか、「へんじがない、ただのしかばねのようだ」の様なおなじみの台詞が「へんじがない、すでにこときれているようだ」みたいにちょっと変わってたりするのは寂しいかなぁと思うけど、それでも台詞回しがほんとドラクエ。
勇者が居て魔王が居る王道のストーリーだからなんか古いなぁと感じる人も居ると思うけど、それがドラクエでそれを求めて1からリアルタイムでプレイしてる自分からすると「それがいいのに!」と言いたくなる。
戦闘も今時のRPGやってると古くさく感じるかもしれない。
でもやっぱりドラクエだからそれがいい。
…さて、コントローラー充電少し出来たし、次のキャンプまでは進めておかなきゃ!
GOOD!
勇者とは何かについて集大成らしく一応の結論を出すことになる物語自体や世界観について言えば、かなり気合が入っていると思える。
据え置きでの前作となるドラクエ8も当時としては1級品の演出力を発揮出来ていたが、本作の演出、魅せ方の進歩も決して8に劣らない。
ただ、8の場合は世界マップやその広がりそのものにアイディアを反映させていたのに対し、本作では個性溢れる(かつ決して嫌味を感じさせない)キャラに溶け込む演出、楽しさあり山場ありのバラエティ溢れる城町村や高所から見渡す絶景といったミクロ面でその秀逸さが光る。
そして、本作ではこのPS4版において感動に溢れるミクロな演出の数々が煮詰まって見える。だからこそ、芸術面での評価が高いのだ。
この辺、旧来の魅せ方から抜け出ていなかった故に「ハッタリ」という印象を与えた8を、明らかに超えているところだ。
8を上回っているといえば、もうひとつ重要なのは、「物理特技万能説」或いは「魔法不要説」を払拭したことだ。
魔法の利便性という意味ではシリーズ最高。
それだけではなく、近作は特技一辺倒で進めるような作りだったが、本作ではそのマズさを踏まえていたのだろう、
戦闘における物理・魔法の切り替えポイントを相当数用意しており、魔法を使えば明らかにラクができる箇所も多い。
このことによって、「モンスターの分析・判断による攻撃の使い分け」という、ドラクエの醍醐味が見事に復活した。
さらに、このPS4版ではターン制の違いにより俗に言う色物「オネエ」キャラであるシルビアが独自の有能なキャラに化けていることだ。
ただし、ロウは弱いまま。MPがあり余るこのゲームでMPパサーの必要性もない。唯一の見せ所は加入する前のNPC時。
PS4版ではゲームバランスが少なからず変容。行動者のターン制になったことで、少なくとも序盤の難易度は一段と下がることになった。
例えば、序盤にしてこのゲーム1,2を争う難所と言われているアラクラトロはPS4版ならレベル10台後半で何とか渡り合う事が出来る(3DS版だとレベル20は必要)。他にもホメロス(一回目)やクラーゴン等もPS4版の方がハッキリと弱い。
反対にゾーン技や全体回復については条件が厳しくなっており、おかげで後半の難易度においては3DS版と同じぐらいか部分的に若干上ぐらいになっている。
PS4版では後半のブギーやキラゴルド、ガリンガ等もなかなかの強敵。
3DS版は「序盤だけそこそこ難しい」という構成だったが、結果として歪なバランスが幾分改善されたのではないか。
BAD/REQUEST
ゲーム全体のバランスをウリにしているドラクエとしては「偏った印象」を受ける
ボスキャラの純粋な戦闘力だけなら、ハッキリ言ってシリーズ最弱と呼ばれる9の軍団に少し毛が生えた程度だが、その分、ボスの見せる搦め手の数々が、その戦闘力の弱さをカヴァーするかのような激しさを持つ(アラクラトロのメダパニーマやブギーのギガマホトラには、本当に泣かされた)。
そして、本作の中ではこの傾向にある場合が多過ぎる(例外を挙げるとすれば、人食い火竜やガリンガぐらいか)。
ドラクエの場合、本作の特徴となるものも含め、多彩な難易度の構成を見せていた。そして、それが「次のダンジョンや中ボスはどういう風に難しいんだ? それとも簡単なのか?」との期待を煽り、プレイヤーの高揚感を誘っていた。
ところが、本作ほど偏っていると、そのような昂揚を味わうのが難しい。仮に、上述の期待を抱いていたとしたら、ガッカリさせられる危険性がある。
また、全体のバランスについても不満がある。3DS版よりも序盤の難易度が落ちた結果あるべき状態には近づいたものの、総合的にはクリア後や裏ボスも含め、序盤と終盤で殆ど難易度が変わらないのが本作だ。
流石に斯様な道程では手応えをあまり感じられない。つまり、ゲームバランスはシリーズの中でもあまり良くない部類に入ってしまう。
そして、本作において「本格的におかしくなって行った事」はゲーム構成です。確かに「時間」を主軸に置いた物語展開自体は斬新な試みだったとは思いますが、その分「場所、舞台」は拡がっていかないというデメリットが生じる事となったと思います。
発売前に全体マップを始めて見たとき既に嫌な予感がしてたが、峡谷に挟まれた一本道だらけで、肝心の自由に旅をする感覚は大きく失われている。
そしてムービーでのイベントシーンが多く、見せ方において一時期のFFと見紛うくらいだ。
それでも、まだこのドラクエ11では寄り道要素であるクエストや楽しいミニゲームであるカジノ等横道的に楽しむ要素はないわけではないのですが……
つまり、前述の「おかしくなった」事とは「プレイヤーの目を引く、新要素を盛り込むのはいいが、その為に見方によっては退歩だととられかねない制限を課せられてしまう。」というジレンマに「ドラクエ」という名作ロールプレイングゲームシリーズも嵌っていく事になっていったという事なのです。
このため、せっかくの物理攻撃と魔法の使い分けのバランス面や、物語、世界観におけるドラクエ8からの改善点が生かされていないように思えるのが惜しい。
「偏っている」という、あまり歓迎できないであろう感想も、恐らくここから来ているのではないかと思う。
COMMENT
良い点に挙げた2点は、DSPSP3DSと永らく続いた携帯機の時代がPS4Switchという据置機主導へ交代しようという時期であり、そして両代表ハードに超大作を作ることになった狭間期にあってなお、作品(シリーズ)を進歩させる気概を抱き続けたスタッフの姿勢を反映しているように思える。
そして自分は、彼らに対して大いなる敬意を払いたい。
一方、気合の入っていない箇所に関しては、本当にどうにかならなかったのかと感じられて仕方がない。
そのいい例が、上述の悪い点の通り要所要所で戦うボス戦の単調さだ。きつい物言いになって申し訳ないが、本作のボスは歴代ドラクエの中で最も面白みを感じられなかった。
ボスのやってくることが読みにくい搦め手ばかりだから、(アビリティの使い分けの豊富さにも関わらず)戦略もゴリ押しがちにパターン化されてしまう(選択肢の割にゴリ押しがちな戦略は9にも言えることだが)。
工夫こそ見られたもののバランスが悪い。3、7、8と同じ「道中ボスよりラスボスの方が簡単」という事態も再発してしまっているのだ。
ラスボスについてはもはや語ることはありません(笑)。シリーズ1,2を争う弱さと思う。(もう一人は9のエルギオス)
そのため、本作のボス戦には、前半は退屈さを、後半は違和感を抱き続ける羽目になってしまった。
クリア後も同様に「搦め手ばかり使ってくるそこら各地の中ボスより裏ボスの方が簡単」。
しかも、裏ボスに対しては敢えて弱体化アイテムを用いない意図的な強化を行えるのだが、こちらはステータス面からして3DS版の方が圧倒的に強い。元々、3DS版には追加のダンジョンやボスがあるのに、だ。
これはつまり、3DS版でさえ乏しかったエンドコンテンツが益々乏しいことを意味する。
逆に、低レベル低スキルクリアを目指しても、仲間メンバー加入の仕様上、平均レベル34ぐらいが物理的な限界である。
ここまでやり込みをしようと思わなかったドラクエは、過去に無い。
本作に対しては、秀逸な箇所と首を捻らされる箇所が混在している印象を受けるが、これは、最後まで良きものを探究し続けたがゆえなのかも知れないし、力を一点に集中しすぎた結果なのかも知れない。
だから、自分が本作に対して抱いている感想は、かなり複雑なものとなっているのだ。
よって、評価は普通点とさせていただこうと思う。