PlayStation mk2 :: エルミナージュ〜闇の巫女と神々の指輪〜レビュー

エルミナージュ〜闇の巫女と神々の指輪〜レビュー

	スターフィッシュ・エスディ（オフィシャルサイト）
発売日	2008/03/27
価格	7,140（税込）
レーティング	【Ｂ】12才以上対象(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon
タギングトップ3
タイトル概要	■ ジャンル：ダンジョン探索型RPG ■ プレイ人数：1人

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
3pt	3pt	4pt	4pt	5pt	2pt	3pt

総合点
75pt

GOOD!

●オリジナリティ　３点
『ウィザードリィー』、特にＧＢ版の外伝系統の血が濃い一作です。

簡単に言えば、無敵のチームを編成するために強い敵と闘い、
強い敵と戦うために無敵のチームを編成するという内容です。
それも延々果てしなく。

これを目指してうまくいかなかった関連作は山ほどありますが、
本作はかなりイイ線いっているような。

従って換骨奪胎のリメイクに独創性を認める人なら＋１点ありかも。

●グラフィックス　３点
ものすごくローテク（多分スーパーファミコンでも
大部分再現できるんじゃないかな…）
ですが、一枚絵としてはレベルが高いと思います。

後、モンスターから盗める装備が大体、グラフィックのそれと合わせて
設定してあるのは、作り手の心意気と底力を感じさせます。

●音楽　４点
コンポーザーの人は大変有名人で、また実力も高いと思うのですが
（初聴きは『伝説のオウガバトル』）、芸風が映画音楽風で、
聞いている最中は心地よいものの、耳に残りません。

ゲーム音楽はもっと下品でメロディアスであるべきだ！　
という人は−１点、かも。

●熱中度　４点
ゲーム自体は色々ストレスがたまる仕掛けになっているのですが、
それらの対策が一応用意されているので（あからさまだったり、
巧妙に隠してあったり、バランス調整すり抜け気味だったり）、
それらを思いついては試行錯誤する過程は非常にハマります。

●満足感　５点
迷走しまくりのウィザードリィー系ＲＰＧですが、本作に於いては、
「われこそは正統な嫡子なり！」と名乗ってもよいと思いました。

欠点も含めて（ちなみに筆者は『世界樹の迷宮』は未プレイです）。

結局、ウィザードリィーというローテクのシステムが、
様式美とか伝統という言葉で、一定の説得力を持つのは、
このシステムが、非常にプリミティブな（技術の新旧とは少し距離のある）、
快楽のツボをグリグリついているからではないでしょうか。

出発点が（ＴＲＰＧはまた別にして）、コンピュータという
技術の塊の上に在ったため、勘違いされやすかった所もあると
思うのですが、これはたまたま技術によって実現したプリミティブ
な快楽というか、誕生の時点で最終形態に到達していた娯楽システム
じゃなかろかと思ったりする次第です。

●快適さ　２点
※悪い所にのみ記述

●難易度　４点
戦闘の難易度です。

それぞれのフィールドで遭遇する敵群のうち、明らかに
頭二つくらい戦闘力が抜けたモンスターが混じっています。
総力戦で挑んでも秒殺されます。

これをバランスが破綻しているとみなすか、
こいつは現時点では勝てない敵だ、と考えて対処するかで
大分印象が変わります（一応対策はあったりなかったり。
どこでもセーブが可能な点も併せて、なんか昔の
『ロマンシングサガ』みたいだな……）。

BAD/REQUEST

●オリジナリティ　３点
システム周りが古いです。
例えば、アイテムの交換等は細かい改善がなされて
そこそこ使いやすいのですが、大量のアイテムを出し入れする、
「錬金倉庫」ではもう破綻気味というか、古いファイルシステムを
無理に使って処理しているような気分になります。

鍛冶を行う錬金術師はアイテムを目一杯持つと便利、とか
細かいノウハウがモノを言うのが切ないっす……。

あと、キーアイテムがゲームごとにランダム配置、というシステムは
悪くは無いのですが発展途上というか。

まだ一週目ですが、それぞれのアイテム入手の影響が、
報酬やイベント等ほとんど皆無なので、どうあってもあまり
かわらない気が。

おそらくバランス破綻を避けたものと思われますが、
ゲーム自体は懐の深い作りなので、もっとハッチャけた
報酬を出しても面白かったのでは。

●グラフィックス　３点
文字フォントは綺麗なのですが、十四型のテレビではちと潰れます
（漢字とかいっぱい用意してあるのですが使う気になりません）。

●音楽　４点
罠の作動音や呪文の効果音がおざなり。
武器の打撃音は一杯用意してあるので、苦しい選別があったのかも。

●熱中度　４点
読み込みが長い。
ただ、地上マップからダンジョンに入る前、
とかまとまったタイミングで入るので、我慢は効くかも。
忘れ物を思い出したら最悪です。

●満足感　５点
※良い所にのみ記述

●快適さ　２点
ウィザードリィーだから、という弁明抜きではなかなか
キビシイものがあるかと。

ただ、先に述べてきたように、救済策が用意されている
ケースも多々あるので（無い場合もあります……）、
古典を嗜むような風流な気分でレッツトライ！

●難易度　４点
ストーリーの方はヒント屋を利用するかしないかで、
０か１００かくらいに両極端に難易度が変わります。

ここをもうひとひねり調整してあったなら、と。
いや、実際のところ、他の箇所は逃げずに果敢に作りこんであるので、
ここも本当はもうすこしなんとかしたかったんじゃないかなと、
いや、このスタッフならできるはずだと。