PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

□戦闘システム
基本システムは前作３を踏襲しつつ底上げした印象。
なかでも戦闘時に仲間を操作できるようになったのが一番嬉しい(勿論AIに操作を任せる事も可能)。前作は間抜けなAIのおかげでイライラすることが多かったが、このおかげでストレスは格段に減った。
また仲間コミュの進展度によって敵からの攻撃を庇ってくれたり、攻撃に合わせて追撃してくれたりと、より仲間としての存在感がアップしている。
他にも…
・防御することで敵味方とも弱点攻撃を受けても1moreを防げる。
・次は誰の攻撃なのか攻撃順序が確認可能になった。
など細かいながらも改良されているので、より戦略的な戦闘が可能になっている。

□音楽
今作４も前作同様ハイセンスで素晴らしい曲ばかり。
ボーカル入り通常戦闘曲と晴天時の移動BGMが個人的に一番ツボ。ゲームを終えた後にも自然と耳に残る程印象的。このシリーズのサントラが人気なのも頷ける。問題なく5点満点。是非多くの方に聴いて頂きたい。

□グラフィックス
全体的に前作より洗練された印象。
黄色を基調としたオシャレでスタイリッシュなインターフェースは健在。統一感のあるデザインに好感が持てる。イマイチだったアニメ部分は今作は質がアップして快適に見ることができた。ボコスカのカットインも緻密で綺麗になっている。

□快適性
どこでも仲間の装備を変更できるようになった点は○。
移動ショートカットは細分化され、ダンジョンを途中で抜けても次回はその続きから挑戦可能と快適度アップ。またストーリー進行によって自動生成型イベントダンジョンが登場する仕様なので、前作のタルタロスをひたすら登るという疲労感は幾分か緩和された。
ロードは移動時がやや長い程度。凄い気になるというわけでもない。

□シナリオ
雨の夜0時、消したテレビに映った姿が運命の人物というマヨナカテレビ。
テレビの中に直接入って謎を解明していくという奇想天外なストーリー。
イベントの演出も上手くシナリオにぐいぐい惹きこまれる。
世界観が現代というRPGなので、中世やファンタジーなどありきたりなRPGに飽きた方は是非。

コミカルな表現や小ネタが多く思わず笑ってしまうシーンが多かった。
実際に存在するおっとっ○や赤いき○ねなどの商品名がそのままでてくるので、おいおい大丈夫なのか…と苦笑するほどｗ
前作よりも仲間としての連帯感が重視されたイベントが増えており信頼感や親密度が感じやすくなっている。
個人的には３よりも好印象で感情移入しやすかった。

□その他
・コミュにおけるステータス(勇気・知識等5項目)の重要度アップ。
　例：ストレートに〜と言う→しかしそんな「勇気」はない＝選択不可
・敵シャドウシンボルの動きが複雑化したため先制がとりづらくなった。
・ペルソナの種類増加。ペルソナ合体は相変わらずハマる。
・シャッフルタイムの難易度アップ。
・クマが面白いクマー
・エブリディ〜ヤングライフ〜ジュネス♪

BAD/REQUEST

■難易度アップ
欠点とは言えないが…
・入口に戻っても高額のお金を払わないとSP回復できなくなった。
・自分で敵の弱点を探る仕様に変更。

この2点からどうしてもSP消費が激しく、コツを掴むまではダンジョン探索がままならない。特に後者が原因で戦闘難易度は飛躍的に上昇(初見の敵にはまず属性魔法を色々試す必要性あり)。
またレベル差の補正がシビアで、敵のLVが高いと不意打ちを食らった瞬間ゲームオーバーなんてことも。補助魔法をうまく使い、少し進んだらこまめに戻ってセーブという初心者泣かせの難易度に。
コツコツLV上げをするのが嫌いな方、一度もゲームオーバーせずにクリアしたいという方には絶対にお勧めできない。女神転生系が好きな方ならこんなのまだヌルいと言われそうだが(汗

さらに金欠になりやすいので金稼ぎしたり、装備品の素材集めやクエストのために雑魚を狩ったりと前作より戦闘部分の作業が増した。サクサク進めたい方には辛いところ。

■コミュ構築
昼間にダンジョン探索するので計画的にコミュを構築していく必要がある。
仕方ないとはいえコミュが増えだす中盤辺りからはやはり作業感がびんびん。
とはいえ前作よりややコミュが上げやすくなっており、コミュ制覇が厳しくなったわけではないのでご安心を。

■イベントスキップ
よくゲームオーバーするゲームにも関わらずイベントスキップできないのは痛い。特にボス戦では何度か挑戦してそこから戦略を組み立てたいのにスキップできないとは…
またゲーム導入部分が非常に長くて、自由にゲームとして動かせるまでに３時間以上かかるのは如何なものか(途中でセーブは可能)。確かにこれのおかげで世界観にすんなり入り込めたが、周回プレイするにはきついかも。
良く言えば丁寧、悪く言えば冗長。

データロードの代わりに「タイトルへ戻る」が存在するが、企業ロゴまで戻ってしまう点も×。

■その他
・敵シャドウの流用、色違いが目立つ。明らかに種類の絶対数が足りない。
・少し性的な描写が増えた気がする。
・成否が運のみのアルカナチャンスは不要。
・道が狭いところに大きな敵シンボルだと戦闘を避けきれない。
・雨天時のMAP移動が雨音のみのBGM無しでは寂しすぎる。
・未登録ペルソナはシャッフル時に目印が欲しい。

COMMENT

革新的な変化はなく、良くも悪くも３の正当進化といった印象です。
ナンバリングタイトルですが前作未プレイでも全く問題ありません。ダンジョン探索型RPG＋コミュ構築ADVというあまり見受けられない作品です。３で楽しめた方なら問題なくすんなり入れるはず。
前述の通り戦闘難易度が高いためそれなりの時間と覚悟が必要ですが、イージーモードもありますので初心者お断りというわけではありません。

個人的にADV系が苦手で前作３は終盤で断念したのですが、戦闘面での歯応えやつい笑ってしまう仲間とのやり取り、先の気になるストーリー等今作は遙かにパワーアップしているので非常に楽しめています。
人を選ぶ作品ですが、PS2夏のキラータイトルであることは間違いありません。じっくりRPGを楽しみたい、やり応えのあるゲームをしたいなら是非。

それにしてもまたFESが出るのでしょうか。一度そのような事をされると心配でなりません。後日に完全版を出す商法はほとほとウンザリです。杞憂に終わればよいのですが…