PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

■モード
　オフではチュートリアルも兼ねたストーリーモードと自分でMAPと難易度を設定して遊ぶシングルモード、各職業で勝ち抜く闘技場があります。
　ストーリーモードは短く、メインはマルチプレイになります。トロフィーは全てブロンズ。

■戦闘システム
　このゲームは六つの職業を切り替えながら互いの国のプリンセスを奪還し合うゲームです。両国16人で自分以外のNPCは自動で戦います。死亡すれば5秒後に陣地から復活します。
　ゲームを開始すると、まずはハット(各職業の帽子)を拾い自分の役割を決め、資材を集めながら道中にある支城を占拠しつつ攻める事になります。支城を占拠すれば陣地まで戻らずとも支城から資材を回収できる上に、出入するだけでライフも多少回復できるので、支城の占拠が戦略の要になります。以下、このゲームの要点を

・プリンセス
　両国のプリンセスを奪うのが基本ルールです。互いに相手のプリンセスを捕獲した状態で始まり、敵国のプリンセスを奪われずに自国のプリンセスを救出しなくてはなりません。両国のプリンセスを奪還した状態で一定時間敵の攻撃を防ぎきれば勝利となります。他にもルールはありますが割愛。
　プリンセスを運ぶ時はエスコートする人数が多いほど早く運べますが、そこら中に落ちてあるケーキを食べさせられると少しだけ太ります。いくつも食べさせるとぽっちゃり☆くらい太ります。

・支城
　マップの所々に配置された小さい城(殆ど塔)。占拠すれば、出入するだけでライフが☆3/4ほど回復し、付近の資材を回収する際にも役立ちます。
　接触を続ければゲージが貯まり、MAXに達すると占拠できます。敵が多く周辺に存在するほどゲージが貯まり難くなるので周辺の敵の排除が必要になりますが、敵より大人数で攻めれば強引に強奪する事も可能です。
　このゲームでは支城にばかり兵を派遣できないので、必然的に奪い返し合いになります。

・資源
　木々から木材を、金属岩から鉄を採取できます。職業の強化や工作活動で必要となり、いわばこのゲームの生命線に当たります。職業の強化に必須なので、支城の占拠以上に鉄の確保は重要になります。開始直後から金属岩周辺では熾烈な攻防戦が始まります。
　
・ナビゲーション
　「姫が奪還されましたー」「支城が占拠されましたー」と戦局が変わる度に知らせてくれるます。

・全体地図
　セレクトを押すと開けます。一応開いた状態で移動もできますが、非常に見辛いので一瞬開いて戦況を把握するのが基本になります。

・血
　身体は血袋で出来ているのかと問いたくなる程の血液をばら蒔きます(ON/OFF可能)。見た目は可愛いのにグロい……。

■会話方法・キーコンフィグ
　ボイスチャット対応です。ボイスチャットがない人は、用意された四種類の発言します。救助要請、罵倒など四種類(台詞内容はランダム)しかなく、自由に意思疎通はできません。会話に時間を割くよりも、全体地図開いて戦局を把握する方が大事ですが。
　キーコンフィグは用意されたパターンの中から選択するシステムです。

■職業(クラス)
　職業には村人、木こり、戦士、魔法使い、僧侶、レンジャーの六つがあります。敵味方のハット(帽子)を拾えばいつでも切り替えられるので戦局に合わせて判断しなければいけません。ハットは陣地のハットマシン(帽子製造機)か、敵味方が死亡した時に落とします。
　村人以外の各職業には下位と上位の二段階用意されており、どの職業から強化するかも考えさせられます。強化したハットならば△ボタンでいつでも上位下位を切り替えられ、どの職業も上位下位で特性が違うので状況を見極めての転職、切り替えが重要になります。
　さらにこちらが下位クラスでも、相手の上位クラスのハットを拾えば上位クラスに変身する事ができます。

・村人
　初期職業で一度でも他の職業に変わると戻れない。死亡した場合は村人から始まります。体力は☆2つと最低で、すぐに死ぬ上に攻撃力もないに等しいが、他人が運ぶアイテムを落として邪魔する事ができます。さらに全職業中で最も速く走れるので物運びや撹乱にも有効です。戦闘が始まって城門が作られる前に敵地へ侵入して撹乱する猛者や、採掘された瞬間に横から鉄を掻っ攫うプレイヤーも居ます。また、全距離中最長のジャンプ力を誇り、通常は橋を掛けなければ渡れない崖も跳び越す事ができます。
　攻撃力も体力も低く決して脅威とは言えない存在ですが、自分の陣地近くをうろつかれるだけでも結構なプレッシャーになります。
　天敵は飛び道具のレンジャー。

・木こり
　戦力増強の基板。このゲームの要とも言える採掘と工作活動ができる唯一の職業です。
陣地で敵を足止めする城門から、相手の陣地へと侵入するジャンプ台、高い場所に昇る為の梯子、抜け道である井戸の蓋を塞いだり、カタパルトを設置して相手の陣地へ一足飛びに侵入する経路を確立させるなど、このゲームでは絶対に欠かせない存在です。
　仲間が姫を救出してくれると信じて、仲間が陣地を守ってくれると信じて、ひたすら採掘・建造・修復し続けるのが木こりの仕事です。
　上位クラスになれば武器が爆弾に変わり中距離援護も可能になります。また、木こりを強化するとアイテムの巨大爆弾が生産され始め、容易に城門を破壊できるようになります。
　
・戦士
　剣と盾を使う戦闘の主役。攻撃力も体力も全職業の中で最も高く、盾を構えればレンジャーの弓を防ぐ事ができる。上位クラスになれば盾は使えなくなりますが、代わりに槍を装備して攻撃力が上がり、溜め攻撃の突撃では二人以上同時に撃破する事も可能になります。
　速度が遅いので敵を追跡するのには向いてませんが、槍の溜め攻撃の移動距離は長く、村人でも飛び越せない崖でもジャンプ突撃で渡る事ができます。

・魔法使い
　通常攻撃は火球、溜めれば周囲攻撃。攻撃力はさほど高くないが、支城に立て篭られると凶悪。爆弾や木材を持ち歩いている兵が居れば着火させて邪魔をする事もできます。
　上位クラスになれば氷の魔法に変わり敵兵を凍らせて数秒行動不能に陥らせる事もでき、乱戦やプリンセス奪還作戦、奪還阻止で活躍します。
　また、魔法使いを強化すると敵味方を一定時間鶏に変えるマジックポーションが生成されます。鶏状態になれば攻撃を喰らえば即死するので、成功すれば複数の敵を一瞬で撃破できます。

・レンジャー
　戦士に続いて主力となる弓使い。攻撃力も体力も移動速度もそこそこ。激突している兵士を遠くから削ると地味に痛い。戦士には盾を構えられると矢を防がれるが、戦士では追いつけないので逃げ回りながら削られると非常に嫌な存在。矢の飛距離は長いので最も村人を倒し易いクラスでもあります。
　こちらも支城に立て篭られると面倒で、さらに上位クラスになれば武器が銃(散弾)になり攻撃力が上がり、陣地にかがり火が設置されます。かがり火は矢や戦士の剣槍の攻撃力を(短時間ながら)UPできます。
　また、支城の上には近接攻撃が届かないので遠距離攻撃のレンジャーや魔法使いが守護神の如き活躍を見せます。

・僧侶
　他プレイヤーの体力を回復できるクラスです。ロックオンして指定したキャラを連続で回復し、溜め攻撃で周辺の味方を一気に回復できます。
　このゲームでは体力を回復する方法は数秒(から10秒くらい)放置するか、支城に入るか、僧侶の魔法の三つしかありません。戦場近くではゆっくり10秒も放置できる場所は少なく、激戦区ほど僧侶の価値は上がります。戦士とセットになる事が多く、互いのプレイヤーの腕次第では驚くべき継戦能力を発揮します。
　上位クラスになれば周辺の敵の体力を削る呪いも使えるようになります。呪いや回復は方向を殆ど指定する必要がないので、逃げながらやすれ違い様に使用できるので非常に厄介です。他職業の攻撃と違ってダメージを受けている実感が特に低く、気が付くと体力がごっそり奪われている事があります。

■熱中度
　戦局を一度にひっくり返すクラスがなく、どの職業も一長一短の特色があります。支城の強奪で苦戦しているなら戦士で出ても良いし、魔法使いやレンジャーで援護しても構いません。僧侶が一人居るだけで戦闘が楽になりますし、木こりなら敵兵は他の戦士たちに任せて支城近くの金属岩から鉄を確保して逃げさっても良いでしょう。
　木材の確保にしても熟練の木こラー(?)なら斬る役と運ぶ役に分かれます。運ぶ役が村人ならなお更効率が上がります。徳の高い僧侶なら体力がレッドになっているキャラを優先して癒しますし、危機察知能力に秀でたレンジャーなら離れた場所で溜めてはヒット&アウェイで攻撃して危険を侵しません。魔法使いなら炎と氷を使い分けて巨大爆弾の着火消化やプリンセス救出奪還と全てにおいて相手の邪魔をする事ができ、プリンセスの奪還時には戦士が盾を構えて殿を務める事でエスコート組への弓攻撃を防ぐ事ができます。
　あらゆる状況で色んな遊び方や攻略法があるのがこのゲームの最大の魅力だと思います。さらにこれら全てが会話もなく各自が判断してプレイしている点が面白い。

BAD/REQUEST

■スコアと階級
　前10回の戦いでのスコアの平均で階級が決まります。木こりの伐採、採掘の点数が高く、高得点を目指すには木こりで稼がないといけないの点はバランスが悪いと思います。

■対戦で戦力差に対する措置がない
　各プレイヤーの判断で相手チームに移る事はできますが、例えば何らかの理由で何人もプレイヤーが抜け、8人のプレイヤー(+NPC8人)対16人のプレイヤーが出来てしまいますとまず8人側は勝てません。階級がかかっているのでわざわざ負けチームに移る人は少なくなり、負けるチームは負け続けます。負けチームから勝ちチームに移る人が続出するともうゲームとして成り立ちません。対戦メインのゲームなのでもう少し自動で調整して欲しかったと思います。

■説明不足
　ストーリーモードでは一応一通りの説明はありますが、ゲームが始まれば放ったらかし。時々申し訳程度にヘルプが入りますが、いきなり戦争開始して「え？」と途方に暮れました。公式サイトの説明する気のなさもあり、基本的に自分で試して調べるゲームです。

■MAPが少ない
　10MAPしかありません。大抵1戦毎に変わりますが、もう少し増やしても良いんじゃないでしょうか？

COMMENT

　1500円(PSNチケットは1000円単位なので実質2000円)を払う価値はあるゲームだと思いますが、色々と気になる点があります。
　まず、対戦の戦力比が悪い時は非常に悪く、連勝しているチームに中々勝ちにくい。例えば敗北チームに移る事にメリット(スコア3倍など)があるなり、敗北チームは負け続けるとボーナス(最初から上位クラスなど)が与えられるなどの救済処置があればここまでバランスが悪くなることはなかったと思います。各職業のバランスは良く、実力が均衡すれば白熱した戦いを味わえるだけに残念です。
　次に姫を太らせる効果が薄いこと。すぐ消化して痩せてしまうので、敵に城門を破られそうな時に保険としてかける意味合いしかありません。別に延々とケーキを与え続けても問題はないのですが、それなら資材の一つでも確保してくれる方がチームに貢献できます。
　最後に初心者に優しくない点。ある程度階級によりマッチングが調整されるとはいえ、やはりどうしても攻略法とMAPを熟知している人が圧倒的に有利になります。
　初心者の方は最初に戦士で駆け出して行く人が多いと思います。でもこのゲームは最初の資材厚めが肝心です。木こりがNPCだとハットマシンの強化が遅れ、それだけで劣勢を強いられ続ける事になります。オンゲーの常とは言え、その他にもこのゲームの基本となるべき常識を覚えるまでは、初心者の方は苦労すると思います。

　良くも悪くも過程を楽しむゲームです。楽勝すぎても楽しくない、負けすぎても楽しくない。高レベルのプレイヤー同士の対戦では、プリンセスの奪い奪われの膠着状態になる事が多く、この膠着状態の打破こそがこのゲームの醍醐味でもあると思います。
　ちょっとプレイすると続けて一時間二時間と遊んでしまう中毒性はありますが、何十時間もやり込むゲームではありません、などと思いつつ『ぽっちゃり☆プリンセス』を起動する日々が続いています。
　DLCで海賊、王様などの職業の追加があると聞いているので期待しています。ついでに戦力差の調整パッチとMAP追加があれば最高です。