PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

〆オリジナリティ
　崩壊した現代世界から1400年後の世界。
　主人公が妹ヨナを救う為に次々とマモノと戦っていくARPGです。
　最初は誰も救われず最後に主人公が発狂して世界が終わる様な鬱ゲーかなと、その辺を期待して買った部分もあったんですが、ふたを開けてみると、主人公は最後まで非常に誠実で嫌味が無く切ないシナリオに一気に引き込まれました。
「誰一人傷つけずに生きていくのは難しいことなのですか？」
　誰も悪くはない、出来れば誰も傷つけたくはない。だけど、まるで誰がそう仕組んだかのように、どう進んでも衝突は避けられなかった。妹の為に仲間のために迷い無く踏み込んだ彼らを一体誰が責められようか。だから、この物語は切ない。とても切ない気持ちになります。

　キャラクターの挙動やアクション部分も物理演算エンジンを使ったリアル志向のゲームではなく、どこか昔のアクションゲームの様なそういう懐かしくも楽しい、そういうとてもゲーム的な遊びを意識したものになってます。
　２段ジャンプが出来るし、10ｍ以上の高いところからノーダメージで飛び降りられたり、ジャンプ中の軌道も自由に変えられたり。溶岩の海に落ちても即死せずに小ダメージで戻ってくるし、移動は全力疾走だし、乗り物はまるでハンドルの効かないF1マシンだし(笑)
　戦闘は後半弾幕シューティングみたいな感じになるし。時々視点が、横スクロールアクションになったり、上方見下ろしになったり、初代バイオハザードみたいになったり、突然画面が真っ暗になって字だけのノベル形式になったりってなんじゃこりゃｗ

〆サウンド
　音楽はとても良いです。歌詞付きの歌も凄く良い事は確か。
　しかし、私が５点にした理由は声優さんの方です。
　ピーターの白の書、田中敦子のカイネ、門脇舞以のエミール、この３人はもの凄く役に填ってます。特にエミールの門脇さん。ロロナの声の人と同じだなんて未だに信じられんです。
　声優さんパワーをこの作品に匹敵するほど感じたゲームが今まであっただろうか。そのぐらい、イベント時の台詞回しの一つ一つが尋常じゃなく素晴らしい。
　他にも、ニーアとシロの掛け合いが楽しすぎるし、仮面の街の副官なんか、名前さえ出てこないのにめっちゃ格好ええんですよ。灯台のおばあちゃんも良かったなあ。
　なんか、良かったばっかでキリがないなｗ
　青年期なんてABCDエンド＋最初から１周の合計５周もしたのに、殆どイベントスキップしなかったです。

〆熱中度・満足感
　とても堪能いたしました。
「お兄ちゃん、ヨナの為に全力でおつかいするよ」
「お兄ちゃん、ヨナの為に全力で敵を倒すよ」
「お兄ちゃん、ヨナの為に全力で武器を集めて強化するよ」（あれ？）
「お兄ちゃん、ヨナの為に全力で釣りするよ」　　　（ちょっとマテ）
　全て愛する妹のためにする事なので、トロフィー100％にするのは、あまり辛くはありませんでした。
　現実の妹に失望している全国お兄ちゃん達に、このゲームを全力でお勧めしたい。

　ゴールデンウィーク中、某wikiの雑談コーナーで他人様の質問に回答してたらいつの間にか回答者殆ど私だけの状態になってました。
　トロフィー100%でクリアして、ようやく私も少し落ち着いてきたなと。そんな気がしますｗ

BAD/REQUEST

〆グラフィック
　村に生えてる木の幹が角材だったのは、かなりの衝撃でした。
　どうでも良いところは、ホントに手を抜いてます感が如実に表れてます。
　まあ、この世界の木は1400年の時の流れで進化して四角くなったんだと、納得しましょう。本当に些末などうでも良い事です。
　グラフィックの代わりに音楽と声優さんに力を入れるのは、このゲームにおいては、大正解だったと信じて疑わないので。
　酷評するほど滅茶苦茶汚い訳でもないし、当たり判定もしっかりしてて理不尽なものは感じなかったし。

〆ゲームバランスちょっと甘くない？
　ゲームバランス的には、Normalだと「ちょっ、ダメージ通りすぎて台詞聞けないｗ」って感じだったので、２周目以降Hardに変えたらいきなり堅くなりすぎ「ちょっ、最強武器で全力攻撃して全然減らないｗ」って、ちょっと調整甘くない？　って気もします。
　Ｄエンドクリア後の新規ゲームをイージーでやったら、やたらと敵が強くなってました。……orz

〆少年期に戻れない
　Ａエンドクリア後以降は、ずっと青年期からになります。少年期のクエストなどは、二度と解決不可能となるのは、ちょっと困るような。どこから２周目を始めるかの選択肢があってもよかったと思います。

〆シナリオの核心部分が結局よくわかんない
　物語の核心部分のヒント自体が、ごっそり抜けてます。
　重要な核心部分に対する疑問に対して全く答えが返ってこなかった為に、ピースが大幅に欠けたジグソーパズルを見てるよう。ＤＬＣでの補完（通称Ｅエンド）を強く、とても強く希望します。

COMMENT

プレイ環境：PS3(120GB)+松下Viera(TH-26XL70)26インチ+パイオニアサラウンドヘッドホン(SE-DRS3000C)
　トロフィー100%、累計プレイ時間93時間時点でのニーアレプリカントレビューです。

　声優さんパワーと制作陣の情熱をこれでもかと見せつけられた、私、大満足の一品でした。
　Ｄエンドはちょっと別の意味でも涙ちょちょぎれる、悲しい結末です。
　今年のＲＰＧは、セイクリッド２に続いて早くも豊作の予感がしますね。素晴らしい。