PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

【オリジナリティ】
世界観、キャラ設定共に個性的です。
グラフィックは一見PS2レベルなんですが、光や空気感の演出方法が独特で、寂しげだけど何処か温かみのある世界観を上手く表現しています。
ボスのグラフィック等、禍々しさを感じさせる表現が秀逸で、この辺に関してはHD機ならではだったと思います。
グラフィックが良いに越したことはありませんが、それを最優先にしてゲーム性その他の内容がおざなりになっているゲームよりは余程好感が持てました。
実際プレイしていると気になるのは最初だけです。
最後の演出も面白い試みですね。
このゲームに感情移入すればする程、プレイヤーの心情をぐっと揺さぶるような仕掛けで、何故今まで無かったのかと不思議なくらいです。

【サウンド】
儚げで切ない音楽の数々はツボでした。
綺麗な旋律なんですが、ここぞと言うシーンではしっかりと盛り上げてくれます。
サウンド自体素晴らしいものが多いんですが、個人的にとりわけ気に入った点が、その使い方。
エリア移動時におけるBGMの自然な切り替わりには、スタッフのこだわりを感じました。
カットシーン中の音楽の挿入もすごく上手いです。
他のゲームにありがちな、「ロードが入る時に音楽もぶつ切り」となって萎えることも無かったです。
サウンド全般かなり丁寧に調整されている、という印象でした。

【快適さ】
操作性は良好です。
思ったように動いてくれなくてイライラというようなことはほとんど無かったです。
ただ、大量に沸いてくる敵をスピーディになぎ倒していく感じのアクションなので、人によっては軽い、物足りないと感じてしまうことがあるかも。
数は少ないですが、ボス戦は１体１体個性があり、迫力もあって楽しかったです。

BAD/REQUEST

【熱中度】
DQ9をプレイしたときにも感じたことなんですが、「○○の素材を○○個持って来い」系のお使いクエストは本当に勘弁してもらいたい。
何が楽しいのか全く分からないです。
DQ9よりは多少ストーリー性の濃いクエストが多いとは言え、それでも微塵も楽しくない。
フィールドの至る所に素材が落ちていて、ちまちまと素材を集めるのが楽しかったりするんですが、それもクエストが絡んでこない序盤だけ。
何か意図があってそういう仕様にしてるんでしょうか？採取時のアクションが微妙にもっさりしてるので、じわじわストレスが蓄積されていきます。
武器を強化するためにも当然素材が必要なんですが、特に強化しなくても何とかなる意味不明なバランスのため、全くと言って良いほどモチベーションがあがらない。
さらに、このゲーム釣りが出来ます。
これまたどうしようもないくらいつまらないミニゲームで、数回やっただけで飽きるような代物なのに、しょっぱなの方で「○○を１０匹釣って来い」みたいなクエスト出された時に、自分の中である種の覚悟が生まれました。
サブクエストなので強制ではないのが救いですが、面倒なクエスト回避しながら全エンド見るためには、攻略サイトほぼ必須な仕様です。

【満足感】
ストーリー、演出共に良くも悪くも少年漫画的と言うか、いわゆるJRPG的なお約束やケレン味に溢れた作品です。
世界観や雰囲気は好きなんですが、話の展開とその見せ方に若干あざとさを感じました。
もともと説明不足なストーリーと言うこともあって、ご都合主義が際立ってしまうシーンも多いです。
この辺は私個人の理解が足りないだけの可能性もありますが、それを差し引いても見ていてしらけてしまうカットシーンは結構あります。
音声付が当たり前になったこととグラフィックの進歩によって、ゲームがCG映画並みの表現を出来るようになりましたが、国内の業界における脚本や演出の質はまだまだその技術に追いついていないんだな、と改めて思いました。
FF13をプレイした後だったので尚更感じるんですが、この会社はその落差がとりわけ激しいですね。

１週目の中盤ぐらいまでは楽しくプレイできていたんですが、上記のあざとさや感動の押し付けがましさ、演出の稚拙さがちらちら鼻につき始めて２週目以降は全エンド(というか最後の仕掛け)を見るための完全に意地の作業になってました。
最後の仕掛けのアイデア自体は素晴らしいと思いますが、如何せん感情移入できていなかったので個人的にはそれ程心揺さぶられるものではありませんでした。

COMMENT

某雑誌のレビューに煽られてプレイしました。
ちょっと期待しすぎたかな。
こちらのサイトで評価の高いストーリーについても、個人的にはちょっと合わなかったです。
駄作とまでは言いませんが、ある程度の本や映画に触れている年齢の方であれば、至る所に違和感を感じる可能性が高い内容だと感じました。
反面、もし製作者の感性と合えば、忘れられないゲームになる可能性も同じくらいあると思います。
かなり尖ったゲームであるのは間違いないです。
実際にプレーするまでは、合うか合わないかの判断が本当に難しいゲームですね。
感情移入できなかったと書きましたが、そんな私ですらクリア後に妙な切なさが心に残りました。
低めの評価しておいてなんですが、時間とお金に余裕があれば1度はプレイしてみるべきゲームかもしれません。全エンド見るだけならそんなに時間かからないですし。
自分はいまいちだけど、人によってはどハマリする作品だなー、と感じながらプレーしていました。
なんだか変なレビューになってしまい、すみません。
でもそれぐらい説明の難しい不思議な魅力を持ったゲームです。

【プレイ環境】
フルHD42インチ　HDMI接続