PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

【グラフィック】
シリーズを通して見るとやはり１５周年記念作を銘打ってるだけあり、大変綺麗。
OPアニメはその描写の細かさと動きの多さ、戦闘シーンの熱さなどのおかげもあって、シリーズを通して一番印象に残った。
街やダンジョンの景観も克明に描かれていて、序盤に降り立つ王都イルファンなどは夜の街に浮かぶ淡い光などが幻想的に描かれていて思わずウットリしてしまいました。

【戦闘システム】
他のゲームと比べれば戦闘の熱中度は高いのでGoodとしたが、過去作と比べれば惜しいところが多々あり、完成されたシステムとは言い難く、前作TOGｆのシステムが際立って面白かっただけに満足出来たと言えるものでも無かった。
術技もミラなどは多いが、全体的に少なめ。秘奥義も決めポーズなどに尺を長く取っていたりするせいでテンポがいいとは言えず、演出もインパクトに欠けた。

?今作は「技ごとに定められた値を消費するTP」、「技を出すごとに１ずつ消費するコンボの要のAC」の２つを駆使して技を出し、コンボを繋げる。
TPにより通常攻撃に有用性が生まれ、ACによりCCのように自在にコンボを組めるので非常に良い試みだった。

?共鳴（リンク）することによってCPUと連携をとって攻撃をしたり、パートナー固有のサポートスキルの恩恵や、派手な演出の合体技をコンボに組み込めるのだが、これについてはまだ改善の余地があると思った。
・まずオーバーリミッツがリンクに依存しているので、PT全体で共有するリンクゲージ一本につき一人しか秘奥義が撃てず、CPUが秘奥義を撃ってくれる事はあまり期待できない。
ついでに秘奥義について言及すると、一度共鳴術技チェインを切って奥義を当てないといけないためテンポが悪い。共鳴術技から派生する合体秘奥義でも良かったのではないか。
・共鳴術技チェインについてだが先行入力して繋げるので、共鳴術技と共鳴術技の間に何かをする暇がなく、フロントステップなどをいれる程度の時間さえ作れれば、最初の共鳴術技で離れてしまった敵にステップで詰めて共鳴術技チェインで追撃みたいなことができて自由度が広がったと思う。
・またリンクパートナーのターゲットが強制的に自キャラと同じ敵になるので、分散して攻撃したい場合はリンクを使用出来なかったり、リンクパートナーは自キャラの近くに来る性質があるので、術士とリンクした場合に敵の近くで詠唱することがざら、などかなり行動を制限される。
もっとリンク時の行動を詳細設定できれば良かった。
・多人数プレイの場合だが、２Pとリンクすると操作がオートになる。
出来れば２Pが操作を維持したままリンクできるようにシステムを練って欲しかった。

?最後に敵（主にボスを中心とした）についてだが、大抵のボスが２０ヒットもいかないうちにコンボを抜けて反撃してくる。なのでボス相手になかなかコンボを決められずそれが爽快感を削っているように思えた。
またアイテムなどで回復してくるボスも多いのでなかなかHPが削れずイライラさせられることもあるかも。強いというよりウザかった。個人的にはボスのアイテム使用は邪道だなと思った。

【アタッチメント】
今作は非常に多くのアタッチメントを作中で獲得できる
これまではDLCが大部分を占めていたが、今作は作中のみで十分遊べるだけのバリエーションが揃っている。

【チャット】
今回サブイベントの発生をほのめかすチャットがきちんとあるので、サブイベントを取り逃すことが少なくなっていた。
あと歩いている最中やバトル中にもちょっとした掛け合いが見れたのは良かった。

BAD/REQUEST

【シナリオ】
序盤はいつものテイルズらしく、この作品のために作られた広大な世界観を上手く伝えられるようイベントが配置されていたり、日常が一変してどんどん世界規模の問題に巻き込まれていく様をテンポよく描けていて、十分先の物語に期待を持たせるような作りに出来ていたと思う。
が、ただし中盤〜終盤にかけてが酷い。
状況が一変してゲーム内の時間が一気に進む箇所があるのだが、その間に起こった出来事についての十分な説明が無いままムービーやイベントをさながら総集編の如く垂れ流しにされ、完全に置いてけぼりに。
物語も急に加速してこれまでに築いてきた世界観を放りだして、無駄なイベントなどは全て省いてい目的まで一直線。気が付いたら終わっていた。
もっと今作の舞台を隅から隅まで探訪出来るシナリオ構成にして欲しかった。

【キャラクター】
魅力的なキャラはたくさんいる。
PTメンバーで言えば、いい子すぎるレイアや、若者を優しく見守る老人の鑑ローエン。
サブキャラで言えば、仁義の漢ジャオに、見てて飽きないアグリアなど。

ただそれ以上に主人公２人とアルヴィンなどの一部のキャラが酷い。
アルヴィンに至っては酷いでは済まされない。非道い。
サブキャラクター達の扱いも乱雑で、魅力的な敵たちを活かしきれずに終わる。
このキャラはどんな風に物語に絡んでくるのかな〜と期待していたのが一瞬で冷めてしまった。

【マップ】
崖の高低さも表現され、３Ｄ化して臨場感が上がった･･･と言えば聞こえはいいが、実際は崖に囲まれた同じようなフィールドが続く。
一つ一つのマップは広いが、その似たような景観と街やダンジョンを含めたマップの総数の影響でどうしても世界が狭く感じられてしまう。
もう少し世界を広く見せる努力をして欲しかった。
個人的には乗り物などに乗って自分で探索できる楽しみを有したワールドマップをまた導入して欲しい。

【戦闘以外のシステム】
?料理
毎シリーズお馴染みの料理だが今回は完成された食品を買って、食べて、効果が数戦闘の間持続するというもの。食品は一種類につき一つしか買いだめできない。
簡単になったと言えば聞こえはいいが、自分で隠しレシピを見つける楽しみなどは無く、料理熟練度などもないため、本当に買って食べるだけである。
?リリアルオーブ
ステータスを挙げつつ思い思いにスキルも取得できるという新システム。
最初のうちはスキルをガンガン取得できるので面白いが、レベルが上がるにつれてスキル数が多くなりセットする面倒臭さも相まってそのうちオーブを埋めるのが億劫になって来る。

【やり込み】
過去作と比べると今回のやり込み要素は少なめだった。
称号集めは大変だが戦闘中に○○を何回などと言った作業的なものばかりだし、隠しダンジョンもあるにはあるが･･･。
装備も合成や強化などの要素がないので、鍛える楽しみも無い。
隠しコスチュームも極端に少なく、シリーズお馴染みの水着称号まで課金になってしまった。
その上、毎シリーズでお馴染みの歴代キャラたちとの決戦イベントも今回は無い。
１５周年記念作と銘打たれて一番楽しみにしていた要素の一つだっただけに、同シリーズのファンとして落胆は大きかった。

COMMENT

現時点でジュード編をクリアし、少々やり込んで６０時間程度です。
普段はRPGばかり、特にテイルズオブシリーズは大好きでエターニア以降新作は必ずプレイしています。

今回は総合的に見ると、凡作。
同シリーズの過去作と比べると見劣りしてしまいかねない内容だったかもしれない。
ストーリー、キャラクターはジ・アビスやヴェスペリアに及ばず、
戦闘システムもグレイセスｆから劣化してしまった印象を受けた。
唯一、世界観には序盤に惹きこまれそうになったが、シナリオに殺されてしまった。

１５周年記念作と銘打ってシリーズの節目に発売された作品なだけに、これからの雲行きが心配なところ。
好きなシリーズなだけに、舵を切り直してこれからも独創性の高いRPGを作って欲しい。

それでは長々と私的な意見にお付き合いいただき有難うございました。