PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

ゲームとしての完成度は過去のオリジナルで言わずもがな・・なためHDリメイクとしてのポイントを評価します。

＜HD化による解像度アップは大画面で明白＞
SDと比較すれば当たり前だがしっかりアップスケールされている。とくに「４」のキャラクターのポリゴンは非常に描き込まれておりハイクオリティ。フレームレートも３０フレーム程度で安定しており複数の敵が登場しても荒れることが無く快適。

＜過去の追加要素がてんこ盛りのお得版＞
過去の移植作・オリジナルのいいとこ取り。「４」はハード性能アップでもっとも完成度が高いとされているWii版をベースにしている点も◎。

＜バイオと言えば最速クリア！ネットランキングへの対応＞
ベロニカ・４ともにオンラインのネットランキングに対応。４はともかくベロニカはストイックな時短クリアのやり込みがあるためこれは嬉しい追加要素。

BAD/REQUEST

＜パッケージソフトなのにDL版仕様＞
ディスクを入れるとROM内にベロニカ・４のアイコン。クリックするとインストールがはじまりDLフォルダにアイコンができあがる。本来DL版のものをディスクに焼き込んだだけ。なのに起動にはディスクが必要とDL版のメリット無し。DL版仕様のため起動の度に長い長いワーニング表示がでてうっとおしい。海外ではDL版のみ販売でそれに足並みを合わせた手抜きパッケージ版。

＜ジャギーが目立つグラフィック・粗いテクスチャ＞
HD化して解像度アップの恩恵はあるものの、背景やキャラにジャギーがやたら目立つ。とくに４はオブジェクトが描き込まれているため余計にジャギジャギ・・・。同時期にプレイしたICO/ワンダHD版はアンチエイリアス処理が施行されており滑らかな表示を徹底していたため、そういった手直しは一切行われていない模様。背景テクスチャも解像度はSD時代のまま？なのかと思うくらいボケボケで興醒め。字幕フォントもHD特有のシャープさが無くぼやっとしてリライトせずに流用したの？と思える。いかにもコストを極力かけずに制作した感が表れており志が低い。

＜PS２版の追加ムービーはSD解像度のまま＞
これが一番残念。PS２で追加になったバイオ４のコンテンツのムービーシーは当時のプリレンダムービーをそのまま引き延ばして使用しているためボケボケ＆粗い品質で見るに堪えない。プレイ画面との落差が激しくせっかくの盛り上げどころで盛り上がらないという残念な仕様。HDとSDの差を体感する比較としては最適だが･･･。ハード性能があがった現行機でのリマスターなのだから、そのあたりをリアルタイムデモとして再現するぐらいの心意気を見せて欲しかった。

＜サウンドがリファインされておらず薄っぺらい＞
音声はオリジナルのまま2ch。低音の迫力がいまいちで、せっかくの怒濤の展開でもサウンドは迫力不足。リマスターと銘打って、恐怖を売りにしたシリーズなのだから、ビジュアル＋サウンド面にも気を配って欲しかった。

＜追加要素・改善点がまったくない＞
良くも悪くも”HD化しただけ”のリマスター版。リマスターなのだから当たり前かもしれないが、手直しできる箇所は手直ししてより完成度を高めて欲しかった。ボタン操作が過去のGC、DC版に準拠なためR2/L2など使用しないボタンが存在する。それらに便利機能を割り振ったり、オートセーブの仕様を入れたり。追加要素がオンラインランキングのみというのはあまりにもバリューが乏しい。

COMMENT

今後もHDリマスターシリーズは他社もふくめ続くようですが、過度な期待は禁物。あくまでポリゴンなどのリアルタイム描画の解像度がHD品質になっただけで、モーションやキャラ造形などは最新のそれと比較したらクラシックな感は否めない。大画面HDテレビに表示しても耐えられる品質で過去の名作が遊べる、という気持ちで向き合うべきかも。本作のゲームとしての魅力は確立されており今プレイしても、なんら見劣りすることなく楽しめます。未プレイの方は勿論、当時複数回プレイしていた自分も、ゼロから新鮮な気持ちでプレイすることが出来ました。手抜きともとれる仕様も見受けられますが、2タイトル入って4000円というコストパフォーマンスは悪くないかも。