PlayStation mk2 :: テイルズオブエクシリアレビュー

テイルズオブエクシリアレビュー

発売元	バンダイナムコゲームス（オフィシャルサイト）
発売日	2011/09/08
価格	8,379（税込）
レーティング	【Ｂ】12才以上対象(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon
タギングトップ3
タイトル概要	■ ジャンル：揺るぎなき信念のRPG ■ プレイ人数：1人（戦闘時のみ最大4人）

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
1pt	2pt	2pt	1pt	0pt	4pt	0pt

総合点
28pt

GOOD!

テイルズシリーズは初代のSFC版TOPから本編（携帯機のT・I・H含む）を全てプレイしてきました。
今回はシリーズ13作目であり、記念すべき15周年記念作品です。

●アニメーションのクオリティがアップした
近年のシリーズ作品はアニメーションの質がどんどん下がってきていたのですが、今回は15周年記念作品ということもあり、OPアニメを含む全体的なアニメの出来が良かったです。

●藤島氏、いのまた氏、両名によるキャラクターデザイン
どちらの方も毎回魅力的なデザインをなさる方で、お二方のデザインされたキャラが一つの作品でお目にかかれるのは個人的に大変嬉しいことだと思いました。

●同じ系統であるTOVの戦闘システムの不満点を解消してくれた
TOVの戦闘は序技を出すために必要なパワーソース、TPが序盤〜中盤にかけて不足しやすく、また戦闘の全体的なスピードもモッサリ気味でしたが、今回は通常攻撃のTP回復の仕様変更や、リンクモード時に味方からTPを分けてもらえる仕様等により、序盤でも比較的余裕を持って技を出せたり、ゲームスピードの向上によるサクサク感が上がりました。

●ロードが全体的に短い
読み込み時間を殆ど感じられないくらい早いです。何十時間もプレイするゲームなので、やはり短ければ短いほどプレイヤーとしては嬉しいです。上記で述べた戦闘のテンポが良くなったと感じられたのも、この点が少なからず影響しているのではないでしょうか

BAD/REQUEST

個人的にテイルズシリーズの一番のウリは、作品ごとに毎回よく練られた戦闘システムだと思うので、ゲームとしてのツッコミは主に戦闘システム関連です。

●最早シリーズお馴染み、詰めの甘い味方AI
これは寧ろ良いと思えるシリーズ作品の方が少ないので、それほど不満点には思えないのですが、やはり悪いものは悪いです。後衛キャラが何故か混戦の真っ只中で術の詠唱を始めちゃったり、前衛のキャラがあまり技を使用してくれなかったり（今作の仕様の所為？）AIが謎の行動を取るのが目立ちます。

●これまた詰めの甘い“ペアで戦う”リンクモード
ペアで戦うという特性上、2人での連携で完結するこのシステムに少し窮屈さを感じました。せっかく4人で戦っているのに、操作キャラとそのペアのキャラ以外は蚊帳の外状態。
またリンクモードを発動すると、リンクしているキャラはターゲットしている敵を操作キャラと挟撃しようと敵の後ろに回り込もうとするため、一々テンポが悪いです。
他にも後衛キャラとリンクしていると、何故か前衛キャラと同じく敵を挟み込んで接近戦をするようになるのもいただけないです。もちろん後衛からの攻撃が得意なキャラなので、必然的に中途半端な性能の接近戦で戦いはじめます。

●上記に伴う弊害
リンクモード時にペアのキャラと協力して技をだす「共鳴術技」なるものがありますが、そこに力を入れた所為か、キャラ単独で出せる術技の数が少ないです。
また、シリーズお馴染みの「オーバーリミッツ」や「秘奥義」等の要素がリンクモード時しか発動できないという仕様になってしまったため、かなり影の薄い要素になってしまいました。
今回のシステムの特徴である“ペアで戦う”ということに固執してしまったばっかりに、逆に一人でできることが少なくなったように思います。

●綺麗だけど地味なエフェクト
これは個人によって感じ方がまちまちなので、大きな減点対象というわけではないのですが、前2作品のTOVとTOGに比べると魔法や技、秘奥義等のエフェクトが地味になったと思います。
個人的にTOGの荒々しい感じのするエフェクトや短い時間にキッチリと魅せる戦闘演出の数々が気に入っていただけに、今回は少し小奇麗に纏めすぎたかな？という気がします。

●シリーズ最悪のボス調整
この点はどうあっても、大きく減点を入れなければならないと思っています。
このシリーズでは数の力で押してくるプレイヤー側に対し、ボス側が何かしらの対抗策を持っているのですが、大体の作品では、攻撃を食らっても仰け反らない所謂“鋼体状態”になって無理矢理こちら側の攻撃を中断してくるのですが、今回はこの調整が非常に露骨で、こちらがコンボを組み込むとすぐに“！”の表示が出て、鋼体状態になり反撃を仕掛けてきます。
これが本当に設定をミスったのかと思うくらいこちらにまともな攻撃をさせてくれないので、ボス戦には爽快感の欠片もなく、ただちまちまとHPを削っていくだけの作業になります。
雑魚敵はコレほど露骨でないにしても、やはりすぐにコンボを抜けてきます。
せっかく連携の順番を撤廃し、コンボの自由度を上げるシステム調整を施しているにも関わらず、この調整のせいでそれらが台無しです。

COMMENT

一言でいえば“手抜き具合とそれによる調整不足が多々目に付く出来”です。
不満点は上で挙げた以外にも沢山あるのですが、これ以上書くと文字数がオーバーしてしまいそうなので控えさせていただきます。
所々目に付く造りの甘さが“完全版”の存在を暗示しているかのようであまり好きな作品ではありません。完全版商法はいい加減やめてほしいものです