ACE COMBAT ASSAULT HORIZON(エースコンバット アサルト・ホライゾン) レビュー

ACE COMBAT ASSAULT HORIZON(エースコンバット アサルト・ホライゾン)
発売元 バンダイナムコゲームスオフィシャルサイト
発売日 2011/10/13
価格 8,380(税込)
レーティング 【C】15才以上対象(CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:超音速・大破壊シューティング
■ プレイ人数:1人


オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
4pt 4pt 4pt 3pt 3pt 2pt 4pt
総合点
62pt

GOOD!

私は、エースコンバットシリーズが大好きで、よくこのシリーズをプレイしている。
(エースコンバット1、2、3、4、5、ZERO、X、6をプレイ、クリア済み)


1.今までのエースコンバットをベースに様々な改良点が見られる事。

今まで通りの戦闘機による戦闘の合間に、対戦車ヘリ「ロングボウ・アパッチ」や強襲用戦闘ヘリ「ブラックホーク」のドア・ガンナー等のステージが増えた。
これにより、シナリオ展開をより多角的な角度で感じ取る事が出来、より物語に入り込むことが出来た。

今回は、シナリオの展開的にメインの主人公こそ、エースパイロットである、ビショップ中佐だが、感覚的にはCOD4MWシリーズのような複数の主人公達を使い分けて、物語を進めていくものと思って良いだろう。

一部、ブラックホークのシーンはCODブラックオプスや映画ブラックホークダウンを彷彿させるようなシーンが多々あったが、私個人的には中々良く出来ていたと思う。

又、追加された新たな兵器によるステージは、よく国内ゲームにあるような、単純にプラスされた粗雑なミニゲームのような物ではなく、かなり作り込まれた本格的なものだった。

むしろ、FPSやTPS的な見せ方や作り込みが、下手な日本メーカーとは思えない程の出来といっても良く、軽い感動を覚えた程だ。
これだけとって見ても、今回のエースコンバット・アサルトホライゾンの制作陣の本気度がうかがい知れる。

ちなみに、よく言われたヘリの操作性の悪さは、全く気になるものではなかった。
むしろ分かりやすいレベルで、ストレス無く楽しくプレイできた。

ただ、ヘリのドア・ガンナー程には楽ではないのと、戦闘機とは操作感が違うので最初は少々戸惑うかもしれないが、気になる程のレベルではないだろう。

むしろ、ヘリよりAC−130やB1、B2爆撃機の方が遙かに難しかった。
(COD4MWシリーズに慣れた人であれば、何ら問題のないレベルだと思うが…)


2.戦闘機によるバトルに、ドッグファイトモードとエアストライクモードが追加され、
戦闘そのものが、よりビジュアル的かつ大迫力なものになった。

これは、実際にプレイしてみて、とても驚いた。
理由は、よく映画などで見るような、超近距離による激しい空中戦がゲームの中でとても上手く再現できていたからだ。
やってみれば分かるとは思うが、今までのフライトシュミレーションゲームでは体験できなかった、とても斬新なシステムと要って差し支えないだろう。

ドッグファイトモードは、20ミリバルカン砲が敵機に当たるたびに破片がバラバラと散ったり、ミサイルで敵機が粉々に吹っ飛んだりと、プレイしていて中々燃えるものがあった。

エアストライクモードも、それに負けてはおらず、指示された、角度から対地攻撃目標に向かって一直線に突入、バルカン砲とミサイルの雨嵐をぶつける爽快なもので、今までの地味すぎた対地上戦闘が嘘だったかのように、より楽しくプレイできるようになった。

特にこの2つのモードは、オンライン対戦で、更に熱いものとなる。
エースコンバット6のオンライン対戦が、遠距離からバカスカミサイルと放つだけのミサイル合戦ゲームだっただけに、今回のこの進歩は素晴らしいと言える。


3.シナリオがリアルになった。
(悪い点もあり)

これは、賛否両論があると思う。
今までのエースコンバットは、架空の世界の中を実在する戦闘機が戦うものだったが、今回はリアル世界を実在する戦闘機が戦うシナリオになった。
簡単に言えば、COD4MWシリーズの世界観をそのまま、エースコンバットに持ってきたと言えば分かりやすいだろう。

なので、アメリカ合衆国の誇る特殊部隊シールズやロシア特殊部隊スペッツナズ等の実在する有名な特殊部隊も実名で登場する。

又、ムービー中にも湾岸戦争等、実在した過去の戦争の名称が飛び出したりする等、物語そのものがより現実的に感じられるようになった。

ただ、シナリオがリアルになった分、過去のエースコンバットのような日本的で繊細かつ、多角的な奥深い人間模様を重視しているシナリオでは無くなり…。
どちらかというと、ちょっとイケイケムード的なハリウッドのような雰囲気になっているので、エースコンバット本来の繊細な雰囲気が大好きな人にはキツイと言わざる終えない。

私自身も、シナリオのリアルな部分を良い点としてあげてはいる物の、内心では今まで通りのエースコンバット的ストーリーで良かったように感じている。


4.主人公が従来のプレイヤー自身ではなくなり、初めから名の知れた凄腕エースパイロットになった。
(悪い点もあり)

これは、エースコンバットファンの中でも大きく意見の割れるところだと思う。

今までのエースコンバットは、フェニックス1、スカーフェイス1、メビウス1、ブレイズ、サイファー、グリフィス、タリズマンといった、姿や声のない無名のパイロット達がプレイヤーと共にエースパイロットへ成長していく過程を楽しむゲームだった。

…と言うか、それこそがエースコンバットというタイトルの意味するもの全てだった
と言い切ったとしても消して過言ではない。
私が上記で、大きく評価が分かれるだろうといったのは、この事だ。

それ故、微妙にタイトルのエースコンバットという文字がかすれて見えてしまう。
今回のアサルトホライゾンがナンバリングタイトルではない為、外伝的な物と思えば、あまり気にならないかな、と個人的には思うが、この辺りはプレイヤーにもよるだろう。

出来ることであれば、タイトルをアサルトホライゾン単体として販売していれば、
又、違った評価になったはずだけに非常に残念な気持ちで一杯だ。

まぁ、今回はシナリオがリアルになったが故、主人公に名前や階級を付けざる終えなかったのではないかと、個人的には考えるようにしている。
開き直って言ってしまえば、シナリオ見せ方として考えれば、これもこれで悪くはないのかもしれない…。

沈着冷静で部下思い、かつどんな絶対的苦難な状況にあっても、消して部下達を見捨てない、ビショップ中佐の人間性や信頼できる仲間のためなら命すらかける相棒のガッツ大尉等、味方のシナリオだけはよい出来であった。

逆に、敵側のシナリオの出来は全く練られてなく、正直とても酷かった…。
謎の大威力ミサイル、トリニティも一体、何だったのか、よく分からないまま終わったような気がする…。

BAD/REQUEST

1.ドッグファイトモードの一部のシステムがゲームの難易度を跳ね上げている。

今回のアサルトホライゾンは、今までのエースコンバットより難しくなっている。

それは、従来の手法だけではステージクリアがほぼ無理なところに起因している。
他のレビューにもあると思うが、ドックファイトモードなしでのステージクリアはほぼあり得ないと思って良い。

理由は、このシステムの一部が戦闘の流れのテンポを大きく崩す原因となっていて、絶対に使わなければいけない「強制システム」となってしまっているからだ。

勿論、従来のノーマルロックオン方式で敵機が落とせない事はない。
だが、今回の敵機はチャフやフレアーをバラバラとばらまく為、殆ど当たらない。
恐らく、敵機の方は自機と違って、チャフやフレアーの弾数が無限なのかも知れない。

特に止めて欲しいと感じたのは、一部ミッションで、ドックファイトモードがイベント進める切っ掛けになっていたりした事だ…。

何というか、ゲームが全体的に、イケイケ・ハイウッド的な映画のノリで作り込まれている所が少々ある為、止む終えない措置なのかもしれないが、この辺りは、旧来からプレイしているユーザー達のことまるで理解していない作りと言わざる終えない。

まぁ…、これだけであればまだ良かったのだが、実はまだある…。

それは、敵機もこのドッグファイトモードを使ってくると言う事だ。
これにより、敵機が後ろに張り付くと、それを振り切る為にかなりの時間を要する事になってしまった。

更に、この間は凄まじい量のバルカン砲とミサイルの雨あられに絶えなければならず、これが対地ミッション時の最大の障害となっており、先にも述べたがゲームの難易度アップに繋がっている。

(このシステムは、オンラインでは驚くほどよく機能する最高のシステムなのだが、オフラインだと、只のうざったいシステムに変化する。

オフラインでは、エース機以外は、個人の意志でドックファイトモード有無を決めたり、出来れば、個人的には合格点だっただけに空しい…)

これが、ただの対地ミッションなら、まだ気合いで十分クリアできる範囲なのだが、時間制限等の運に左右されるような護衛タイプの対地ミッションだと最悪な事になる。

私の場合は、どうやってもミッションクリアできず、ノーマルからイージーに変更して、最初からやり直す羽目になった。
最悪、不慣れな人なら、イージーでも挫折する可能性があるのではと勘ぐってしまう程の物だったと言わざる終えない。

ちなみに、他のステージでも結構難所が多いため、慣れている人でも初回プレイはイージーをお薦めする。


2.ドッグファイトモードで敵機を落とすまでに時間がかかる。

魅せる為に必須的な存在である、このドッグファイトモードであるが、なにぶん魅せるが故に、敵機を落とすまでかなりの時間を必要とする。

これでもか!…と、思えるほどのバルカン砲の嵐を浴びせ、ミサイルをガンガン当てまくらないと敵機が落ちないのだ…。
まぁ、初めのうちはこれでも良いかもしれない…。
ビルの間や山の谷間をくぐり抜けながら、バリバリ撃ちまくる爽快感に包まれているから。

だが、毎度同じステージをこれで全てクリアしていくとなると、話は違ってくる。
以前なら、4発、6発同時発射の空対空ミサイル等で、まとめて複数をドカン!
…と、遠距離から気持ちよく撃墜できたのだが、今回はその手法だと殆ど敵機が落ちないので、仕方なく、一機づつドックファイトモードに持ち込まねばならない。

…と、只でさえ時間がかかる戦闘なのに、上記で上げたように雑魚機全てが、ドッグファイトモードに持ち込んでくるので、私自身は常に涙目状態に…。
初めの爽快な気持ちは何処へやらである…。(笑)


3.新しい戦術や手法を取り入れたのは良いが、今までの良い部分が消え去ってしまった。

今回はプレイすれば分かると思うがが、沢山の味方部隊と連携して作戦を展開することが多くある。

更に、沢山の主人公的キャラが出てきて、互いにカバーし合いながら作戦を進めることもある為、その辺りの戦闘システムに期待をしていた。

だから、このアサルトホライゾンも、大軍vs大軍という、私が昔夢にまで見た大規模戦闘を実現した、AC6のような素晴らしい戦闘になると確信していたのだが…。

しかし…。
実際は、淡々としたものだった…。
せめて、5やZEROのように、自分が指揮するウォーウルフ隊だけでも命令できれば、まだ良かったのだが…。

それすらないとは、ショックだった…。
ウォーウルフ隊はバーレット大尉率いる、ウォードック隊のように、ガッツ大尉を含めて、全部で4機もいるというのに、ZEROの一機しかいなかったガルム2ピクシーより共闘感が薄くて唖然である…。

隊長機であり、何故かやたらと敵機の憎悪の的になりやすい、ビショップ中佐ぐらいは援護して欲しい…。
最低でも、スカイキッド隊やウィンドホバー隊…、いや、ワーロック戦車大隊ぐらいは、活躍して欲しい、いや、してくれ!!こっちは、死にそうなんだよ!!(泣)
毎度毎度、自機だけ袋だたきは勘弁して欲しい…。

ZEROや6のような指示が出せず、敵機が自機ばかり集中放火する為、イージーでも油断すれば軽く撃墜される…。
指示モードさえあれば、あの激ムズ対地ミッションもクリアできただろうに残念だ…。

6のあの感動を返して欲しい…。(泣)
天使とダンスというか、常時、敵機のミサイルとダンスしてたような気がする…。

と言うか、今回のビショップ中佐は、初めから部隊のトップ的存在ではなかったのか?
ぶっちゃけ、6のタリズマンより、ヘリ部隊や地上部隊に命令しやすい立場であったはずなのに、部下達が何一つ中佐の指示を聞いてくれないだなんて…、お山の大将すぎて、空しくなってくる…。

又、ミッションが長いのは良いのだが、切れが悪すぎる。
見せ方はその方式でも良いが、最低限、一区切りごとに分けて欲しかった。
時間が無くて、いったんゲームを切り上げて、再開したときに、以前の部分をゴッソリやり直せねばならないのは流石にキツイ。

更に、ブリーフィングやミッション終了時の結果などの一切の情報が無い為、いつこの作戦が終わったのか、分からなくなるときがあった。

他のレビューでもあったが、出撃前の機種選択や作戦に対する詳細な情報の殆どは、初めのブリーフィングを聞いて行っていたので、是が非でもこの辺りは復活させて欲しい。

次のミッションが作戦遂行中に語られ初めて、ようやく、自機の選択をミスった事に
気づいたり、今作は本末転倒すぎる事が多かったように思える。

6も1ミッションが凄く長かったこと事を、よく批判されていたが、ミッション毎の区切りや、次の作戦を作戦内容を事細かくブリーフィングで教えてくれた為、同じ長いミッションであっても、今作より遙かに出来が良かった。

COMMENT

今回のアサルトホライゾンは確かに楽しめるし、面白い。
これは事実だし、私個人としても当初想像したよりは、文句は少なかったと言える。

しかし、残念な点が多くあり、軽くショックを受けたことも事実である。
シナリオや作戦遂行時に当たっての全般的な内容、そしてシステムを大きく改革する事は理解できる。

だが、今まで受け継がれてきたユーザーにとってなじみのある機能すら、省いてしまうのはいかがなものかと思う。

海外のファンから、「挑戦がない事は裏切りだ」と言われた事。
そして上層部から、エースコンバットは本当に必要なのか?と問われてしまった事等が、作り手達の大きなプレッシャーとなり、結果的に新たなエースコンバットの制作を余儀なくされてしまった事は分かる。

それだけに、その逆境を見事に乗り越えて、今回ような大きな改革を成し遂げたことは非常に素晴らしい事だし、私個人的には共感も出来るのは確かだ。

しかし、ファン達がエースコンバットというゲームに何を求めて、プレイしていたのかを、もう少し多くの人から、聞いてみるべきだったのかも知れないとも思う。
まぁ、旧来のファン層を一度捨てて、新たに客寄せする手法もあるだろうけど…、これは大きな賭となるので、危険手法と言える。

その辺りは、新作を作るより、旧作のリメイクを作った方が売れると、言っていた感じからして、作り手の人もそれは分かっていたとは思う。

勿論、今回のように斬新で全く新しいことに挑戦する事は有りだとは思う。
ただ、そうするのであれば、尚更、様々な調整において、シッカリとした作り込みをしないとリスクが高まってしまう。
だから、今まで良いとされた機能や旧来のACの長所を存分に生かした、挑戦をしていれば、これ程国内で批判的意見が多くなることはなかったのかも知れない。

又、個人的には今回のリアルなシナリオも消して悪いとは思わないのだが…。
エースコンバットシリーズの誇るシナリオとは、こういったものだったのだろうか?
と、個人的にアレ?っと思ってしまった事をあげておきたい。

何故なら、アメリカを主体とした現代戦を描いたシナリオのゲームは思いのほか多くあり、珍しくも何ともないし、何故あえてこの海外路線といっても良い方向へ走ったのか、正直理解に苦しむところがあったからだ。

何度も言うが、今回のシナリオが悪かったと批判している訳ではない。

ぶっちゃけ言ってしまうと、今回のエースコンバットのシナリオの何処に本来のエースコンバットらしい部分があったかと、個人的に制作者の人達に問いたいのだ…。

非常に細かい世界観や人間模様一つ一つまで描き出せる、あのエースコンバットのスタッフが何故このシナリオなのだろうと…。
何故、海外ゲームが開拓しきった、この分野でエースのスタッフが似たような事をせざる終えなかったのかが知りたい…。

同じ現代戦であれば、人を殺すより、救うことに特化した自衛隊を主軸に奥深い、思いっきり考えさせられるような意味深いテーマで描いてくれた方が良かったし…。
それこそ、こういったシナリオを書くことを十八番とするエースコンバットのスタッフの出番であったハズだと思うのだが…。

幾多の島を巡って、相手国家に対し、何も出来ない日○政府。
北○鮮を初めとする、ロ○ア、中○、韓○の問題、勿論、在日ア○リカ軍の存在に至るまで、色々描くテーマも一杯あるはずだ。
こういったテーマを元に、一本架空のシナリオでも書いて貰えれば最高だった。

実際にどこかの国の船と海上○安庁が撃ち合ったこともあれば、謎のミサイルが日本列島を横断したり、何処ぞの潜水艦が自国内に入ったことだってある、この国だからこそ、書けるシナリオだってあるし、架空とは言え、プレイヤー達にこの国の置かれた状況をゲームという手法で分かりやすく伝える良い機会だとも思うのだが…。

まぁ、どちらにせよ、ロ○ア正規軍が反乱を起こして、大暴れするシナリオよりは、心に訴えられる部分はあったのではと思う。

ちょっと、無理っぽい極端な例を上げてしまって申し訳ないのだが、リアルな戦場を本当に描きたいのであれば、もうちょっと、あり得そうな…、最低限、我々日本人にも共感できるような物を作って欲しいと、私は言いたいのだ。
消して上記のシナリオで書けと言っている訳ではないので、誤解無きように。
あくまで物の例えとして見て欲しい。

とにかく、在り来たりなア○リカvsロ○ア(ロ○ア反乱軍&中東組織)等という今更感が強いものを出されても、ユーザーは微妙な反応しかとれないのは仕方ないと言わざる終えない…。

そもそも、エースコンバットが誇るシナリオは、とても繊細な視点で戦場の空しさや悲しさを語るという、他のゲームでは消して真似の出来ない素晴らしさに特化している。

敵からリボン付きと呼ばれ、恐れられたメビウス1やガルーダ1ことタリズマンは、自らが語れない分、その全てを行動と実績で示し、味方はおろか、敵エースである、黄色の13やパステルナークすら、納得させるほどの実力を示した。

エースコンバットのシナリオの凄いところは、他のゲームにありがちなただの英雄視的な一方的な視点だけではなく、相手国も絡めた、細部に至るまでの細かい作りみの素晴らしさだった。

5とXの語り手、戦争記者のジュネットも、沢山の戦場を渡り歩いた、その豊富で柔軟な視点から、後のラーズグリーズ、そして、凶星ネメシスと呼ばれ、恐れられる存在となった、主人公達(ブレイズやグリフィス1)をよりプレイヤーに分かりやすく、より感動的に伝えるなど、素晴らしいシナリオが多かった。

勿論、AC1〜6、そして外伝に至るまで、作り込まれてきた、ゲームシステムだって、十分評価に値するぐらいの誇っても良い代物だ。

何度も言うが、今回のシナリオのようなゲームはすでに多く出回っているのが現状であり、すでに使い古されたものだ。
それだけに、エースコンバットシリーズがそれに習って、それらをマネる必要なんてあったのだろうか?

在り来たりな魅せるムービー的ゲームが国内市場に溢れかえっている今だからこそ、ユーザー達のエースコンバットに対する期待度は高かったことは事実だ。
それだけ、今のユーザー達のゲーム離れは凄まじいものがある。

ユーザー達は、映画のようなムービーだらけの眺めるだけのゲームに飽き飽きしている。
昔のような、達成感があり、ユーザーが物語に介入出来るゲーム、そして、ゲームでしか味わえないような感動的なシナリオを期待しているからこその低評価だったと、私自身は感じている。

事実、国内プレイヤーの多くが、よりプレイヤーがゲームに入り込めるような、エースコンバットらしいシナリオや過去に裏打ちされた堅実なシステムを求めていた意見も多くあった。

ハッキリ言うと、プレイヤー達がエースコンバットに求める事を、国別にでもして、アンケートでも取るべきだったのかもしれない…。
プレイヤーにだって、色々な人がいることを忘れてはならない。

古きものにだって、古きものの良さというものがある。
今回は、今まで通りではなく、全く変わらないといけないという、作り手の危機感が強すぎたのではないだろうか?
その点で言えば、我々ユーザー達や会社の上層部にも、責任があるのかもしれないが…。

私個人的な意見で恐縮だが、基本が変わらないからと要って、消してそのゲームが駄目になるとは全く思わない。

むしろ、ゴッソリと変えたことにより、大規模なユーザー場慣れを引き起こした、ゲームの方が国内では、多いと感じているぐらいだ。
某大手のゲーム会社などは、その典型とも言える存在だろう。

ユーザー達が、本当に今のエースコンバットを要らぬものと考えているのか、今一度考え直す必要があるのではないかと私自身は思う。

もう一度言うが、アサルトホライゾンは消してつまらないものではない。
シナリオについても色々言ってしまったが、消して悪いものではない。
(ただ、エースの作り手さんなら、もっと違う視点で描けたのでは?とは思っている)

だからこそ、今回の改善点をキチンと修正できれば、より楽しくプレイできるゲームが出来ると思うし、私自身も、このシリーズを買い続けるだろう。

挑戦とは、何もゴッソリ変えなくてはならないものでは消してない。

プレイ時間:30時間以上60時間未満(クリア済)
タックさん [2011/11/15 掲載]

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