PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

〇キャラクターの大幅追加尚且つ全員のモーション差別化
　これは素直に凄いことだと思います。全130人という膨大なキャラ数でありながら、
完全にモーションが同じというキャラは誰一人存在しません。
武器が同じでも各種チャージ攻撃やタイプアクション（以下TA）がそれぞれ違うため、
全く別の操作感で遊ぶことができます。

〇無双6猛将伝並みののワラワラ感
　今までの無双と比べ、かなり多くの敵兵が出現します。およそ三国6猛将伝並みです。
普通にプレイしていて、1ステージクリアで1000〜2000人斬りが容易に達成できます。
俗に言われる「ステルス」ですが、敵兵に沢山囲まれたときに、一度に大量の敵を薙ぎ倒すと、
表示されていなかった敵兵がいきなり現れます。この量なので仕方がないとは思いますが、
6猛将伝に比べると相当減っているのでかなり良くなった方だと思います。

〇新たな武器属性の追加
　武器属性の種類が大幅に増え、武器錬成の楽しみが増えました。
戦国3から流入したものや、今までに無かった全く新しいタイプの属性などが追加され、
武器のカスタマイズ性が更に豊富になりました。

〇新鮮なストーリー展開
　OROCHIというシリーズは、どうしても同じような展開になってしまうのは仕方ないです。
しかし、今回は時空を越えて道を切り開くという、全く新しい展開で面白かったと思います。
俗に言うお祭りゲーなので、あまり細かい事は気にせずに楽しめば良いかと。

〇戦国勢の攻撃スピードアップ
　戦国3ではどのキャラも攻撃スピードが非常に遅かったのですが、
今回は見違えるほど早くなっているので嬉しい調整です。

〇過去作品の懐かしいBGM
　今までの作品からそれぞれ数曲ずつBGMが使われています、昔からのファンには堪りません。
また、クリア後は好きなBGMを選んで戦闘を始めることができます。

〇新システム
　ダッシュチェイン・スイッチコンボといった新システムはとても成功だったように感じます。
前者はダッシュ攻撃からそのまま通常攻撃やチャージ攻撃を繋げることができます。
後者は攻撃中にキャラチェンジを行うと、ダッシュ攻撃が繋がり、更にそこからダッシュチェインを繋げることができます。
これらにより、隙のない流れるような連続攻撃を組み込める訳です。

BAD/REQUEST

×ゲームモード
　ストーリーとフリー、それに加えて無双の戦場
この3つだけしかありません。
　前作のように、キャラ選択から武器の錬成などをメニューで纏めて行うのではなく、
全て陣地で行うため、非常に面倒です。
フリーモードでも同じように陣地で行動するため、ストーリーとほぼ何も変わりません。
違いは戦闘前後のイベント会話の有無のみです。
　無双の戦場というのはおまけ程度のもので、自由度は少ないです。詳細は他の方のレビューを参考にして下さい。
　前作のようなサバイバルモードなどがあっても良かったとは思います。
最近の無双はどうも対戦が少ないですね。盛り上がると思うんですが。

×特技からスキルへの改悪
　前作にあった\\\\\\\"特技\\\\\\\"ですが、これは各キャラ毎の条件を満たして取得し、
取得した特技は好きな組み合わせで装備出来ると言うものでしたが、これが廃止され
\\\\\\\"スキル\\\\\\\"という物になりました。効果は能力強化や回復速度アップなど、
前作とほぼ変わらないのですが、（但し馬術は廃止）キャラ毎にスキルが固定されていて、変更できません。
つまり、1度の戦闘で3つのスキルしか発揮されないにも関わらず、好きなキャラを使いたくても
自分にとって不要な効果のスキルだったりするわけで、非常に自由度がありません。
キャラ毎にスキル固定でも、前作のように習得したら装備できるようにすれば良かったと感じます。

×アタッカータイプの特性
　前作と比較すると、安定したままのはパワータイプのみでは無いでしょうか。
　まずスピードタイプは、前作ではアーツ1/2と2種類の攻撃が有り、無双ゲージ消費の
ものと無消費のものがあり、色んな使い分けが出来ましたが、今作ではTAという形で
実質1種類に減らされ、しかもどれも無双消費となりました。また、前作ではどのキャラでも
キャンセルからアーツに繋げ、それをキャンセルし…と流れるようなキャンセル連携が出来ましたが
今回はキャラによってキャンセル出来ない攻撃がちらほら見受けられます。調整ミスでしょうか？
　続いて、大幅に弱体化したのがテクニックタイプ。前作ではクリティカルにEXチャージ、
EXカウンターといった攻防一体の有用な性能でしたが、今回はEXは廃止、変わりに戦国3の
ステップが使用できるようになりましたが、殆ど無意味です。TAも強力なものは少ないです。
実質、ただクリティカルが出来るだけの特性です。
　最後に追加されたワンダータイプですが、こちらは戦国3にあった影技が使え、それに加え
クリティカルヒットも使えるわけですが、このクリティカルは「ガードを弾かれた状態」の敵に
チャージ攻撃が当たったときのみ有効です。そんな場面はごくごく限られていますので実質無意味です。
影技は戦国3から大幅に弱体化しました。戦国3では単発高威力・属性付加・安定した打ち上げに加えて
敵サーチで、非常にコンボに組み込みやすく、技能によって威力や距離を底上げ出来ました。
今回は連続ヒットになっているようですが、ヒット感が軽く、威力は低く、属性も付加されず、
受身が取られやすく、敵をサーチすらしない上に距離や威力を上昇させる手段がありません。
ガード崩しと硬直の隙消しくらいにしか使えません。更に、4回に1回くらいの確率で、
無双ゲージだけ表示してその場で動作が終了して不発で終わってしまうバグも存在します。
以上の点から、影技はとても実用的なものではありません。テクニック同様、TAも強力なものは少ないです。
　タイプの特性はOROCHIならではのシステムなので、殆どが弱体化されているのは非常に残念です。

×真・合体技
　かなり力を入れたみたいですが、かなり残念な出来です。
発動後、こちらは無敵に、敵の動きがスローになり、ゲージが無くなるまでチーム3人で攻撃をする、というもので
最後は高威力衝撃波と共に決めポーズ、というものですが、テンポが非常に悪いです。
また、攻撃を当てれば当てるほど浮いて攻撃が届かなくなり、結局最後の衝撃波のみがダメージ源です。
言葉で上手く説明するのは難しいので、プレイ動画を参考にして頂ければと思います。
個人的には絶対に前回の合体技の方が良かったと思います。テンポも良く、高威力で
チームの構成によっては特殊な技に変化する等、どれを取っても前作の合体技の方が
良かったと思います。魅せ技としても前作の方がカッコいいかと。
しかし、この真・合体技を使わないと武器の錬成に必要な貴石というものが集められない
（今回はストック経験値はレベルアップにしか使えません）ため、
半ば強制的にやらされている感があります。

×武器錬成能力
　今回の武器には属性を付けることが出来るだけで、
前作にあった「錬成能力」は廃止されました。天舞や天活などはレア属性として
8つの属性枠に入れることになり、コンボの幅を広げる飛竜は存在すら無くなり、
頑強や金甲は後述する装備アイテムという形になり、
いずれも扱いづらいものとなりました。

×アイテム装備
　お馴染みの装備アイテムが復活したのは良いですが、種類に関わらず
「1人2つ」しか装備出来ません。前作の特技が廃止されたため、松風馬や赤兎馬に騎乗するには
貴重な1枠を割く必要があり、お馴染みな白虎牙を始めとする能力アップ系アイテムや、
発破伝書を始めとする特殊効果アイテムなど、豊富なアイテムがあるにも関わらず
2つまでという厳しい制約です。今までの無双シリーズでは4〜6個装備できました。
今回は3人という事ですが、この装備アイテムがそれぞれチーム全体に効果があるのなら
納得行きますが、装備した本人にしか意味がないため、2つはどう考えても少なすぎると感じます。

×属性まわり
　属性エフェクトがはっきり言って死んでいます。
炎は当たった敵が不自然なオレンジ色の発光をします。かなり不自然です。雷は無双6同様の仕様となり、地上ヒットで気絶効果の物になり、
前作のようなダウン性能はありません。エフェクトも6同様の落雷エフェクトですが、
他の属性と混ぜるとエフェクトが消えます。前作と違ってヒット時に体に電撃も走らないので、見た目はかなりしょぼいです。
氷は性能は良いのですが見た感じは氷の表現がかなり下手で、体が真っ白になり硬直しているだけです。
風や斬は振りかざした武器には色が付きますが、当たった敵へのエフェクトは非常に見えにくいです。
細かいかもしれませんが、こういった見た目面も、爽快感には大きく影響すると思います。

×既存武将の大幅弱体化
　何が酷いかと言いますと、お祭りゲーであり、しかも無双というジャンルでありながら
各キャラ間の性能を上方修正ではなく下方修正を多用して調整するところです。
格闘などの対戦ゲームなら強すぎるキャラを弱体化させ、丁寧に調整するのは分かりますが、
無双でこれをやるのはちょっとどうなんでしょうか。然も、そこまで強くはなかったキャラをも
弱体化させています。これは本当に意味が分からない。
　新キャラやコラボキャラなどは、新モーションでありながら、本当に高性能で、
強力なキャラばかりです。三国勢や戦国3で登場したキャラ達も新モーションが多いため、丁寧に作られていて、
強力なキャラが多いです。問題は前作から引き続き参戦しているキャラクター達。
　仙界のキャラや戦国1・2でのキャラ達は、ほぼ大幅な弱体化を受けています。
仙界勢は、三国のキャラ達がモーションや乱舞を一新されたにも関わらず、
それに対応するような新アクションなどは負荷されていません。EX攻撃ぐらい追加してくれても
良かったのではないでしょうか？中でも左慈などは本当に酷いです。どうしようもないくらい弱体化されています。
また、戦国3でリストラされた宮本武蔵と佐々木小次郎。この2人は戦国2猛将伝で追加された
新チャージ攻撃がありますが、今作ではこれが廃止されています。つまり前作OROCHIから
モーションをそのまま流入しているということです。皆伝を実装するのは難しいかとは思いますが、
既存のアクションくらいは付け加えて欲しかったです。
この辺は手抜きを感じてしまいます。新キャラ勢に力を入れるのは分かりますが、
他を疎かにして良いわけ無いですからね。もう少し頑張って欲しかったです。

COMMENT

　37型、HDMI接続でプレイ。
　
　無双は戦国、三国、OROCHIシリーズも含め全作プレイ済です。
前作OROCHIZとの比較に重点を置いて評価していきたいと思います。
主に無双シリーズをよく知る人向けのレビューとなっています。

　全体的に非常に惜しい作品だと思います。
悪い部分が目立つレビューとなりましたが、あと少しの調整や変更で改善される事も多く、
今まで実現出来ていたものと組み合わせればとても素晴らしい作品になると思います。
　しかし、最近のナンバリングと比べれば非常に良い出来です。
　無双ファンで、購入を迷っている方は買って損は無いと思います。無双シリーズは初めてだけど 興味がある人には、こちらよりも前作の方がお薦めです。
　長々と失礼致しました。本作品での「再臨」を心待ちにしています(笑)