PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

○新アクション・新システム

　壁を蹴って加速・方向転換するブーストドライブや、任意にオンオフできるブースター、それを利用したドリフト（高速方向転換）など、今作から採用された新アクションが楽しい。

　また、今作からはレーダーがなくなり、リコンという小型偵察機を射出しての索敵が必要になっている。これがまた、面白い。旧作ではレーダーのせいで、基本的に隠れるという概念がなかったが、今作では偵察機に補足されたとしても、相手の画面内に入らない限りは場所を完全に特定されることがない（付近にいるということは分かる）。このため、機動戦を展開中に相手を見失う、という状況がしばしば発生する。旧作ではあり得なかったこの状況が今作では個人的には大好き。背後からコッソリと、超高攻撃力の格闘兵器でワンチャン期待。ということも極端ではあるが、ムリではない。


○チーム対チームの対戦プレイ

4人のＡＣ+1人のオペレーター（情報戦要員）、の合計5人がチームとなり、5対5の対戦プレイが熱い。


以下の評価点は旧作でも同様なので割愛-------------
○自分の機体を構築できる楽しみ
○プリレンダムービーのレベルの高さ

BAD/REQUEST

○ユーザー視点の開発者がいない

目玉である、ゲーム内に用意されている有限の領土を、プレイヤーチーム同士で奪い合う新要素。所有した領土には防衛兵器郡を配置する他、侵攻チームをプレイヤーが直接迎撃することもできる。
言いたい事は分かるし、聞いてる分には面白そう。でも、完全に死んでる。なんで？

個人的に考えると、このゲームソフトに圧倒的に足りない思考は、ユーザビリティ。
快適に、すばやく、いつでも、ゲームに参加し楽しめる環境を用意する。
こういった、ユーザーの側に立った思考が面白いほどに開発チームの中に感じられない。なにもネット対戦システム部分に限った話ではなく、グラフィックを含めた様々な要素から、楽しませる為に作ったのではなく、自分たちが作りたいものを作った。そう強く感じさせる仕様になっています。

■マッチングのバランスが悪い。領土戦では侵攻側が多く待機状態なのに、防衛はスカスカ。結果無駄に待たされる。別システムだが、傭兵にしても、登録して、雇用されるまで延々待つ。

■ルールが破綻気味。領土を失う条件は、相手の侵攻を阻止できなかった場合（相手に所有権が移る）と、侵攻の事前攻撃によって、領土のＨＰが0になってから3時間経過してしまい、没収された場合（所有者なしの空き物件になる）。　作ってる段階で、普通に考えれば分かります。相手の侵攻をのらりくらりと受けず、没収されるギリギリのタイミングで一回だけ受ける。これが最良の守り方だって。ゲームとしては最悪です。マッチングなんか起こりません。ゲームが成立しません。

■期間限定・参加条件限定のイベントがある。基本的にはいいことです。イベントは。でも参加条件をクリアするためには最低一回、悪ければ複数回マッチングしなくちゃいけないんですが、上述の通り、快適さ0のマッチングに耐えるという苦行を行わなくてはいけません。

■脆弱なサーバー。メンテナンスが頻繁にかかり、安定度も低い。クリティカルな問題だと思うんですけどねぇ。フロムソフトウェアの他のゲーム見ても、なんか軽く見られてる気がします。これがダメだとゲームできないんですが。

■ＤＬＣのデータがカタログ方式。いいから、パーツデータだけはアップデートで有無を言わせず入れさせちゃえよ。入れてない人と入れてる人でマッチング不能とか意味不明すぎる、と思いました。

■メニュー画面含めＵＩが使い辛い。４シリーズ以降特に顕著なんですが、良いデザイナーさんが辞めたとかですか？

■ゲーム中での、相手ＨＰや弱点などの重要情報が、なぜか加算描画。明るい背景と重なると、白飛びしちゃって読めません。ＵＩの一部は設定変更で不透明度100％の通常描画に変えられるのに、重要情報部分は変更不能。理解に苦しみます。

COMMENT

ＵＩにやや難があるものの、ロボゲーアクションゲームとしては、文句なく面白い部類です。

ですが、ネット対戦を主軸に据えたゲームとしては、180度評価が変わります。他に面白いゲームは星の数ほどあります。対戦ツールとしてはおよそ機能していません。

ACVシリーズとしては、次回作からが色々な意味で本番である、と期待しています。開発者さん達の奮闘を信じて。