PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

おおまかな特徴は皆さんの仰る通りです。
ここでは僕が主張したい点をいくつか。


・溢れるモビルスーツ愛

これが本作品の魅力と言っていいんじゃないでしょうか。OVAガンダムUC episode3までに登場する殆どのモビルスーツ・殆どのバリエーションを使って遊べます。DLCを含めれば、もっと、もっと…
機体の細かい挙動や演出も好感触。必見MS多し。
ビーム・ガトリングガンを本来の持ち主にも担がせてあげたい人向け。


・割と硬派なゲーム性

無双シリーズの手軽さやVSシリーズの格闘ゲーム感とは異なった噛み応えのある戦闘は、それなりに複雑な操作を要求される。但し、似たような操作性のゲームは存在するようです。
思い通りに動かせるようになったとき、前述のゲームとはまた違った爽快感が。
DUALSHOCKのボタンを余さず全部使いたい人向け。


・シリーズおなじみの効果音、OVAでおなじみのBGM

このあたりはご心配なく。普通に普通です。原作通りの音でないと癇癪を起こす人も満足。


・背景への意外なこだわり

モビルスーツのグラフィックがしょっぱいと言われていますが、宇宙は綺麗です。
遠くの方で爆光が瞬いたりするのも雰囲気があってよろしい。
戦闘そっちのけで星々に癒されたい人向け。


・はじめて厄介に感じる艦砲射撃、弾幕

このゲームの戦艦は従来とは異なり、比較的仕事をしてます。敵機の撃墜も有り得る。
プレイヤーサイドとして見た場合には、ゲームを進める上での大きな障害物にはなり得ないのですが、これも雰囲気を高める上でとても大事な要素だと感じさせてくれます。
小規模ながら艦対艦の戦闘シーンも有り。
「戦艦」と「弾幕」がセットになってる人向け。


・登場キャラクターもよく喋る

カスタムキャストモードでは、パイロットや戦艦クルーを特定のキャラクター同士で組み合わせると「それっぽい」会話が発生する。バリエーションはそれなりに多く、それだけでもファンは楽しめます。
OVAではオードリーとミコットのギスギス感が物足りなかった人向け。


・メインキャラクターによるモノローグ

登場人物の独白だけではストーリーの本筋を追うに足り得ませんが、OVAでは把握できなかったメインキャラクターの心情を補完できる点はgood。
既に原作小説を読んでいても、声があるのでまた別の味わいが。
有料DLCのモノローグは、その筋のプロなら。


・以上を踏まえた、ファンならではの熱中度

これらの点が備わっているだけでも、よく訓練されたシリーズのファンならお値段相応に楽しめると断言できます。


・特装版ならなお良し

更に鍛えられたファンならば、このゲームはそもそも特装版という名のマストアイテムに付属するオマケと考えて然るべきですが、オマケにしては出来が良いのでびっくりしています。
OVAやLiveイベントのダイジェストBDと、原作を執筆した作家が書き下ろした前日譚小説はお釣りなしの満足感。通常版との差額でお値段相応と考えるかどうかは、ガンダムに対して重症かどうかで変わってきます。
愛しているなら。

BAD/REQUEST

・爽快感を得るには慣れが必要。それまで飽きずに続けられるか

明らかなボリューム不足。複雑な操作にしばしば苦心するが、これらに慣れようとゲームを繰り返してゆくうちに、気づけば全てのミッションをクリアしてしまっていた。という状況に、恐らくあなたも陥ると思います。（とは言え、腕前次第で詰まる程度には難しいのですが）
操作に慣れたら慣れたで、それを発揮する場所もやはり、手慣れたミッション。
せっかくの腕前は、未知の困難を切り開くのに使ってみたいと思いませんか。
定食屋のメニューが日替わりでなくても大丈夫な人向け。


・戦闘はほぼ宇宙空間でのみ

ボリュームの薄さに加え、戦場の単調さにも定評があります。
コロニーの残骸や小惑星を遠方に望む宇宙での撃ち合い。オンリー。
カレーの具が毎回ポークでも大丈夫な人向け。


・システムまわりがやや不親切

今の時代に開発されたゲームとしては少々残念な、ロックオンのやりにくさ・ミッションの途中リトライ不可などの仕様。もうちょっと頑張れたんじゃないかな。
ファミコン時代を懐かしむ人向け。


・多少のバグあり？

確証が持てないんですが、僕の家の初期型PS3では、たびたび特定のシステムSEが鳴りっ放し・異なるBGMが同時に再生されるなどのバグ的な状況が発生します。が、読み込みを挟むと解消されるので、まあ、いいか、と。
スープに小さい虫が入ってても除けば飲める人向け。


・OVA登場機体以外は殆ど有料DLC

有料DLCの展開が前提なのでパッケージ価格を下げました、と公式に謳うほどの徹底ぶり。
お気に入りのマニアック機体が有料DLCでも迷わない人なら。


・モビルスーツへの愛が、それでも足りない

せっかく揃えたモビルスーツも、出撃シーンがなければ興奮も半減。
「モビルスーツが掛け声と共にデッキからカタパルトで射出されるシーン」を鬱陶しいと感じる人向け。


・ファン前提の割り切ったゲームデザイン

ガンダムUC未見、ひいてはガンダムシリーズ未見のプレイヤーを想定していない、ド鋭いゲームです。一応ユニコーンモードでOVAの前半戦までをカバーしているものの、キャラの独白を聴いただけでは、何が何だか。
あくまでも一般的な視点から見た場合、この点だけはどうしてもbadと言わざるを得ませんね。
敢えて言おう。ファンなら。

COMMENT

ロボットアクションゲームとしての骨子はよくできていると感じます。それだけに、色々と惜しい。

中身の伴わないキャラクターもののゲームは数あれど、この「機動戦士ガンダムUC」に関しては中身のきちんと伴ったキャラクターもののゲームであると言っても差し障りないでしょう。

それ以上でも以下でもなく、ただ、ファンならば間違いなし、ファンでなければ面白みを感じることなく手放すか、或いは棚にそっとしまうか。そういう類のゲームです。購入には細心の注意を。


ファンかどうかで熱中度や満足感が変わる為、その部分の採点は基準の3ptで。他の3ptは率直な評価。
機動戦士ガンダムUC「のみ」を題材とした初めてのゲームということで、オリジナリティは4ptでお願いします。