PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

・ストーリーのボリューム
今回は計７人の主人公で４編のシナリオを攻略していくことになります
それぞれのシナリオはひとつの筋道に繋がり、また一部ではシナリオ同士が交差するポイントが存在し、簡単には飽きさせない仕掛けになっています
複数シナリオ自体はこれまでも何度かあったとは思いますが、今回はそれが一挙に４編分なのでそれぞれのお話をそれぞれの視点から体験出来て良いと思いました
BADの最後であげてるところに行き着くまでは…ですが


・演出面での進化
まずゲーム開始冒頭に強制でレオン本編後半をダイジェストしたプロローグがあります
プレイヤー誰もが「一体どうしてそうなった！？」という疑問にかられたでしょう
従来には無かった要素ですしシナリオに惹き付ける要素として描かれているのでこれは良いと思います
さらにはバイオテロリズムが世界的な規模で描かれる本作の特性上、過激な戦闘シーンや派手なアクションシーン、ヒューマンドラマ等がこれまで以上に多数含まれていてゲームをプレイしながら軽くそういう映画を見ているような不思議な感覚に陥って見入ってしまいます


・アクション面の強化
体術攻撃が任意かつ状況別に出せたり、様々な回避が可能になったり、クイックショットと言った相手を瞬時によろめかせる銃撃があったりと…アクション面の拡張が前作からかなり目覚しくプレイヤーの思うがままにキャラを動かせるのが特徴的です
そしてそれらほぼ全てにスタミナゲージを導入し管理することで「体術ばかり出してたら良いや」なんて安直な考えを生み出しにくい仕様になってるのも良いです


・クリーチャー気分を味わえる
いずれかの本編クリア後に追加されるこの「エージェントハントモード」(以下AH)は、これまで敵として戦ってきたゾンビやBOWなどのクリーチャーを自ら操作し、オンライン環境にあるシナリオ攻略中のプレイヤーに襲いかかることが出来るという夢のようなモード
モード中は好きなだけ自殺したり復活出来るのでストレスなく純粋にモードを楽しむことが出来ます
ちょっとした息抜きなんかに最適なおまけモードです


・バイオらしさ
ゾンビ等の再登場もあってか、５や４に比べると旧来からのいわゆる「バイオハザードらしさ」が一部復活している場面が見受けられます
絶望感や闇の中で安心して恐怖する(？)事が出来るので、ほぼ真昼間や灯りの下進んでいくだけだった５に比べてホラー要素が戻ってきました
例えば地下鉄の線路上を進行しているとライトに照らされたゾンビの歩く影が壁に映し出されたり、見えない脅威に一人また一人仲間がやられていくといったようなホラーにおける王道パターンまであったり


・COOPプレイ
クロスオーバーという新たな協力要素の追加で、各シナリオの一部では最大四人によるオンラインプレイが楽しめます
さらにはマーセナリーズにもデュオというモードが追加されオフラインはもちろんオンラインでも強力が可能になっています
一人でやるよりはやっぱりオンラインで誰かと進行するのが楽しいだろうし、今の時代のゲームなんだから例えバイオハザードでももう機能として無くてはなりませんね

BAD/REQUEST

・セーブ
シナリオの１チャプター自体が大体どれも一時間以上かかり、中断して再開する場合は進行中エリアが切り替わった時ぐらいのたまにしか来ない自動セーブされたポイントからなので気軽なタイミングで一息つけないのが残念
COOPだって当然長引く事になるし、ここは５や４のように１つのチャプターを３つくらいに区切るべきだったのではないでしょうか


・アイテム周り
十字キーの上下でスプレーや手榴弾
左右で武器を切り替える仕様に変更されました
アイテムボックス等も今回は存在しないので終盤はよくアイテムがいっぱいになり、回復用のハーブを取るのにも何かを捨てなければならない場面が多いです
並び順も変更などが出来ないので、５の時みたく上下左右にセットした武器やアイテムのショートカットからとっさに素早く目的の武器等に切り替えることが不可能で不便に思います
ここはどうしてオミットしたのかただただ疑問です


・QTEが過剰
今回はこれによる即死イベントが割合多いので初見プレイでノーミスクリア出来る人はまずいないでしょう
量自体もこれまでのシリーズと比べるとダントツでこの６では用意されており、緊迫感なんかを出したいが為にこれだけ詰め込んだんでしょうけど…昨今よく言われておりますようにこのシステムがプレイヤー間で好評を得た事はほぼ皆無です
過剰に盛り込みすぎた受付時間の短い突発的なボタン押しやコントローラーを消耗させるスティック入力は、例え開発者がどれだけゲームに真剣でこれもおもしろさの一つとして採用していたとしてもプレイヤーにとってはストレス極まりない部分です
「全く無くせ」とは言いませんけど、例えばボス戦のトドメイベントだけならともかく戦いの最中にまで用意しなくてもいいと思うし、ノーミスで順調に進んできたのにこれを失敗した時の理不尽な即死のせいでやる気を削がれてしまうプレイヤーの気持ちもよく考えてください
特に逃走・脱出イベントは入力やタイミングがシビアだとほぼ成功しないし何度も何度もやらされてウンザリしてもしょうがないです

特に腹が立ったのがとあるカーチェイスのシーン
きちんとテストプレイしてあの難易度なら、「きっと開発者はプレイヤーの目線に立てない無能な方の集まりなのだなぁ」と強く憤りを感じずにはいられませんでした
そもそもバイオハザードでまさかレースゲームやらされるとは夢にも思わないので出来れば金輪際このようなイベントを設けるのはやめていただきたい


・終盤のストーリー
雑魚敵がまるでSFもののミュータントです
今のバイオハザード知らない人に言っても「え！これバイオハザードなの！？」って突っ込まれること間違いなしです(実際にうちのプレイを見ていた家人がそんな感じでした)
スナイパーやロケットランチャーで狙ってくるのは当たり前で、しかも撃ったら変異して化物になって回復して襲ってくるなんてプレイヤーに振り過ぎます
終盤敵が大量に出てくるのは難易度的にしょうがないとしてもこの上でそいつらに多様な変異までされたら対応がめんどくさくて嫌気が差してきます

そして同じボスが何度も何度も出てきます
一番気になったのはレオン編のラスボスです
しかもこのラスボスは「バイオハザードのボス」というよりはロストプラネットやモンスターハンター辺りに出てきそうな容姿を様々に使い分け、その様子はさながらトランスフォーマーです
ウィルスの作用だかなんだか知りませんがデタラメ過ぎて「これバイオハザードでいいんだよなぁ？」と首をかしげる始末
正直まだ５がマシに思えてくるぐらい二編のラスボスはデタラメ過ぎると思います
ていうかボスをただ使い回してるだけな気も…
バイオハザードブランドをもはや開発が私物化しているも同然です


・カバーアクション
シナリオといい操作性といい本格的にTPSの様相を呈してきた今作です
いっちょ前に同ジャンルじゃお馴染みのカバーアクションまで用意されており、遮蔽物の近くで隠れることが出来ますが気に入らないのがその操作性
敵が壁際にいたとして、急いで武器を構えて攻撃しようとボタンを押しますが暴発して近くの壁に張り付いてしまいてんやわんやになったりが結構あります
しかも今作のカバーは“ボタンを押してる間だけはカバーする”という謎仕様なのでギアーズオブウォーのような一般的なTPSに慣れてる人でもちょっと戸惑ってしまう可能性「大」です
これで今作特有の照準ブレブレなスナイパーなんて使ったらスゴいやりにくいったらありゃしません


・スキルポイント
今作からはお金やトレジャーと言った従来からの要素がオミットされ、その代わりにスキルポイントという自身のステータスを拡張するスキル獲得に必要なポイントが採用されています
大体１万〜多いもので７万以上の額でスキルは購入出来ますが普通にシナリオやってて集まる量が微妙過ぎです
額に対して明らかに入手総量の釣り合いが悪く「これはバランス考えてないな」と断じてしまいます
さらにはAHやマーセナリーズにまで専用のスキルを用意しているので全て集めるには相当な労力と時間を要する事になるのは必定でしょう
ですがまさか、プレイヤーがこんなものを稼ぐ為にプレイ時間のほとんどをバイオ６に捧げたい訳ないじゃないですか
ここでも「調整不足」という開発の失態が透けて見えるようで誠にもどかしい限り


・事件の真相
最後までシナリオをクリアすれば分かることですが「人の恨みって恐ろしいね」って言ってるようなだけじゃないですか
初期バイオにおけるアンブレラの異様な本性や実験の不気味さ、目的の恐ろしさに比べたら今回の事件におけるこの２大敵組織を率いる黒幕二人(特に男の方)が絡んだ事件の根本原因は「酷い」の一言に尽きます
そんな理由で引き起こされた同時多発バイオテロの世界を舞台とした、そんな「バイオハザード６」をカプコンが必死こいて宣伝して、プレイヤーはまさかそんなしょうもない理由でこんな事件になるなんて思わずにゲームを期待して予約して…なんだか馬鹿馬鹿しいし陳腐ですよこのゲーム

COMMENT

こうして見ると自分の中では悪点の方ががちょっと印象強かったかもです

マーセナリーズは元々シリーズ通して好きではないのでほとんどやってません
AHモードもあくまでおまけで、これでプレイヤーを狩ったらスキルポイントボーナスが出るとかはないので一瞬で飽きます…

５までならコスチュームチェンジでシナリオをCOOP等で周回する楽しみもありましたが、結局今回はコスチュームも取らずCOOPも全然せず、さらに言えば「RE.NET」なる６の特設オンラインサービスも魅力を感じなかったので一切利用登録すること無く、ノーマルでシナリオを全クリした上で本日を以て売却しました
シナリオ攻略の途中から薄々このゲームの限界に気づいてしまったせいかもしれません
「飽きた…」というよりは「もうお腹いっぱい」ですね

たしかにボリュームは過去最高クラスで、これからも様々なDLC等でゲームの楽しみが拡張されていくのでしょうが開発にシナリオやゲーミング共に私物化されすぎてる「バイオハザード」は私の手元に置くのも腹立たしいので高値買取のうちにこの判断です
５まではまだ許せました

どうせ出るであろう完全版を除いた次回作にこそ期待したいところ
それでダメならもうこのシリーズは知らない