PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

・グラフィック。そもそも好みの絵柄。こういうアニメチックな絵柄のゲームが最近少ないので嬉しい。「グラフィックが荒い」という意見を時々見かけるが、別に特筆して荒いワケじゃなく、単にそういう絵柄というだけだと思う。美しいとかそういう見方ではなく、好みの絵柄だから自分は高評価をつけた

・漫画表現。面白い試みだと思う。戦闘中に、攻撃すると「ガッ」「ドドドド」などの効果音が表示されるのも、「武器の威力を最大限発揮出来ている時に出る」仕様になっているので戦略的にも役立つ

・アクション。とにかく簡単。わかりやすくとても丁寧に作られている。特に、敵の攻撃を受ける時にタイミングよくボタンを入力する事で攻撃を受け流し、同時に反撃する「ダッジ」は発動すると爽快

・ゲームを通して難易度が非常に低い。少しでもアクションゲームに慣れている人なら、ストーリーを進めるだけならゲームオーバーになる事はまずないだろう。これには賛否両論あるかと思うが、自分はサクサク進める方が好きなのでプラス評価。
それに今作は「爽快アクション」をウリにしているので、そこまで高い難易度はいらないと思う

・キャラ。「コイツなんかうざいな」というキャラがいない。これは結構重要なポイント。不快なキャラが一人でもいると、ゲーム全体に対する印象が悪くなる。主人公ブレンに賛否両論あるらしいが、自分は結構好き。いかにも主人公、という感じでいいと思う。主要キャラだけでなく脇役もいいキャラが揃っている。お気に入りはヤマト、ゴータ、ブラッド。特にヤマトは、真面目なのにバカっぽくて超いいヤツ。今作一番のお気に入りキャラ

・声優。どれも合ってる。非の打ちどころがない

・ストーリーがわかりやすい（良くも悪くも。BADにて後述）専門用語がいくつかあるが、大抵ブレンが「なにソレ？」と言って説明を受けるので、「専門用語が多過ぎて話がわからない」という事にはならない。恐ろしく無知なブレンに「お前、何も知らねーのかよ！」とツッコミたくなるが、この無知のお陰でプレイヤーは置いてきぼりにならずに済む

・モブキャラ全員に名前がついており、一人一人ちょっと個性があるのが面白い。特にアドバンスベースのお嬢様と執事、フロンティアベースのゴータの取り巻きの不良達、講義室にいる男子生徒三人組が好き。なんとなくバカっぽくて面白い

・ストーリーで出てくるほぼ全てのキャラを、VRミッションで自キャラとして使用出来る

・VRミッションでカフェを利用した時、全キャラに「うまい！！」「おいしい！！」などのボイスがあるのが地味に面白かった。こーゆー細かい作り込みは結構重要

・一つ一つのミッションが10分程度で終わるというのが非常にいい。時間に余裕のない人でもちょっとずつ進められる

・主題歌と挿入歌が良い。特に挿入歌は、ミッション中に流れると「うおおお！！」とテンションが上がる

・比較的簡単にトロフィーをコンプリートする事が出来る。馬鹿みたいに時間のかかる条件をトロフィーに組み込んでいるゲームがたくさんあるが、今作は40時間程度でコンプリート出来たので親切だと思う

BAD/REQUEST

・アクションの質はとてもいいが、平面での移動だけでなく上下への移動があると更に自由度が上がって良かったと思う。オープニングムービーではジェットを使って飛行しているので、ゲームでも採用して欲しかった

・良い点に「ダッジ」を挙げたが、これに関してやや不満が。ボタンを押すタイミングが「攻撃を食らうジャストの瞬間」ではなく「攻撃を食らう一瞬前」になっているので、慣れるのに時間がかかる。銃弾やビームなどの飛び道具の時はやりやすいのだが、物理攻撃をされた時のタイミングが非常に取りづらい（自分が下手なだけかも知れないが）

また、攻撃を無効化すると同時に発砲して反撃するのだが、この反撃の射程が短くて敵に届かない事がある。敵が射程の長い攻撃をしてくると、それにダッジで応戦しても反撃が届かないのでダメージを与えられない。もっと射程距離を長くして欲しかった


・フラッグ戦が面白くない。自分が攻める側ならまだいいが、防衛の時は神経をすり減らす。もっと「爽快アクション」を活かしたモードにして欲しい

・主題歌と挿入歌以外の、普通のBGMがあまり耳に残らない

・挿入歌が好きなのだが特定のミッションでしか流れないので、クリア後に「自分の好きなBGMでミッションに出撃できる」という仕様が追加されれば良かった。色んなミッションを挿入歌つきで遊びたかった

・ギンギラ以外のVSが喋らないのは何故なのか。ギンギラが最新鋭の機体だからと言えばそこまでだが、少し違和感を感じる。同類の仲間のいないギンギラが少し可哀想にも思える

・ウォルター教官が、ちょっとブレンに甘過ぎるというか、融通ききすぎかなーと思った。入隊したての隊員を、「本人がやる気あるから。それ相応の覚悟ができてるから。」という理由だけで上級隊員のミッションに参加させるってのはちょっと・・・なにかと「覚悟は出来ているのか？」で済ませすぎな気がする。ブレンだけちょっと特別扱いという印象を受けた。指導者としてコレはちょっとまずくなかろうか

・プロモーションアニメが作品中で流れない。東京ゲームショウであのアニメを見た時すごく印象に残ったので、ゲームを始めた時にオープニングとして流して欲しかった。実際に使われているオープニングムービーも悪くないので、一回起動するごとに交互に再生される仕様だったら良かったと思う。宣伝用だけで終わらせるにはあまりに勿体ないほどの出来だったので、是非見たかった



・戦闘に関していくつか

クラッティス、ドンゴ、ガルドロックはいいのだが、ウンディープ、エイクリッドXとの戦闘があまり面白くない。前者は攻撃が緩慢なので戦闘にスピード感がなく、後者は「一連の手順を踏んで弱点を露出させてからでないとダメージを与えられない」というよくある仕様になっているので、いつでもダメージを与えられるワケではなく爽快感がない

グヴァンテ戦は面白かったが、グヴァンテと対を成す存在であるオーガント戦がかなりつまらなかった。ストーリー上かなり大事な一戦なのに盛り上がりに欠ける

もうちょっとVSと戦う機会があっても良かったかと



・武器に関していくつか

武器の性能の格差。大抵の武器はアンリミテッド強化するとかなり強くなるが、ホライゾンミサイルはアンリミテッド強化しても威力が上がらないという冷遇。ロケットランチャーも威力だけ上がるが弾数は最後まで一発しかなく、リロード時間も長いので使い勝手が悪い。ホーミングミサイル、プラズマキャノンの使い勝手がかなりいい気がする

デスブリンガーのアンリミテッド開発をしたかった。強くなり過ぎるから出来ないのだろうが・・・



・ギンギラに関していくつか

メインキャラなのにギンギラを使う機会が少な過ぎる。ギンギラを使うVRミッションが欲しかった

あと、いつでもギンギラを呼び出せるシステムがあれば戦闘がもっと面白くなったかも。EX-T（必殺技）の発動に必要なゲージに似た感じで「ギンギラを呼び出す為のゲージ」を設けて、ゲージが満タンになったらギンギラを呼び出して敵を一網打尽に出来る・・・みたいな感じだったら面白かったと思う。ギンギラで大型AKと戦ってみたかった（一応ミニゲームで戦う事は出来るが、本筋のストーリーでは戦う機会がないので）



・ストーリーに関していくつか

有名なストーリーライターを起用したと宣伝していたので緻密なストーリーを期待していたが、あまり捻りのある内容じゃなかった。ウリにできる程のストーリーではないと思う。特に伏線もなく平凡な展開だと思う。あと、今作のストーリーはラスボスが誰かすぐに予想出来てしまう。ラスボスに関してはもうちょっと捻りが欲しい

ちょっとシナリオが短い。3DSに合わせたからなのかな？20時間あればクリア出来てしまう
あと、オチがよくわからない。それまで非常にわかりやすい展開だったのに、オチだけイマイチ消化不良。なんとなくはわかるのだが、それだとエンディングの時のキャラの反応がおかしいと思う。ネタバレになるので詳しくは書けないが、「そんなに明るく振る舞ってていい結末なのか？」と思ってしまう

ネタバレになりそうなので詳しくは書けないが、とあるキャラの扱いが平凡過ぎてつまらない。最初に出てきた時から「悪役オーラ」を出していたので敵なのかなーと思う反面、「一見敵のように見えて、実は普通に味方」というキャラであることを期待したが、結局普通に悪役で捻りがなく、しかもかなり小物だったので残念。その後少年漫画よろしく仲間になるのだが、最終的に味方になるなら最初から味方でいた方がイメージがいいしカッコいい。どうしても「こいつ元々敵だろ？しかも小物じゃん。」という目で見てしまう。最初から味方なら結構魅力的なキャラになっただろうに、残念

ヒロインはどうして「存在が謎に包まれていて、感情表現に乏しいキャラ」みたいなのが多いのか？快活なキャラがヒロインでもいいと思うのだが、上記のようなキャラがヒロインになる傾向が強い。今作もその例に漏れず、快活なジュリィはヒロインではなく、やや感情表現に乏しいティキがヒロインだった。そういったキャラがヒロインである方が話を作りやすいのかも知れないが、ちょっとありきたりだと思った



・オンライン通信対戦に関していくつか

オンラインでプレイヤー同士の対戦が出来るが、初心者だと一瞬で狩られて終わる。それはゲーム自体が悪いワケではないので減点対象にはならないが、「初心者が通信対戦の実力を高める為の練習」ができるモードが欲しかった。今作の通信対戦は3人VS3人なので、プレイヤー以外の5人をCPUにして遊べるようなモードがあれば良かった。練習出来る環境がないと、何度も通信対戦を重ねている上級者が多数いるオンラインに初心者はなかなか飛び込めない。飛び込んでも瞬殺されるので面白くない。そうなると、結局上級者しかいなくなってしまう。「通信対戦の練習」モードがあれば、それなりに上手くなってからオンラインにいけるのでこういった事も減ると思うのだが・・・

オンライン対戦のプラズママグナムが強過ぎる。ほぼ一撃必殺の破壊力があるのに弾数が4発もある。というかプラズマ系が強過ぎる。「プラズマ系の武器を食らって痺れる→接近され、かち上げられる→ライフルで追い討ち」のコンボを食らうと確実に瀕死になる

アンカーで段差をのぼる時や、スライドで滑空する際に攻撃できないのが痛い。シングルプレイならあまり問題ないが、通信対戦でこれが出来ないのは非常に痛い。というのは、通信対戦だとアンカーで段差を上ったところを段差の上にいる相手に狙い撃ちされて即死するケースが非常に目立つのだ。その為、基本的に通信対戦では「段差の上にいた方が有利」という状況になってしまう。「段差の下からは攻撃が届かない→アンカーで上に行かねば！→のぼると着地する前に空中で撃墜されて死亡」という一連の流れが多発する

アンカー使用中は着地するまで何も出来ないので完全無防備になってしまう。その為こういう状況が生まれる。アンカー使用中でも攻撃できるか、または「アンカーやスライドを使用した場合、着地するまでは無敵状態」という風にしないと対戦が膠着してしまう

COMMENT

2012年のゲームショウで映像を見て以来発売を心待ちにしていたが、期待通りの出来だった

BADを長々と書いてしまったが、全体的には満足。上記のBADを解消したら、とんでもない良ゲーになると思う。もし次回作を作る事があったら、是非解消してもらいたい。特に気になったのはギンギラの使用頻度の少なさと通信対戦のバランスなので、そこだけでも改善してくれたらいいと思う

カプコンらしいバカっぽい演出も面白かったし、なにより丁寧に作られていると感じた。アクション部分はもちろん、小ネタなど細部までよく作り込んであると思う

こういうアニメチックなグラフィックのゲームが近年減ってきているので、日本のゲーム業界のトップに位置するカプコンがこういうグラフィックのゲームを作ってくれて個人的に非常に嬉しい

3DSの容量に合わせたからか据え置きハードのゲームとしてはボリューム不足感が拭えないので、次回作を出す時は据え置きハードに絞って作ってもらえたらと思う