PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

・マーセナリーズ
クイックショット、いつでも体術、構え歩き、スライディングなどのアクション要素が強化され、スピード感のある戦闘ができるようになった。
その効果はひたすら敵を倒すマーセナリーズモードで真価を発揮していると思います。
相変わらずコンボゲーなので、ある程度やりこんでくると「コンボ切れ→即リトライ」になる点はそのまんまですが・・・。
オフラインでも画面分割プレイできるのはうれしいですね。

・システム面での安定
いつの間にかインストールしてくれますし、ロードは遅すぎず。私の環境ではフリーズもありませんでした。

・ボリューム満点のシナリオ
場面もころころ変わるし、贅沢なつくりだと思います。

BAD/REQUEST

・探索要素がない
ゲーム中に資料や日記が読めない、クイックショットがある（＝咄嗟に狙いを定めなくても敵に弾が当たる）ので緊張感がない、宝石や換金アイテム等のおまけ要素がない、パズル要素もほとんどない・・・等々。アクションのスピードアップと引き換えに、探索している感覚は皆無です。
特に資料や日記が無いので、物語の背景が全くつかめません。一応、見えにくい所にあるメダルを破壊すると「後で」資料が読めますが、わざわざ後から読ませることにした意味が分かりません。
あと、移動中や戦闘中に会話イベントが発生しますが、忙しすぎて字幕を読めません。普通の人はドンパチしながら読めるものでしょうか・・・？

・狙い撃つ楽しさがない
シリーズの転換点である４以降、スナイパーライフルなどで遠くの敵を狙い撃つ楽しみがありましたが、今回は敵の配置等のせいでその要素がほぼ皆無です。
制限時間内に多くの敵を倒すことが目的のマーセナリーズモードはともかく、ストーリーモードにおいても「近くに湧いた敵を倒す→移動→近くに湧いた敵を倒す→移動→・・・」の繰り返しばかりなので、メリハリがありません。

・演出があまりにもお粗末
節目に爆発させときゃいいだろうという志の低さが垣間見えます。おそらく目標でとしたであろうハリウッド製アクション映画でも、爆発を何度も何度も入れたら飽きられるということぐらいわかっています。
特にレオン編で顕著ですが、足場はとりあえず崩れる、乗り物はとりあえず横転大破するという安直さが鼻につきます。これがお笑いなら「天丼」とでもいうべき展開。途中から半笑いで見てました。

・ＱＴＥを強要しすぎている
ドアを開けるのにＱＴＥ、エンジンかけるのにＱＴＥって何なんですか。
他にも電車や車が突っ込んできてＱＴＥで、失敗したら即死・・・。
何度も何度も爆発や危機的状況から逃れるムービーをはさんでくるくせに、急に「タイミングよくボタンを押さないと即死だからね！」にする意味が分かりません。
また、敵に掴まれて振りほどく際「ボタン連打」「アナログスティック回転」のどちらかが必要になります。前者は高速連打が必要になりますが、まあ許容範囲。ただ、後者はとにかくコントローラーへの負担が大きすぎます。決して安くはない純正コントローラーがみるみるうちに痛むのはきついです。しかも連打と回転のどちらが来るかわからないうえに、スタートが遅れたらもうどうやっても間に合わないという凶悪仕様。わが家ではコントローラーが２つ壊れました。

・カメラ位置を固定したり、キャラの動きを制限するイベントが多い
前者で酷いのがクリス編。後半の逃亡イベントは異常に厳しいタイム制限がある上に、カメラの位置がころころ変わります。結果、どっちに向かって走っているのか、どっち方向にレバーを倒すべきなのかが分からず何度も何度もゲームオーバーにさせられました。最終的には覚えてクリアしましたが、この場面で諦めた人も多いと思います。
後者はレオン編の序盤が酷い。ダッシュしたくても強制的に徒歩になり、武器を勝手に持ち替えられ、そもそも手に持った武器を構えることができない有様。じゃあもうここはイベントとして処理してくださいと言いたい。

・ボス戦が詰まらない
レオン編とジェイク編では何度も何度も同じボスと戦うことになりますが、やっつけ方はほぼ固定。「ダメージ与える→ＱＴＥ→イベント→ダメージ→ＱＴＥ→・・・」って、いい加減うんざりしてきます。
ダメージを何でもかんでもイベント扱いにしてしまっているので、自分たちの力で倒すというより倒すのを見せられただけのように感じてしまいます。

・ＵＩの使いづらさ
シナリオによってレイアウトが大きく変わりますが、クリス編はオプション画面のＵＩが非常に小さく最悪に使いづらいです。もともとシンプルにすべきものを見た目を重視して使いづらくするというセンスには驚嘆します。
他にも弾薬数やハーブの数も表示の仕方が変わるなど、いちいち細かい所でこだわりを見せようとしていますが、所持アイテム数の制限や武器チェンジ方法など、もっとこだわらないといけないようなポイントは沢山あったと思います。
また、武器の持ち替えも非常に煩雑。武器を捨てることができないので、目当ての武器を取り出すために十字キーを何度も押す必要があります。そもそも全ての武器を持ち歩く必然性がないのに、何故このようなシステムにしたのか伺いたいものです。

・スキル付け替えシステムが機能していない
４と５であった武器の強化を取りやめてスキル制を取り入れています。ただ、一度に効果を発揮できるスキルは３種類なので、その場の状況に応じてスキルセットを付け替える・・・ということですが、いちいちメニューを開かないといけない（その間も敵は行動を仕掛けてきます）ので、付け替えを全くしないままクリアしてしまいます。
あと、「スナイパーライフルのズームが３段階になる」とか「特定の弾丸の出現確率が上がる」ってスキルでどうこうなるものなんですか？

・「暗い」というより「黒い」
ゲームの設定で明るさを最大にしても一部のステージでは真っ暗で敵が見えないことがあり、テレビの明るさを調整してようやく見えるようになります。他のゲームで不具合を感じたことが無いのでこのゲームは特別暗いと思います。設定ではライトを持ってるのだから使えばいいのに・・・。

・敵の超性能
たとえ倒されてもプレーヤーに噛みつき、振りほどかれた直後に立ったまま溶けるゾンビ。
知能は殆ど失われている筈なのに、走り回るプレーヤーにマグナム片手撃ちでピンポイント射撃をするゾンビ。
飛び掛かってくる時は閃光手榴弾に全く怯まないジュアヴォ。
ライフルの弾を「キンキン！」とはじくゾンビたちのアーマー。
倒れたプレーヤーにアサルトライフルで正確な追い打ちをかけるゾンビ。
・・・気にする私が悪いのでしょうか？

・ミニゲームがお粗末
急に車だのスノーモービルを運転させられますが、これがちっとも楽しくない。
マップが表示されないし、少しのミスでリトライになるので、基本的に覚えゲーです。レースがやりたければレースゲームを買います。

・協力プレイなのに相方の位置が分からない
マップを排除してしまったため、相方の現在地が不明です。画面分割で協力プレイしている場合は自分と相方の画面を交互に見る必要があるため、非常に目が疲れます。
この点で腹が立つのは、マップを排除したことについて明確な理由が見当たらないということです。ジェイク編の一部ではマップが表示されるので、技術的にできないとかどうしても表示させたくないという訳ではない。じゃあ、何なんでしょうか。便利ガイドに従って走るのがこのゲームの基本でしょうか。

・そもそも怖くない
今回は走ってぶん殴ることが基本なので、怖くなりようがないです。ちなみにマグナムより一本背負いが強い世界観です。
また、あるボスは質量を無視して人型から巨大化して恐竜になります。怖い怖くない以前に、無茶苦茶です。

COMMENT

振り返るとＢＡＤ要素が非常に多く、特にシナリオモードには不満たらたらです。
カプコンは大作・名作を幾つも作ってきましたし、才能のあるクリエイターがいてチェック体制も万全だと思っていたので、今回の出来にはがっかりしました。
テストプレイをしたうえで、これでＯＫとした判断を疑います。（事実、発売後に各種の修正パッチを配布しています。）

クソゲーかというとそこまで酷くはありません。何度も心が折れそうになってしまいましたがクリアはしました。マーセナリーズは、バイオと思わなければかつてないスピーディーな戦いをすることができて楽しいです。

ただ、次回作は発売直後に買うことはないでしょう。
おそらく主人公は超人ジェイク君でしょうから、今作以上に格闘ゲームになってしまうことは目に見えていますので・・・。