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ドラゴンボール ゼノバース
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ドラゴンボール ゼノバース
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テイルズ オブ ゼスティリア
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DRIVECLUB
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ブレイドストーム 百年戦争&ナイトメア
テイルズ オブ ゼスティリア(2件)
GOOD!
OTE以外は、シリーズ全作品プレイ済
PS4版未購入のPS3版のみのレビューになります。
【シナリオ】
エンディングを迎えた際の、「ああ、もう一度司馬遼太郎の小説でも読もうかな」という思いに駆られるのは私だけではないと思います。
維新志士や新撰組に代表される幕末歴史浪漫というものが如何に人を惹きつけるのかと改めて思う歴史フィクションです。
フィクションですから、勿論史実とは大幅に異なる設定や結果もないことはありませんが、これはこれでアリかもしれないと思わせる形で理由付けがされています。
一番の特徴は、このシリーズ特有の序章部分の絶妙なうまさ。冒頭の近江屋襲撃シーンの時に感じた興奮の余韻で、寝る間を惜しんでストーリーを進めたくなりました。(※但し、中盤まで)
【アドベンチャー要素】
麻雀、将棋、ポーカー等お馴染みのミニゲームに農場や料理、行商などが追加され、花札(こいこい・かぶ)、丁半博打にちんちろりんや競鶏、他にも時代背景に合わせて改変されているミニゲームも存在。(カラオケの合いの手を日舞のミニゲームにする、バッティングを大砲の弾を切るミニゲームに変える等)
移動できる範囲が少ないとはいえ、プレイスポットの充実はやはりこのシリーズの強みではないでしょうか。(これについても一部問題有)
【戦闘スタイルの変更とアクション】
今回は基本スタイルに、格闘・一刀・短銃・乱舞と4つのスタイルに加え、特殊武器に大太刀、槍、大筒があり、ヒートアクションは勿論、絶技と呼ばれる固有技も存在して、多彩なヒートアクションや状況に応じてスタイルを切り替えるという戦術的な戦闘スタイルに仕上げてきています。
BAD/REQUEST
【シナリオ】
○ 突然訪れるとんでも設定にはうんざり。
他の方もおっしゃられているところですが、二人である人に直談判しにいくのはまあ理解できるとして、まさかのカチコミ。その辺りまではぎりぎり歴史フィクションとして成り立っていたものが、そこから急速にファンタジー化してしまっており、“広げた風呂敷を慌てて折りたたんだ感“が浮き彫りになってしまっています。
このシリーズはどこぞの漫画家よろしく伏線は巧みなんですが、とんでも設定で回収してしまう為に世界感がブレてしまう。
これまでにしつこいくらい頻発していた“例のパターン“は、よほど不評だったせいか今作ではあまり見受けられなくなったのは評価できますが、本当に惜しいシナリオでした。
幕末を語るうえで無視できない大事件であるので、あっさり通過するわけにはいかなかったのはわかりますが、もう少し違う角度で演出できたのではないでしょうか。
また折角周回プレイを可能にしているのですから、これ見よがしな伏線等を排除し、“2周目だからこそ、そこに気付く“という細かい点に演出を施すなどすれば評価は高かったに違いありません。1回で誰にでもわかるように構成されていることを否定するわけではありませんが、あまりにドヤ顔で提示される為、映画的カタルシスが皆無であることは否めません。
今後もミステリー調にシナリオを進めるシリーズの特色を押し通すならば、伏線の為のムービー演出ではなく、例えばサブクエストや通常の会話等に潜ませておく等でシナリオの盛り上がりを多角的に演出してくれることを期待します。(※2周目ではないと分岐しないシナリオや周回でしか発生しないクエストという意味ではなく)
【キャスティング】
○ シリーズ登場キャラ及び有名俳優を使用している為に、先入観から見てしまう点と大人の事情で出演できないと思われるキャラクターの面々。
本来であればハマり役だったであろう主役格キャラクターが、隊士カード(カード絵柄)のみの登場であったり、全く触れられていなかったりと、大人の事情が見え隠れしていました。
いっそのこと“見参”のときのように、主要キャラクターと新キャラクターで構成されていた方が良かったのではないかと思ってしまいます。
加えてもう1点。
○ どこぞのグラビアアイドルやどこぞの元サッカー選手とかどこぞのモノマネタレントとか器用するのはいかがなものかと。
龍が如くシリーズの定番としてサブクエストやミニゲームにコメディ路線なものがありますが、コメディやコミカルな演出というのは、『演者が大真面目で役に徹しているからこそ成立する』のであって、“棒読み”で“適当に”演出できるというものではないということを、いい加減制作会社は推して図るべきです。
学芸会レベルの芝居では、コメディの内容云々を語る土台に上がれません。
この程度のクオリティしか出せないタレントにギャランティーを支払うぐらいなら、下請け会社や開発スタッフに還元した方がよほどいい作品が作れるのではないか、もしやバーターやスポンサー的な大人の事情が見え隠れしているのではないかと余計なことまで心配してしまいます。
祇園で御座敷遊びのミニゲームがありますが、その演出の中で「こんなに堅くて太いの初めてー」って棒読みで言われても、面白くもエロくもなんともありません。 ただ単に、“このグラビアアイドルにエロいこと言わせたい“っていうだけでの、壮大なセクハラにつきあわされた気分で実に不愉快な演出でした。
【強力な武器による戦闘スタイルのバランス崩壊】
序盤~中盤(全14章構成の第5章)の段階でチートに限りなく近い武器が作成可能となってしまうためバランスが崩壊してしまいます。
短銃スタイルの使い勝手、短銃特有の印(付加能力のこと)、及び特殊弾丸・絶技(擬似時間停止技)の性能が頭5つほど抜きん出ています。
具体的には、
○ 連射が可能(マシンガンのような連射性能になる)
○ 同時に2発発射可能(単純に言えばダメージ2倍)
※武器によっては上記2種以外にも、最大2つ能力を付加できてしまいます。(防御している相手を崩しやすくする、弾丸の貫通及びアイテム取得率UP等)
この付加能力の構成だけでバトルダンジョン(本作におけるミッション型ダンジョンコンテンツで、後半のダンジョンは本編より難易度が高い)の終盤まで余裕でクリアができてしまいます。
さらに言うならば、ヒートアクションや強攻撃を絡めるよりも、弱攻撃連打している方がDPSが圧倒的に高くなるという始末。
※付加能力を合成する際に(金・銀・銅)のランクがあるケースも存在しますが、ランダムではなくタイミングで調整できるシステムをとっているため目押し可能な上に、どこでもセーブ&ロードができるため、納得がいくまで繰り返すことも可能。
これがバトルダンジョンが解放される第5章に突入した時点で作成可能ですが、それに対して、刀の最強装備もしくはそれに準ずるものについてはサブストーリーやコンテンツのコンプリートが関連してくる素材が多い為、作成可能な時期は第10章以降になる。
格闘については、格闘能力がUPする印は存在するものの威力50%UP程度なので、刀や銃の武器攻撃力には及びません。
刀と銃を同時に使用する乱舞型については、回避のレスポンスや刀による攻撃速度も速く銃攻撃による遠距離射程も補える為、コンボを稼ぐ&多勢相手には一番良いとされており、いずれの武器の性能も生かすことのできるスタイルで、いわばスタイリッシュな戦闘ができて非常に面白いのですが、前述した短銃の連射速度UPの性能には劣り、1発が軽くなってしまうためDPSは格段に落ちるという器用貧乏な状況になってしまいます。
この他にも、特殊武器スタイルとして大太刀・槍・大筒が存在しますが、短銃の攻撃速度、DPSには遠く及びません。
大太刀が存在するのですから、刀の基本攻撃速度はもう少し早くても良かったのではないかと思います。
問題なのは武器攻撃力による補正と付加能力の設定バランスであって、そもそものスタイルのバランスは絶妙なので、武器性能と付加能力の性能のバランスをもう少し練り上げてもらいたかったというのが結論です。
【カメラワーク】
○ エリア切り替え時に発生する慣性
○ 瞬時に背景視点切り替え機能がない
前者については施設への出入りやエリア切り替えの際に発生する為、さほど気にはならないが、後者についてはアクションゲームとして致命的。
死角から攻撃される、あるいはどこに攻撃しているかわからなくなるというのはTPSではありがちで、それこそユーザーもTPSの短所として当たり前に覚悟してはいるのでそのこと自体は特に問題ではありません。瞬時に背景視点に戻す為の対応ボタンがないのが歯がゆいのです。場合によっては武器の持ち直しや防御などで戻せる場合もあるにはあるのですが確実ではなく、背景視点に戻すには右スティックをぐるっと回さなければならないため、それを行おうと思うと戦闘のテンポが極端に悪くなります。
基本的には防御が不可能なスタイルがあるシステムなのですし、シリーズも7作目なのですから、カメラワークには拘って欲しかったところです。
【サブクエストのボリューム】
シリーズの中ではボリュームは体感で一番少ないように思いました。
特定の時間帯に発生する程度の縛りはありますが、時期を逃すと回収できなくなる類の時限クエストは、今のところ確認されていませんが、ほとんど第5章で全体の約5割、第7章で約9割がクリア可能であり、“お尋ね者”(“見参“の賞金首狩りに似たシステム)もコンプ可能です。
全体量もさることながら、完了可能タイミングの問題がボリューム不足と感じる要因になっています。
“お尋ね者”にしても、“見参”の時代背景と違うので数を少なくしたのかもしれませんが、折角新撰組なのですから不逞浪士や脱退隊士の討伐や捜索という形でボリュームを増やせたのではないかとも思いました。そのあたりをバトルダンジョンの方へ回したとも考えられなくもないですが、少々少なすぎるように感じます。
またこれが舞台が京都、それもごく限られた範囲でしか行動できないというのも相まって、維新という時代背景を知らなければ、スケールがすごく小さく見えていたことでしょう。八百八町全てとは言いませんが、せめて江戸城周辺の街並みぐらいは作って欲しかったところです。
【ローディング】
○ 戦闘開始時
○ エリア移動と施設の出入室
○ イベント開始、終了時
これらの際に数秒のロードを挟みます。通常のプレイ(メインストーリー進行、サブクエスト回収)であれば、ほとんどの場合気になりません。
ですが、精進目録(ゲーム内におけるやり込みコンテンツ)の回収やトロフィー獲得を目指す方は、どうしても施設の出入室を繰り返すことになる為に総ロード時間は相当なものになるであろうことは予想されます。
※これがPS4版ではどのくらい改善されているのか気になるところではありますが、PS4版のレビューを参考になさって下さい。一応、公式ではPS4では大幅にローディング時間が短縮されているということです。
【クリア後について】
トロフィーコンプを目指す方は、クリア後のセーブデータの扱いにご注意ください。クリア後に自由に動き回れる従来のプレミアムアドベンチャーモード(以下PAモード)が存在しますが、そのモードでのクリアデータの作成はできません。(PAモードでのデータ引継ぎはできないが、トロフィーの取得だけは可能)
クリア後に引き継ぐ要素と引き継がない要素を必ず確認の上、データ引継ぎ、やり込みを進めることをお勧めします。
事実上時限クエストがなく、特にPAモードだからできる要素が皆無で、データ引継ぎができないので、そもそもの存在自体私には疑問でしかないのですが…。
COMMENT
【総 評】
全体的に世界観の作り込みが甘い。全くのフィクションではなく、「幕末」というしっかりした歴史背景があり、文献や史料などが多数残っている世界観なのですから、もう少し何とかならなかったのかと思わざるを得ませんでした。
特に将軍様が西洋作りの部屋で椅子に座ってるのはフィクションとしてもおかしいと思わなかったのか甚だ疑問です。
ネタバレを挟むので詳細まで言えませんが、ここは過剰なまでに純和風でないと意味がないというか、そこまでの経緯を考えれば当然に純和風であるればこその対比であり対峙なんですが、某戦国ゲームにでも世界感が吹っ飛んでったような品性の欠ける和洋折衷な作品を目の当たりにした感覚に襲われて噴飯ものでした。
ですが、演出には問題ありますが、本筋のストーリーを歴史フィクションとしてみるに、こういう解釈も面白いという内容にはなっています。
毎回思うのですが、ミステリーの序章部分から中盤にかけてのシナリオ構成と盛り上がりはさすがです。それで、毎回尻切れトンボになったり無理矢理回収したりで最終的には評価が低くなってしまう。
だからこそ、結末部分を綿密に練り上げてから全体のストーリーの構成を考えて欲しいと思います。龍が如く2が、高く評価されたのはどういったところだったのかをもう一度よく考えて頂きたいものです。
配役については、BADであげた問題はあるにしろ、船越栄一郎と高橋克典のお二人は演技もさることながら、想像以上にハマり役であったと個人的には思っています。俳優の方はこのぐらい過剰な芝居で声あてした方が自然なのだなと思わされました。
シリーズ好きにとっては、一部内容が推察できてしまう弊害はあるにしても「このキャラがこの役をやっていることのストーリー的な意味」を考える楽しみもある内容であり、1作で完結できるナンバリングではない強みを生かすこともできている作品だと感じます。
ですから、BADで上げたような問題点のせいでお話のスケールは大きいのに、やっていることは小さく感じるという歯がゆさが何とも惜しい作品でしたが、それでもアクションアドベンチャーとしてお勧めできるシリーズです。
いささか逆説的ですが、私自身レビューでよく使用する“次は予約してまで買おうとも思わない”というフレーズが、今回は思い起こさなかっただけでも良かったのではないかと思っています。
ですが、
○歴史フィクションの嫌いな方
○吉川英治や司馬遼太郎もフィクションであることを理解できない方
○大河ドラマの新撰組や龍馬伝、イケメン戦国武将ゲームが好きなレキジョさん
上記の方にはお勧めできません。特に山南敬助、伊東甲子太郎、山崎烝及び武田観柳斎あたりのキャスティングや扱いはレキジョにとっては酷なものかもしれませんので、公式HPにて配役をご確認の上ご購入をお勧めします。