PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

・オリジナル+過去の外伝作品のシナリオを楽しめる。

本作の一番の見所。
連邦とジオンの双方の主役の視点から一年戦争の各地での戦いを描いた本作オリジナルのストーリーは勿論、
過去の外伝作品もダイジェストなシナリオを楽しむ事が出来る。
特にガンダム戦記（ＰＳ２版）のリメイクシナリオでは、漫画版の悪夢の様な展開を回避したストーリーが展開するのが良かったです。


・色々なＭＳを操作できる。

武装違いの機体も数多いが、一年戦争期とガンダムＵＣに登場した各種モビルスーツを操作でき、動きも中々に良い。


・グラフィック

あまりＰＳ３以降のＰＳハードのゲームをプレイしていない事もあるが、全体的に良い感じに綺麗なグラフィックとなっている。

BAD/REQUEST

・完全リメイク詐欺

本作の最大の問題点。
このゲームは過去の外伝作品を多数収録しており、宣伝文句では「完全リメイク」を謳っているのだが、
実際の所は「ＧＯＯＤ！」の項目で書いた様にただのダイジェストでしかない。
グラフィックはともかくゲームシステムは全て本作オリジナルのモノとなっている為、
「ＴＨＥ ＢＬＵＥ ＤＥＳＴＩＮＹ」や「コロニーの落ちた地で」はコックピット視点じゃないし、
「ジオニックフロント」はセンサーを駆使したリアルタイムシミュレーション的要素が無いただのアクションゲームに成り下がってるしで、
アレンジが加わったシナリオ以外に旧作要素が無い。
新作としてのアレンジを否定する気は無いが、その一方で最低でもゲームシステム面では旧作の要素が引き継がれていないと「これじゃない」感が強いし、
そもそも旧作のシナリオやゲームシステム、ミッションを全部収録せずに最新作に合わせたゲームシステムとダイジェストで纏めたシナリオをもって「完全リメイク」を謳うのは詐欺もいい所である。

一応、本作内でゲームシステムが統一されているので、どの作品も同じ様にゲームをプレイする事はできるが、
少なくとも個人的には、それはゲームモードの一環としてならあってもいいが、旧作の完全リメイクであれば旧作のシステムを最新作で味わえる様にする事こそがやるべき事であり、
本作にはそうした「旧作の完全リメイク」としてやるべき事を全然やっていない。


・イベントシーンでのキャラクターのカットインが無く、イベント中のアクションも一部のムービーシーンを除いて単調。

本作でのイベントはステージ冒頭のモノローグとミッション中はＭＳに搭乗したままの会話劇で進行するのだが、
ミッション中の会話イベントにはキャラクターのカットインが無く、声とテロップだけで話が進むので、微妙にキャラクターの判別がし辛い所がある。
また、一部のイベントムービーを除けば基本的にＭＳをただルーチンワークの様に歩かせたり走らせたりするだけなので、動きがとても単調である。
個人的にイベントムービーでモビルスーツが身振り手振りで人間臭い動きをするのは別に気にならなかったが、
その一方でこうした判別のし辛さや単調さは安っぽさが勝る。

COMMENT

・総括

「新作+ＳＳやＰＳ２などの旧作をリメイク」と言う部分、特に新作のミッシングリンクや旧作の中でもガンダム戦記のリメイクシナリオは良かったのですが、
その一方でゲームとしての実態が、「ゲームシステムは最新のモノに統一し、旧作はシナリオをアレンジしつつダイジェストで収録」と言うのは、
「旧作を完全リメイク」と言う看板をただの詐欺にしてしまっている。

結局の所本作は、「新作に加えて複数の旧作を一度に楽しめる豪華なゲーム」と言う期待を最悪の形で裏切ったのにも等しい代物であり、
ダイジェスト気味であっても各作品のシナリオを楽しむ分には良いが、
それくらいしか取り柄が無いと言っても過言ではありません。

少なくとも旧作自体を丸々収録するか、旧作をちゃんと全てリメイクしていれば、完全リメイクが看板倒れになる事は無かったと思います。

願わくばゲームとしてもっとまともなガンダム外伝の旧作リメイクが出て欲しいと思います。