FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster レビュー
発売元 | スクウェア・エニックス(オフィシャルサイト) |
---|---|
発売日 | 2013/12/26 |
価格 | 7,140(税込) |
レーティング | 【C】15才以上対象 セクシャル 暴力 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon / PS2版 FF10レビュー / PS2版 FFX-2レビュー |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 | ■ ジャンル:RPG ■ プレイ人数:1人 |
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龍が如く0 誓いの場所
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ニード・フォー・スピード ライバルズ
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テイルズ オブ ゼスティリア(2件)
- 2015/02/06:レビュー募集を開始しました!
- [PS4ソフト]
ドラゴンボール ゼノバース
[PS3ソフト]
ドラゴンボール ゼノバース
- 2015/02/05更新 (2015/02/04投稿分まで掲載)
- [PS3ソフト]
テイルズ オブ ゼスティリア
- 2015/02/04更新 (2015/02/03投稿分まで掲載)
- [PS3ソフト]
アサシン クリードIII
- 2015/02/02更新 (2015/02/01投稿分まで掲載)
- [PS3ソフト]
テイルズ オブ ゼスティリア
- 2015/02/01更新 (2015/01/31投稿分まで掲載)
- [PS4ソフト]
DRIVECLUB
[PS3ソフト]
ブレイドストーム 百年戦争&ナイトメア
テイルズ オブ ゼスティリア(2件)
GOOD!
FF10の方しかプレイしていないので、FF10のみの感想になります。
【評価点】
・ボス戦が特殊コマンドをはじめ様々なバリエーションがあり、とても楽しい
▶毎回攻略法を探る楽しみがあり、飽きにくい
▶ATBではないため、ボス戦でじっくり攻略法を考えることができる。
▶このゲームにおいて、唯一まともに褒められるポイント。ここだけなら神ゲー。
・ティーダ、ユウナ、アーロン、リュックの4人についてはキャラクターが立っている
▶行く先々で休憩中の仲間に話しかけてボイスを聞くことができたり、ほとんどのキャラがちゃんとバトルで活躍できてベンチ要員が居なかったりと、キャラクターをうまく引き立たせている
▶ただし、そのキャラクターが魅力的かどうかは別の問題
▶また、各キャラクターの行動原理についての掘り下げは全然無い。「ユウナは何故究極召喚を目指すのか」など、根本的な行動原理すらまるで語られない。
▶ワッカ、ルールー、キマリの3人は、ストーリー上の役割が被っていて、あまりキャラクターが立っていない。特にキマリは影が薄い。
・海や水がベースの独特な世界観
▶自分はあまり気に入らなかったが、個性的なのは間違いない。
▶ただ、「アジアンテイスト」という謳い文句に対しては、全然違うし的外れだと思う。こんなアジア無いだろ。
・迷わずサクサク進めやすい
▶一本道マップ(後述)はクソだが、それのお陰で迷うことが少なく、かえって進めやすい
▶なおどうせ寺院で躓くので、結局サクサクプレイはできない無い模様
・ストーリーの範囲内なら、ゲームバランスは良好
▶そりゃプレイヤーの自由度を全部消し去ったら、バランス調整はしやすいよね…
BAD/REQUEST
【賛否両論点】
・曲は普通。
▶ピアノ曲がやたら多く、ワンパターンでしょぼい。僻んだ見方かもしれないが、「ピアノを鳴らしておけばとりあえず感動するだろ」的な意図すら感じるほど。
▶同じ曲や同じフレーズの使い回しもかなり多く、ワンパターンで飽きる。
【問題点】
ーーーフィールドーーー
・一 本 道
▶本作最大の問題点
▶分かれ道等の探索要素がほとんど無く、自由に後戻りのできない一本道をひたすら歩かされる
▶行く先々でムービーが挟まるため、「一本道を歩いてムービーを見る」という作業を繰り返すことになる
- 飛空挺入手後に多少改善されるが、遅すぎる
- ナギ平原のようにマップが広ければ、一本道を歩かされる感覚がマシになったのに…
・移動が遅い
▶チョコボに乗れば速くなるが、乗れる場所がとても少ない
・エンカ率が高い
▶終盤になると「エンカウントなし」の装備が手に入るが、入手難度が高い
▶入手できても、今度は移動の遅さがネックになる
・寺院のパズル(モドキ)が直感的ではなく、理不尽
▶同じスフィアでも使用する場所によって得られる効果が変化することがあるため、実際に使ってみるまで効果が分からない
▶つまり、謎を解くためには総当りが必要。理不尽で、パズルとして成立していない。
ーーーバトルーーー
・通常バトルが単調
▶本作では1キャラにつき属性1つ、敵1匹につき弱点1種が普通で、敵に合わせてほぼ毎回メンバーを入れ替える必要性がある
― さらに弱点を突くと、ほとんどの場合は一撃で倒せてしまう。
― 序盤こそ楽しいものの、色違いの敵は全て弱点が共通していることもあり、「この敵にはこのキャラの攻撃しか効かず、そのキャラならワンパン」という形で、キャラ毎の役割が固定化されすぎている
― 中盤以降はまるで『後出しじゃんけん』のように単調に感じて、楽しめない
▶例えば「ポケモン」の場合、水タイプのポケモンは草タイプに弱いが、冷凍ビームを覚えさせれば、草タイプにも対抗できるようになる。
また、わざわざ弱点を突かなくてもタイプ一致補正で押し切ることもできるため、弱点を突けないからといって必ずしもポケモンを入れ替える必要はない。
そしてこれにより、タイプ一致技や弱点を突ける技をどう覚えるかという育成の楽しみや、それらをどう使うかというバトルの楽しみがある。
そうした育成の自由度も後述するスフィア盤のせいで奪われているため、弱点でない敵には基本勝てず、型にはまった事を延々とやらされているという作業感が強い
▶終盤、「捕獲」ができるようになると、捕獲を組み込んだ戦いが求められるようになり、単調さがやや軽減される
― しかし「捕獲」では同じ敵を何度も倒す必要があるため、やり込もうとするとやはり作業感が強くなってしまう。
― 特定の敵を狙い続けるという作業が、ランダムエンカウントと相性が悪く、狙いのモンスターがなかなか出なくてイライラする。
例えば「ポケモン」ならレアなポケモンでも一匹捕まえれば事足りるし、捕まえたポケモンをバトルで使える楽しさがある。
それに対して本作の「捕獲」には、隠しボスと戦えるくらいしかメリットが無く、隠しボスを出すために同じモンスターを何十匹と捕獲する必要があり、手間とリターンが見合っていない。
・召喚獣の演出が長い
▶クイックモードにしてもまだ長い
▶特に「召喚獣バトル」では、互いに召喚獣を使うので致命的に遅い
・1度行動したキャラにしか経験値が入らない
▶前述の通り「この敵にはこのキャラの攻撃しか効かない」というパターンが多いため、キャラを満遍なく育てておかないと後々厄介になる
▶しかしキャラを満遍なく育てるためには、「キャラを入れ替えて防御」を繰り返す必要があり面倒
ーーー育成要素ーーー
・スフィア盤は自由度が低く、単に面倒なだけ
▶レベルが上がるたびにメニューからスフィア盤を開き、キャラを移動させてスフィアをはめる必要がある。工程が多くて面倒。
▶一見育成の自由度があるように見えるが、実際にはスキルが一直線に並んでいるだけで、順番に取る以外の選択肢は無く、自由度が全く無い。
- 終盤になってようやく分岐に入れるようになり、少しだけ自由になるが、短すぎて楽しめるとは言い難い。
- それにスフィア盤には移動という概念があり、今必要なスキルを気軽に選んで取るといったことは出来ないため、"自由にスキルを取ってカスタムできる"とは言い難い。
▶結果的にやっていることは、従来のジョブチェンジから自由度を消しただけのもので、無駄に面倒になっているだけ。
― これなら従来のジョブチェンジの方が、自由度が高いうえに自動で進むので良かった。
― 最低限、レベルアップの度に自動で進めてくれれば良かったのに……
・素材集めが面倒
▶武器改造や召喚獣強化に使うための素材のうち、店売りされているのはごく一部だけ。
▶殆どの素材はドロップ、盗む、ミニゲーム等で稼ぐ必要がある
▶要求される素材の数がやけに多く、終盤にならないと素材がなかなか集まらないため、武器改造や召喚獣強化を自由に楽しめない
▶一本道で自由に後戻りできない仕様のせいで、ドロップのパターンを覚えて稼ぎ場を作っても、ストーリーが進むとしばらくその稼ぎ場に戻れなくなる。
そのため、飛空艇入手後でなければ効率よく稼ぐのは困難。
▶そして飛空挺入手後なら、武器改造の必要が無い「七曜の武器」や、強化の必要がないほど強力な召喚獣が手に入るので、素材の必要性自体が薄くなる
・武器改造が無意味
▶素材集めは上で示した通りとても面倒で、とても道中でこなせるものではない。
▶最強武器である七曜の武器は、スロットが埋まっていて武器改造ができない。
▶そして七曜の武器は、武器改造で作った武器よりも断然強いため、やり込みプレイであっても、武器改造をする必要性が感じられなかった。
・召喚獣強化の影が薄い
▶ストーリーを進めていくと強い召喚獣がどんどん加入するため、ストーリーの途中でわざわざ1匹の召喚獣を強化する必要が無い。というか、強化してもほとんど無駄になってしまう。
▶終盤に加入する召喚獣は、最初から強力なスキルがほぼ揃っているため、店売りのハイポーションで覚えられるケアルラを付けるくらいしか、やる事が無い。
ーーーシナリオーーー ※ネタバレを含みます
・最初のセントラルクエスチョンが何一つ解決せずに終わる
▶本作最大の問題点その②
①ティーダ
▶ティーダの最初のセントラルクエスチョンは、「ザナルカンドへ帰る」ことである。
ユウナの旅について行くのは、自分をスピラへ連れてきたのがシンであり、シンを追えば帰る方法が分かるかもと考えたからだ。
その割にティーダが帰る方法を模索するシーンは殆どないため、セントラルクエスチョンが正しく機能していない。
挙句、終盤にザナルカンドが夢の世界だと判明することで、このセントラルクエスチョンは消滅してしまう。
その結果ティーダは自らが消えることを決断するわけだが、これはすなわちスピラで出会ったユウナとのこれからの時間を捨てることを意味するため、ユウナのサブプロットを台無しにする。
▶仮面ライダーオーズでは、「医者の仕事は、まず自分が死なないことだ。でなきゃ誰も助けられない。」という名言が登場する。
ティーダが消えたことにより、今後ユウナが危機に遭った時に救うことが出来なくなってしまった。
▶FF9のビビは、自分が死んでも『命のリレー』が繋がっていくことを示して死んだのに対して、ティーダは何も残さずに"ただ消えただけ"。
▶「劇中の設定では、ティーダを消さずにシンを倒すことは不可能」という意見もあるが、不可能を可能にするのが『物語』というものである
絶対的脅威と思われていた鬼を退治したからこそ『桃太郎』という物語はあるし、本作だって絶対的脅威と思われていたシンを倒しているではないか。
そういった可能性を捨てるということは、物語を放棄しているということである。
それが出来ないなら設定かストーリーのどちらかが間違っているので、修正すべきだ。
▶例えばクロノトリガーであれば、消えた主人公を他の仲間が復活させるために奮闘する。
ティーダを消さずにシンを倒すことは不可能でも、シンを倒してティーダを復活させることは出来るのではないだろうか。
本作ではそういった描写は無く、『10-2』に投げられてしまう。
(あちらはあちらで評判が悪いが、私はプレイしていないので割愛。)
②ユウナ
▶ユウナの最初のセントラルクエスチョンは、シンを倒してナギ節を迎えることである。
しかし、ユウナがなぜ一時のナギ節のために命を捨ててまで旅をするのか、作中で明かされることはない。
「父が召喚師だったから」という理由だけでそこまでするのはあまりに不自然。
そしてこのセントラルクエスチョンは無事に達成されたものの、今度は中盤以降のセントラルクエスチョンである「ティーダと共に永く過ごす」が達成されなくなる。
しかもユウナの行動に直接的な原因があるわけではなく、ティーダ1人の勝手な判断によってぶち壊される。
とても胸糞が悪い。
・中盤までのストーリーが地味でつまらない
▶基本的にユウナの旅について行くだけの単調な内容
― 終盤に差し掛かるまで、セントラルクエスチョンである「ザナルカンドへ帰る」が一切変化しない。
― そしてこのセントラルクエスチョンも、ターニングポイントを経た後に放棄されて終わる
- 「異世界へ来たが、元の世界へ帰ろうとする訳でもなく、異世界に順応して普通に過ごす」というストーリー構成は、まるでなろう系のそれである。
▶フィールドが一本道で、ティーダは終盤になるまでほとんど何も知らない状態であるため、言われるがままに付いて行くような感覚が続く
・物語全体が持つメッセージが、中盤と終盤で逆転していて一貫性が無い
▶中盤は「自己犠牲は良くない!ユウナを助けよう!」 という話だったはずが、ラストシーンでは主人公が自己犠牲を受け入れるという真逆の結末を辿る
▶ユウナは、ティーダやリュックの言葉を受けて自己犠牲について懸命に悩み、最終的には勇気を出して自己犠牲を止めた
それなのに、ユウナを止めたはずのティーダが、逆に自己犠牲を美化して勝手に消えるのは、それまでのユウナの苦悩と判断を全否定しているようで不快。
自分の命も守れない奴に他人が救えるかよ。
・世界を救うためのユウナの究極召喚を、ティーダが気分だけで止めるのが不快
▶現実の古代では、人命を生贄として捧げる風習が世界各地に存在した。
生贄となる者の合意が無い場合は確かに止めるべきかもしれないが、例えばインカ帝国では「球技大会をして、優勝した者が生贄になれる」という条件がある等、生贄は望んだ者のみが成ることのできる名誉な称号として扱われている例も多かった。
ユウナは自ら望んで召喚師になっており、明らかに後者である。
生贄となる者の合意があるのであれば、それはれっきとした『文化』であり、その文化を知らない他者が無理に止めるのは『文化の破壊』に他ならない。
▶自分の気分や価値観だけで考え、究極召喚を止めようとするティーダからは、相手の文化や価値観を尊重しようとする心意気が感じられない。
インカ帝国の生贄制度を辞めさせようと、元の経典を焚書してキリスト教への改宗を強要する「文化の破壊」を行った、中世のスペイン人と何ら変わりが無い。
・キャラクターが不快
《ティーダ》
▶ユウナや他のパーティメンバーは、とうの昔にが究極召喚のリスクを覚悟して旅をしている。
ティーダはなりゆきでそこに付いてきた「お客様」
にも関わらず、究極召喚のリスクを知るとヤダヤダと駄々をこね、ろくに代案も出さずにパーティの足を引っ張り、最終的にリュックの出した代案に相乗りする。
▶さらには「俺消えっから」などと一人で勝手に決断し、ユウナのサブプロットを台無しにする。
▶察しが悪く、文化の尊重もできず、自分勝手でワガママで他力本願な、最低の主人公。全く共感できない。
― ユウナの気持ちはどうでもいいのか?また、母を含む故郷の仲間達に対する未練は何もないのか?
▶ろくに努力せずに、成果だけを得るその姿はまるで『なろう系主人公』である。
《アーロン》
▶最初から全部知ってるくせに、その事を他のメンバーにろくに話さない。プライドだけが無駄に高い無能。
- 信者は「自分の目で見て、ティーダ自身に決断させるためだ!」などと主張しているが、実際にやっていることはユウナレスカにわざとティーダたちを襲わせて、退くことのできない状況を作り上げただけ。
- ティーダ達には、自分が殺されないためにユウナレスカを倒すという選択肢しか用意されていなかった。こんなので自己判断もクソも無い。
- 最初から選択肢はアーロンによって一択に決められていて、それを選ぶしかない状況を作られただけ。
- 孫悟飯を戦士にするために、荒野に放置してサバイバルを強要したピッコロ大魔王と同レベル。それで「今こそ決断する時だ」なんて言ってるんだから、薄っぺらいったらありゃしない。
▶また、こいつが「それが召喚師の覚悟だ」と連呼するせいで、究極召喚のリスクが序盤から簡単に予想できてしまう。
― そのため作中で重大な真実として明かされても、拍子抜けしてしまう。
▶代案が出ていないにも関わらず、ユウナレスカを倒すことを扇動した馬鹿
― そもそもこの物語全体が、ユウナレスカに対するアーロンの個人的な復讐だったのでは?
― だとすれば、もっと代案について真剣に考えろよ
▶近くでユウナが異界送りしても消えないくせに、エンディングではなぜか消える
- 都合良すぎだろ。どういうシステムだよ。
《ルールー》
▶終始ただ状況を説明するだけのキャラで、魅力に乏しい。
▶しかも状況によっては説明すらちゃんとせず、「あなたはいいわね…何も知らなくて…」みたいな、上から目線な態度が見え隠れしていてムカつく。
《キマリ》
▶ガガゼト山に入るまでは見せ場が一切無く、ただよく分からない事をいうだけのキャラ
▶そのガガゼト山のイベントも、後のストーリー上で重要になるような要素は無い。よってキマリはストーリー上で居ても居なくても変わらないし、存在意義を感じない
― システム上は唯一スフィア盤で自由にルートを選択できるキャラ。
そのため育成システムの問題点を一部解消した、育成システムにおける癒やし枠。全キャラそうしろよ。
・全体的に描写不足なシナリオ
▶本作のシナリオの問題点を一言で言うなら、「描写不足」に尽きる
― ユウナレスカ戦、シンの倒し方、ジェクトの親子愛など、描写不足でろくに伏線が張れておらず、唐突で後付けのように感じるシーンが多数存在する。
①ユウナレスカ戦
▶シンを倒す唯一の方法とされてきた究極召喚の根源を潰すという、シナリオ上でとても重要なターニングポイントの一つ
にも関わらず、この時点で究極召喚に代わる代案は何一つ決まっていない
そのため主人公達が感情にまかせて重要人物を殺した幼稚な奴に見える。
②シンの倒し方
▶何の伏線も無くリュックが突然思い付き、それがそのまま成功してしまう
― 「シンのこれまでの行動から推測する」「ティーダ・ユウナ・アーロンの思い出や、記録スフィアなど、ジェクトの過去からヒントを得る」等の伏線が貼られておらず、唐突で後付けに見える
― 思いつきの案がそのまま1発成功してしまうので、ご都合主義で拍子抜けに見える
▶シンは究極召喚でなければ倒せないはずなのに、主人公パーティが普通に殴ったら何故か倒せた。
― 歌にそこまで力があったのか?
ジェクトは「もう歌はあまり聞こえない」と言っていたが……。
あるいは飛空挺の主砲が相当効いた、とかか?
だとしてもシン出現から数十年のうちに誰かが試しているはずだが……
あとミヘンセッションの砲が駄目で飛空艇の主砲はOKなのも謎
- ユウナ達はシーモアを暗殺したエボンの裏切り身として扱われてたはず。
それなのに、ユウナ達に歌を歌ってと頼まれた一般人が、それを信じて快く引き受けるのは不自然。
これでは一般人がシナリオにとって都合のいい駒にしか見えない。
③ジェクトの親子愛
▶ティーダがジェクトのことを「嫌いだ」と言う描写はあるが、それがハッキリ好転するような描写が無い
▶そのため最後のジェクトとの対峙が、ただ嫌いな相手が死んだだけに見えて、全然感動しなかった
― せっかく「母が自分に構わなくなるから、父を嫌いになっていただけだ」と言うシーンがあるのだから、その後に父の親子愛が感じられるエピソードを思い出すなり、記録スフィアで息子想いのかっこいい姿を見せるなりすればよかったのに…
・お涙頂戴が露骨すぎて泣けない
▶「笑顔の練習」や「俺消えっから」は特に露骨
《笑顔の練習》
▶一見すると後の伏線となるようなシーンだが、前述の通りアーロンのせいで、この時点で究極召喚のリスクが早期から予想できてしまう
そのため、運命を覚悟しているユウナと、何も知らないティーダを対比させてプレイヤーを泣かせたいという制作側の露骨な意図が見え見えで冷める。
あと単純にノリがキツい
《俺消えっから》
▶一見するとティーダがユウナのために覚悟を決めて命を投げ出す名シーンだが、この事はユウナはもちろん他のメンバーにも相談していない
- これは即ち『重要なことでも相談できない仲』という事になり、パーティメンバーとの絆の浅さ、特にユウナとの愛の浅さを感じる。
▶しかもここでティーダが消えたことにより、ユウナのセントラルクエスチョンである「ティーダとの時間を延ばす」が達成されなくなってしまった。
- ユウナ達の作中の努力、そしてプレイヤーが何十時間もかけて積み上げてきた努力が無駄になる、本作最大のクソシーンである。
・シナリオ上不自然な点が多い
▶シンが最初にザナルカンドを襲った目的と手段が不明
(本来ならザナルカンドを守る存在のはずでは?そもそもどうやってあのザナルカンドに入ったのか?)
▶アーロンがザナルカンドとスピラを自由に往来出来る理由と手段が不明
▶なぜ水中で息継ぎをしなくても平気なのか?
- ユウナが息を止める練習をしていたので、「水中でも息ができる超人」とか「息ができる特殊な水やアイテムがある」とかって訳では無さそうだが……
▶なぜ死人が現世に物理干渉できるのか?(幻光虫はただ幻を映す存在ではないのか?)
- 作中で「死者の意志が強いと現世に出てくる」と言われていたが、寿命以外で死んだ人は皆意志が強いだろ
ある日突然台風のようなもので死んだとして、「仕方ないよね〜」と納得する人なんで殆ど居ない
- 生と死の境界が曖昧になりすぎいる
死人が物理干渉できるなら、悪人以外は異界送りする必要すら無いのでは?
死後も普通に生活できるなら、生に固執する意味すら無いのでは?
(実際、シーモアは作中でそう考えて死んだ。またアーロンも、特に死人ゆえの苦悩があるようには見えなかった。)
生に固執する意味がないなら、無理にシンを倒す必要も無いのでは?
→ 「でぇじょぶだ、ドラゴンボールで生き返る」より酷い事が起きている
→ 映画「パイレーツオブカリビアン 呪われた海賊」では、呪われて骸骨状態になった海賊が登場する。
この骸骨状態の海賊は物理干渉ができ、不死身であり、本作に登場する死人のように、一見すると生者より強いようにみえる。
しかし大将のバルボッサが「酒は飲めないし、女も抱けない」と嘆くシーンがあり、これにより呪いのデメリット、そして呪いの解除に拘る理由付けがされている。
本作にも、このような「死人のデメリット」が明確に提示されていればよかったのに…
一応「長期間死人でいると魔物化する」と言っているシーンもあるが、エボン上層部やアーロンはまるで魔物化する気配が無いし、「死人は死なないから生者より強い」と言い出すシーンもあるので、やはりデメリットだとは感じられない
▶なぜシーモアと死後最初に戦った時、異界送りしなかったのか?
- 殺害直後はエボンから追われていたため異界送りの余裕がなかったと解釈できるが、死後の戦いでは異界送りをする余裕が十分あるように見えるため、不自然
▶ユウナが異界送りをしている時、近くにアーロンが居ても平気なのはなぜ?
― 例えば「あのオッサン、異界送りの時になるといつも居なくなるよな」といったようなセリフがあれば設定の整合性も取れるし、アーロンが死人という事への良い伏線になったのに…
そうした伏線が無いので、死人であることを明かすシーンはただ唐突で後付けのように見えた。
じゃあなんでアーロンは今まで異界送りされなかったんだよ無敵かよ
▶最後の決断
ユウナは最初から究極召喚で死ぬつもりだったので、「生き長らえたい」とは思っていなかった
しかしターニングポイントを経て、「ティーダとの時間を長く過ごしたい」というサブプロットが生まれている
にも関わらずティーダが勝手に1人で判断してしまったせいで、「ティーダとの時間」は増えなくなった
よってこのユウナのサブプロットは叶わぬものになり、ユウナが頑張った意味が無駄になってしまっている
▶シンの毒気
- 途中から完全に忘れ去られている設定。
- 終盤に主人公パーティをはじめとした多くの人がシンに近づくのに、誰も毒気の影響を受けないし、それを気にしている人もいない。
▶ワッカがティーダを助けたのは、チャップに似ていたから
- グラフィックは別に似ていない。性格も特に似ていない。
- もしかすると「ゲーム内ではそう見えないだけで、設定では似ていることにになってる」のかもしれないが、その場合ワッカとルールー以外のチャップを知る人からも「お前チャップに似てるな」等の言及がされるはずだが、誰一人として言及しない
- 物語を始める理由付けとして、脚本家が強引に考えたのだろう
ーーーUIーーー
・装備品のUI
▶装備品は整頓ができず、管理が面倒
▶スクロールバーやページ送り等のスクロール補助機能が一切無いため、装備が多くなるとスクロールだけでかなり時間がかかる
- せめて装備品の種類ごとに分ける機能がほしい
― 敵がどんどん武器を落とすため、あっという間にアイテム枠が埋まるが、この劣悪なUIのせいで売るのに一苦労する。
・イベントスキップが無い
▶特に、ボスと再戦する際に面倒
― ボスは何度も試行錯誤する楽しみがあるだけに、試行錯誤の度にムービーが挟まってテンポが削がれるのが残念。
ーーーその他ーーー
・ミニゲームがつまらない
▶チョコボ関係(特にチョコボレース)は理不尽な要素が多く、プレイスキルより運のほうが重要
ー ボールやカモメといった障害物は、配置とタイミング次第で、見てからでは絶対に間に合わなくなる
つまり、障害物が当たらないように祈るだけの運ゲー
▶雷避けに関しては単なる苦行
ー もはや賽の河原。果たしてこれは本当にゲームなのか?もはやゲームですらないのでは?
COMMENT
ストーリー ☆1
▶セントラルクエスチョンがまともに機能していない
演出 ☆1
▶描写不足が多すぎる
キャラ ☆1
▶主人公が何もせずワガママで不快
育成 ☆1
▶自由度が無く、ただ面倒なだけ
マップ ☆1
▶文字通りの細長一本道で、何の楽しみも無い
バトル(雑魚) ☆2
▶単調な後出しジャンケンで、何の戦略性も無い
バトル(ボス) ☆5+
▶ボス毎に特殊コマンドがあり、毎回戦略を立てるのがとても楽しい
音楽 ☆3
グラフィック ☆4
▶当時としてはかなり先進的なグラフィックだが、デザインのセンスが悪い
UI ☆2
▶装備のUIが劣悪、イベントスキップ無し
ロード ☆3
テンポ ☆1
▶移動が遅く、エンカ率が高い。イベントスキップも無い
ミニゲーム ☆1
▶蝶集めはイライラ棒、チョコボレースは運ゲー、雷避けは賽の河原
※各5点満点、「☆5+」は特に良かった項目。
一本道を歩かされて、敵が出たら後出しジャンケンをして、到着したらつまらないムービーを見るだけの単調なゲーム。
ボス戦はそこそこ面白いが、それ以外の強烈なストレスに耐えてまでプレイするほどの価値は薄い。
ストーリーは不自然で唐突な部分が多く、考察しようとするとどんどん粗が出てくる。
そして何より主人公が自分勝手にパーティの足を引っ張る様が不快。
異世界から転移し、口だけでろくに努力しないくせに、偶然にも成功して仲間から信頼されるその姿は、まるでなろう系主人公。
ムービーの価値が高かったPS2当時ならともかく、現代では到底オススメできない駄作。