PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

例えば戦争映画などを観終わると、無性にゲームがしたくなることがあります。
シミュレーション、アクション、FPSなど。
しかしそのどれもが惜しいところで、満足感を満たしてくれない。

このゲームは言ってしまえば戦争ゲームの良いところを全部まとめてしまった快作です。
シミュレーションで戦略を練りユニットを動かし、そのユニットの視点で一人づつメタルギアソリッドのように任務を遂行する。
誰もが一度はやりたかったゲームをPS3という高性能機で遂に実現してしまった、それがこのゲームだと思います。

仮に次に同じようなゲームが出ても、かならず「戦場のヴァルキュリア」が比較に上げられるほどの、凄いシリーズが生まれたな、というのが正直な感想です。

動画サイトで見ている分にはたいしたことないのですが、実際にプレイしてみるとその面白さにビックリしました。

システム面、特に戦闘面が最高に面白いことがこのゲームが他の多くのゲームに誇れる点でしょう。

新しいジャンル、といっても過言ではないでしょうね。

BAD/REQUEST

基本的には面白いゲームなので個人的には買って損はなかったのですが。

・グラフィックス
3Dモデリングや絵画タッチのグラフィックスはいまどきめずらしいものではなく、全般的にごくごく普通のレベルです。演出面などでPS3にしてはちょっと手抜きかなと思いました。技術的にはPS2でも可能なグラフィックだと思います。

・キャラクターデザイン
このゲームで個人的に最もがっかりだったのがキャラクターデザイン。
ここで世界観に合ってないだのと、野暮な事は申しませんが、もう少し絵のうまい方がいるのではないでしょうか・・・・
名前で検索すると既存の漫画キャラに卑猥な行為をさせている同人誌がまず出てくる絵師はどうかと・・・・
そうじゃなくても、顔が細長く、平面的です。
彼をデザイナーに選んだ理由として彼のHPのプロフィールにあるように「軍ヲタ」だということが第一に浮かびますが、正直そんなどうでもいいことで傑作になりえたゲームのキャラクターが愚にもつかぬ萌え軍人になってしまったと思うと残念でありません。
一部兵装や服装に宮崎駿の影響が見られるのですが、それもRAITA氏の「クシャナ殿下萌え」という一言で劣化パクりか・・と思ってしまいました。

・音楽
今思い出せと言われてもまったく思い出せません。印象に残らないのです。
邪魔にならないと言えばそうも言えますが、かといってそれが良い音楽かどうかは判断の分かれるところでしょう。

・ストーリー
あまり欠点として書かれている方が少なくスルーしがちなのですが、とにかくひどいです。むしろ何を持ってこのゲームを作ったのかを問いたくなるほどの根源的なひどさです。
ただし、戦争を銃や爆弾を使った大人の楽しい運動遊び、と考えるなら別です。
基本的に第二次世界大戦をなぞらえていてナチスドイツ的な帝国が、ポーランドに侵攻したようにガリア公国に攻め込みます。そこにはユダヤ人のような国を持たないダルクス人という少数民族が迫害されつつも暮らしています。

さて、冒頭、数年ぶりに帰省した大学生の主人公とちょっとしたことで居合わせた村の自警団隊長を、今まさにガリアに進行しようとする帝国軍の尖兵が襲います。周りの村人や団員は銃殺され、普通なら逃げるところを、大学生と19歳の女隊長は拾った銃で応戦する、という時点でやや無茶なのですがそこはまあいいでしょう。
問題はそのあとです。
開始数十分で最大の違和感が僕を襲いました。
それも胸糞の悪くなる、拭い去れない違和感です。

川でサカナをスケッチしていた大学生がたった今はじめて人を殺した、というのにのんきに街をあるいて「久しぶりだな〜懐かしいな〜」などとのたまっているではありませんか。
さらに家につくとお世話をしてくれるマーサおばさんが「へぇ、そんな大変なことがあったんですねおぼっちゃん」とこうです。
そしてそこに同じく人を殺した19歳の女が「さっきはありがとう！」なんつってパンを焼いてくる・・・・・

たったいま帝国が侵攻してきたというのに、隊長は村人に何も告げず、パンを焼いている。
案の定そのあとすぐに戦車によって村は蹂躙され多くの村人が死ぬ。
すっかり崩壊した村を丘から見ては「戦争でも生まれてくる命があるのね」・・・・ってなんだそりゃ！！！

もうどこをどうつっこめばいいのかわかりません。
この先このストーリーをどうしたいのかもわかりません。

次々に出てくる、戦争、死、命の文字の軽い事軽い事。
瀕死の敵兵を看病して、死を見取り、そこに敵の上官がやってきて感謝を言うシーンのチープさは凄まじすぎます。
いきなり瀕死の敵がなだれ込んできて「お母さん」パタリ。
そこに上官到着「敵なのに手当てしてくれたのかありがとう。」
・・・・はい。そうね。


また、これをいってしまうと元も子もないのですが、あえて言います。
恐ろしいことを言います。
ヴァルキュリア人っていう設定いりますか？
どう考えても、ないほうが自然だと思います。
それから開発陣の身内ネタとしかおもえない謎の羽の生えたブタ。いきなり拾ってきて隊のマスコットといわれても存在意味すらわかりません。


・ユニットの成長について
偵察、突撃、対戦車、狙撃、支援、と5種類ありますが『一律』レベルアップです。
また主要キャラ5人以外はストーリーにからんできません。映像にすら出てきません。
人物総覧にプロフィールが載る、声のある汎用ユニットと考えてもらって結構です。
といってもラジアータストーリーのようにそういったプロフィールを埋めるのが好きな人には合うと思います。特定条件下で台詞がかわったりもするので。
ただし、体型やモーションは兵科固定です。古参のじいさんだろうと12歳の天才萌え系妹キャラでも同じ身長、同じ動きです。
またラジアータのように兵の日常などを見れるわけではないので純粋に戦闘のときだけ出てきては、活躍しだいで数行プロフが更新されるユニット、です。

同じく武器も一律です。一応敵を倒したり報酬でもらえたりもしますが、一本道で開発する自軍兵器の方が大抵優秀なので出番なし。

上記のとおり兵器の開発は一本道です。
強化をすることで見た目が変わるということもほとんどありません。

・快適さ
難易度が難しく、何度もやり直しをやるハメになるのですが、その際にセーブからロードをする時間がいささか長いです。
一手前をロードするのにも最初の戦場読み込みと同じ時間がかかります。

COMMENT

戦闘部分やシステムなどは最高に面白いです。
ユニットを一人一人カスタマイズできるようになったり、宿舎での兵士に一日のルーティーンＡＩを設定して自由に動き回らせ、イベントなどがおきるようにすればさらに面白さが倍化するとおもいます。技術的にも難しくないはずです。

デザインは本当に僕はダメでした。
次回作があれば抜本的な変化を期待します。
多くの人がプレイする家庭機にエロ同人作家はどうかと。