PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

　〜　＜グラフィック＞　〜

皮膚や金属をはじめとする、様々な物の質感の
表現が素晴らしく、オクトカムなど架空のコスチュームでも、
材質が想像できてしまうほどです。

また、空気感というか、その場所に実際にいるかのような雰囲気が
よく出ていて、後に書く音響ともあいまって、臨場感に圧倒されます。

エフェクトも限りなくリアルに作られているようで、特に爆発の瞬間の
「バンッ！」という突発的な破裂が見事に表現されており、本物さながらです。

ブラーやぼやけなどの視覚効果も、過度になりすぎない程度で
自然に表現されていて好感が持てます。

新装備のオクトカムは擬態の様子がカッコ良く、パッと見は本当に周囲に
溶け込んでいるように見えるので、たまに視点をグリグリ動かして見とれています。

もう一つの新装備ソリッドアイも使い勝手が良く、架空の装備でありながら
その動作など現実の機器を彷彿させられます。

PMCや民兵の動きもそこそこ豊富で、撃ち合いの様子を見ていると、
弾の命中した部分によって倒れ方が違います。
また絶え間無く飛び交う兵士の声など、さりげない事なのですが、
これらのおかげでAIというより本当の人間どうしの戦いのように感じてきます。

ムービーが長いとの指摘がありますが、自分の場合はそれを期待（覚悟？）して
購入したので、この点はむしろプラス評価でした。もちろんクオリティーも素晴らしく、
期待以上の出来です。
使い古された表現ですが、構図や演出・衝撃的な展開など、もはや映画の域です。


　〜　＜音楽・音響＞　〜

エフェクト音も種類が多いうえに、一つひとつが丁寧に作られていて、
臨場感アップの効果は絶大です。

銃器の発射音は特にこだわりを感じます。 銃弾がかすめる音や
跳弾の音もリアルで、近くに着弾した音などは「今のは危なかったなぁ」などと
少しビビりそうなほど。

自然音もふんだんに表現されていて、静かな場所でも耳をすますと
風の音や小鳥の囀りが聞こえてきたりと、細かい作り込みに感心します。

また音楽の量や種類も非常に多く、シリーズ通してプレイしてきた方には懐かしいと
感じるであろう曲もあって、いかにも集大成といった趣です。
それらのほとんどを装備品のiPodで聞くことができるなど、シャレた演出もGoodです。


　〜　＜熱中度＞　〜

「撃ちまくってゴリ押し」とか「敵に見つからないように」など、
本当に様々なプレイスタイルが選べるので、リプレイ性が非常に高く、
また前プレイのデータを引き継ぐだけに留まらず、２周目にはドレビンショップに、
あんなモノやこんなモノが並んでいたりして、プレイヤーのハートも
がっちり掴まれ中毒性もかなりのものです。


　〜　＜満足感＞　〜

シリーズを通してプレイしてきたファンにとっては鳥肌モノと
いえるような演出が随所にあり、感慨に浸れます。
現在トップレベルといえるグラフィックと音響、そして
ついに完結するストーリーと、どれを取っても集大成
にふさわしい
完成度で、「手に入れてよかった」「ＭＧＳサーがに触れることが
できて良かった」と素直に思えます。

BAD/REQUEST

スペシャルパックを購入したのですが、おまけディスクの内容が
少し物足りませんでした。MGS4の製作過程や小島監督のインタビューが
見られるのは確かにおトク感があるのですが、期待していたムービー集などは
全く無く、残念でした。

宣伝用のムービーには、ゲーム本編では流されないものも数多くあったので、
そういった映像も収録してほしかったです。

ゲーム内容については、特に不満は思い当たりませんが、ゲームが進むにつれ、
「ムービー＞ゲーム」という割合いが顕著になってきます。

あと、字幕の大きさはちょうどいいのですが、
アイテムを拾ったときの表示が小さく読み取れませんでした。

オンラインはβで少しプレイしてみた時に、動きのノロさと
武器切り替えの歯がゆさが拭えず、それ依頼遊んでいません。

SOPシステムを取り入れたりと斬新なシステムが魅力的なのですが、基本的に
MGS4のプレイスタイル自体が「息をひそめて敵や周囲の状況を綿密に調べ、
潜入に適した装備を吟味してから行動に移す」
というものなので、とにかく走り回って撃ち合う、というシチュエーションに
陥りがちなオンラインにとっては、装備を切り替えるあいだ完全に
棒立ちになってしまう仕様は、やはり向いていない気がします。
（ワンボタン切り替えがあるにはありますが、どうも馴染めませんでした）

COMMENT

ついに完結したメタルギア・サーガ。ゲームとしての完成度には
アクションパートのボリュームについて不満の声もあるようですが、
それも楽しいからこそ、もっと遊びたいという気持ちからだと思います。
確かにそう。もっと遊びたい！です。

いちMGSファンとしては、素晴らしい内容だと評価できると思います。
ただムービーが圧倒的な量で、確かにこれをただのゲームと呼んでいいものか、
悩んでしまいますが。

今回のスネークは、本当におじいさんのようで、老体に鞭打つといった表現が
ピッタリです。それだけでも痛々しいのに、更にスネークの体に起きている異変が
明らかになっていくにつれ、苛酷な運命というものを感じずにはいられませんでした。
でもやはりカッコイイ！「漢」というよりあえて「男」を見た気がします。

そしてオタコンや雷電、メリルといった、ともに戦地を駆け抜けた仲間たちの、
それぞれの結末は、胸が熱くなるものばかりでした。（とくに雷電で涙）
監督いわく「後付け」のストーリーとの事ですが、よくここまでまとめることが
できたなぁと感心してしまいます。

シリーズ全般にいえる事ですが、ストーリーや登場する装備、兵器など、
「いつか現実になるかも」という説得力や期待、不安などを常に漂わせているところが
ＭＧＳシリーズの最大の魅力ではないでしょうか。

ファンのみならず、いろんな方に触れてみてもらいたい作品です。