PlayStation mk2 :: アサシンクリードレビュー

アサシンクリードレビュー

発売元	ユービーアイソフト（オフィシャルサイト）
発売日	2008/01/31
価格	7,329（税込）
レーティング	【Ｚ】18才以上のみ対象(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon(廉価版) ／ Amazon(ウェルカムパック) ／アサシンクリードII レビュー
タギングトップ3
タイトル概要	■ ジャンル：アクション【廉価版】 ■ 発売日：2008/12/04 ■ 価格：2,940円【アサシンクリード I＋II ウェルカムパック】 ■ 発売日：2012/07/19 ■ 価格：2,940円

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
4pt	4pt	2pt	4pt	4pt	4pt	3pt

総合点
77pt

GOOD!

・十字軍遠征、というテーマにからめた歴史活劇。
　世界史を学んでいれば一度は耳にしたであろう人物や騎士団名、
　またその時代の風俗をよく研究している。
・近未来とDNAに記憶された先祖の記憶のオーバーラップを繰り返すことで、
　主人公同様「経験を積む（プレイを進める）たびに見えてくるもの」の
　設定が絶妙。2つの世界で主人公に語られるセリフの一つ一つが、実は
　密接な鍵となっている。
・「汝、罪なきものを傷つけるなかれ」
　暗殺ターゲットおよび敵対勢力以外のひとびとを傷つけるとアサシンの
　掟を犯したとしてDNAリンク（HP）減少ペナルティが加算される。
　身をもって掟を思い起こさせる発想がよい。
・自分流の「縛りプレイ」をも自由に構築できること。
　尋問・盗聴・協力者からの情報提供＝攻略ルートではなく、
　それらを利用するも無視するもプレイヤーの自由。任務遂行過程の
　地面着地回数制限、常時警戒態勢の中ノーアラートで目的にたどり
　着くもお望み次第
・過去の記憶人物たちが「現代語を話す」事に理由付けがされていること。
　その説明のやりとりが結構笑えます。
・教団の師範であった主人公が、任務失敗により見習いに格下げされた事で
　レベル１からのスタートになること。うまい口実です。
・UBIおなじみの三部作であること（次はどうなる？という期待を
　ユーザーに残す結末を迎えること）。

BAD/REQUEST

・ややネタバレになりますが暗号解読、世界観考察・世界史/各宗教の知識を
　求められること。
　宗教観の薄い・信仰心の希薄な日本人には縁遠い「常識」力が求められます。
　山川の世界史用語小辞典など手元に用意した方が良いでしょう。
（とある宗教では酒禁止、別の宗教では○○禁止など）
・UBIのゲーム、特に三部作の一作目では必ずそうなのですが、今回も字幕が
　ありません。上記の理由で聞き慣れぬ語句が出てきたときに吹き替えの声で
　判別するしかなく、特に現代パートを受け持つ声優のほとんどが早口なので
　「え、今なんといった？」と疑問符を浮かべることになります。
　（例：かいきょうと〜…回教徒〜　と理解するまでしばらくかかりました）
　おそらく２作目からは字幕が入るでしょうが、なぜ１作目から入れようと
　しないのか理解出来ません。
・ウマの存在感が薄いですね。「ワンダと巨像」に登場するアグロの様な
　共闘場面もなく、本当にただの「移動の足」です。マップ選択による
　任務遂行エリア移動にかわるとお役ご免になってしまう事も。
・物乞い、よっぱらい、統合失調者の発する効果音。
　シナリオが進むにつれて（主人公の行動の結果でもあるのですが）彼らの
　存在が増えていくため、町のあちこちから終始おならやゲップ、ここでは
　書けない「何か」をしゃぶるSEが聞こえてきます。
　リアルの追求もここまでくると…。
・頸動脈を一突きされたはずのターゲットが元気にしゃべるしゃべる。
　警備兵などの雑魚も倒し方がまずいとその場でしばらくのたうち回って
　助けを求めますが、とあるターゲットは3分ちかくしゃべり続け苦しむ
　そぶりもなく、業を煮やした主人公がもう一度刺しました。
・事前に三部作、という説明がなかったこと。
　人によってはあの続編ありきのEDに不満を感じたことでしょう。
　私のように期待を持つ者もいれば、残りの２作にまた一万円近い代金を
　支払わねばならぬのか、一本で完結させろと思う人もいるのですから。
・国産ゲーではおなじみの「カメラ近接時の障害物半透明化」がありません。
　現実感を重視する海外ゲーでは珍しいことではありませんが、とある戦闘で
　街路樹と壁の間にハマったところで視線が「背を向けた壁の裏側」に入って
　しまい、その後何も見えない・出来ない状態で雑魚の餌食になりました。
・環境音SEがほとんどで、耳に残るBGMが少なかった点
　教会・モスクの近くに立てばチャントやコーランの詠唱かすかに聞こえて
　くるものの、せっかく多民族・多文化都市を舞台にしているのですから
　プリンス・オブ・ペルシャシリーズの様に現地アーティストによる曲の
　１つ２つあってもよかったのでは…。

COMMENT

宗教対立というデリケートな題材に対し、SFを織り交ぜることでうまく
中和したシナリオに仕上げています。といってSF・フィクションを誇張
拡大するでもなく無駄な講釈は極力抑え話の筋が一本通っているのは
さすがUBIのシナリオですね。

宗教観の希薄な日本人には意味の通じないブラックジョークやセリフも
あるので、これを機会に中世期世界史をおさらいしてみるのも良いかと
思います。とあるターゲットのバックストーリーとしてチラリと登場
する獅子心王・リチャード一世は部下の不明を嘆いていましたが、
お国も大変なことになっていたのですよ。