PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

●BLiTZ(戦闘システム)
基本はSLGなのに、実際に銃弾が飛び交う戦場を駆け抜ける操作が新鮮で
面白いです。戦場での判断ミスが命取りになりかねないので、緊張感が
あって飽きないです。またアクション性よりも、行動するユニット選択・
敵兵科との相性・行動終了する位置等の戦略がより重視されるので、SLG
としての仕組みもよく練られており、自由度が高い秀逸なシステムです。

●ブックモード形式
イベントを分割したこの形式は、長いムービーやイベントを延々と見させ
られるのではなく、自分のペースで物語を進行できる印象を持つ。また本
のように過去のイベントを自由に読み返せたり、次のイベントの合間に
小隊編成や遊撃戦闘(フリーマップ)が行えたりするので、画期的な手法。
上記のBLiTZと併せて「オリジナリティ」は文句なしの５点です。

●水彩画風のグラフィック
独自の描画システムで、世界観にとてもマッチした、独特の雰囲気作りの
綺麗さがあります。ムービーが多いし、動きが滑らかです。表情も豊富。
写実的な方向性とは全く別方向のグラフィックで、現時点では一つの方向
性としての頂点だと思います。よって「グラフィックス」も５点でしょう。

●多彩でシビアな戦場
一つ一つのステージが地形・遮蔽物・戦況などガラリと変わり、それにより
配置する兵士や戦略を柔軟に対応していく必要が有ります。章によっては
難易度が跳ね上がるので、操作に慣れれば簡単になるというわけでもない
です。何度かゲームオーバーになり、次はこうしてみようと試行して何とか
クリアできた時の達成感は格別です。これが異様に熱中した。
なので「熱中度」も間違いなく５点です。

●音楽
OP曲が柔らかくて切ない印象で耳に残ります。戦場BGMは臨場感あって、
クオリティが高いです。戦場時に敵味方の無線が聞こえてくるのも何気に
良い味を出しています。よって「音楽」は４点です。


●世界観・雰囲気
戦争が題材なのにあまり暗い印象はなく、第7小隊の仲間が絆を深めていく
過程を中心に描かれているので、爽やかで柔らかい印象が良い。それに小隊
には女性兵も多く、敵を倒したときに決めポーズをするので「サクラ大戦」
の雰囲気があります。仲間の死など戦争の現実もきちんと描かれています。
また最後までプレイすれば、ヴァルキュリアという存在が単に戦場における
恐怖の対象だけでなく、深いテーマを訴えています。色々とテンコ盛りな
まさに大作。上記の良い点も加味して「満足感」はズバリ５点です。

BAD/REQUEST

既出が多いので簡潔に挙げると

▼単発攻撃ユニットの命中率が低い。特に戦車は、兵器開発が進んでも
　改善されない上にCP2つが無駄になるのが痛い。何度やり直したことか。

▼HDインストールしてもバトル中断セーブへのロードが長い。初見プレイ
時は、このロードがほぼ必須なだけにこれは不便。

▼ステージ評価ランクがクリアターン数のみで決まってしまう事。Sランク
　を強引に(オーダー重ね掛け特攻戦法)狙うと、戦略の面白さが激減する。

▼後半の対人地雷の設置数。やたら増えているので、踏んでしまう確率も
　増える。防御系オーダーが掛かっていないと一発でアウトな場合も。

以上のことから、「快適さ」はHDインストールができるプラスがあるものの、
マイナス点で相殺されているので３点としました。

COMMENT

どの巡回サイトでも絶賛していたので購入。期待以上の面白さで、久々に
傑作オリジナル作品に出会えました。新しい試みでの１作目だけに、細かい
指摘すればシステムに改善すべき点もいくつかあるが、アラを指摘するより
も新しい面白さを開拓したことを重点的に評価すべきだと自分は思います。

キャラデザが嫌いな人や戦争ゲーには徹底してリアルさを求める人には
合わないかもしれません。しかしもはや新ジャンルを確立したと言っていい
この意欲作は、マイナス面を補って余りある程の新鮮な魅力があります。

SLGが好きな人は当然として、作業感が強いSLGは飽きていた人にも
オススメします！　難易度はかなり難しいですが、遊撃戦闘の経験値稼ぎ
やオーダーという強力な特殊コマンド等の救済措置が有りますので。

本編クリアに直接関係ないですが、断章も全て攻略することをオススメ
します。本編の細かい伏線が明らかになりますし、メインキャラの理解が
深まることにより、より感情移入が出来るようになるので。また追加DLC
が配信されているので、一度クリアしてもさらに長く遊べる作品です。