PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

　世界の一地方で、自分の好きなキャラクターを作り“役割を演じ”ながら自由に生活、冒険をする。これぞRPGというゲームです。おもしろいです。

<良い所>
■熱中度（満足度、オリジナリティー）
　5点しかつけられないのがむしろ残念。総合点数が自分の熱中度ほど高くならないのが惜しいです。熱中度に6点つけたいぐらいですね（笑）

　10種類いる種族から好きなものを選んで、名前、顔を作り、まさに自分だけのキャラで広い世界に飛び出していきます。レールには乗っていない、この先に何が待ち受けているのか分からない世界で自由に生きていく。このまさに“冒険をしている”という感覚が素晴らしいです。宇宙を股にかけたり、全世界を舞台にという劇的さはないけれど、より生活に密着した、現実的(!?)な冒険が楽しめます。

　世界に対して、色々なアプローチの仕方があります。冒険をしますので、自キャラが強いというのは有利ではあるのですが、逆に馬鹿な子ほどかわいいというのもあります。私の初めのキャラは瞬殺キャラでした。“持久力”が最低の種族で、その後そのパラーメータを全くあげなかったため、体力が低い低い。接近戦など挑もうなら瞬殺です（こっちが）。しかし、こんなキャラでも生き方はあるのですよね。足だけは速いので、逃げるというのが最大の得意技。その後、弓、召還魔法、NPCキャラを利用してしぶとく生きていっています。

　戦士、魔法使い、盗賊、暗殺ギルドなどに入って活躍してみたり、闘技場で戦ってみたり、広大な世界を走り回ってダンジョンを見つけて回るだけという楽しみ方や、ダンジョンにもぐってお宝を見つける遊び方などまで色々あります。メインストーリーに関わる必要もありませんし、ほんと何でもありです。

○英語の勉強になる
　キャラが英語でしゃべりますので身につきます。英語圏で生活すると言葉は自然に身につくと言われていますがやはり本当ですね。これは英語の教材だと脳内で変換して、今日もゲームに熱中します。

○顔の勉強になる
　NPCは色々な表情を持っています。自キャラの顔の設定もかなり細かくできます。ちょっとしたパーツを変えるだけでずいぶんと印象の変わることが解りました。将来の整形に役立ちます。

BAD/REQUEST

★時間がかかる
　このゲームの最大の特徴として、非常に時間を喰うということがあります。これだけは覚悟しておかねばなりません。あと、コンプリートはできないと思っておいた方がいいでしょう。取捨選択が必要です。逆にその深さ、余韻がこのゲームの魅力といえるでしょう。

●ロードが長い
　はじめは気にならないのですが、ゲームが進むにつれて長くなってきたように思います。元々PCのゲームで、PS3の性能をやや越えている感じがしますね。人が多いところではフリーズしますし…

●バグが多い
　巨大で複雑な世界を持つゲームですのである程度仕方がないとは思いますが、小さなものから大きなものまで各種取り揃えてあります。PC→Xbox→PS3と移植してきているにも関わらず同じバグがあるというのは…移植メーカーはゲーム自体の改変は駄目なのかな。

●動けなくなる
　これもバグの一種でしょうが、挟まって動けなくなる場所が割とあります(今まで6回)。岩が3つ重なったところ、樽の間、一度座ると立てなくなる椅子などなど。こうなるとやり直すしかありません。屋内ではオートセーブが頻繁にあるため被害は少ないですが、屋外では自主的にセーブをしていった方がいいでしょう。

　これらのバグは、セーブデータを3つぐらい作ることと、何かの区切りにはセーブする（セーブ時間は短い）癖をつけておけば、ある程度被害は少なくできます。で、これらの欠点があるのですが、私に言わせればだからどうだと(笑)　ゲームの魅力と比べて、微々たるものだと感じています。

●少し倫理観が低い
　統合失調症を馬鹿にするようなクエストがあり、これはいただけないと思いました。他に暗殺ギルドのクエストは、ちょっとこれは…まだ頭が柔軟な子どもにはやって欲しくない内容ですね。一応17歳以上が対象のゲームではあるのですが、大人でもきついでしょう。無茶苦茶な理由だったり、殺す理由さえ分からないクエストがあります。後味が悪すぎます。やるなら覚悟を決めて。嫌ならやらなければいいだけですね。

▲敵の強さが変更できる
　これは多分使わない方がいいと思います。やりはじめるときりがなくなりますし、変にプレイヤーを惑わす結果となっているような…
　確かに、中盤こちらよりも敵の成長の方が早くなるというのがあり、私も衛兵のいないところは怖くて移動できなくなりましたが、困ったときに今まで使っていなかった能力を鍛えると、活路が見出せるということが分かりました（メインスキル以外も使うとよい。魔法は全種素人でも使えるものがあります）
　特訓する楽しみもありますし、最終的にはやはり自キャラの方が強くなりますので、中盤は耐えた方がいいかも。

▲“中ボス”という存在がいない
　まあ、いないことはないのですが、「この敵ちょっと強かったかな…あれ!?このダンジョンのボス格だったの！」という感じで、他の敵とそんなに変わりません（実際、強い敵が多いこともあって）。
　勇者という設定でやっていると、ちょっと盛り上がりに欠けるかも。盗賊、冒険者、という立場ならこれでいいのですが。

COMMENT

　最近やったゲーム「アーマードコアFA」「DevilMayCry4」「戦場のヴァルキュリア」「SIREN NT」いずれも秀作で、次回作が出ればやりたいシリーズです。ジャンルも違い、単純比較できないのですが、しかし、それでも「オブリビオン」に圧倒的に熱中しました。

　オブリビオンは、低い点数をつけておられる方々のレビューを読んで、はじめ購入を控えていました。あまり批判になると良くないのですが…一通りやった方には分かるでしょうが、結果的にやりこみが足りなくて知らないだけ、という批判が多いのですよね。
　ただ、完璧派の人には合わないというのは本当でしょう。壮大なストーリーを映画のように楽しみたい人にも合わないかも。逆に、脳内で「このキャラはいい人。このキャラは極悪人」などと設定し、“ごっこ遊び”ができる人にはこの上なく面白いゲームとなるでしょう。

　この“役割を演じる”というRPGの面白さ、未知のものに向かう探索のドキドキ感。私の中で、いまだ上位に君臨する名作「ダンジョンマスター」をはじめてやった時の感覚を思い出しました。「オブリビオン」もそういう存在になるのは間違いないでしょう。このようなゲームを世に出してくれたスタッフに感謝したいと思います。