戦場のヴァルキュリア レビュー
発売元 | セガ(オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2008/04/24 |
価格 | 7,980(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象(CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon(廉価版) / オリジナル・サウンドトラック |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 | ■ ジャンル:アクティブ・シミュレーションRPG ■ プレイ人数:1人 【廉価版】 ■ 発売日:2009/03/05 └ 価格:3,990円 ■ 発売日:2011/06/30 └ 価格:2,940円 |
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テイルズ オブ ゼスティリア(2件)
- 2015/02/06:レビュー募集を開始しました!
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ドラゴンボール ゼノバース
[PS3ソフト]
ドラゴンボール ゼノバース
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テイルズ オブ ゼスティリア
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アサシン クリードIII
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テイルズ オブ ゼスティリア
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DRIVECLUB
[PS3ソフト]
ブレイドストーム 百年戦争&ナイトメア
テイルズ オブ ゼスティリア(2件)
GOOD!
ファンタジー風のキャラクターを使用し、軽いアクション要素も取り入れた戦争シミュレーションです。難易度バランスもよく、温かみのある絵柄も相まって、万人向けという点で突出したゲームだと思います。
<良い所>
■満足感(熱中度 オリジナリティー)
◎「軽いアクション要素」
良質なシミュレーションにアクション要素を軽く取り入れているところがメリハリがきいていて良いと思いました。攻撃の命中確率を視覚的に表しているため(弾の飛ぶ範囲が円で示されており、敵の体がその円にたくさん入るように自分で操作する)、納得感があります。
◎「戦車の存在」
戦車の存在がとてもよかったです。味方としては攻守の要。敵としては倒し甲斐のある手ごわい相手でした。
味方戦車はその性能をカスタマイズすることができます。私は、命中率最優先(防御力無視)でカスタマイズしたため、最終的に戦車の命中率はかなり高いという印象です。
○「バランスのとれた兵種」
偵察兵(移動力)、突撃兵(接近戦)、対戦車兵(戦車に強い)、支援兵(地雷撤去や弾補充など)、狙撃兵(遠距離)の5種類どれも使いどころがあります。
一般にこの種のゲームは、移動距離が短いユニットほど使いづらくなるものですが、このゲームはそれを敵戦車の存在や、障害物の多いステージを用意して、足の遅い兵種にも活躍の場を与えていると思います。バランスの取り方が、昔のゲームに比べてずいぶん良いと思いました。
○「行動ポイント制度」
手持ちのポイントを消費してキャラを行動させるので、同じキャラクターを何度も動かして攻撃させることもできます(ただし、移動距離が短くなっていく)。狙撃兵でその場から撃ちまくれるのは爽快でした。
○「レベルアップとキャラの個性づけ」
兵種ごとにまとめてLv上昇します。ここは賛否両論あるところですが、私は概ねプラス評価です。
利点は、後から加わったキャラでもすぐに前線に投入できることです。これにより、既存のシミュレーションのように「強いキャラは益々強く、出遅れたキャラはお荷物に」ということにはなりません。“ちょっとお試し”ができます。
キャラの個性づけは「世話好き」「草原育ち」「サディスト」などなど、“実際にゲーム中に発動する能力”でなされています。これらの能力(性格)が割といい確率で発現して楽しさを増しています。上手いやり方だと感じました。
BAD/REQUEST
<悪い所>
■快適さ
××「ロード時間」
通常のロード時間だけでなく、メニュー画面にさえ頻繁にロードが入るのはいただけません。ボタンに対する反応も遅めで、全体的に、良く言えば“柔らかい”、悪く言えば“もっさり”した感覚のシステムになっています。
×「飛ばせないシーン」
フリーミッションでの作戦説明など、毎回毎回は必要のないシーンが飛ばせません。また、戦闘開始時やオーダー発令時に、主人公の“キメ顔”を頻繁に見せられます。それが飛ばせない。
“俺が正義だ!”と言わんばかりのキメ顔。そういう押し付けがましさが、主人公の底の浅さ、胡散臭さを増幅していると私は感じました。報復として(!?)、主人公の恋愛話はボタン押しまくり、飛ばしまくりの方向で(笑)
×「かわしすぎ」
敵、味方とも伏せて攻撃をかわすことがあります。エース格なら納得もいきますが、名もなき一般兵士までかわしてくるのはちょっと…
側面からの遠距離狙撃までもジャストタイミングでしゃがむとは、音速より速い弾丸をどうやって察知した!? で、ロードしてやり直す…それがまた長い!(注:真後ろから撃てばかわされません。斜め後ろならかわされます)
×「迎撃が早すぎる」
移動パートには相手による迎撃というシステムがあります。この時、敵の動きはこちらに比べて的確なので、不公平感があります。
また、初期位置が敵の迎撃範囲に入っている時、スタートと同時にポテンシャルが発動するタイプのキャラは、セリフを言っている最中撃たれまくりに。「極めたみた〜いん」と喋っている間に瀕死になっているのは、もう笑うしかありません。
■満足度
××「ストーリー、設定」
◇はじまってすぐに思ったことが「隣接する二国いっぺんに宣戦布告する馬鹿な国はないよな…」でした。そんなことすればそれら二国が組むことは必至です。
◇表題ともなっている“アレ”の設定、存在が、ちゃちだと思いました。なぜそんなに強いのかといえば、それはそういう“血統”だから…そして、当然“両親は不明”ときましたか…
◇ここは難しいところではあると思うのですが、“ファンタジーの明るさ”と“戦争の重さ”の表現の両立に失敗していると感じました。
全般的に明るく軽い雰囲気なのですが、それを中和するためか、取って付けたような看病シーンが挿入されたりします。ここでの敵兵の死は、主人公達の優しさを強調したいがためだけの“道具”にすぎません。それを見抜けないほどユーザーは甘くないと思います。
また、自分達は殺しまくっているというのに、仲間一人死ぬことが一大イベントになるのは、よくあるアメリカの戦争娯楽映画のようで安っぽかったです。自分達の“業”は自分達で引き受けなきゃ。(といいつつ、ここで大泣きする私w)
「ゲームとしては1流」と中身に集中して乗り切りましたが、最後でまた…友人の行動、主人公の逃げる方向、子どもの名前まで…何かが違う。ゲーム全体にそこはかとなく流れる違和感、“それはない感”を最後まで踏襲してしまったような結末でした。
×「準メインキャラの存在」
実質的に、準メインキャラ3人を必ず出撃させることになります。彼らが出撃すると行動ポイントが増えるからです。出撃部隊に入れる人員には余裕があまりないため、他にたくさんいる魅力あるキャラを出すことができなくなってしまいます。
△「出撃ユニット数」
たくさんいるキャラの割に、出撃ユニット数が少ないです。準メインキャラの存在もあって、実際に選択できるのはほんの数ユニットとなり、少数精鋭の定番ユニットだけの出撃となってしまいました。
いくつかの分隊に分けてミッション遂行させた方が、それぞれの活躍の場が広がってよかったのではないでしょうか。
△「味方ユニットの死亡」
ストーリーに、出撃ユニットの中では主人公と準メインキャラの3人しか関わってきません。これは、おそらく特定のユニットが死んだ場合にストーリーが進まなくなるのを恐れてのことだと思います。
ここはいっそ兵士は死なないことにすれば、大量にいる魅力あるキャラをストーリーに関わらせることができたのではないかと思います。分隊に分けてそれぞれ話を進めることもできますし、そうすることで、要望の多いキャラごとのレベルアップにも対応できるかと思います。
△キャラの個性づけ
キャラごとに設定されている性格は、戦闘でマイナスに働くものもあります。色々あって味はでているのですが、このマイナスが致命的すぎて出撃させにくいキャラが結構でてくるのです。私はクセの強い性格のキャラが好きなのですが、ターン数を気にしなければならないこのゲームで、「弾詰まり」などが発現するキャラはやはり使いにくいなと思いました。
また、その対象キャラを活躍させると、“隠れ性格”が発現するのですが、それが大幅なマイナス要因だった時はかなり嫌な感じがしました。「活躍させる」→「マイナス要素が加わる」という流れは、ユーザーを不快にさせてしまっていると思います。
■熱中度
△「オーダーの存在」(攻撃アップなど魔法のようなもの。プレイヤーが全隊員に向かって発動できる)
種類も豊富で、実は面白い要素ではあります。しかし、効果がかなり劇的なので、いくつか組み合わせるとゴリ押しができてしまいます。
×「ターン数=戦闘評価=獲得資金」
ターン数がそのまま戦闘評価になるため、全出撃キャラを動かしている余裕はありません。製作者側もオーダー使用のゴリ押し前提で、S評価ターン数を設定していると思われます。多くのプレイヤーが、強い“あのキャラ”にオーダー重ねがけしてクリアしてしまったのではないでしょうか。
また、戦闘開始前の作戦地図は情報が乏しく、出撃してみるまで状況が分かりません(近くの敵の配置、地形の高低など)。もしターン数を気にしないでいいなら、そのままの状況を受け入れて進むのもまた一興です。しかし、ターン数を気にすると、スタート直後の動きが大変重要になりますので、状況確認後また長いロードをするはめになります。
私は、1周目はターン数だけでの戦闘評価はすべきではなかったと感じました(少なくとも獲得資金と結びつけてはいけなかったと思います)。プレイヤーは色々なキャラを活躍させたいでしょうし、何が起こるか分からない中を全員でジリジリ進んだ方がゲームとして楽しいと思うのですが。
×「2周目」
せっかくの戦闘ランクですが、(能力持ち越しの)2週目も敵の強さが1周目と変わらないため、特に前半はSランクが簡単に取れてしまいます。1周目でのSランクとは重みが違うのですよね。
また、2週目は好きなステージに出撃できるのではなく、最初から1つずつステージをこなしていかなければなりません。1周目で半分Sランクをとっていましたので、経験値もお金もいらない状況で作業感が強くなりました。そして、1周目の苦労がばかみたいに思えてきたのが辛かったです。
×「強すぎるキャラ」
一部、強すぎるキャラがいます。“〜の極み”は常に攻撃力90%UPとなるため、もはや選択の余地がなくなってしまいます。どのゲームでもそう感じるのですが、攻撃力UPは1.2〜1.4倍程度が限界でよいのではないでしょうか。
■その他
△「□□大好き」
偽善だ!菜食主義でこの体格はありえない。彼なら絶対「豚肉大好き」なはずです。そして“ヤツ”を食えば新たなポテンシャルを身につけるという素敵設定なはずです(独断)。そもそも、豚の存在意義がわからぬ。全然かわいくないし。
このゲームに漂う“偽善感”“胡散臭さ”を象徴するポテンシャルだと感じました。
△「戦場のヴァルキュリア」
この話からヴァルキュリアを抜いても大して変わらないと思います。彼女たち、その能力がなくても人間離れしていますし。
もしかすると、題名が先にあって、その後話の筋を作ったのかも。確かに魅力的な題名ですし、このゲームが売れた要因の一つだろうと思いますが、今一つストーリーとしっかり絡めることができなかった印象です。
△他に細々と
・攻撃力低下など状態変化攻撃は、意味がわからないし、効果が強すぎる。
・武器交換時に、発射弾数や、攻撃力のアップダウン量が表示されない。
・キャラ入れ替え時に、対象キャラの能力が一部しか表示されない。。
・対戦車兵の“短射程範囲攻撃武器”は、この兵種の足が遅いために全く役に立たない。この武器を選択したら移動距離が長くなるとか何かないと。
■ダウンロードコンテンツについて
『イーディー分隊大作戦』を600円で購入しました。魅力的ではあるけれどマイナススキルの影響が大きく、本編では出撃させにくかったキャラクターを中心にしたサブストーリーです。
期待していましたし、内容自体も悪くないのです。しかしです。難易度も中程度の1ステージで終わりとは、いったい何事!? もう一つのコンテンツ『難易度 HARD-EX』が300円で9ステージ追加予定でしたから、同じぐらい、あるいは最低でも6ステージぐらいはあるものだと。ところが、使いまわしの4〜6ターン程度のミニマップ1つとは、ひどい。
これで一気に冷めてしまい、たいへん後味悪くゲームを終了することとなりました。値段よりも、なにか詐欺にあったような感覚がして、それまで面白かったことがすべて吹き飛んでしまったのです。
よって、満足感を1点下げています。本編だけなら総合6点アップと見てください。
COMMENT
<感想>
シミュレーションゲームとしての根幹がしっかりしていて面白かったです。万人にお勧めできる一本と言えます。
難易度に関しては、簡単とはいえないゲームだと思いますが、難し過ぎるというわけでもなく良い感じだと思いました。敵の思考もほどよく手加減してくれていると思います。昔のゲームに比べてずいぶん賢く、高評価がうなずけます。
反面、システム面での使い勝手の悪さと、未成熟なストーリーも目立つ作品でした。
システム面では、武器やキャラの交代時に能力表示が不十分だったり、頻繁なロードがかなり嫌でした。待つには長いが、何かするには短い、このロード時間がうらめしい。
ストーリーについては、銃が出てくる戦争ものというのは、剣と魔法の中世RPG風ものに比べてより“リアル”であり、明るい雰囲気はそぐわないのだと思います。
そこを上手く消化できず、“戦争”と“恋愛”をからめたストーリーを強引に押し進めてしまった結果、「偽善」の胡散臭さがにじみ出てしまう作品となったように感じました。
しかし、マニアックな戦争ものより、明るい作品の方が入りやすいのも事実。製作者サイドとして必ずしも間違った選択ではなかったと思います。
ゲーム根幹が面白かったからこそ、凝り性層からの不満もでる訳で、それはこのゲームが成功した証なのかもしれませんね。