PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

●グラフィックスはさすが次世代機。映像でここまで息をのんだのは初めてです。ハリウッド製作のイベントシーンは、格の違いを感じます。カメラの手ぶれ感も見事（目が疲れるところもあり、少しやりすぎかも）で、本当に実写映画に引けを取らない出来です。
●システムは前作4のものをほぼそのまま受け継いでいて、安定した面白さがあります。システムは賛否両論ありますが、個人的には好きです。相棒シェバのAIは、アマチュアモードでプレイした限りでは非常に頼もしいと思いました。もっぱら回復はシェバに任しっきりで。4のアシュリー同行パートがプレイしづらくて好きではなかった自分にとって、シェバとの共闘は逆に頼もしくて楽しかったです。
●このゲーム、バイオシリーズとしてはプレイ時間長めの部類に入ると思うのですが、プレイした感覚としては、結構あっという間にラストまで到達してしまいます。謎解きで立ち止まるポイントや、来た道を再び戻る展開がほとんどないこともありますが、ゲーム展開のテンポが良く、ホラーの名に反してサクサクとゲームを進めることができます。
●エンディング後のスタッフロールで流れる主題歌が印象的で素敵でした。発売前のトレーラー等で多用されていたメロディには実は歌詞がついていて、壮大な主題歌としてラストに現れるという、にくさに感服しました。

BAD/REQUEST

●ストーリーが大味。決して短いストーリーではないが、結果としてかなりザックリとした展開。クリスの元相棒の件はシリーズファンとして楽しみにしていたのだが、かなりあっさり解決してしまい、○○さんのゲーム中での存在意義がいま一つ分からなかった。スペンサー邸での出来事もちょっとした回想シーンのみで、ゲーム開始時のクリスの心情をプレイヤーが理解しづらいのは致命的。だから、せっかく○○さんと再会しても、クリスとプレイヤーの心情には大きな温度差があるような・・・少なくとも自分はそうでした。クリスとウェスカーの因縁に一応の決着がついたのは良いですが、過去のバイオシリーズの世界観がかなり薄まった本作品でウェスカーの話が終わってしまうのは違和感あります。個人的に、コードベロニカのエンディングを見て期待していた続きの物語はこんなものではありませんでした。洋館があってほしかったな。
●4に存在していたアタッシュケースと武器商人のシステムがなくなったのは残念。所持アイテム数が限定されるのはバイオシリーズとしては原点回帰と言えるが、武器も多様、手榴弾の種類も多様、回復アイテムも多様になり、そもそもアイテムボックスがなくなってしまったので、やっぱり所持数の上限はもう少し多くしてもらいたかった。武器商人がいなくなったことで、武器売買のシステムも中途半端なものになってしまったと思う。バイオ5はかなりのリアル路線だと感じるので、非リアルな武器売買のシステムなどやめて、現地調達だけの方が良かったようにも思う。
●要所要所のボス戦は、どれも独特の戦略が必要で面白いとは思うのですが、そのどれもがその場に設置されている専用武器で倒せるようになっていて、やらされてる感が強い。ボス戦用にと使わずにとっておいたマグナムなど、結局使いませんでした。ラストバトルもイベント戦闘の趣向が強く、もっとガチンコ勝負のボス戦があってほしかったなあ。

COMMENT

1つのゲームとして見れば、かなりバランスの良い傑作だと思います。前作4を経験していると、確かに若干のボリューム不足を感じますが、良く言えば短くもなく長くもなく、すっきりとまとまっている分量です。本作品はバイオ4のシステムをほぼ継承していますが、全体的に綺麗かつ堅めのゲーム構成で、4で感じられた何でもありのぶっ飛んだ面白さは薄らいだように思います。でもそれも、新作バイオとして、より研ぎ澄まされた作品を目指した結果のようにも思います。
バイオハザードの最新作としては確かに色々言いたいことがありますけど、ずばぬけたクオリティの作品であることに間違いはないので、プレイできる環境がある方にはぜひプレイしてもらいたいです。
最後に注文としては、ぜひスペンサー邸での出来事をゲーム化してもらいたいですね。そうすれば、バイオ5のストーリーの評価も変わってくると思います。