PlayStation mk2 :: Fallout 3（フォールアウト３）レビュー

Fallout 3（フォールアウト３）レビュー

発売元	ベセスダ・ソフトワークス（オフィシャルサイト）
発売日	2009/01/15
価格	7,980（税込）
レーティング	【Ｚ】18才以上のみ対象(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon(廉価版) ／ニュース／ Fallout 3: Game of the Year Edition レビュー
タギングトップ3
タイトル概要	■ ジャンル：RPG ■ プレイ人数：1人【廉価版】 ■ 発売日：2009/11/26 ■ 価格：2,940円

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
3pt	4pt	4pt	4pt	5pt	4pt	2pt

総合点
84pt

GOOD!

グラフィック、サウンド、システムなどが高いレベルでうまくまとめられている．
フィールドの広大さではオブリビオンに劣るが、ダンジョンの作りこみは目を見張るものがあり、ボリュームは十分すぎるほどの大作だ．

特に、
○開放感と閉塞感の対比がおもしろい．
狭くて規律的な核シェルターで育った主人公の目の前に、突然広がる広大な世界．
ほとんどの地域はこれを序盤から自由に探索でき、行ったことのある場所に一瞬で移動（ファストトラベル）できる．
その開放感．

そしてそこに点在する無数のおどろおどろしいダンジョン．
内部ではファストトラベルは使用できず、回復薬や弾薬の残りを気にしながらじりじりとした緊張が味わえる．
また、そこかしこにあるメモやボイスレコーダーから読み取れる人類の過去の過ちは、雰囲気をいっそう高めてくれる．
その閉塞感．

○序盤〜中盤はサバイバル生活を実感できる
序盤の武器弾薬、拠点や能力のない状態から、身を起こしていく過程は非常に楽しかった．
トイレの水を飲み、Ｇの肉を食って生きながらえ、「くそっ、俺はのし上がってやるんだ！」と明日の成功を誓う日々．

どんなＲＰＧにも育成の楽しみはあろうが、本作ではその世界観も相まってまさに「生存する技術」を磨いている、という手応えがあった．

○制作者の「楽しんで作ってる感」がよい
狂気と脅威、無法と非道にあふれた世界にあって、制作者のブラックジョークが冴え渡っていた．
コミカルなキャラクターでダメージ状況を表わしたり、狂信者の礼拝の対象が核爆弾だったり、
リンカーン記念堂が占拠されている状況を初めて見たときにはにやにや笑いが止まらなかった．

また、ホワイトハウス（笑）や各種博物館なども専用のオブジェクトがしっかり作ってあって
一度は観光に行ってみることをお勧めします．

○満足感は5点
「荒廃した広大な世界があって、そこに人が住んでいて、主人公が生きている」というリアリティと、
能力の育成、戦術の広がり、レアアイテム探しなど、ゲームとしておもしろさがうまく融合している．
ひととおり遊んだ後でも、その広い世界を思い起こすとめまいがするぐらいのボリュームがある．

BAD/REQUEST

さまざまな要素がうまくまとめられているのだが、
逆に言うとどれをとっても本タイトルのキラー要素（それだけで心惹ける要素）とはなれていない．

○単調な色彩
グラフィックは個々には不満のない出来だが、冒険の舞台は荒廃した世界.
岩と砂の荒野、廃墟のコンクリートジャングル、など色彩の変化に乏しい.
さすがに、どこまでも同じような風景だと見飽きてしまう.
また、落ちている小さなアイテムが背景にとけこんで見えにくいのもバツ.

○音楽だけでいいですし
ＢＧＭはラジオをかけることで50年代的な（？）ジャズや、その合間に軽快なＤＪが聴ける．
しかし、はじめは面白かったＤＪも何十回と聞くと耳障りなものとなってしまう．
また、その音楽もむしろミスマッチ感を楽しむもので、純粋に緊張感や場の雰囲気を演出するものではない.

○クエストに大作感がない
サイドクエストは解決法は複数作ってあるが、そこからのつながりのない単発のものがほとんどである．
必然的に、初対面の人からの行きずりの依頼になり、登場人物のキャラクター性が十分に発揮されずクエストは淡々と進行することになる.
また、全体の広大さに比べるとクエスト数は少ない印象を受ける.
メインクエストも意外に短く、本作のボリュームを充分に楽しむには自主的なダンジョン探索がプレイ時間の多くをしめることとなる．

○育成の楽しみがなくなった後が…
ダンジョンもよく作られてはいるのだが、ゲームシステム的に
・レベルが20上限ですぐにあがりきってしまい、敵を倒して経験値を得る意味がなくなる．
・装備や能力の方向性は中盤には固まってしまうので、拾ってうれしいアイテムが限られてくる．
・敵の種類が限られており、新たな種類の強敵と遭遇する楽しみが少ない.
などの制約により、後半にはダンジョンを探索する意味がかなり減殺されてしまう．

○バグが発生する．
他の方が書いていらっしゃるので割愛．
私自身はこまめにセーブ（設定によってかなり頻繁にオートセーブされる）があるのでそれほど気にならなかったが、何度か固まった．
でも街の人が勝手に自殺するのはほんと勘弁.

COMMENT

オブリビオンに並ぶオープンフィールドＲＰＧの大作．
ＦＰＳ（一人称シューティング）風味だが、内容はちゃんとＲＰＧ．
時間を止められ、回復アイテム連打もできるので、アクションが苦手な人でも大丈夫だろう.
グロテスクな表現があり、多少ホラー的な要素もある．
難易度はゲーム中に自由に選べる他、装備が充実するだろう後半は簡単になる．
攻略本などに頼らず、自分で未知の場所を探索するワクワク感が好きだ、という人にオススメ．
特にダンジョンの内容の密度はオブリビオンよりも濃く、作りこまれた廃墟の探索を楽しめる．
しかし、「収集すると得」というアイテムが多いため、棚を漁りまくる根気が要求される.
（単に自分が貧乏性なだけかもしれないが）

ＰＣ版のように各種ＭＯＤ（自主製作されたシナリオなど）や公式追加コンテンツが扱えれば、間違いなくＰＳ３上でも一大傑作であったろうが、それがなくても十分におもしろい．
買って良かった．

14型テレビでプレイしたところ、当然ながらステータス画面上での文字は超難読でした..．

※プレイしなおして、一部の記述を修正しました.