PlayStation mk2 :: FolksSoul -失われた伝承- レビュー

FolksSoul -失われた伝承- レビュー

発売元	SCE（オフィシャルサイト）
発売日	2007/06/21
価格	5,980（税込）
レーティング	【Ａ】全年齢対象(CERO について)
ショップ/リンク	Amazon
タギングトップ3
タイトル概要	■ ジャンル：アクション・アドベンチャー ■ プレイ人数：1人【廉価版】 ■ 発売日：2009/12/03 ■ 価格：2,980円【廉価版】 ■ 発売日：2008/03/19 ■ 価格：3,800円「死後には生と地続きの異界が存在する」という神話伝承をモチーフにしたアクションアドベンチャーゲームが登場。現代ヨーロッパと、7つの異世界（死後の世界）を舞台に、母に会いたいと願う少女エレンと、雑誌記者キーツのふたりの主人公を使い分け、フォークスと呼ばれるモンスターたちと戦いを繰り広げることになる。新感覚なダークファンタジーの世界を堪能しよう！(転用元:GDEXより)

オリジナリティー	グラフィックス	サウンド	熱中度	満足感	快適さ	(難易度)
5pt	4pt	5pt	4pt	3pt	3pt	2pt

総合点
74pt

GOOD!

こういうアクションで、大ボス以外の全ての敵を使えるようになるというのが斬新に感じた。
苦労して倒した巨大な的敵も、一度倒せば強力な味方となるのが気持ち良い。
しかもボタンひとつでフォークスを呼び出せるので、
巨大なボスもポチッと呼びだして暴れさせられます。
敵が多いとこだとプチ無双が味わえます。

また、ID（魂）を吸収するときの動作が、まさに「釣り上げる」という感じで
どんな場面でも吸収動作の爽快感を感じられた。
特にボスのIDを吸収するときは爽快であると同時に達成感がある。

ボスは釣り上げるときのコントローラの動かし方も種類があって、
飽きさせない工夫を感じる。

これらの要素が今までになく面白かった。

個人的に音楽はとても場面にあっていて、（思わず口ずさむ）
異界の旅を盛り上げてくれた。
敵がいない時は環境音だけで、
敵が来ると音楽が流れ、ボスではボスの音楽が流れるという演出も
緊張の山と谷を分かりやすくしてくれて良かった。（5番目の無限回廊以外）
ついでに場に響く敵フォークスの鳴き声も実は好き。

グラフィックはなかなか良く、
行動時の画質はムービーに引けを取らないくらい。（勝るということはない）

しかし、やはりムービーパートは迫力があってよかった。
特に裁判所のシーンはキーツの格好いい姿にシビレる。

敵となるフォークス達の設定がしっかりしていて、
彼等の行動や挙動が見ていて面白い。
フォークス達の間の関係性が弱点などと関連していて、
ちょっとした社会のようなものが垣間見えて楽しい。
この弱点などを絵本（絵）で教えるという演出も面白い。

このことも合わせて、かつ映像や音が良いので異界を眺める環境ソフトとしても楽しめる。
（というのも言いすぎ）

沢山のフォークスを集めるのも楽しいのだが、
そのカルマを開放するのが一番楽しかった。

フォークスは条件を満たすと能力が上昇するのだが、
（これをカルマ解放という）
この条件を満たした時の達成感が良かった。
ゲーム中はほとんどカルマ解放に熱中していたくらい。

数ある霊衣の中で、何故か入手が大変な黄昏の霊衣がとてもセクシーだった。

BAD/REQUEST

新しさを感じさせる良作なだけに、
改善すべき点が多いのが残念。

この作品で大きなテーマであるはずのストーリーが不出来。
半端な上に演出がいまいち盛り上がりに欠ける印象。
プレイヤーがカルマ解放にハマった日にはテンポも悪く感じられてしまい、
ストーリーに感情移入できなくなる。

序盤は深まる謎に引き込まれるが、
中盤からは大して謎が解決せず、半端に謎が深まるし、
謎が解けても大した真相じゃなかったりでガッカリすること多し。

もっと上手い見せ方があったと思った。

行動時のグラフィックはとても綺麗だが、
カメラが引いていてあまり綺麗さが生かせていない。
（あれより近づくと見辛くて難しい所だが）
一応、視点を地面につければややアップになるので、
迫力が足りないと感じたら試して貰いたい。

キーツの変身シーン。
迫力満点！のはずが、
処理落ちで物凄く残念なことになっている。
本来の返信シーンが見たかった。

ムービーパートがほとんど、異界の出現とボスの出現で、
ストーリーを盛り上げるのにあまり貢献していない。
コミックパートが少し迫力不足なので、
そこを全部ムービーにするくらいのことをした方が良かった。
この臨場感不足もストーリーを盛り下げてると思う。

戦闘のバランスは個性的なフォークスが沢山いるのに、
そのすべてを生かすことができなかった。
ほとんど使わないフォークスもいた。
倒しやすさを考えると使うフォークスが決まってしまうので、
もっと色々なフォークスが使えるように工夫して欲しかった。
最終的に人好き好きの戦い方を編み出せるようにすると良いと思う。
（カービィのバランスのようなイメージか）

また、フォークスのカルマを開放しても、
能力が強化されたと実感しづらい微々たる変化であることが多かったので、
もっと大幅に強化されても良かったと思う。

エレンとキーツ、二人の主人公分物語を進めていくが、
同じステージで敵が数割入れ替わった程度の違いしかなく、
もっとそれぞれの道に違いを持たせるか、
どうせならいつでも交代できるようにして、一本道にして欲しかった。
ストーリーもわざわざ主人公を二人にする程のものでもなかった。
（というより二人分プレイする程ではなかった）

マップの読み込みは気にならなかったのですが（そんなに長くないし）
メニューでの一瞬のラグ（というのか）が気になります。

操作の快適性を著しく落としています。
（メニューが基本的に情報の確認だけのゲームなのが救い）
移動がダルいというのは自分は我慢できますが、
メニューくらいは快適にして欲しいです。

COMMENT

幻想的なこのゲームには似合わない言葉ですが、「荒削り」という印象を受けます。
細かい所を丁寧に作っていけば、間違いなく名作になれるでしょう。
シリーズ化して不満点を除いて発売したらかなり高評価になるのではないでしょうか。

なんだかんだで良いゲームですし、
値段も安いので、買って損することも、ないと思います。

とはいえ合わないと、クリアまでプレイしないでしょうから、
個人的には「体験版ほど面白くなかった」くらいが一番分かりやすい評価だと思います。