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GOOD!

【オリジナリティ】…４点
今回の目玉は戦闘の状況によって戦略を変える「オプティマシステム」でしょう。
上手く切り替えて戦いを進めれば有利な状況を作り出しますが、ひとたびオプティマを変える事を怠るか、変更するオプティマを見誤れば窮地に立たされると言うシステム。
「強い武器を用意してキャラクタを成長させれば勝てる」というRPGの醍醐味に加え、自分の頭で考えて戦うという楽しさを与えてくれます。
前作のガンビットのように賛否両論の物もありますが、こう言った大作ゲームにおいて革新的なシステムを練り込んでいるのは評価すべきかと思います。
ただしそれ以外は安定したオーソドックスなRPGの形なので４点をつけました。

【グラフィックス】…５点
グラフィックに関しては文句無しの５点です。
勿論映像や質感、光の反射やキャラクターの皮膚までとても緻密に描かれていると感じました。
何より私にとって大きかったのはプリレンダ、いわゆるムービー部分とリアルタイムレンダ、従来のポリゴン部分と呼ばれる部分の差に違和感を感じなかったことです。
今までの作品においても美麗なムービーは多くありましたが、ポリゴン部にはカクつきがあり
ムービーとポリゴンの差がどうしても目立って見受けられました。
しかし今回は流石に次世代機と言うこともあり、その差がかなり縮められていたように思います。それにより｢FF13｣と言う世界をよりリアルに感じることが出来ました。

【サウンド】…５点
FF10の「ザナルカンドにて」のように「FF13と言えばこの曲だ！」と言うのは私個人としては無かったのですが、
どの曲もその場の雰囲気を壊さず丁寧に作られていると思いました。
特に通常の戦闘テーマやボス相手のテーマは荘厳でありながらも気分を高揚させてくれる曲でした。オルバ郷と言う終盤のステージで流れる曲も周りの風景に非常にマッチしていました。
全体的に落ち着いた曲調で構成されていますが、中にはサンレス水郷などのハウスミュージックのようなものもあり楽しめましたね。
主題歌である「君がいるから」も思ったより違和感が無く、作品に合っていたように思います。

【熱中度・満足感・快適さ】…４点
私個人としては大変没頭できましたし「買ってよかった！」と満足しているのですが、
この３つにおいてはやはり気になるところがありますので後述の「悪い所」にて記載いたします。

【難易度】…４点
難しいです。上記の【オリジナリティ】にも述べたようにしっかりと考えて戦わないと簡単に全滅します。
ただし死んでしまってもその直前からやり直せることと、相手にあったオプティマの構成を考えれば呆気なく勝てたりもするので決して理不尽な難易度では無いかと思います。
「数回負けてオプティマを練り直し、相手に打ち勝つ」と言うのがこのゲーム最大の魅力だと思っていますので、バランスとしてはこれぐらいがちょうど良かったです。
キャラクターそれぞれの戦闘時の役割が明確なところも良いですね。
ただこちらもいくつか気になった点があるのでそちらについても後述します。

BAD/REQUEST

いくつか不満、改善点が見受けられました。

まずはストーリー。大筋自体は悪くありません。先も気になりますし、世界観はしっかりと構築されています。
また専門用語が多く飛び交いますがゲーム内のヘルプで詳しく解説されていますのでそれを参照すれば問題なく理解できる範囲だったと思います。

ただキャラクターの描写が余りに薄い。言い換えれば魅力が感じられない。
「与えられた運命に立ち向かい、仲間達と切り開いていく」と言うのが本作のテーマなんでしょうが、仲間同士の全体的な結束が非常に薄く感じられました。
具体的に言うと「ライトニング・ホープ・スノウ」「ヴァニラ・サッズ」「ヴァニラ・ファング」
この三組にはある程度の関係性や結束を感じたのですが、それ以外の組み合わせに関しては
「ただ同じ使命を与えられたから一緒にいる」だけのように思えました。中にはお互い名前を呼び合っていないようなキャラもいます。

また「ある運命なり使命なりに立ち向かっていく中で、それぞれが成長していく」というのも今までのFFで描かれていた大事な要素だったと思いますが、今回それを如実に感じる事ができたのはホープだけでした。
他は最終的にどう変化したのか今一つ分からなかった。PTの年齢自体が比較的高めと言う事も関係あるかもしれませんが、もっと各キャラクターの心情を深く掘り下げて欲しかった。
オートクリップ内のあらすじにはそのキャラの考えていることや目的がしっかりと描かれているのだから、それを映像にするか本編で言及してよ！と強く思いました。
設定は悪くないのにキャラの魅力を殺してしまっている気がしました。

そしてよく取り沙汰されている一本道について。
この一本道と言う言葉、「中盤までMAPが一本道」「内容自体が一本道」と二つの意味があります。
私自身は前者、すなわちMAPが一本道であることにそれほど不満はありません。
フィールド自体が鮮明に描かれていて見ているだけでも楽しいという事と、
「逆にこれだけリアルな世界に意味も無い行き止まりとかあったらおかしくね？」と思いますので。
また雑魚敵が強く、ウロウロ迷わされた上にそんな敵と何度も戦うのはストレスにも繋がりかねない為、今回のMAPに関してはさしたる不満はありませんでした。

次に「内容自体が一本道」についてですが、こちらは少し気になりましたね。
主人公達が忌み嫌われ追われる立場ですので、そんな立場の中自由に移動してサブイベントを起こして〜と言うのは確かに変かな？と思うのですが、
やはり20時間以上もひたすらストーリーを進めるだけなのは寂しかったです。
一度転機を迎えれば広大なフィールドを自由に動き回り、用意されたミッションをこなすことが出来るので気にならなくなるのですが…
私自身は満足できましたが飽きてしまう方がいるのは仕方ないかと思います。
願わくばメインダンジョン以外のコクーン内部も色々と散策してみたかったです。
ただある意味ではテンポ良く進むので、探索自体にストレスを感じたことは無かったです。

そして快適さと難易度について。
ロードは最初に少し長めのものがあるだけであとは非常に快適です。
インターフェイスも基本的には良好なんですが、オプティマの保存が出来ないのは面倒でした。
中盤まで頻繁に戦闘メンバーが入れ替わること、後半の強敵にもメンバーを入れ替え対策を講じる必要が多々あるのですが
そのたびにオプティマの再編成をしなければなりません。オプティマの保存は用意しておいて欲しかった。
また戦闘中、初回のオプティマチェンジ時にも一々演出が入るのが鬱陶しいです。
「敵も戸惑うぜ！」とか一々ポーズを決めて言ってる最中に敵に殴られて仲間が昇天という事が何度かありました。
間抜けですし演出自体気に障るので飛ばして欲しかった。
あとはカメラワークが微妙に悪く、思うように視点を操作できないところも気になりました。
画面上に出てくるMAPも自分が向いている方向に対応して同じように回転してしまうので見辛かったです。地図の方向を固定するかどうかオプションで選択させて欲しかった。

そして武器の改造や素材アイテムの購入に必要となるお金が異常に手に入りづらい。
武器を改造しなければほとんど使い道がありませんが、一度手を出すと一気に金欠です。
基本的に敵が落とすアイテムを売却することでしかお金を入手する方法が無い上、確実に落とすわけでもない。
仮に手に入っても改造に必要な額に比べると雀の涙ほどです。
これにより折角の武器改造に手を出しづらいというジレンマがあります。
敵もお金を落とす、素材アイテムを安価にするなど何かしらの対策が欲しかったところ。
クリアするまでは武器を改造せずとも進めるのでマシではありますが…

以上、細かい点ではありますがプレイして気になったところがありました。
そのどれもあと一歩の所で実装されてしまっていて、非常に惜しいなと感じましたね。
ですが致命的な内容ではなく基本的には良好にプレイできましたので満足度・熱中度・快適さよりそれぞれ１点減点に落ち着きました。

COMMENT

液晶モニタ24型　HDMI接続　5.1chにてプレイ。
前作より約3年半ぶりのFF新作、ナンバリングタイトルとしては初の次世代機となりました今作。
文に認めると不満点のほうが多くなってしまいましたが、
私自身は映像に驚き、戦闘に頭を使い、音楽に聞き入りと大変満足できました。
しかし細かい不満点がいくつかあったのは事実ですし、もっとこうすべきだと言う改善点が見受けられたのも確かです。
私が許容できた一本道や、気に入った戦闘についても賛否両論あるのは十分理解できますし、
そう言った点では評価が分かれる作品だったのでしょう。

ですが、恐らくライトユーザーも多くプレイするであろう今作において、
「ゲームでこんなことが出来るようになったんだよ、表現できるようになったよ」
と言う可能性を示せたのは、次世代機の躍進へ続く一歩かなと思います。

これを期に日本国内のゲーム市場が活性化し、多くの人がいろんなゲームに触れて楽しむことに繋がって欲しいですね。

私にとってFF13はそういった期待を持たせてくれる作品であり、純粋に次の作品(14はMMOなので飛ばしますが)を楽しみにさせてくれる作品となりました。

最後に、長い文章にも関わらず見て下さった方には感謝申し上げます。