PlayStation mk2 :: PS4/PS3/PS2評価レビューサイト

GOOD!

*連舞・スキルツリーなど、システムの単純化で初めてこのシリーズを遊ぶ人や
アクションの苦手な人に向けたデザインになっている。
マンネリを打破しようという心意気は感じた。

*下ヒの戦い（曹操軍）のBGM、ピアノを使っていてよかった。
8年前に史実をモチーフにしたゲームでロック調のBGMを使ってきたときの衝撃は
今でも忘れないが、しかしながらそれも「今は昔の話」。
次回があるなら、ロックを基調にトランスやテクノ、ダンスミュージックなどの要素も
取り入れてみて欲しい。

*他に思い当たらない。

BAD/REQUEST

多すぎて何からあげればいいかわからないが…
個人的に重大度が高い順に。

*敵兵のアルゴリズムの醜悪さ
無双シリーズに求められているのは一にも二にも「爽快感」だと思う。
その爽快感の筆頭になる「ワンボタン押して何人もなぎ倒す爽快感」が…
雑兵・武将ともに異常に高いガード率、
倒しても何の特典もないのに軍団長と同じぐらいうざい副将の存在、
副将、軍団長のジャンプチャージ・緊急回避連発、
正面から戦おうとしない武将達…
おまけに、武将はどこまでも追ってくる（しかもこちらの後ろに回り込もうとする）のに
雑兵はあさっての方向を向いて走り回りこちらに寄ってこないので攻撃のしようがなく、
たまに雑兵がこちらに気づいて止まったかと思えば
微妙に後ずさりしていてこちらの攻撃の目測がずれ空振り連発…
と、枚挙に暇がないほどたくさんのくだらない要素によって完全に潰されている。
無双3無印のときに感じた理不尽さ（＝プログラマーの性格の悪さ）と全く同じものを感じた。
はっきりいって処理落ちはシリーズ通してあったわけだ。
にも関わらず、2のときにはあった爽快感が3や5に存在しないのは
完全にこれらの意味不明なゲームデザインの積算によるものだ。
処理落ちを言い訳にできる内容ではない。
体感では1/3/5と2/4で、違う制作陣が作っているように思われるが
3で大不評だった教訓を全く活かそうとしていない制作姿勢に愕然とした。
次回作があるなら上記部分の改善は絶対条件と思われる。
6000円出して遊ぶ側としては、
今回の敵兵の動きをデザインし、組み上げたスタッフに関しては
今後一切、無双シリーズに携わらせないことも考えていただきたい。
それくらいひどい内容。

*理不尽な戦況展開
夷陵の火計、ハン城の水計等、（敵側の）大策が発生するタイミングが早過ぎる。
逆に、官渡などでは、自軍側が大計を成しても全く戦況が覆らない。
これは、上記の理不尽な敵兵アルゴリズムと同じで、
ユーザーが求めている「爽快感」とは逆行する要素であり、
このシステムを組んだデザイナー、プログラマーの意図がわからない。
計が発動するまでもう5分〜7分ぐらいは時間が掛かるデザインにするべきだった。
一言で言えば、「作った奴センスねえ。」

*一部武将の過剰な不遇、優遇
これは個人的な感想になるかもしれないが
初期状態のキャラでも明らかな性能差を感じるケースがあった。
またまた私の体感だが、蜀陣営は性能が若干高く設定されているように思われる。
諸葛亮と司馬イの性能差は覇を競った（そして実際には司馬イが勝った）とは思えないほど
歴然としており、LV30の司馬イより初期レベルの諸葛亮の方が扱いやすい。
諸葛亮に風技を使わせるなら、次回作ではビームは司馬イの専売特許にするべきだろう。
次回作があればの話だが風技もビームも諸葛亮独占では
あまりにも贔屓が露骨過ぎてそれだけで不愉快だ。

*モーションコンパーチブル
コンパチを始めとする量的問題に関しては8年前の無双1のこと（今以上のコンパチぶり）と
PS3でゼロから起こした実質新タイトルだということを加味すると
そこまで非難する気にはならない。
但し、次回作で全ての武将を固有モーションにすることは
ユーザーにとって必須の期待値だと思われる。

*腐女子要素・ムービーゲーム化
ヤオイ的要素やムービーの充実は良かった点として数える人もいるかもしれないし
自分としても露骨過ぎなければ別にどうでもいい部分なのだが
上に書き連ねたとおり、これだけゲーム内容で不備があると
「そんなところに力を入れる暇があったらゲームの内容を吟味しろ」といいたくなる。

ゲームは映画ではない。
ユーザーがコントローラーを握って操作したときにどれだけ楽しめるかが肝であり
ムービーの豊富さや派手さ、華麗さ等はメッキでしかない。
メッキはメッキを張る支持体がしっかり作られていてこその
メッキであることを、忘れないで戴きたい。

COMMENT

腐女子を始めとしたアクションが苦手な人向けにムービーやシステムを組み
その上で戦場の緊張感を出したかったのかもしれない。
心意気はわかった。
が、残念ながら全ての要素がちぐはぐで支離滅裂としており
シリーズ史に残るクソゲーとなっている。
昨今稀に見る、完全なクソゲーである。
スペランカーもびっくりである。

個人的な嗜好で細かい要望を言えば
許チョの豪快のびやかホームラン復活（敵がジャイロ回転しながら高く遠くに飛んでいくこと）と
司馬イのビーム軍師化（全方位に出るビームか鉄糸にビームを帯びて視覚・音とも派手にすること）、
次点で夏侯惇のモッサリ改善、できれば武器変更を望む。

また、削除武将の復活は当然としてその上で
（魏）楽進、ウ禁、曹彰、郭嘉
（呉）程普、魯粛、韓当、徐盛、朱然
（蜀）張ホウ、関索、寥化、馬岱

このあたりから少なくとも各国1人は新武将を入れるべきだろう。
その際、各人物を無双的に作りこんで
一番面白くなりそうな人物をキャラにすればいいのであって
始めから、「こいつは軍師だからだめ」などの
意味のわからない理由で候補から外すような
怠慢で馬鹿げた選考をしないようお願いしたい。

3も駄作。
5はもはや黒歴史となった。
こうも奇数番の地雷が続くと奇数番の無双シリーズは買わないが吉か。